21.7月下旬の活動記録
  22日は先日記者クラブに行った結果として近所の圃場に取材が入ると聞き、炎天下の中自転車で駆けつけ、パッションフルーツの試食にもありついてしまう。取り立てでみずみずしいためか、先週奄美で食べたものより美味く感じる。安定生産に向け色々とノウハウを蓄積している途中のようだが、是非とも成功して貰いたいと願う。
 自宅に帰り仕事をしていたがあまりの暑さに図書館へ調べ物に行き、そのまま夕方まで読書をしてしまった。
 
 23日は朝から事務処理の傍ら、HPの更新を行う。大暑という言葉が当てはまるようにともかく暑い。市内で所用を済ませた後、四市の有志議員から構成される『賢友会』の勉強会が行われるホテル千成に行くため家族に巌根駅まで送ってもらい君津駅まで内房線に乗る。下車した君津駅前は高校に通っていた頃と大きく変わった感覚を覚えた。
 賢友会総会の後、日本医療文化研究会主宰の茨先生による『平成22年度医療費改定による病院経営健全化』と題し、今後の君津中央病院について学習する。医療費改定で年間7億円以上の報酬が増える病院に対し、現在の医師数約120人を増やす事でブランドを確立すべきだと言われた。
 先生が例に出された佐久総合病院(信州に名医有り、という新書で有名な病院)では500人の医師を抱えていると聞くと、君津中央病院もより巨大化を目指すべきとも思うが、不得意分野ゆえ悩む話である。
 
 24日は朝から江川熊野神社の祭礼準備、日中は事務処理の後、夕方は桜井諏訪神社の獅子舞が無形重要文化財に指定されたことに伴う招待を受け、祭礼の最初の部分だけを見に行き、自宅に帰り江川日枝神社の宵祭に出席する。神社を梯子しているような一日を終えて夜8時過ぎに帰宅した。
 
 25日は自らも氏子である江川熊野神社の祭礼を朝から行う。当初は曇りで快適かと思ったが日頃の行いがよい者が多いせいか、途中から晴れはじめ、子供達が熱中症に成らないか心配になる。江川の街中では昨日宵祭に参加していた日枝神社の子供御輿とすれ違ったり、今日は周辺の多くで祭である。
 正午前に神社に帰り、無事を祝いながら車座で飲み、仮社やテント等の撤去を大勢で行い、午後2時頃に帰宅する。あまりに暑いのでゴムプ−ルに水を張り、犬猫どもを洗ってあげた。朝から夕方までビールを飲み続けた一日であった。
 
 26日は朝からHPの更新を行い、昼前に市役所に行き翌日からの行政視察のチケットや現金を事務局より受け取り、午後から市役所内で各種の打合せをして帰宅し、休みの間の事務処理や,明日からの視察の準備を行った。
 
 27日は朝8時に木更津駅で集合し、会派による行政視察に行く。今月に入って特別委員会の視察が2回入ったので今回は3回目である。9:50のJALで青森空港に飛び、コンパクトシティの象徴である駅前再開発ビル「アウガ」の地下に移設された市場で食事を取った後、目的地の青森市役所に入る。
1.青森県青森市
 市制施行 平成17年4月1日(浪岡町と新設合併)
 人口 304,321人(平成22年4月1日現在)
 面積 824.52km2
 平成22年度一般会計予算額 1,133億19百万円
 財政力指数 0.58 (平成20年度)
 視察項目 コンパクトシティの取組について
 コンパクトシティの先駆的取組を行っている都市としては、建設常任委員会で昨年の10月に視察した富山市も有るが、富山は拠点の整備を新交通で繋ぐという『串だんご型』を特徴とするのに対し、青森市は旧市街に集約することで街中居住を増やすという特徴がある。両市とも郊外への拡大は冬の除雪費用の増加になるというきっかけは有るが、社会資本を低コストで維持する点や市街の賑わいを維持する点で考えても、最近の都市計画ではコンパクトシティを目指すことは時流になっており、木更津市でも文章の上だけでは記載がされている。
 青森市でも昭和63年の青函連絡船廃止の頃に県立病院や県立図書館等が郊外に移転し空洞化が進行していたようだ。その対策として我々が昼食を取った複合型商業ビル「アウガ(左写真)」を始め、医療施設と連携した高齢者対応マンション等を駅前周辺に整備すると供に、郊外部に対しては開発の限界線という概念を設け、開発抑制という規制を設けて拡大を防止している事が特徴的である。
 例えば現在の不動産ストックが5万人分以上有り、しかも売れていない事を根拠に郊外の宅地開発も許可しない上、都市計画区域に隣接する規制緩和部分でも農家住宅以外は原則として建築を認めないようだ。その一方で旧市街の道路では融雪設備を設ける事で郊外部との差別化を進めているなど、選択と集中は思い切っていると感じさせられる。
 さらには本年12月に開通する東北新幹線の新青森駅周辺は旧市街から4km離れているため、新駅周辺では店舗面積3千u以上の商業施設を規制し、高さも20mに納めるという規制を掛けている。従来の発想では副都心として整備するために開発を奨励するし、現に木更津市でも金田の取組は開発型である。思想の違いに驚かされるばかりである。
 質疑の中で近隣都市の大型商業施設との競合を聞いたが、五所川原に大型店舗があるが商圏として吸収されていないという回答であった。また、中心市街地に居住する人口が半数を若干下回っている中で郊外部との間で政治的な対立が生じていないか問い合わせたが、市長選挙が終わって市長が替わっても根本の政策に変更はないという事である。
 郊外の農家は農業としての所得が少なく、仮に開発者に賃貸した場合は一桁多い収入が得られるのに規制されることは青森市役所も課題として認識している。木更津の場合は青森市より中心市街居住者が少なく都市も郊外に拡散している中で同様の手法を取ることは民意の上からも困難であると思うが、都市形成の思想として根本に抑えて置かねばならない視点だと再確認した。
 
