議場の皆様。こんにちは。フォーラム未来の近藤です。今回も議長の許可をいただき、細かい数字が入った資料を配付させていただきました。ワールドカップで寝不足の所、大変かと思いますがよろしくお願いいたします。
さて、羽田空港の第4滑走路、通称D滑走路ですが、10月21日に供用を始め、10月31日からは国際定期便も運行を始めるという報告が有りました。今年度の後半にはアジア各都市が本市から20分で行ける空港と繋がります。平成24年の春には仮称三井アウトレットモール木更津金田の開店が予定され、平成24年度末には市街地と金田を結ぶ中野畑沢線の開通や圏央道が茂原に向けて延伸するなど、本市は今、大きな飛躍の時を迎えております。
それにむけ、自治体として様々なインフラ整備等の対応が求められており、今回の6月議会では、アクアラインの金田料金所周辺の道路用地購入や巌根駅の西口広場の測量委託など、速やかな対応が求められている多くの事業に対し、約85百万円が補正追加上程されております。6月議会としては異例の多さであり、その決断には敬意を表するものであります。
しかしながらその財源は財政調整基金に多くを頼っており、また長年の課題である本庁舎の耐震診断等についても、財政の厳しさのため、実施の目途も立っておりません。新日鐵君津の管理センターが本市に移転したことや、東京機械製作所が来年度には移転して来る事など、長い目で見れば税収の増加が想定できる明るい話題も多くありますが、短期的に見れば税収の増加によって地方交付税が削減される中で立地奨励金の支出が生じる事や、土地開発公社からの買い戻し完了まで数年間を要する事など、財政が厳しい状況はいましばらく続くものと推測されます。
財政改善のためには、『入りを量りて、出るを制する』事が重要です。そのような基本的な観点に立ち、今回は歳入強化と歳出削減という2点の大綱を質問させていただきます。
それでは大綱1点目として歳入の強化策について中項目4点を質問します。
まず、「徴収率の向上対策」について伺います。
配布しました資料の1頁目ですが、市税の収入未済額と徴収率について、本市と船橋市を比較したグラフです。双方とも平成13年度頃まで徴収率が減り、収入未済額も増え続けていきましたが、その後は回復に向かっております。しかし、船橋市の方が本市に比べ顕著な回復を見せています。この回復の度合いは全国でもトップクラスと伺いました。
そこで、先月18日に船橋市役所を訪問し、理由を聞いてまいりましたが、単純に言えば差押えを最終手段と考えず、早い段階で実施することで滞納者と話の糸口を設けている事にあります。具体的に平成20年度における差押え件数は、本市の166件に対し、船橋市では1,754件にもなっています。その様に毅然とした姿勢で臨んだことで、世界同時不況が襲った年にも収納率を落とさなかった結果につながっております。
人口が60万人を越える中核市の船橋市と本市を比較する事は、様々な条件が異なると承知していますが、良い点は取り入れるべきであると考え質問を行います。
本市では財産がありながら納税を怠っているような悪質な滞納者に対して、財産調査や差押えをどの様に実施しているのか伺います。
また、収納率を高めるために、どのような改善策を検討しているのか伺います。
次に、2点目として「債権債務の対策」について伺います。
昨年の決算特別委員会でも、近年は保育料などの公金を納めない世帯が増えていることが報告されており大きな問題となっています。この対応策として平成21年1月29日に『債権の管理に係るガイドライン』を各課に配布し、債権の処理を適切に進めることを目指している事は承知しております。しかし、資料の2頁目に示すように平成19年度の収入未済額は約55億5千万円、平成20年度には約58億6千万円と増加しております。金額の97%以上は納税課が対応する市税と国民健康保険税でありますが、それ以外の公金も平成19年度には約1億7千万円、平成20年度は約2億2千万円というように増加しております。
背景にはリーマンショックの影響が推察されますが、納付意識の低下というモラルの問題も少なからず存在しているようです。負担を行わず公的サービスだけを享受する者を見過ごすことは、市民の間に不公平感を生じさせ行政不信を招くことに成りかねません。
しかし債権につきましては、各担当課が取り立てている状況なので、複数の債権を負っている者に取っては、市役所職員が入れ替わり立ち替わり訪れる状況となっており、債権者も多数の職員と対応することは負担ですし、職員の人件費も不合理と考えられます。
主な公債権の滞納繰越分の収納率は資料の3頁目に示すような状況ですが、その中でも下水道使用料の回収率が高い理由は、上水道の供給停止という対応を行えるためであると思われます。しかしそれ以外の債権は公共サービスの停止が難しく、担当職員は対応に苦慮していると思われますし、本来の業務が忙しい職員には債権回収でモチベーションが低下しているのでは、と危惧されます。
近年ではそのような状況を解決するため、債権管理の一元化を始めた自治体も多くあります。県内でも4市が取り組みを開始しており、先頭を走る船橋市は平成20年度から制度を導入し、次いで市原市が平成21年度に、松戸市と浦安市が本年度から取り組みを始めたところです。船橋市では平成20年度に6人から成る債権回収対策室を立ち上げ、各課の悪質な滞納に対して対処し、1億8千万円の回収を行ったと伺いました。
本市も債権管理の一元化を目指すべきと思いますし、昨年9月16日の決算委員会でも議論を進めることを提案させていただきましたが、現在はどの様に考えているのか伺います。
次に中項目3点目として「交付金の活用状況」について質問します。
厳しい財政事情を考えますと、市税の収納や債権の回収を進めると同時に、財源確保の観点から、積極的に国の制度を利用し、交付金を得ることも重要な課題です。
