74.1月中旬の活動記録
11日は朝一番に富士屋ホテルに車を取りに行き、市内で所用を済ませ、市役所で作業を行った後、巌根駅に行くと駅前交番がだいぶ形になっていた。公衆便所の工事も順調に進んでいるようだが、駅前広場が三井アウトレットの開業には間に合いそうもないことが気がかりである。
翌週の行政視察に向けた準備や3月の代表質問に向けた頭の整理も始めねばならないと思いながら夕方に自宅に帰り、HPの更新を行った。
12日は午前中に地元の役員と打合せを行った後で仕事を片づけ、午後から市役所に行き、各所で打合せを行う。午後3時からは十九の会主催による職員給与や諸手当の学習会を行う。近隣四市との比較では管理職に対する手当が低い状況にあることなどが理解できたが、春に予想される地域手当の案件については頭が痛いところである。
夜には同期の新年会を兼ねて、本日の学習内容について色々と意見交換を行った。
13日は翌日からの南相馬の準備や翌週の会派行政視察の準備などで荷造りや片付けを行い、関西視察の祭に電車の乗り換えで周辺に迷惑にならないように大阪のホテルに着替え等の荷物を送る。
夕方から岩根区長会の新年会に市長、副市長、市民部長・参事、渡邉・高橋両県議、重城・鈴木両市議と友に出席する。変革する金田の隣で岩根の変化の遅さが市政の上で今後の課題になることが多く指摘された。
14日は午前1時に迎えに来てくれた友人の車に乗り、後部座席で睡眠を取りながら福島県南相馬市に行き、今年最初のボランティア活動を遠く鯉のぼりが泳ぐ場所で実施する。先方の受入側の姿勢の問題などを感じつつ活動を終え、原町駅近くのホテルに泊まり、町の空気を感じてきた。
15日は朝9時にホテルを出て、道の駅南相馬で土産を購入した後、飯舘村の除染作業を横目に見ながら二本松まで移動し、福島第一原子力発電所の近くから避難をして営業している『杉乃家』で浪江焼きそばの大盛りを食べ、東北道を一気に南下して午後3時に帰宅する。
午後5時から前経済部長で同じ江川区住民である江野沢さんの葬儀に参列する。市の関係者だけでなく、岩根地区の多くの住民も参列しており、60歳という早すぎる別れに悲しみを堪えていた。私も多くの想い出を噛みしめ、葬儀会場を後にした。
16日は中野畑沢線の用地となる陸上自衛隊で松の伐採工事が開始されたのを見ながら朝8時半に市役所に集合し、久津間在住の農業委員である鈴木さんとともに遊休農地の調査を行う。曇りで日差しが得られない寒さの中で、午後3時過ぎまで作業を続けた。
帰宅後はHPに思う事の追加を行い、後援会報発送の準備を済ませ、翌日からの研修に備えて準備を行った。
17日は木更津駅へ集合し、会派の行政視察に出発する。行き先は関西方面なので、品川駅までは7:55発の高速バスで移動する。新幹線と在来線を乗り継ぎ奈良駅に到着。駅前で昼食を取りタクシーで郡山市役所に向かった。今回は民間組織の視察であったが、今回は3ヶ所とも市役所の視察である。
1.