 市役所の視察を終えホテルに帰ったが、夕食前の時間を使い数名で港まで歩き観光物産館の「アスパム」を見に行く。建物の周辺では「ねぶた」の施工状況を観光客に見せるようにしている。祭りの前に来た人達も楽しませようとする良いアイディアだと思わされた。
 さらに若手議員を誘って「アウガ」に戻り、商業エリアの上に入居している『情報プラザ』『男女共同参画プラザ』『市立図書館』等の公共施設を見に行く。前述のように県立図書館が郊外に移転してしまったため市民要望として図書館機能が要求されて施工したものと視察で聞いたが、6階から8階に渡り延べ床面積7,373.5uで設置されている市立図書館は本市(1,855u)の約4倍の規模であるだけでなく、吹き抜け等のデザインも新しく、コストを掛けすぎという気もするが、現に集客力が強い点を目撃し、感心させられる。
 ちなみに「アウガ」は「海ほたる」と同様に年間6百万人が訪れる施設だそうだ。開業は2001年、総事業費は185億26百万円である。なお、この日は青森駅前のホテルに泊まる。夜には少し雨が降った。
 
 28日は8:58の特急で青森を後にし、新幹線に乗り継いで仙台駅で降りる。駅前で食事した後、タクシーに分乗して仙台港地区にある三井アウトレットパークまで行く。
2.宮城県仙台市(自治体の視察では無いから数値は省略)
 視察項目 三井アウトレットパーク仙台港について
 三井不動産が埼玉の入間に次ぐ全国8番目の施設として2008年9月に開業した施設が仙台港である。なお、その後北海道北広島・滋賀県竜王等が開業している。仙台港は金田と同様に水田を埋め立てて造成された大区画の一部を利用した出店であり、周辺にはカインズ・東京インテリア家具のように金田にも進出する企業を始めニトリ・ケーズ電機等も進出し郊外型の街並みを形成している一方居住者は居ない。
 タクシーを降りて真っ先に目に付くのが高さ50mの観覧車であった。そこで迎えを受けて、バックヤードにある会議室に移動し、当該施設を管理する「ららぽーとマネージメント」の所長さんや三井不動産の金田も担当する部署の方々から仙台港の概要や金田事業の考え方を聞く。
 当該施設は仙台市内の泉区に三菱のアウトレットが同時期に進出する中で東北最初のアウトレットとして開業が始まったが来客者の45%は県外客で、観光バスも年間2,200台ほど訪れる施設になったようだ。今月10日に訪問した入間と施設規模以外で異なる点は、フードコートでは盛岡冷麺・比内地鶏・稲庭うどん等東北の名物を食べられるように特色を出し、また東北土産や駅弁が買えるマーケットストリートを設けることで観光客への対応を行っている所である。さらには前述の観覧車を設けることで目を施設の内側だけに向けさせるのでは無い点も好感が持てる。
 仙台港では下水道の管経拡大や道路の左折レーンの延長などの公共施設側の対応が行われたが、そこでは築地のイオンのように事業者が負担したのではなく公共側で対応したと聞く。金田ではどうなるか未定だが三井の主張としては借地として出店するので大家(金田ではUR)か自治体が対応するべきというニアンスである。大手はしたたかでありそうだ。
 話は段々と金田の事に移り、金田にも観覧車を要望する意見が出されたが、住民に覗かれるという反感や風切音による騒音問題等も有り慎重な姿勢であるようだ。たしか群馬県伊勢崎市では政治問題になっていたなと思い出したが、アクアラインの視点場にもなり夕焼けや富士山を眺められる高層建築物を木更津基地に関連した航空法の制限が無く建てられる計画地では何らかの展望施設が欲しいことは私も同感である。
 交通問題など金田に関する多くの意見が出された後、仙台港の特徴的な施設であるフードコートやマーケットストリートを見に移動する。楽天イーグルスのグッズが売られていたり、現地化は進んでいた。磐田のららぽーとのように観光案所は設けないのかと聞くと行政の判断という事である。ちなみに金田担当者が前に磐田を手がけたようだ。
 
