来年度予算・長期的課題について (令和3年12月定例議会)
 議場の皆様こんにちは。会派羅針盤の近藤です。通告に従い大綱2点の質問をいたします。
 まず、大綱1「来年度予算について」質問いたします。先月開催された議員全員協議会で、10月25日に市長から示された「令和4年度市政運営の基本的な考え方」と石井財務部長から通知された「令和4年度予算編成方針」の説明がありました。これらに関し、来年度予算の在り方を確認したく、改めて中項目2点を確認いたします。
 中項目1点目として「骨格予算について」質問いたします。市政運営方針として、渡辺市政の8年間を継続し発展させる様々な方向が示されましたが、予算編成は来年3月20日告示・27日投開票の市長選挙を受けて骨格予算とすることが示されました。市長選挙の年には一般的に骨格予算を編成することは承知しています。しかし前回の平成30年度では肉付け予算となる6月定例会の一般会計補正予算額は9億5485万3千円であり、当初予算の432億6千万円に対して2.21%が追加されただけでした。平成26年の補正予算では14億2074万3千円、3.63%の増額でしたがこれは下半期の維持管理費を当初予算に計上しない等の処置をしたためであり、昨日高橋議員が指摘してきているように、経常収支比率が高い本市では、大きな補正予算を残すような骨格予算の編成は難しい状況に有ります。さらに、平成22年及び平成18年度は実際に市長選挙が有りましたが骨格予算は編成されておりませんでした。予算は市長が作成しますが承認するのは議会であるため、広く認識されたものと考えます。仮に新しい市長の元でも基本的には執行すべき施策ですし、万が一、市長が変わったとしても3月27日の当選確定後に執行を停止することも時間的には可能です。
 そこで小項目1点目として骨格予算の法的根拠についてお聞きいたします。平成26年度以降が骨格予算を編成している原因として法令の変更や通達等の指導があったのか、その根拠を伺います。
 次に小項目2点目として経済対策等への影響についてお聞きします。 コロナ禍からの速やかな景気回復のため速度感のある対策が望まれており、新規事業でも年度当初から執行するために3月の予算審査委員会で審議して成立させるべきだと考えます。経済対策等への影響はどの様に考えているのか伺います。
 次に、中項目2点目として「行政改革について」質問いたします。市民ニーズの多様化や地方分権の進展で行政需要が増加する中、新型コロナウイルス対策や自然災害に備えた対応で、歳出の増加は留まる所を知りません。効率の良い行政運営によって市民福祉の費用をねん出するため、行政改革を進めねば成りません。
 初めに、小項目1点目としてシステム統合の効果についてお聞きします。来年度は新たな基幹系システムが導入されることで、今まで個別システムであったソフトも統合されることと思いますが、システムの維持管理等の統合効果はどの程度の予定なのか伺います。
 次に、小項目2点目として窓口業務の民間委託についてお聞きします。 窓口業務での民間委託が導入され、近年は市民部以外にも拡大しています。これまでの評価については6月議会での座親議員の質問に対しての答弁で理解しておりますが、来年度はどの程度まで拡大される見込みなのかご説明下さい。
 最後に、小項目3点目に公有地利活用の状況についてお聞きします。平成28年から29年度にかけて八幡台中・真舟小・畑沢中の学校予定地を売却しました。配布資料1はその後の状況を把握するため、各課に資料請求を行い私が作成した調書です。合計55,629uを11億8179万円で売却した結果、183区画の宅地が完成しています。11月16日現在で131世帯が入居され347人が居住しており、全区画入居後には5百人程度の人口となり、その後にも出生増も期待されます。また本年度の固定資産税と都市計画税の推計値は約949万円で、他にも住民税等の収入があり、消費活動を通じて地域経済の活性化にも寄与しております。令和4年度までに全区画の住宅が完成し、建築後の軽減税措置が令和8年度に解除されると仮定すると固定資産税と都市計画税で毎年2千7百万円程度の税収増になると想定されますがこの細かい推計を説明していると質問時間が無くなりますので、これは省略させていただきます。この様に一時的な売却益があるだけでなく毎年の税収増加も顕著であるため、未利用の公有地は積極的に処分を進めて行くべきだと考えます。しかしながら土地開発公社から買い戻しながら未だに利用用途が決まっていない土地も見受けられますし、波岡小学校予定地など地域住民が利用しているものの当初の目的ではない土地も見られます。公有地活用の状況について来年度の予算ではどの様に考えているのかお伺いします。
 次に大綱2「長期的課題について」質問いたします。来年度に対応を求めることでは有りませんが、長期的に対応すべき課題が多く存在します。来年度に策定予定の次期基本計画等の中で様々な方向性が示されると思いますが、本議会では中項目3点を確認させていただきます。