奈良県大和郡山市
市制施行 昭和29年1月1日
人口 90,307人(平成23年12月31日現在)
面積 42.68km2
平成23年度一般会計予算額 287億8千万円
財政力指数 0.77 (平成21年度)
視察項目@
『コミュニティバス』について
大和郡山市は県都奈良市に隣接する都市である。公共バスは市街地と西側の丘陵の団地を結ぶ奈良交通のバスだけであったが、平成15年から市街地の公共施設を結ぶバスを運行し、平成20年より交通空白区を埋めるため2路線のバスの運行を始めた。「バス」と言っても運行に使用しているのは2ナンバーのトヨタハイエースをリースした物を奈良交通に委託して運行している。客用の座席は12席であり、運行は市街地が1日6便、空白区解消路線が3便で、土日祝日と年末年始は運休している。料金は1乗車につき百円で、距離制の運賃制度ではない。なお、丘陵の団地と市街を結ぶ路線は通常の路線バスなので距離制の運賃となっており、市内で不公平が生じている。
平成22年決算で3路線合わせた経費は約36百万円を要し、運賃では6.4%を回収するに留まっており、行政の持ち出しは約34百万円と成っている事が監査でも指摘されているようだ。また市街地の路線は1便当たり13人の利用で希に積み残しも生じるようだが、郊外と結ぶ便は6人程度で利用率は低い。問題も多いが交通弱者対策は木更津でも考える必要があり、本市で中心部に運行するなら、この程度の車両でも良いのだなと思う。また、木更津市における交通空白区の対応はコミュニティバスではなく久留里線の駅を拠点としたデマンドシステムを検討する方が相応しいだろうと個人的には思えた。
視察項目A
『電気料金の自由化への対応』について
大和郡山市では借金の増加で危機的状況にある中で企画政策課が音頭を取り平成18年度から集中改革プランを実行した。公用車管理改革や公共財産のネット売却など多くのメニューを行った中で、電気調達の入札制導入と庁舎照明器具省エネ化が今回の視察項目である。
電気料金については2005年4月より50kw以上の高圧受電まで購入先が自由になり、それに伴い地域独占である電力会社だけでなく特定規模電気事業者(以下「PPS」と記す)から調達することが可能となった。これは実際の電気は電力会社の配線網で送られてくるのでPPSが発電した物を受電するわけでは無いのだが『日本卸電力取引所』という市場を通じて融資し合うことで、契約上の購入はPPSから行えるという、電力自由化政策に従ったものである。大和郡山市役所は数多い(平成22年11月1日現在で41社になる)PPSにヒアリングを行ったところ300kw以上で、契約最大電力に対し平均使用量が30%以下である施設では入札による削減効果が有ることが解り、本庁舎と郡山城ホール、総合運動施設の3ヶ所について平成21年度に入札を実施した。なお契約最大電力に対して平均使用量が高い施設、つまり季節変動の少ない清掃工場の動力電源や昼夜の照明変動が少ない消防署などは電力会社と安い契約を結んでいる為にPPSに切り替える効果は出ないようだ。
入札の結果、全ての施設で15%以上の経費削減効果が生じ、年間1千万程度の財政削減効果が生じた。この結果を市長に報告したところ、全庁に導入すべきと言う話になり、箇々の施設では使用量が少ないものを学校・公民館・その他という3グループに分ける事で規模を大きくしたところ、2社のPPSがそれぞれ落札し、年間1450万円の削減効果が生じることになった。この為の作業として各施設の状況把握、PPSへの再ヒアリング、入札仕様書の統一や会計制度の整理など煩雑な作業があったのだが、市長命令の元で管財課の主導で進められた事業であった。
この電力自由化による料金削減を行うとともに、庁舎の照明器具を既存の110w2灯の4基から32wインバーターHf2灯の6基に変更し照度を上げるために反射在を使用すること等で省エネなものに順次交換していった。このアイディアは街の電気屋さんの指導で進めたと言うことで、職員の柔軟な吸収力や勉強熱心さには感心を通り越して尊敬してしまう。さらに器具毎に点灯できるように線(スイッチ)を吊り下げたり、撤去した器具をネット売却するなど合理化は徹底していた。
