世界の旅 フィリピン共和国:ボホール島とセブ・マクタン

2015.07.13-07.16 キャセイパシフィックで往復 宿泊はCityscape Hotel
▼13日 セブ島への到着  HISが飛行機と宿で4万円を切るセブ旅行を売り出した。近隣諸国の中でフィリピンに行ったことがなかったので迷わず購入。週末には何かと用事が多いので月曜に出発して木曜日に帰る日程である。同行する嫁は仕事の休みの調整が大変だったようだ。
 
 7:23のバスで東京湾を渡り10:35の便で羽田を発つ。台風が近づきつつあるが天気はよい。機内サービスで「風に立つライオン」を見ているうちに香港に到着。乗り継ぎ便でセブ・マクタン空港には現地時間17:05に到着し入国した。リゾートとはほど遠い薄汚れた感じの空港であった。既に日没後で暗く街の雰囲気は解らないが、外灯や信号が少なく人とバイクの多い道ををホテルまで送迎して貰う。機内食だけでは小腹が空いたのでホテルの近くにあったフィリピンでは著名なハンバーガーチェーンであるJollibeeまで歩き、ハンバーガーを食べず、チキンとパスタの夕食を取り、セブンイレブンでビールやえびせんもどき等を購入して宿に戻る。治安が心配な事と女性連れであるため夜の街散策も出来ず、初日は終了である。
▼14日 ボホール島観光ツアー  旅行の2日目はセブで日本人が経営しているJRエクスプレスの現地ツアー(120ドル/人)でボホール島に渡る。セブ観光の前にボホール島へ行くのは、仮に帰りの船が欠航になったときに帰国便への対応が出来る日程にしためである。6:45にピックアップと早いのであるが、ホテルの裏の荒れた敷地で大量の鶏を飼っており早朝から鶏の声で目を覚まされるためモーニングコールは必要ない。
 
 高速船の乗り場周辺は整備された港でコンテナも多く、ガイドが言うには多くの日本企業が工場を建て製品を輸出しているようだ。現金仕事が有るため、地方からセブ市に集まる若者が多く、住む場所がないために河川や道路用地などを不法専用している事例も多いと聞く。
 ほぼ満席となった8:00の船でセブを後にしてボホール島タグビララン港には10:20に到着する。迎えの車に乗りボホールのガイドさんとともにロボック川クルーズへ移動する。
 このクルーズは熱帯の森を見ながら川風に吹かれる船内でバイキング式にフィリピン料理を食べられるもので、日影に入れば日本の夏より涼しく快適である。11:30に出発し、観光用の村で折り返すおよそ1時間の船旅の間、コースの食事と個人負担の麦酒60P(≒170円)を満足して港に戻った。
 次の観光は、世界最小のメガネ猿という「サーシャ」の保護区で、港から20分程度の移動で到着する。山に入っても道路は全て快適に舗装されていた。車を降りて山道を歩き始めるが夜行性の小さな猿は大きな葉っぱの下で休んでおり、ガイドさんの解説がなければ見つけられないようなものだった。駐車場に戻り喉が渇いたので売店で椰子の実を切った生ジュースを飲む。価格は25P(≒71円)と観光地なのに良心的である。売店の売り子は無理に土産を押しつけないし、結構好感を持てる所である。
 更に移動し、マホガニーの人工森を抜けて峠を越え、ボホール島で最もメジャーな観光地であるチョコレート・ヒルを眺める展望台には13:50に到着した。214段の階段を上り1268個と言われる大理石の丘が並ぶ景観を時を忘れて満喫する。なお、この不思議な景観は世界遺産に推薦されているようにも聞くのであるが今年の登録にも入って居らず、帰国後にネットで調べてみたがよく解らなかった。
 
 帰路は往路を忠実に戻るので、途中素通りしたマホガニーの森やマングローブが生える海岸などの景色が良いところで車を停めて貰い写真撮影を行う。ボホール最古の1596年建築であるバクラヨン教会も観光に入っているのだが、2013年10月15日にボホール島で発生したM7.2の地震で壊れ、現在は修復中であり内部見学は出来なかった。道路際のホテルの庭にある血盟記念碑を見て観光が終わり、帰りの船まで少し時間が残ったのでフィリピン名物のハロハロが食べたくなり、ガイドさんに美味い店は無いかと聞くと、街中にあるチェーン店のINASALに連れていって貰った。多くの地元市民が午後の休息を楽しんでいる中で、Sサイズのハロハロ(53P)を食べてボホール島の観光を閉める。
 なお、ここまでの現地通貨ペソは全てマニラ出張経験がある嫁が持ち帰ってきたものを使っており、まだ私はフィリピンに来て両替をしていなかった。ハロハロの店から港は近く、船の出向まで時間があるなら両替をしておけば良かったと思ったのはガイドと別れた後であった。
 