 中項目1点目として「職員編成について」質問いたします。配布資料2をご覧ください。これは木更津市の職員の職種別職員数の一覧です。合計の欄に着色している世代は合計が20人を下回っている世代です。また土木技師や建築技師がそのに1人以下の欄にも着色しています。配布資料3は年度別の中途採用者の状況と職員の性別で、年齢別に人数を整理したものです。近年では中途採用が減っていること、40歳以上では女性職員の比率が少ないことが解ります。これらを元に質問します。
 初めに小項目1点目として年齢性別構成の解消についてお聞きします。本市の職員数は42歳から38歳が特に少ない状況ですが、この世代は就職氷河期と言われた世代で、優秀な成績・人格でありながも非正規雇用と成っている者が多くおります。兵庫県宝塚市では就職氷河期世代に限定した採用試験を行ったところ全国的に注目を集め2019年には1816人の応募がありました。現在は配布資料3に示すように採用の年齢上限が30歳としていますが、この恵まれない世代の中から優秀な人を発掘し、職員の年齢構成を平準化すべきと思います。また、年齢が上がると女性職員の比率が下がることから、採用の段階で意図的に女性を多くするべきではと私は思います。このような年齢性別構成の解消について、どの様に考えているのか説明願います。
 次に小項目2点目として専門職員の補充方法についてお聞きします。6月議会の座親議員の質問の中で土木、建築などの技術職について、実務経験のある人材を対象とした経験者採用試験を行うなど、人材の確保に取り組んだという答弁がありましたが、これらの技術職では、特に建築技師が極めて少ない状況が続き、資産管理の一元化を進めて公共施設再配置計画を立案する際に専門家の不在ではないかと心配になります。また来年度に力を入れるデジタル・トランスフォーメーションの推進や行政のデジタル化についても施策判断が出来る管理職レベルにスキルの高い職員が必要だと考えます。危機管理課に自衛隊OBの危機管理監を配置したことで令和元年台風への対策が順調に進んだように責任有る地位へ専門職を導入することを検討すべきと思いますが、如何でしょうか。
 次に、中項目2点目として「公園施策について」質問いたします。素晴らしい公園の存在は都市の評価を高め、人口の増加や地価の上昇によって歳入の増加も期待でき、街のシンボルとなることでシビックプライドの醸成に寄与します。城下町であれば城の整備が地域イメージを高めますが、木更津市では港周辺と太田山の整備が重要な課題であると考えます。その様な視点から小項目2点をお聞きします。
 初めに、小項目1点目として都市公園の基本計画についてお聞きします。港に位置する鳥居崎公園ではパークベイプロジェクトによる民間の飲食店が姿を現し、今年度末の開業後には、その評価が高まるものと思います。これが成功することで他の公園でも同様の施設の導入を求められることが想像されます。特に運動施設利用の多い小櫃堰公園や江川総合運動場、展望も優れている太田山公園などでは今でも飲食施設の要望を聞くことがありますので、今後はよりその要望が増えるものと思います。そこで市内の大規模な都市公園ではパークPFIの導入可能性の検討や指定管理制度の是非など市全体を見た基本計画の立案が必要と思いますが、如何でしょうか。
 次に、小項目2点目として太田山公園の将来像についてお聞きします。木更津駅の東口を太田山口と呼称するように、太田山公園は木更津市の重要なシンボルになると考えます。しかしながら現在では進入路が解りにくく、博物館を見学する児童を大型バスで送ろうにも駐車場が無く、周辺道路の歩道環境も充分なものではありません。公園と歩道を一体とした整備を行うことで環境が良くなり街のランドマークとしての効果も高くなるので拡張整備を検討すべきと私は考えます。現在は公園の周辺は民間利用がされていますが拡張を前提とした整備計画を示し、現在の所有者に対して、理解を得られたところから順次購入するという長期的な整備を検討するべきと考えます。太田山公園については市民アンケートを実施したようですが、将来像についてどの様に考えられているのかお伺いします。
 最後に、中項目3点目として「教育行政について」質問いたします。統廃合に向けた協議が進んでいた東清小学校は、来年度も存続されることと成りました。存続に努力された方々は保育園や幼稚園での周知活動を行うなど、生徒の確保に汗を流し、来春にはその成果が出ることを祈りたいと思います。しかしながら学区内で住宅地の開発行為もなく子供の増加が見込めない中、努力されていた関係の方々も子供の卒業で活動から離れてしまうと再度生徒数の減少が予想されます。
 そこで、小項目として適正配置の検討手順についてお聞きします。複式学級が一つの場合は教務主任が兼任することで複式を回避できるものの、複数の学年で複式学級が避けられない場合は回避が困難になることから統廃合を進めるという方針が今までで有ったと思います。配布資料4に示すように、今後も学区外から小規模特認校制度を利用するために転入が続いたとしても、令和5年度には複数の学年で複式学級を編制することが想定されます。来年度は大丈夫だとしても、今後はどの様な手順でその検討を進めるのかご説明ください。
 以上で第一質問を終了いたします。
 
