39.1月下旬の活動記録
 21日は午前中に部屋や車の清掃を行い、その後に雛人形の飾り付けを妻と供に行う。配置や箱の整理等で手戻りが多く、作業が終わったのは日没間近になってしまった。その後も育児の手伝いをしてから事務所に行きパソコンに向かって作業を始めるがHPの更新をする前に疲れて寝てしまった。
 
 22日は市内や近隣市で所用を済ませて回り、午後から書類の整理を終えた後、HPの更新作業を済ませ、穏やかな日曜日を過ごした。
 
 23日は朝10時から基地対策特別委員会協議会を開催するため9時に駅前庁舎に登庁し、資料や進行の確認を行う。20日の金曜日の夕方の開催通知という急な徴集にも係わらず全委員が出席し、さらには傍聴議員も多く、感心の高さを感じさせる。今回も防衛省から4人の出席があり、在日米軍副司令官との間で取り交わした覚書と富士重工轄q空宇宙カンパニー木更津整備部長との間の確認事項について、経緯や効力、例外規定の意味などの質疑が行われた。
 午後からは来週30日に予定している総務常任委員会協議会の内容について正副議長・正副委員長説明を受け、進行の方法や資料の確認などを行った。その後議会事務局と諸調整を行って帰宅した。
 夕方から渡辺芳邦市長の後援会主催による新年賀詞交歓会に出席する。参加者は年々増えているように感じる中、木更津育ちのジャズシンガーであるAkiko Miwaさんが花を添え、私も多くの人と意見交換をしてきた。
 
 24日は翌日から視察なので各所で各種の用事を済ませて回る。この冬一番の寒波が訪れ、東京湾越しの富士山も良く見えていた。
 
 帰宅後は翌日からの視察の準備を進める傍ら後援会報の発送に向けて印刷の準備を進めた。
 
 25日から議会運営委員会で行政視察に出かける。朝7:50に木更津駅に集合し高速バスで羽田空港へ行き9:40発のJAL444便で徳島空港に降りる。貸切バスで小松島市の昼食会場に着き食事後に若干の時間があったので世界一の狸像を見て、13時半から行政視察を開始する。
 
1.徳島県小松島市
 市制施行 昭和26年6月1日
 人口 39,104人(平成29年1月1日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 45.30km2
 平成28年度一般会計予算額 154億27百万円
 財政力指数 0.52 (平成26年度)
 視察項目 議会改革(反問権・政治倫理・ICT)について
 会議室に入ると議会改革特別委員会の委員が7人で出迎えていただき3人の事務局職員とともに説明をしていただいた。小松島市議会は改革的な議会として全国から視察の申込が絶えず、月に4回に限り受入をしているとの事であるが、まず視察を委員会で対応するという姿勢が凄い。
 平成19年の統一地方選挙後に勉強会を設け平成21年3月に制定した議会基本条例で反問権を規定しており、それを使った部長もいるが現在は余り行使されず議会からもっと積極的に使えとも言っているようである。平成20年9月議会から事務事業評価を議会が作成するとか平成20年12月議会から常任委員会の審査風景もインターネット配信するとかの改革事例も顕著であり、議会説明会も3月と9月の定例会が終わった5月と11月に開催し、市内12会場を2年で回るため、開催月には3会場で行っているようだ。開始当初には12会場を1年で回ることを考え6箇所の時も有ったようだ。17人の議員が2つの常任委員会に所属する事で3つの常任委員会の定員を11人とし、予算決算は議長を除く16人で審議するなど、議案の調査には充分な人を割り当てる姿勢も参考になる。
 議会のICTの取り組みとして平成24年9月からタブレットを導入しペーパレス化にも取り組んでいるが、費用削減のため既存のソフトを活用しているのでPDFファイルをメールで送るような形態をとっており、会議用に利便性制を高めているものではない。なお、費用は1/2が政務活動費で1/2が私費で議員報酬から天引きされている。議場ではネット接続が可能であるが申し合わせで禁止行為としている。事務局で機種のパスワード管理をしているので議員が勝手に新しいアプリを入れられないような仕組み造りをしている点は参考になった。
 
