午後1時半から審査が開始され、初日は総体・歳入・総務費について議論が交わされる。本市の財政力指数は全国約800市中約200位程度で財政指数も危機を示さず決算の結果財政調整基金は30億円を超えるところまで復活した。特別土地保有税や経済対策臨時交付金、西口ビル売却収入という臨時収入が多く、インフルエンザ対策費のうち7億円が不要額に成ったことで支出が減った事など特殊用件の多い決算である。以下、決算審査で出された意見の中で、自分の発言も含め、気になったことをランダムに箇条書きで記す。
○市税の収納率は相変わらず県内下位で不納欠損処分額も多い。これはやる気のある専門家の人材育成や能力に応じた職員登用をどうするかという問題でもある。
○自動販売機の使用料を千葉市で入札にしたところ36倍に上がった事例もあるので今年の切り替えに合わせ導入すると言うことだが、政策的に必要な場所ではAED付きの販売機を減免して設置させる措置を考えても良いだろう。市役所の駐車料金の安さや自治会による又貸し対策なども考え対応するため使用料条例は様々な点で見直すべきだろう。
○市役所本庁舎の耐震診断については平成28年度まで必要な学校耐震が終わるまで着手できないと言う事であるが、場合によっては軽微な補強で大きな効果を生む可能性もあるから診断だけでも済ませるべきだと思う。正面玄関への車寄せについては、高低差を考えると100mを越えるスロープが必要と思うが、個人的に設計してみたい話だった。
○今回17.2億円も財政調整基金に積み立てたが、運用金利は0.1%である。土地開発公社の金利は1.85%のものを0.95%に借り換えているが、それでも運用金利より遙かに高い。借り換えがまだの高い金利分を今回の20億円を超えた実質収支額の半分程度で償還してしまい、将来財政需要が生じた場合は市中調達した方が金利上有効だったと思うが、どうにも意見が噛み合わなかった。
○選挙の投票区については大きな不均衡が生じているが市民部のシステム変更に併せて見直すので次回統一地方選挙は現在のままで実施する予定らしい。8千人を超えた第39投票区だけでも対応すればと思う。
総務費の審議を終えると18時半に成ろうとしていた。初日から残業である。市の職員には嫌な決算だろうなと思いながら帰宅する。
16日も朝から審議。この日は民生費・衛生費・農水費・商工費・土木費の一部・及びこれらに関連した特別会計の審査を行う。
○本市の保険料は県内でも高額の方で対策に階層区分を7から12に細かくして対応している。その一方で保育料の未納も多い。児童福祉課でも強制徴収に着手したようだが、監査の意見書にもあるように債権の一元化を早急に検討すべきである。また、子ども手当の支給に合わせ未納者から回収をして時効の中断を計り埋蔵金の保全を行うべきである。
○福祉会館で市の関係団体が市の申請によって無償利用をしていた事が監査から指摘されている。副市長は問題のある団体が使ったわけではないので遡及して負荷はしない方針らしいが、少なくとも手続きの条例と齟齬が生まれている状況を改善するため、この9月議会に一部改正の上程をしておくべきだったのではと思う。
○包括支援センターは現計画では4箇所であるが、平成24年度から始まる次の計画では高齢者が増えることもあり東部(富来田)の増加を検討中という事である。
○君津中央病院は昨年度分院も含め2.91億円の黒字決算となった。さらに本年度の診療報酬改定で5.6億円程度の黒字が見込めるので市の負担金の減額も考えていくという事である。またドクターへり導入による効果額は約5千万円の黒字のうえ医師や看護士からの問い合わせも多くなっているようだ。産婦人科等の診察制限も緩和されてきているが、まだ8科で制限を受け完全な総合病院になっていない。
○火葬場については基本検討に入っているが袖ケ浦と共同で行えるか微妙なようだ。人口が上位推計で推移し2020年に13万2千人になった場合の死亡者は年間1780人程度と予想されている。現在の能力は稼働日300日とした場合に1800人なので、手遅れにならないよう計画のレベルを早めに上げるべきだろう。
○産業立地奨励金で還付してしまう1007万円が本市に納税されたことによる地方交付税低減効果は480万円程度のようだ。今後億を越える巨大企業が続く中で、しばらく厳しい情勢は続きそうである。
○映画・ドラマロケ地としてのPR事業は、四市共同の東京湾観光連盟で対応すると考えているようだが、市役所担当課で1年間の対応が殆ど無かったので今後も期待は薄いのかも知れない。
○住宅建築物について政府は2020年までに95%を耐震に換える方針を定め予算も付けるようだ。全体に都市が古い我が市では、どれだけの規模になるか考えるだけで厳しそうだ。
この日は17時を少し過ぎて審議が終了し、暗くなる前に帰宅することが出来た。
17日は審査の最終日である。土木費の残り・消防費・教育費・公債費・予備費及びこれらに関連した特別会計・水道事業会計の審査がこの日の内に終わらねばならない。
○区画整理組合から移管された未整備の公園は19箇所有り、そのうち6箇所は周辺の市街化率が50%を越え速やかな整備が必要。そこで国庫補助を受けるための整備計画を策定し、次期3カ年計画で13箇所を整備する方針を担当課は立てた。なお1箇所6百万程度の整備水準である。
○千束台は5月中に業務代行が組合に工事費を払うよう裁判を起こし双方が訴え合う状況に入っている。13.4億円の借入金に対する金融機関の利子免除も解決していない。その様な中で事務費等を捻出するため6月26日の総会で総額2億21百万円になる付加金が決められた。今年度も補助事業で工事は続くが、解決を模索せねばなるまい。
○草敷潮見線の千束台以東で文化財調査費用を見積もったところ4億円になった。県道のバイパス工事の前に調査を終えねばならない。
○下水道整備については中期経営計画を立案するが区画整理事業が終わる平成30年度までは既存市街地の投資を増やすのは難しいという事であるが金田東が一息つく平成25年頃からはどうにかして貰いたい。
○消防の詰め所の内、3箇所は常備と同居し、4箇所は集会所等と併設になっているので、それ以外の32箇所で25年を経過したものが10箇所有り、順次更新せねば成らない、という事なので合理化のために統廃合を考えねば成らないと、改めて強く思う。
○少年自然の家については土地を30年契約で借りている。現在の夏期限定から通年運営に変える予定。
○三中前の国道の歩道については県の単独事業で3.5m幅の歩道を整備して貰うよう、都市整備部を通じて第1順位の要望として上げた。
○水道で漏水対策の費用は現在1.5億円程度だが、これを2億円程度まで増やし有収率を上げるという長期目標はあるようだが、今年の猛暑で収入が増えているなら、それを今年の追加に充てればと思う。
ともあれ、色々と議論が行われ、個人的なアクシデントも有る中で審議は終了。賛成討論を行い3日間の決算期間は終了した。
18日は決算も終わった気安さから厚木市で行われているB−1グランプリを電車で見に行く。巌根からホリデーパスを使っての長時間移動で有るが、本を沢山読めたし、現地でB級食を幾つか食べて良い気分転換になった。それにしても『食』による集客力の強さには驚かされるばかりである。
19日は朝から良い天気であるが、議会報告が滞って居ることが気になり、質問全文アップ作業を行う。その他の各種作業も行っていたら机に向かって一日が過ぎてしまった。
20日は朝から鼻血が出たりして、横になりながら読書をしていた。同僚で医師でもある石井議員に電話で聞いてみると瘡蓋の剥離が生じているので耳鼻科に行って簡単に措置すれば治ると言われる。翌日に通院することにしてのんびりした連休最終日を過ごしてしまった。
→2010年9月下旬の記録 |