  
 市当局の回答
 ※意味が変わらない範囲で部分的に言い換えたり省略をしています。
 
<渡辺市長>
 近藤忍議員のご質問に ご答弁申し上げます。私からは、まず、大綱1「来年度予算について」中項目2、「行政改革について」 お答えいたします。
 はじめに、「システム統合の効果」についてでございますが、基幹系システムの更新により、これまで別々の部署において導入維持管理しておりました介護保険システム、後期高齢者医療システムをはじめ9つの福祉系システムの統合を行いました。更新によるシステムベンターの変更により年間約1,000万円、統合された福祉系システム維持管理経費で年間約3,400万円の経費縮減が見込まれるところでございます。今後は国が示している「自治体情報システムの標準化・共通化に係る手順書」を基に、情報システムの標準化などに取り組み、更なる関係費の縮減を目指し、財政的負担の軽減を図ってまいります。
 次に、「窓口業務の民間委託」について でございますが、議員おっしゃる通り 災害復興関係窓口や新型コロナウイルス感染症関係の業務などでも派遣職員の活用を行っております。今後もこうした突発的な業務に関しては、業務における指揮命令関係の観点を考慮し、派遣職員の活用から始めることを基本にしたいと考えております。また、経常的な業務で既に派遣職員の活用を行っているものに関しては、業務委託への切り替え時期などについて検討を進めるとともに、働き方改革を進めるためにも仕事のやり方を改めて見直し、民間活力を活用した派遣業務・委託業務の拡充に努めてまいります。
 次に、「公有地利活用の状況について」 でございますが、本市が保有する公有地は、市民の皆様から負託を受けた貴重な財産であり、利活用にあたっては、その財産価値を最大限発揮し、市勢の発展に寄与することが求められております。このような認識のもと、市では、これまで以上に効率的で効果的な公有財産の利活用を図るためには、土地取引に関する需要を的確に把握することが肝要と考え、民間活力の導入について検討を開始したところでございます。来年度は将来的な利用計画等を踏まえつつ、対象地ごとに利活用方針や優先度を定めるなど、計画性をもって取り組み、公有財産として保有する必要性のない財産については、積極的に売却処分や貸付等により有効活用を図ってまいります。
 続きまして、大綱2「長期的施策について」中項目1、「職員構成について」 お答えいたします。まず、「年齢性別構成の解消」についてでございますが、本市においては、30代後半から40代前半の職員数が他の年代と比較して、少ない状況でございます。こうした職員年齢構成の偏在解消は、本市が将来にわたり安定的に行政運営を行うためには、不可欠な要素であると考えており、昨年度は、新たに土木、建築職の職務経験者を採用いたしました。今年度も、年齢の上限を45歳といたします、職務経験を有する者を対象とした一般行政職の採用試験を実施するなど、幅広い経験や多角的な視点を持った人材を確保するとともに、職員の年齢構成の平準化に努めているところでございます。また、女性職員の比率を考慮した年齢性別構成の解消についてでございますが、職員全体のうち、女性職員の比率が31.5%となっているなかで、20代以下では41.4%、30代は32.6%、40代は25.2%、50代は23.6%と、年齢が高いほど低くなっております。市といたしましては、働き方改革を進めるなかで、出産、育児、介護など、ライフイベントに合わせた休暇の取得が可能となっております。女性も長期的なキャリア展望を描き、ライフステージが変わっても働き続けられるよう職場環境の改善に努めながら、職員の採用にあたりましては、性別等にこだわることなく、優秀な職員を採用してまいりたいと考えております。