 視察を終えて徳島市内のホテルに着くと日没まで若干の間があるようだったので、徳島城の有った城山まで歩いて汗を流して腹ごなしを行い、夕食の際には木更津市議会でも取り組むべき事等について、夜遅くまで議論を交わし続けた。
 
 26日は午前中に鳴門市にある
大塚国際美術館に立ち寄って美術鑑賞を行う。世界の名画を原寸大で陶器の板に焼き付けた、全てレプリカの美術館で、入場料も3,240円と高額であるが、展示方法や作品の数、館内撮影自由で間近に近づけるのも感動させられた。
 大鳴門橋を渡って淡路島に入り、昼食を撮った後午後2時から洲本市議会で行政視察を開始する。
 
2.兵庫県洲本市
 市制施行 平成18年2月11日(旧洲本市は昭和15年2月11日)
 人口 45,387人(平成28年12月1日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 182.38km2
 平成28年度一般会計予算額 249億円
 財政力指数 0.46 (平成26年度)
 視察項目 議会改革(反問権・政治倫理・ICT)について
 洲本市は旧五色町との合併で新設された市で、視察には合併当時の双方の議長が現在も議員として残っており議会改革の経緯を説明していただいた。洲本市では平成21年2月から議会基本条例の検討を始め、その年の12月に可決した。政治倫理条例が平成18年の制定であるため、議会基本条例には倫理に関する記述はない。なお、この倫理条例は法令に基づく制限より厳しく公共工事に関する会社の3親等以内が役員を務める企業や元オーナーであり現在も株を5%以上所有する会社等は公共工事の入札を辞退するよう求めるという厳しい条件が付けられたため、合併後の選挙で建設関係議員が立候補を見送ったと聞く。他にも補助金を貰うという観点から各種経済団体やPTAの会長にも就任できないようだ。潔いとも思うが条件が厳しすぎるようにも感じる。議会基本条例に基づく議会報告会は小松島市と同様年に5月と11月頃の年に2回開催しており平成23年11月以降は連合町内会との共催にしたことで毎回50人以上の出席が確保され、過去には意見が荒れていたようだが地域の役員が極端な意見を抑える事で収まったようだ。
 議会の特色としては毎月25日頃に議長が議員全員を集めて市の施策の進行状況を報告させるととともに国や県の出先機関、郷土の歴史家や企業などを招いた議員研修会を実施している事である。なお木更津市に有るような「議員会」という組織は無いので議長が直轄にしているようだ。
 タブレットの導入に関しては平成27年から取り組み始め検討を進めた結果、全国でもっとも導入例の多いシステムを採用し平成28年12月から運用を開始している。採用に際してはプロポーザル方式としたが要求水準が高かったためか応募してきたものが採用した1社だけであったという事である。洲本市では1/3が公費で2/3が私費であり政務活動費を支出せず議員報酬から天引きしているとの事である。
 

 視察を終えて洲本市に有るホテルに泊まる。市街地から離れた海際にあるホテルで、対岸の山並みと穏やかな海を見て一晩を過ごした。
 
 27日は連日使用していた貸切バスで帰路に着き、淡路SAに有る恋人の聖地から明石海峡大橋を眺めた後、橋を渡って新神戸駅に着く。新幹線待ちの間に議会事務局から電話が入り、強風でアクアラインが止まっている事と月曜日に機体整備のオスプレイが2機で飛来する事を知った。
 当初は品川駅からバスに乗って帰る予定であったがアクアラインの通行止め情報により快速列車に乗り換えて千葉駅経由で帰宅する。内房線に乗り換えるため下車した千葉駅は、新駅ビルに開業した多くの商業施設の効果か、とても混雑しているように見られた。帰宅後は疲れと子守で事務所に足を運ばずに早めに床に着いてしまった。
 
 28日は森田知事による第25回千葉未来研究会の政経セミナーが幕張のホテルニューオータニで開催されるので会派のメンバーで参加する。知事選も近いためか県内から多くの人々が集まり森田知事に話と講師の川上和久国際医療福祉大学教授の話を聞いていた。帰宅後は視察で溜まっている仕事を片づけた。
 夕方の6時過ぎから娘に離乳食を食べさせていると外で変な音が聞こえる。オスプレイには早いし何だろうと考えてみると冬花火が上がっている音だと気が着いた。今回も見逃してしまったのが残念である。
 