この事業に要した費用は約6百万円だが国の緊急安心実現総合対策交付金約3百万円を使用できたので、持ち出しは3百万円を下回った。そしてこれによる年間の電気代削減効果は461万円で、わずか1年も掛からずに元を取っているのである。
大和郡山市では投資回収の早い事業を主眼に展開しており、太陽光発電の導入や空調設備の更新等のように投資が大きい事には取り組んでいないようだ。それでも、あまりに顕著な効果が報道で流されたため、県内外からの問い合わせも多くなり、奈良県内自治体を集めた説明会を2月に開催するなど、担当者の意欲も達成感も高いようだ。頻繁な説明を行っているためかパワーポイントによる資料も解りやすい。我が会派への視察も『勉強熱心な人には充分な対応を行うつもりです』という言葉の通り、予定の2時間を1時間も超過して仕業終了時間にまで及ぶものとなってしまった事に感謝するばかりである。
ただ、今回の震災による原発の再稼働の困難化に伴う電力不足によってPPSの買電コストが高くなるとともに、過去にはグループ化によって規模を拡大することで落札金額が下がっていたものが、当面は供給の安定度の問題で応札に参加しない可能性があるなど、木更津で導入する場合は慎重な調査が必要なようだ。取り敢えず本市では活用さえ考えなかった交付金を使用して旨く省エネ化した事を見習い、照明の見直しが先と考えるし、防犯灯をLEDに変えて10w定額化も検討するべきだろう。
市役所を出ると既に薄暮の時間帯で、平城京や郡山城も見ることなく奈良県を後にして、大阪のホテルに移動する。JR大阪駅の上屋根の立派さに感心してからホテルに入り、夜はお初天神通りで大阪名物の串カツなどを味わいながら関西文化を感じていた。
18日は朝8時半にホテルを出て阪神大震災から17年と1日になる日に「
人と防災未来センター
」へ行く。今回の視察は都会の道路事情を考え、基本的に公共交通機関を使う移動としている。
JR灘駅から15分ほど歩いて着いた施設は想像以上に立派な建築物であり、記念日の翌日の為か各種の団体で混雑していた。映像や展示で17年前を思い出させるとともに防災の心得の重要性を認識させる良い内容だったが、斉藤議員はコストを掛けすぎな箱物行政だと憤慨していた。
再び歩いて灘駅に戻り、JRで新長田駅まで移動し、震災による火災で焼失した街が復活している様子を見に行く。駅近くの公園に聳える鉄人28号のモニュメントの巨大さも凄いが、その近くに「ぐるナビTV」というものが設置してあり、その映像と置かれているパンフレットで街中への回遊を誘う手法には感心させられた。
長田で昼食を取った後、JRで尼崎まで戻り、駅前に迎えに来ていただいた市役所の車で移動して、予定時間より若干早くこの日の視察を行うことになる。
2.
兵庫県尼崎市
市制施行 大正5年4月1日
人口 458,765人(平成23年11月30日現在)
面積 49.97km2
平成23年度一般会計予算額 1,963億71百万円
財政力指数 0.89 (平成21年度)
視察項目
『要援護高齢者見守り対策』について
高齢化社会は同時に世帯の分割を生じており今後は独居老人や高齢者世帯への対応が重要な課題になると考え調査していると尼崎市は「見守り協力隊」という人的な対応を目指していることを知った。世はIT時代で携帯等を利用した高齢者援護システムが出来る中で気になった。
尼崎と本市の高齢化率は同等であるが、人口が本市の3.5倍もあるため、年間に170人程度の孤独死が発生し、また市内には約7800人の認知症患者が居る。高齢者の単独世帯は約3.2万、老々世帯が約1.8万有り、この全世帯にアンケートを実施し、さらに回答の無かった世帯は民生委員による訪問調査を行って86.9%の回答を得たところ、その約2割が見守り事業が行われる場合はお世話になりたいことを申し出た。
この方々をケアするために市内に74箇所有る連絡協議会地区のうち、現在の所は16箇所で「見守り協力隊」を編成し、1人が5人ほどをカバーし、週に1度の状態観察と2週間に一度の声掛けを実施している。隊員は市より正式に委託され、宣誓書に署名することで申し出た高齢者の個人情報を提供することが可能となる。基本的に無報酬で、市は保険に加入する費用だけ負担している。