 次に、「専門職員の補充方法」についてでございますが、持続可能な行政運営のため、技術の継承など、技術職の人材確保は重要であると考えておりますので、引き続き、リクルート活動や職務経験のある人材の確保に努めてまいります。また、デジタル・トランスフォーメーションの推進や行政のデジタル化など、スピード感を持って取り組まなければならない政策には、専門的な知識やノウハウを有する民間人材等の登用が効果的であると考えております。国が進めております、地方創生人材支援制度の活用のほか、委託契約、アドバイザー契約など多様な任用方法を取り入れながら、その人材のスキルや経験を最大限活かせる登用について、検討してまいります。
 続きまして、中項目2「公園施策について」お答えいたします。はじめに、「都市公園の基本計画」についてでございますが、本市においては、市民、企業、行政が一体となって「みどりの都市」の実現を目指す施策として、平成24年度に 「木更津市みどりの基本計画」を策定してございます。本計画において、管理の効率化と公園の活性化を達成するために指定管理者制度や民間企業の誘致について取り組むこととしており、すでに小櫃堰公園につきましては、指定管理者制度を導入し、鳥居崎海浜公園につきましてもパークPFIを導入し、民間企業による施設整備を図っているところでございます。引き続き、市内の大規模な都市公園につきましては、小櫃堰公園や鳥居崎海浜公園の状況を踏まえ、時代のニーズや社会経済情勢の変化に合わせた都市公園のあり方、運用及び管理方法として、パークPFIや指定管理制度導入の可能性について検討し、今後の「木更津市みどりの基本計画」の見直しの際に反映してまいりたいと考えております。
 次に、「太田山公園の将来像」についてでございますが、太田山公園につきましては、まちなかのみどりの拠点として、周辺地域からの視線に配慮した公園を目指し、時代のニーズに即した再整備を推進したいと考えております。そのため、今年度、現況、課題及びニーズを把握するため、公園利用者や地元自治会、清掃協力団体等の皆様にアンケートを実施いたしました。なお、現在、アンケートを集計解析しており、これらの寄せられたご意見を参考に、本市のみどりのランドマークポイントとしての公園となるよう将来像を作り上げてまいります。
 私からは、以上でございます。その他につきましては、教育長、関係部長からご答弁いたします。
 
<廣部教育長>
 私からは、大綱2、中項目3「教育行政について」お答えいたします。「適正配置の検討手順」についてでございますが、東清小学校につきましては、当初、複式学級の学年が複数発生する令和4年度の前年度、令和3年度末をもっての統合を検討してまいりました。しかしながら、昨年度より保護者や地域住民等による「きさらづ特認校推進委員会」を立ち上げ、児童を増やすための広報活動や特色ある取り組みが本格的に開始されたことにより、先月のオープンスクールには9組のご家族等が興味を示して見学に訪れるなど、効果のきざしが現れております。したがいまして、今後数年は動向を検証する必要があると判断し、統合検討の目安を、複式学級の解消が不可能となる「すべての学年において複式学級が継続して発生することが予想される場合」と、新たに教育委員会内で確認したところでございます。今後も、住民基本台帳及び小規模特認校制度を利用した児童数等から、向こう6年間の入学見込み児童数を予測しながら、その動向を注視してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。
 