 29日は朝から事務仕事を片づけながらHPの更新作業も進める。夕方からは江川区が主催で行う消防団や民生児童委員、青少年相談員といった各種のボランティアを慰労する会に区の役員として出席し、色々と意見を伺ってきた。
 
 30日は10時から議会基本条例策定特別委員会が開催され、清和大学の清水幸雄教授による講義を受け、用語の使用の注意点や、条例の意味について法学者の観点から評価を受ける。質議が終わると正午を回っていたので、会派室でバーベキュー弁当を食べる。
 午後1時から総務常任委員会協議会を委員長として開催する。この日の議題は下記の3件であり、No4の資料も配られた。
番号 内容(件名とは異なる) 関係部
No.1 木更津市民憲章(案)について 企画
No.2 路線バスに関する基本方針に係る意見公募について 企画
No.3 第4次男女共同参画プランに係る意見公募について 企画
No.4 渡辺市長の台湾苗栗市と中国上海市訪問について 企画
 審議に入る前に、オスプレイが岩国基地を中継し、11:38に離陸して木更津に飛んでくるという情報が提供された。明日は基地対策特別委員会を率いて岩国に向かう状況で、何てタイムリーなのだろうと感心する。議案の3件は意見公募に関するもので、No2については地方創生特別委員会でも報告されるものである。No4は市長が2月中にトップセールスに出かける報告で、渡辺市長のフットワークの軽さには敬服する。
 会議終了後に議会事務局と若干の調整を取った後、中ノ島大橋の状況を見に行くと既に1機目のオスプレイが到着した後であるためか人はまばらになっておりフジテレビのカメラマンが何時来るか解らない2機目のために時間を持て余していた。
 中ノ島公園から福祉会館に回り、家人から預かってきた福祉バザーの商品を渡して帰宅。翌日の視察の準備を済ませて夜は会派で3月議会の役割分担等を決める会議を行った。
 
 31日から基地対策特別委員会の行政視察である。7:31に金田BTから高速バスに乗り8:55発のANA633便で岩国空港に降りる。
 空港に市のバスで迎えに来てくれた岩国市議会事務局の誘導で宿泊するホテルに荷物を置き、近くで昼食を摂ってから徒歩で市役所に行く。行政視察の開始時間まで若干の時間があったので屋上庭園やエレベーターに添って吹き抜けが設けられている市役所を各自で散策する時間を経て13:50から視察を始める。

