台湾で思う
2009/06/18記
 オリンピックにChinese Taipei(チャイニーズタイペイ)として出場している中華民国は、2006年の国内総生産(GDP)で世界第22位(参照)に位置する経済大国でありながら国連に加盟しておらず、形式的には日本が承認した国家ではなく正式な国交もないため大使館も置かれていない。
 Wikipediaによると国家として相互承認しているのは僅か23国で、殆どの国が大陸の中華人民共和国の一部という建前を認めている。建前というのは政治も経済も軍事も全ての点で完全に独立しており、実体は別の国家であることを本音では疑っていない。それは中華民国の総統選挙で中華人民共和国が威嚇的な軍事行動を取ったときに中華民国を承認していないアメリカが第7艦隊を派遣したことで明かである。
 
 承認されていないとは言え、中華民国の人達はかなり自由に海外に出掛けることが可能である。例えば日本への観光に対して、大陸からでは原則ビザが必要であるが、台湾からでは必要ない。日本政府観光局の統計によると2008年の訪日観光客約835万人の内、韓国の238万人に次ぐ第2位の139万人が台湾から訪れており、全訪日観光客数の約16.6%を占めている。
 そのように自由に行き来が出きるからとは言え、正式な国交が無い分を民間外交で補っていることもあり、そのような一つとして(社)かずさ青年会議所が台湾の花蓮青年商会と姉妹締結関係を結んでいる。姉妹締結は中華民国が国連から議席を失う2年前の1969年に行われた。かずさ(当時は(社)木更津青年会議所と言っていた)にとっては唯一の姉妹関係であるが、先方の花蓮は日本の大垣、韓国、タイ国に各1箇所の合計4箇所と姉妹締結を結んでいるから毎年の交流が大変であろうと想像できる。
 
 今年は締結40周年という事で4年ぶりに台湾を訪れてきたが、相変わらず親日的な国民性に癒される事が多い。この間に独立志向が強い民進党から大陸重視の国民党に政権が変わり、台湾海峡の緊張は失われた。世間も躍進する大陸に注目が集まり、台湾の話題が少なくなってきたと感じるところである。民進党が政権を執っていた頃、仮に台湾独立運動が起きた場合は反国家分裂法に基づく国内問題として武力行使も辞さないと大陸が言っていたのも記憶の彼方になってきた気がする。
 しかし、チベット問題で証明されたように、いざとなると軍が行動するのが中華人民共和国である。国政レベルの話で何とも無力ではあるものの、仮に台湾への軍事侵攻が行われようとした場合は私には何が出来るだろうか。そんなことを思いながら台湾から帰ってきたのである。もちろん北京政府もそんな馬鹿げたことはしないだろうと信じているが、時々は考えてみなければ成らない問題だと思っている。