<石井財務部長>
 私からは、大綱1、中項目1「骨格予算について」お答えいたします。はじめに、「骨格予算の法的根拠」でございますが、骨格予算の法的根拠等はございませんので、本格予算を編成しても問題はございません。
 次に、「経済対策等への影響」でございますが、議員おっしゃいますとおり、速やかな景気回復のため、速度感のある対策を講じる必要から本格予算を編成し、市長の方針が変わった場合などは、当初予算の執行を停止すればよいというお考えもございます。令和4年度当初予算を骨格予算として編成することにつきましては、新型コロナウイルス感染症への対応など迅速な取り組みが必要なものや、市民生活に直接影響が及ぶ継続的・計画的な事業などは事業実施の遅れなどにより市民生活や速やかな景気回復に支障が生じないよう骨格予算において所要額を計上しつつ、市長選挙後、市長が新たな施策を実施する余地を残すために、骨格予算を編成するものでございます。私からは、以上でございます。
 
 
一問一答
 ※質問と市の回答は文字の色を変えています。省略や言い換えも有ります。細部が気になる方は、市議会のHPで議事録を参照して下さい。
 
 答弁ありがとうございました。それでは再質問を行います。最初に骨格予算に対して伺います。本格予算としても法的に問題ない事が解りました。それでは骨格予算とした場合、削除するのはどの様な事業となるかご説明下さい。
 
 市長選挙後、市長の方針に基づき実施する政策的経費などで、主に新規事業を削る予定でございます。
 
 先ほども申しましたが、平成26年度には肉付けの額を大きくするために速やかに契約しなくても良い下半期の維持管理費等を削減しておりました。この様な予算編成を行いますと予算審査の際に減額理由が解らず審査に成らないと苦言を申したことも有ります。来年度予算では主に新規事業を削減するという事ですので審査が難しい状況には成らないだろうとは思います。しかし市長の方針に基づく新規事業でも年度当初から取り組んだほうが効果的なものも多くあると思いますし、そもそも新規事業を削るだけでは今回もそれほどの削減額に成らないだろうと感じます。先月5日の総務常任委員会で、予算編成日程を確認させていただきましたが、骨格予算とすべきか判断するのは今月20日の市長査定となるということです。昨日の齋藤議員の質疑に対して渡辺市長は再チャレンジを確認されました。私も木更津市政は現在の延長線上に有るべきだと考えますので、来年度には何をしたいのか明らかにするため、当初から本格予算とすべきです。このことを強く要望し、中項目2の行政改革についての再質問に移ります。
 予算における行政改革の詳細については3月定例会の予算審査特別委員会で聞きますので、今回は簡単に方向性を確認させていただきます。まずシステム統合の効果についてですが、9つの福祉系システムの統合で年間3千4百万円程度の縮減効果が見込まれるという答弁でした。システムをもっと多く統合することでもっと削減が可能だと思っていましたが削減効果は私の想像ほどではないように感じます。統合されずに個別で残るシステムはどの程度有り、その維持費はどれくらいかご説明下さい。
 
 統合されずに個別で残るシステムにつきましては10のシステムでございまして、賃貸借・保守・消耗品等の維持費の合計額は年間で約8,500万円でございます。これらのシステムを残した理由といたしましては、基幹系システム更新の準備段階で、提案のあった6事業者に実施いたしました情報提供依頼の回答において、ほとんどの事業者が他社が開発した10の個別業務システムの継続を求めてきたことから、それだけ残したシステムが優れていると理解しております。
 