 
1.山口県岩国市
 市制施行 平成18年3月20日(旧岩国市は昭和15年4月1日)
 人口 138,921人(平成28年4月1日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 873.72km2
 平成28年度一般会計予算額 731億9千百万円
 財政力指数 0.596 (平成26年度)
 視察項目 岩国基地に関する市の方針・対応について
 視察には桑原議長が出席していただき、最初に議会としての取り組みを説明していただく。10年前の市長選挙で基地反対派と容認派が争った結果、容認派が勝利し、現在でも市民の大多数は基地との共存に理解を示し、岩国市議会としても「基地を抱えていても日本一住みやすいまち岩国」を目指した活動を進めている。具体的には岩国基地に関する諸問題を解決するため山口県、和木町、周防大島町、広島県大竹市の各議会の議員と供に平成22年2月から「岩国基地問題議員連盟連絡協議会」を設立し議論を重ねている。また岩国空港の沖合展開が完成し騒音問題が減少するで神奈川県の厚木基地から59機の艦載機を受け入れる事を認め、国としてはその代わりに海上自衛隊の17機を減少すると提示してきたが、それについては市議会が革新系を含めた全会一致で海上自衛隊の減少に反対を示した。さらには平成25年末に沖縄からKC-180(空中給油機)15機の移転受入を表明したことを機に保守系議員が中心となり平成26年3月議会で「沖縄の基地負担軽減を図るための決議」を賛成多数で議決した。その後、全国の基地所在16市町議会の議長が世話人となる「沖縄の基地負担軽減をみんなで考える有志の会」の代表世話人に桑原岩国市議会議長が就任し、昨年12月3日に那覇市で初会合を開くなど、岩国市に留まらない積極的な活動を行っている。
 負担軽減を図るための決議は木更津市議会にも示されたところであるがオスプレイの機体整備の開始が議論されている中で、誤ったメッセージを発信していると誤解されないように木更津市議会で行うことは考えなかった。個人的には定期整備が開始される中で選択肢になるのではと考える。
 ついで市の取り組みを「基地政策課」より説明して貰う。総合政策部の中に置かれている課であるが担当部長が独自におり、課は3人の職員で運営されており、他に情報提供協力員として軍用機に対して知識の高い市民1人に22,000円/月(30時間/月)で情報提供委託をお願いしている。岩国基地と市は「岩国日米協議会」を設けローカルルールを策定している。滑走路運用時間が6:30〜23:00と長いためルールを逸脱する米軍機は年間2,3機に過ぎないようだが程度によっては担当部長から基地の報道部長に対して苦情の申し入れを行っている。市に寄せられる苦情は年間に2千件程度であるが同じ人からのメール苦情も多く、実質的には千件以下程度の苦情のようだ。なお、オスプレイについては陸揚げの頃、全国から多くの意見が寄せられて課は大変苦労したようだが、現在ではF-18A等のジェット機が常駐する岩国基地でオスプレイは低騒音機という扱いであり、騒音の苦情は寄せられていないようだ。なお、基地の周辺では19箇所(市5、国10、県4)で常時騒音測定が行われており、それ以外にも苦情の有る場合には別の測定器で対応している。
 基地があることによって国から岩国市が得ている補助金については下表の通りである。
参考に昨年度の木更津市の額を右端に示す。
H23 H24 H25 H26 H27 H27木更津
3条関係 25,090 130,060 112,611 190,304 254,066 0
8条関係 191,749 483,754 1,106,996 1,689,653 3,101,626 0
統合関係 16,363 17,934 3,133 34,533 0 0
周辺補償 0 22,504 7,465 430,292 475,969 0
9条関係 548,785 686,938 689,739 694,815 684,894 0
再編交付金 1,023,259 1,349,438 883,410 1,757,154 1,812,276 0
防音維持費 23,397 19,886 23,447 22,008 21,015 194
基地交付金 1,378,409 1,432,459 1,480,928 1,513,699 1,584,134 160,188
調整交付金 284,783 279,874 280,098 280,229 280,078 63,393
事務委託費 2,000 2,000 2,000 2,000 2,050 30
合 計  3,493,835  4,424,847  4,589,827  6,614,687  8,216,108 223,805
 昨年度の合計額は木更津市の約2億2千万円を遙かに凌駕し82億円を超えており、今年度当初の一般会計額の11.2%にもなる巨費である。そもそも、岩国市の一般会計額731億9千万円に対し人口規模が一緒である木更津市は405億3千万円に過ぎない事も大きな差である。平成の大合併による合併特例債の活用も影響していると思うが、基地によって巨額の国費が投入されている事も大きな要因であろう。なお、ここ5年間の変化を視覚的に捉えると下図のようになる。 
 平成24年にオスプレイが陸揚げされ、平成26年度からKC-180の運用が始まるなど、米軍基地の機能が拡張する中で国費も上昇していることが一目瞭然である。
 岩国市の組織の充実や、基地に対する監視・情報記録体勢は参考になるところが多いが、木更津市でも国による直接施行が進行している江川総合運動場整備事業や消防庁舎の整備で活用予定があるとはいえ、もっと防衛施設周辺整備事業費を活用すべきと改めて感じながら2時間を超える行政視察を終了した。なおこの日の8:09にオスプレイ1機が岩国から離陸して9:57に木更津駐屯地に着陸。16:00に木更津を離陸して18:03に岩国飛行場に着陸したようであるが、特に岩国市街では放送も流されなかったし、住民から特段の話しも聞かれなかった。
 
 この夜は岩国市で有名な「いろり山賊」まで店の送迎バスで行く。交通の便がよい場所ではないが非日常を感じさせる様々な演出が施してあり、地域興しとしても参考になりながら帰路に着く。運転手さんが気を利かせて夜の錦帯橋を見せてくれたので感謝をささげた。
 
 
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2017年2月上旬の記録