 17:00の船で港を離れる。帰りの船もほぼ満席で、前の欧米人の娘が椅子を下げようと揺らし膝に当たって痛いので甲板まで夕日の撮影に出たりする。19:40にセブの港に到着し、朝方にホテルに迎えに来てくれたガイドさんに拾われ、マクタン島に有る有名店のhola Espanaへ行く。今回のパックでは22時までガイドと車を拘束できるので、真っ直ぐにホテルに向かわずに、この様に自己都合で寄り道が出来るから便利である。
 多少贅沢にワインを飲みながらスペイン料理に舌鼓を打つが、船が30分程度遅れたことと、パエリアの調理時間が長いうえに量が多くて食べきれなかった事が重なり、レストランを出たのは21時を大きく回っていた。因みに料金は二人で8千円近く。日本国内価格と余り差はなかった。
 マクタンからセブへの帰る道は深夜なのに渋滞しておりホテルに帰り着いたのは22時半に成ろうかとした時間であったが、時間延長の追加料金などは取られることなく、気持ちよくこの日の旅を終えることが出来た。 
▼15日 セブのアクティビティと観光  鶏の鳴き声で目覚めると今日も天気が良い。ビーチアクティビティを楽しむには気持ちが良さそうでワクワクする。朝8:00にホテルでピックアップされ今日もJRエクスプレスのツアー(120ドル/人:連日なので15ドルの割引有)のお世話になる。まずは空気の送られるヘルメットを被って水中を歩くという潜水夫のような「シーウォーカー」なるものを楽しむためにリゾート地区に向かうのであるが、直前まで貧しい街並みと整備の悪い道路が続きちっともリゾート気分が涌かない。この辺りは昨年行ったバリとの大きな違いだと感じさせられる。海に着く前に今回の旅で始めての両替を行う。2万円が7060Pである。少し前は1万Pを越えたと知っているので、日本円が弱くなっていると実感する。
 
 ホテルの敷地に入ると流石に綺麗になり、水中を楽しみに入る。実は二人ともダイビングライセンスを持っているのだが、安い上にやったことがない企画を楽しもうとしたのでダイビングはしなかった。9:48に海中に入り水深5m程度の水中世界で魚と戯れ10:13に船に戻った。
 その後、JRエクスプレスのオフィスに行って料金を払いながら日本人スタッフとお話をして市内観光に移る予定だったが、車内で「高くてパラセーリングを諦めた」とガイドに言うとフィリピン人が経営する安いものも有ると言われ迷わず参加する。
 一人2000P(≒5700円)で乗せて貰った2006年にタイのパタヤで乗ったものより遙かに高く上がり、マクタン島越しにセブ市街のビルまで見える快適さであった。11:22に離陸し11:37に船に戻る15分間の快適さは料金以上の価値を感じる。船のクルーに聞くと高さは150mも上がったようである。港に戻り砂浜で少し泳いだ後、セブに移動してフィリピン料理の昼食を食べて、今度こそ市内観光に出発する。
 
 日本の軽トラックの中古を改造したジップニーに20人以上が乗車している姿に感心しながら、まずは富裕層である中華系住民の住むビバリーヒルズに有る道教寺院に行き、経済格差を見せつけられ、次にカルボンマーケットを車窓から見てマゼランクロスに行き、地震で外壁が壊れたサント・ニーニョ教会を見学する。通常で有ればサンペドロ要塞も入るのだが、地震で壊れているという事もありパスしてシューマートショッピングモールに直行して貰う。
 16時に入った大きなショッピングモールにフィリピンの経済成長を感じながらお土産を購入する。ドライマンゴーの売場は日本語と中国語が多かったのが気になるが、他は地元の若者達が楽しんでいる感じで気持ちよい。2j時間近い買い物に付き合って疲れモールの中に有るスペイン料理のMOOONという店で早めの夕食を摂り、19時にピックアップされてマクタン島のSPAに向かう。
 Maligaya SPAは高級店なのに1時間のアロママッサージが現地価格の1200P(≒3400円)で良いとガイドが話を付けてくれる。旅行会社のツアーだと最低6000円は取られる所なのでお得感が有る上に技術も高く満足する。
 21:20を過ぎて観光を続ける。マクタンシュラインに行き、世界一周の途中で死したマゼラン終焉の地を見る。この時にマゼランの魔手から島を守ったラプラプ王がフィリピンの英雄となっており金色の像に成っているだけでなく市の名前にも成っていることを知った。アジアの価値観を知るためにも是非とも知っておきたい話だと思った。
 結局、この日もホテルに帰ったのは22時を回り、1日をフルに満喫する日程となった。
▼16日 日本への帰国  今日も鶏に起こされ9:20にHISの迎えがホテルに来るのを待つ。目の前にはトライシクル(バタバタ)が溜まっており、サイドカーなのに3〜8人乗りで走り回っている。マクタン島に渡り12:25の便で出国する。香港に着くと16:20の便が大幅に遅れて18時に成るという。台風の影響かは解らないが諦めるしかない。機内サービスで「シンデレラ」を見て羽田には23:30に到着した。既にアクアラインバスの最終は出た後なのでタクシーで金田駐車場まで帰ったが、高速代を含めて9,930円で済んだことは有り難かった。大雨の中で荷物を車に移し、日付が変わった頃に帰宅した。