 了解です。無理に統合しない方が安価で運用しやすい場合も有りえるのだろうなと理解します。今後も様々なシステムの導入が検討されてくると思いますが、導入効果を充分に検証するとともに安価になる手法をご検討いただけますようお願いします。
 次に窓口業務の民間委託についてですが、取組を開始して数年経ちますが、なかなか進んでいないように感じております。2015年に総務常任委員会で行政視察をした愛知県高浜市では市が全額を出資する『高浜市総合サービス株式会社』を設立し、女性や高齢者の社会進出を支えるとともに障害者も積極的に採用しながら窓口業務を行っていました。窓口業務だけでなく学校の給食調理や用務員、公民館管理など多彩な業務を市から受託しておりますが、民間企業が出来ることは行わず、隙間産業に徹しているという姿勢でした。高浜市はその間も人口増加が続く中でも職員数の削減が進めることが出来、財政削減効果も年間で3億円近い額だと伺っております。木更津市では全国展開をする会社に委託をしておりますが、地域で完結する制度造りを考え、一層推進するべきと思いますが如何でしょうか。
 
 少子高齢化の進展など、行政を取り巻く環境は日々変わってきております。義務的経費の縮減を進めるためにも、議員おっしゃいました高浜市の事例をはじめ、他市の事例も参考にしつつ、本市に最も適した制度を見極めてまいりたいと考えております。
 

 次に公有地利活用の状況について伺います。先ほどの答弁の中で公有財産として保有する必要性のない財産は、積極的に売却処分や貸付等により有効活用を図るとありましたが、これまで土地開発公社から買い戻した土地の保有状況をお示し下さい。
 
 保有状況についてでございますが、木更津市土地開発公社経営健全化計画に基づきこれまで59件28,382.14uの買い戻しを行い、そのうち8件7,612..98uを売却し、現在、普通財産として30件、行政財産として21件、合計51件を公有財産として保有しております。
 
 51件は保有中ということですが、その活用状況はどうでしょうか。
 
 活用状況についてですが、普通財産 30件につきましては、27件 6,050.52uを貸し付けており、残りの3件 621.31uにつきましては遊休地で、1つ目は三角形の狭小地、2つ目は崖地を含む土地、3つ目は土地開発公社との共有持分の土地でございます。また、行政財産 21件13,779.14uにつきましては、「まなび支援センター用地」、「木更津駅西口立体駐車場用地」、「道の駅木更津うまくたの里」など、各所管課において、管理・活用をしております。
 

 9割程度を貸し付け、残りは利用が難しい土地であると理解しました。今後も貸付と売却の損得を総合的に評価して合理的な判断を進めていただけますよう、お願いいたします。
配布資料1に示した真舟小学校用地では60区画が造成され入居が続き本市の人口増加に寄与しておりますが、まだ売却していない土地がその隣に残っております。同様に波岡公民館の北側にも1万uを越える小学校用地が残されております。これらは普通財産として管理されていると聴きますが、今後どのように利活用を考えているのかご説明下さい。
 
 真舟小学校用地の残地及び波岡公民館北側の旧小学校用地につきましては、現在、発災時等の仮設住宅用地に指定をしておりますが、市場動向や民間需要等を考慮しつつ、売却も含め、より効果的な利活用が図られるよう研究してまいりたいと考えております。
 

 では続いて大綱2の質問に移ります。中項目1点目職員構成のうち年齢性別構成の解消についてですが、今年度も年齢の上限を45歳に引き上げ、職務経験を有した一般行政職を応募すると答弁がありました。不幸にして非正規職員の状況が続いた方は、職務経験がありと認められるのでしょうか。
 
 職務経験についてのお尋ねでございますが、非正規職員の方でも経験年数を満たしていれば、受験は可能でございます。
 

 恵まれてこなかった方でも受検が可能であるということで少しは安心しました。これまでの経験に関係なく優秀な職員を採用するというお考えに立ち門戸を広げるべきと思います。次に待遇の違いを確認したいと思います。仮に22歳で大学を卒業して他の官公庁に20年間務めた方と、20年間非正規雇用の立場にあったものが同時に採用された場合の待遇の差をご説明願います。
 
 同時に採用された場合の待遇の差でございますが、他の官公庁の職員として勤務していた期間と、アルバイトなど非正規雇用として勤務していた期間とで、初任給決定時の経験年数や職務内容によりまして、加算の換算率が異なることから、初任給の額に差が生じて参ります。
 