これ以外に牛乳配達と新聞配達の業者に見守り協定を締結して貰うことで日常的な見守りが出来るようにすることと、本市でも昨今導入を進めている緊急時に個人の情報を把握できるように冷蔵庫の中に必要情報を記載した用紙を保管するヘルプキット配布事業を進めており、アンケートと共に高齢者福祉の4本柱の事業としている。
この見守り隊の事業では容態が急変した独居老人の状況を知ることが出来ないし、長い場合は1週間程度は亡くなってから気付かない事も想定できる。しかし重要なことは、生前のその方の生き方の尊厳にあり、最低でも2週間に一度は地域との繋がりを持てる事が重要である事に主眼を置いているようだ。また福祉事業は基本的に本人の申請によって行われるため、見守り隊が接する中で、必要な福祉メニューを提供することが可能であるし、さらに見守り隊の結成により地域力を高め、民生委員等の円滑な交代が行える環境を育てることが可能となるという判断の元に携帯電話等を使用した福祉メニューの導入は検討しなかったという事である。単に保護するというのでなく思いやる姿勢に、何か見落としてきたことを気付かせてくれたようで感謝したくなった。
JRや阪神・阪急という路線の発達で少し自転車で走れば駅に着く環境の中、冬だというのに街中に多くの自転車が走り回るアクセスの良い環境は魅力的な都市だ。尼崎市の面積は本市の約1/3で、人口密度にすると10倍である。平均すると一つの連絡協議会のエリア面積は1ku以下になるので自転車どころか徒歩でも回れるという立地条件の良さも有るだろう。しかし、予算は殆ど使わずに効果を上げている事業なので、本市でも出来ないことではないはずだと思いながら研修を終えた。
大阪のホテルに帰り、荷物を降ろして昨日より濃い大阪を見に行く。看板のデザインや店の雰囲気などは、何時もアジアの都市だと感じさせるところが有って個人的には好きである。久々に夜の通天閣にも行ってみた。そんなこんなでこの日は2万4千歩も歩いたと平野議員が別れ際に言ってくれた。
19日はホテルを8時に出発し、高槻市役所で9時から研修である。
3.
大阪府高槻市
市制施行 昭和18年1月1日
人口 357,666人(平成23年11月30日現在)
面積 105.31km2
平成23年度一般会計予算額 1,085億8,518万円
財政力指数 0.80 (平成22年度)
視察項目
『債権管理一元化』について
高槻市では部長や次長を務めた職員を再任用して市長の特命担当として課題の解決に当たっているという事で、今回の債権管理の一元化を進めた課長も定年前は人事担当の次長を務めていたということを研修後に聞いたが、そのように今年度から導入した制度はまだ構築の途中で、現在情報の整理と来年度から裁判を起こせる体勢を造るために人事の拡大を進めているところであった。そのような状況でも35件に『徴収事務の引継ぎ予告兼最終催告』という債権管理課に移管する予告状を送ったところ、今まで反応すら無かった者達なのに15件が反応を示し納付や分割納付申請を行ったというから、やはり効果は高いと思う。
来年度からの人事は正規職員9名に加え、非常勤として国税庁徴収官OBと認定司法書士(弁護士)各1名を置くつもりと言うのが合理的である。本市でも参考になるだろう。また、名寄せや収納管理システムの導入などが進められる場合、個人情報保護との整合が課題であることなど、いずこも同じ問題に直面しているようだ。
視察を終えて新快速から新幹線に乗り換える前に超モダン建築物である京都駅を見る。昨年末の議運の行政視察でも使っている駅なのだが、南口に出たのでこの空間を見てない。建設オタクと言われる私としては、この様なデザインを多く見ることで目を肥やすべきだ思うのだが、皆も感動していた。
木更津には5時前に帰り着いたのだが、メールの返信や留守中の対応などをしていたら夜も更けてしまい、HPの更新もせずに寝てしまった。
20日は午前中に後援会報の発送に向けた諸準備(袋詰め等)を行い、午後から市役所で打合せを行った後、3時半より農業委員会の勉強会と総会、さらに新年会に出席する。新年会後の次の店を辞退し、帰宅して延々と内職に励むことになった。
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2012年1月下旬の記録