それにむけ、各課で努力している事は承知しておりますが、国土交通省のメニューは都市整備部、厚生労働省のメニューは福祉部、というように縦割りで把握していても、多くの事業に対応できる総務省や防衛省のメニューについては各課が見落としているのではと思う事があります。
それは、2月に基地対策特別委員会で視察に行きました北海道恵庭市の場合、基地対策交付金は約3億3千万円で本市の1.7倍程度に過ぎませんでしたが、周辺整備事業として用水路や道路の整備、学校のボイラーの燃料代など様々なメニューに防衛省の補助金を活用し、基地交付金や調整交付金を併せて平成20年度には年間15億2千万円、最も多かった平成17年度では45億5千万円も国費を受け取っていたからであります。北海道という特別な事情によるものとしても、本市が本年度の当初予算で、何年ぶりに僅か1260万円が着けられ、今回の補正予算で1575万円が追加されたことと比較しても雲底の差であります。
市役所全体で利用可能と思われる補助金として、防衛省の補助事業に絞り活用可能性を検討するため、全国市議会議長会基地協議会加盟都市のうち、都市規模の近い人口30万人以下で関東地区にある自治体において過去5年間の状況を調べましたところ、資料の4頁目に示すように多くの都市で活用していることが解りました。本市のように使用実績が無い市も6箇所ほど有りますが、活用している都市では道路整備や消防車の購入など、様々な事業に充てている事が解ります。
恵庭市で防衛補助を活用する手法を聞きました所、@総務部の中に基地・防災課という専門の組織があり、A北海道の市町村が基地協議会を造って統一して要望しており、B基地協議会主催の補助事業の研修会が行われ、その中でメニューの種類や申請の方法等を防衛省から指導を受けている、というような対策を取っているとのことでした。
本市は陸海空の3自衛隊が駐屯する希有な都市なのですから、知恵を絞れば防衛施設周辺整備交付金の活用が可能と思います。この交付金は本年2月に使途を拡大する関連法改正案が国会に提出され今まで公共施設などハード事業に限っていた使い道が医療費助成などソフト事業に広がることに成りましたから、一層活用しやすくなったと思われます。
そこで伺いますが、本市は防衛補助事業に採択されるため、どの様な取り組みを行っていたのか報告願います。
中項目4点目として「資産の売却」について伺います。
市が所有する資産も様々にありますが、今回の質問では過去に多くの議員からも問題が提起されている、未利用である学校用地の件に絞って質問させていただきます。
本年2月16日に『木更津市立小中学校適正規模等審議会からの中間答申書』の写しが我々議員にも配布されましたが、その中では、桜井の小学校用地と畑沢・八幡台の中学校用地は、学校としては活用の可能性が低いと答申されております。
これを受け、市では内部委員会を設けて対応を検討していると伺っておりますが、活用しない財産で有れば民間に売却することで一時的な販売収入だけでなく長期に渡って固定資産税等を安定的に享受することが出来ますので、早めの対応が求められています。特に、先ほどの審議会に対して、新市街地の対応を急ぐという理由で中間答申を求めてきた経緯を考えますと、行政内部での方針決定も、同様に急ぐべきものと思います。
そこで伺いますが、学校の移転や新設、統廃合などが盛り込まれた審議会からの答申を今後、どの様に検討していくのか、方針やスケジュールについて報告願います。
次に大綱2点目として、歳出を削減する方法について中項目3点を伺います。
1点目は「入札制度の改革」について伺います。
前回の3月議会で、低入札価格調査制度について質問をいたしましたが、「入札制度改善委員会」で導入に向けて検討を進めるという回答がありました。本年度当初では導入が間に合わず、5月13日に実施された第三中学校の改築工事では参加した19企業が全て予定価格の85%で入札して、籤引きで業者が決定するという事態になってしまいました。
この建築工事の予定価格は消費税・地方消費税を含み10億5252万円にも成りますので、1%の削減効果は1052万円になりますから、制度を導入していれば数千万円の財政上のメリットが発生したと思われます。平成19年12月議会からこの問題を提起して来たのに間に合わせることが出来なかったことが残念でなりません。今後も同様の事態が続くことは行政にとっては大きな損失と思います。
そこで質問しますが、入札制度改善委員会で再度審議を行った結果、入札制度を今後はどの様にしていく考えなのか伺います。
2点目に「随意契約の見直し」について伺います。
良い物をより安く購入するためには競争原理の導入が必要ですが、昨年の決算委員会に提出された資料によると1件30万円以上の物品購入では随意契約が82件中75件を占め、委託契約では310件中209件を占めました。このような状況では競争が働かず、結果として高額の契約が行われている可能性が危惧されるため、決算委員会でも厳しい運用を求めるよう意見をさせていただきました。
そこで質問いたしますが、随意契約を減らすよう、改善にむけた取り組みは行われたのか伺います。
3点目に「執行残の適切処理」について伺います。
昨年の決算委員会で出納整理期間中に物品購入等の処理をしている事案が多数報告されました。推察するに、多くは早めに必要な物ではあったのですが、何かあった場合に備え、執行を控えていたからであり、年度末になってから購入行為を行ったものと思います。しかし、中には予算の執行残が残ったので、本当は急を要しない物でも購入してしまった事例も有るのではと危惧しています。光熱費のように3月分の請求が翌年度に来るものは出納整理期間中に起案をすることも仕方ないと考えますが、物品の購入のような事例では執行残が出れば適切に差額として処理を行い、4月以降に必要が生じた場合は新年度予算の中で購入を行うという方針を貫くことで、より厳しい財政管理が出きるのではないでしょうか。
そこで伺いますが、昨年度末の予算執行に当たっては、出納整理期間中の会計処理について、どの様な改善対策を行ったのか報告願います。
以上で第一質問を終了いたします。 |