 職員の採用にあたっては性別等にこだわることなく優秀な職員を採用したいという答弁が先ほど有りましたが、年齢を重ねた場合は優秀であっても経験によって初任給に差が生じるという事です。これは制度上、仕方がない部分もあるかとは思いますが、就職氷河期という状況の中で優秀な方が埋もれている場合もありますし、先ほど例を挙げた宝塚市のように周知されれば応募は多くなると思いますので、職員の年齢構成を是正しながら、良い人を採用できるよう期待いたします。
 次に専門職員の補充方法についてですが、特定の政策では民間の専門家を登用するため委託契約等を取り入れると回答がありました。私の経験した道路公団や都市再生機構では事務所で職務をしている職員の多くが民間企業からの委託でした。デジタル先進地の福島県磐梯町でも日本初となる自治体の最高デジタル責任者、いわゆるCDOは外部の者に委託しております。柔軟な取組が必要だと思いますが今まで木更津市でそのような事例はありましたか。
 
 特定の政策への外部人材の登用でございますが、議員のご質問でもあげていただきました、危機管理官の採用のほか、今年度切り替えをいたしました基幹系システム導入に係るアドバイザーや、デジタルトランスフォーメーションの推進に係るCIO補佐業務の委託など、外部の方の支援をいただいております。
 

 既に市内で事例も有るようです。「らづbiz」では公募によって目覚ましい実績を上げたように、市でも責任有るポストに優秀な人材を登用する制度が上手く定着することを期待いたします。
都市公園の基本計画についてお聞きします。来春に完成する鳥居崎公園の飲食店を見た市民から、小櫃堰公園や太田山でも飲食が出来る店舗の設置を希望する意見が多く寄せられるものと私は想定していますが、現在でも両公園ではその様な希望が多く寄せられては居ないでしょうか。
 
 現在、市民の皆様からの飲食店等を希望するご意見は寄せられておりませんが、今回実施したアンケートにおいては、飲食店等を希望するご意見をいただきました。
 

 既にアンケートで希望がある上に、鳥居崎の施設完成の影響が少なからず出ると思いますので、様子を見ながら検討を進めていただくようお願いいたします。太田山公園の将来像についてですが、9月10日まで実施された市民アンケートではどの様な意見が多かったのかお教えください。
 
 アンケートにおいて将来像に繋がるご意見としましては「眺望を楽しめる公園」や「四季折々の花が鑑賞できる公園」を望むご意見が多く寄せられておりました。
 

 花で季節を感じられる公園というのは全国的に多いので太田山でもその様なことが求められているのでしょう。私もそれについては同感ですが、更に市のシンボルとするために先ほど申しましたが用地拡張も含めて周辺と一体となった整備を行うべきと思います。現在の太田山公園改修に伴う調査業務委託を行っていると思いますが、将来計画や概算事業費までお示しするつもりでしょうか。
 
 本業務委託におきましては、既存の太田山公園の再整備を進めるにあたり、将来計画の指針となる将来像を検討し、また事業化するための事業事例について収集検討するとともに、概算事業費も参考として算出しています。
 

 それではそこで出来る将来像の内容に期待したいと思います。太田山公園には現在博物館があり、移設された安西家もございます。それだけでなく前方後円墳や戦争遺跡が有るなど、総合的に木更津市の歴史を理解することが可能な立地状況です。この状況を活用するよう4年前の9月議会で私は質問しておりますが、その際に検討を進めると伺っていますが、その後はどうなったのか、教育部にお伺いします。
 
 はじめに、太田山古墳につきましては、現在、公園内の案内板に古墳の場所を表記し、周知を図っております。また、市街地に残る全長40mの前方後円墳として『木更津市史』の本編に掲載する予定としております。次に、戦争遺跡の「特殊地下壕」につきましては、旧日本軍の軍事施設で、市が平成19年6月に行った内部調査によると、地下壕内は途中から土砂で埋没しておりました。このことにつきましては、本年11月発行の「木更津市史編さんだより」第6号に掲載し、市ホームページでも閲覧できるようにしております。
 

 古墳を市民の方に理解してもらうために復旧が行われている事例は全国に多くみられます。博物館に近接する前方後円墳である太田山古墳を活用していないことが残念です。現状は竹が生い茂り、その地下茎により古墳の破壊が進む懸念があります。対策が必要だと思いますが如何でしょうか。
 