 一通りの視察を終え、仙台駅前のホテルに戻るに当たり、若手議員は炎天下の中で徒歩8分のJR仙石線中野栄駅まで歩きながら周辺の状況を見て回る。駅前にも最寄り駅という賑わいは感じられず看板も少ない。来訪者の92%が乗用車という状況なので、木更津や巌根の駅周辺で経済波及効果が生じるか疑問を覚える。
 仙台までの料金は190円と安かったが駅が多く時間が掛かる。ふと気がつくと仙石線は都心部で地下鉄になっている。仙台もしばらく来ない内に変わったなと思う。元々1977年という早い時期にペデストリアンデッキを整備するなど、仙台市の都市計画は卓越していると思っている。なお、この日も仙台駅前のホテルに泊まる。個人的には市内を満喫したかったが夜まで集団行動であった。
 
 29日は9:26の東北新幹線で大宮まで移動する。大宮は雨で気温が低く猛暑の餌食にならないことは助かる。手配しておいたバスに乗り込み最後の視察地である富士見市に移動する。
3.埼玉県富士見市
 市制施行 昭和47年4月10日
 人口 107,001人(平成22年4月1日現在)
 面積 19.70km2
 平成22年度一般会計予算額 276億34百万円
 財政力指数 0.791 (平成20年度)
 視察項目 富士見市事業仕分けについて
 民主党政権になって注目を集めた事業仕分けだが、富士見市ではそれに先立ち昨年の7月18日(土)・19日(日)の2日に渡り45事業の仕分けを実施した。特長としては@構想日本が主導し、A判定は無作為抽出で選ばれた市民が行い、B対象事業の最終選定を第三者委員会が行った事にある。ここで言う第三者委員会とは市長が人選した6名と公募1名からなる『民と官の連携による公共サービス改革検討委員会』である。この中には消費者庁の長官となる前我孫子市長の福嶋氏や構想日本の伊藤氏も入っている。ちなみに、この委員会が市民参加の重要性を唱え判定人を市民が行うことになったという事である。
 事業仕分けは市長のマニファストに基づいて実施され、目的としては行政の透明性や職員の意識改革より行財政改革の推進が中心である。対象事業としては事業実施について市に裁量の余地があり、方向性が定まってしないものを選ぶことが重要なようだ。富士見では方向を定めた事業に逆の判定が出るなど、若干の混乱が生じたようだ。
 結果と効果をまとめると、市民判定人が11事業を廃止と指摘したのに対し、市役所内部で検討の結果、4事業を廃止し4事業の見直しを行い約26百万円の効果が生じたという事である。ちなみに行政コストは約11百万円なので、単純な差引では15百万円の削減である。本年度は事業仕分けを行う計画はないが、来年度には再度実施の見込みであり、その場合には構想日本の世話にならず、事業仕分けを経験した近隣市の職員によって仕分けを進める事になる見込みと聞く。市民判定人制度は続ける事になると思うがその場合は土日の実施となり、やはり2会場に分けないと処理しきれないと考えているようだ。ちなみに東京都小平市では12日間も掛けて仕分けを行っているという。
 富士見では議員に仕分けをさせろという意見は特に出ていないようだ。個人的な見解では議会の決算審査特別委員会を費目別に進めるのではなく事業課・事業別に進め、そこで効果と今後の対応を丁寧に審議することで議会内で仕分けが出来ると思うし、そのような対応が今後は求められていると思う所である。そのような議会改革の先進地に本市が成ればと思うところである。
 富士見市での視察の最後に富士見市議会の議場で記念写真を撮って日程を終え、バスで首都高を抜けて木更津に向かったが豪雨の影響か道路が混雑し、中野畑沢線の自宅近くで降ろして貰ったのは午後5時近かった。家に帰ると一昨日に青森から送った土産が前日のうちに着いていた。
 
 30日は3日間で積もった仕事を片づけて回るのに終日を費やし、夜にはHPの更新をしようと考えていたが視察の疲れもあり眠ってしまった。
 
 31日は朝からHPの更新を行う。8月は予定が空いていると思っていたが色々な行事が入ってくるものである。午後から市内に所用で出かける中、金田やかずさの建設現場も見て木更津の躍動を感じる。

金田の下水道工事

東京機械製作所新設

第三中学校耐震工事
 夕方には地元の会合に出席し、色々な意見を交換してくる。政治に対する期待の大きさと責任感を感じる良い機会であった。
 
 
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2010年8月上旬の記録