 文化財保護の観点では、古墳の形状を変えることなく、現状保存が望ましいとされております。また、樹木の根を抜き取ることによって、古墳を壊す恐れがありますことから、古墳本体に影響を及ぼさない対応を考えてまいります。
 

 現在案内看板に場所を明記していても近づく道がなく、見渡せる場所も有りません。もっと現物を見せる努力が必要だと思います。樹木に覆われて山林に戻ってしまう前に対策を検討して下さい。次に戦争遺跡の保存ですが、記録だけで後世に伝える効果は学術的な意味は有るかも知れませんが教育的効果は限定的であると思います。山の中に地下壕を設けてまで戦争を継続させようとしていた、その現場を感じることが重要だと私は感じます。既に戦後76年が経過し当時を知る方々が居なくなる前に具体的な現場保全を伝えることも戦後に生きる我々の責務であると思います。予算が掛かることは否めませんが整備を検討すべきと思いますが如何でしょうか。
 
 戦争遺跡そのものを活用することの効果は大きいと考えますが、まずは、『木更津市史』の本編の中で、戦時中の木更津の様子とともに、戦争遺跡について紹介してまいりたいと存じます。
 

 市史という文章で残せば充分とは思いません。現物からしか伝わらない事も多くあります。特に戦争遺跡については関係者が存命のうちに保存展示に向けた対応がなされるよう要望し、次の質問に移ります。
 適正配置の検討手順について確認いたします。統合の目安が「すべての学年において複式学級が継続して発生することが予想される場合」に変更に成ったという回答がありました。 つまり
配布資料4に示す児童数で推移した場合は令和10年度まで統合されることは無いと理解します。しかしながら小規模特認校制度を利用する児童数が今年度実績値である5人を必ず維持できる保障もありません。利用者が激減した場合は令和5年度に地域の8人の児童が全て入学しても令和7年以降は全ての学級が複式になる可能性がありますので、早い場合令和5年には統合の検討に入る可能性が出てきます。その段階になると、小中学校適正規模等審議会を再度設置するとともに地元説明会を開始するのか伺います。
 
 令和2年1月策定「木更津市立小中学校の適正規模及び適正配置に関する基本方針」には、「小規模特認校の実施状況等を踏まえながら、毎年度点検し、必要に応じて修正や見直しを行います」と明記されておりますことから、審議会は設置せず、必要有ると判断した場合、実施計画案を作成したうえで、保護者や地域への説明会を開催することとなります。
 

 審議会の諮問を得なくても実施計画を策定できる考え方だということは解りました。では小規模特認校制度について改めて確認させていただきます。再び、配布資料4をご覧下さい。この想定では来年度から学区外から通う子どもたちが多くなり、令和6年度には過半数が学区外からの通学となります。小規模特認校制度は東清小学校以外にも3つの小学校でも実施されており、小規模な学校を望む生徒の多くを東清小学校に集める強い目的が必要となってきます。東清小学校の特色としてSDGsの推進や外国語教育、プログラミング教育を展開しており、中郷小学校・鎌足小中学校・富来田小中学校でもそれぞれに特色有る展開を行っていることは9月議会の石川議員に対する答弁で伺っておりますが、校長交代により方針が変わる可能性があり、越境して通学してくる子どもたちや父兄の不信を招くことが危惧されております。この解決策としてはどの様に考えておいででしょうか。
 
地域住民や学識経験者等が参加する学校運営協議会を組織することにより、校長が代わっても継続した取り組みが可能となりますことから、本制度を小規模特認校へ導入し、児童や保護者の不安を解消したいと考えております。
 

 特色ある制度を学校運営協議会で守るという考えは理解しました。私は多様な学びの場を否定はしておりません。学校運営に関するコストもその一方で無視できませんし、何より少ない友達の中で切磋琢磨される機会が少ない子どもたちの教育環境が気になっております。統廃合について地元や関係者の理解を得るためには充分な話し合いの時間が必要ですので、長期的な計画の元に適正配置の検討を進めて下さいますようお願いします。
 以上で全ての質問を終了いたします。