費用弁償の廃止を思う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2009/12/21記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
荻野議長が滝口議会運営委員長に対し費用弁償の可否について諮問し、委員会で審議したところ、16日に行われた12月議会の最終日で木更津市議会における費用弁償の廃止が議員発議で提出され、全員一致で可決された。 私個人の考え方は議員に成る前から、全国的に報酬の2重取りとの意見が多く出されている費用弁償については廃止すべきであると考えていた。この事は一昨年の12月や今年の3月にも記載しているが、あまり積極的に働きかけてこなかった。 費用弁償を支給する事の是非については、今年の6月に市川市議会に対し請願書が出されながら継続審議とした事案が新聞で報道された事が直接の原因に成ったのか、鶴岡議員のHPが起爆剤になったのか、それともそれ以外に後押しする物が有ったのかは定かではないが、近隣市に先だって廃止の決議を出来たことは、ほっと安堵するところである。 ただ、習志野市や流山市のように面積が狭い市では交通費も生じないだろうが、市原市や君津市のように市役所まで片道30kmを越えるような場所がある自治体では適正な交通費を支払うべきであろう、という議論が間違っていると言うつもりはない。木更津市においても富来田地区の議員は、時として会議に出席するため木更津東インターチェンジから木更津南インターチェンジまで高速道路を走ってくる場合があるが、それは全て自己負担である。市役所の近所に住んでいても、活動範囲が広域に渡っているから議会に出るために余分な交通費が必要になるという議員も居るだろう。それらを加味していたのかは定かでないが、今までの制度は居住地や生活拠点に関係なく支給されていた。 昨今の傾向では議員に選ばれた以上、議会等に出席するのは当然の義務であるというのが市民の大勢である。職住が必ずしも近接していない現在では、例えば市役所から遠くに住んでいながら市役所の近くの企業に勤めている議員と、市役所近くに住んでいながら日常の生活拠点が市役所から遠く離れている議員のどちらに交通費を支給するべきかという悩ましい問題がある。それを解決するためには一気に廃止してしまうことが最もスッキリするのであろう。 さて、では具体的に費用弁償を廃止した場合の効果はどの程度になるのか、平成21年1月から12月における私の受給額を集計してみた。今年は5月と7月に臨時議会が入ったことや、個人的に3月に予算審査特別委員会、9月に決算審査特別委員会に選出され、さらには常任委員会や特別委員会の出席以外にも広報委員会への出席が有ることなどから、例年以上に支給が多い年と実感してはいたが、下表のように年間で42回も支給されていたので、私は年間で42×1,500=63,000も受給していたのである。一般的な議員の平年平均は5万円弱程度と思われる。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1日に複数の会合があった場合は。上位の会議に含めた。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
人事院勧告に基づいて期末手当が削減される案件を可決しながら、そのうえ費用弁償も無くすことに厳しさを感じている議員は少なからず居るのではあるが、昨今の景気後退と税収減少に対して責任有る行動に出るべきと考えた議員が殆どだったので、全会一致という結果に成ったと思っている。これは誇るべき事であろう。 付け加えるなら地方自治法の第203条の3及び5で費用弁償を受けることや額を決めることは認められているのであるが、それを当面の間停止したのではなく、廃止したのが潔い。 ただ、一言だけ付け加えたいことは、木更津市議会は今までも決して他市に比べて多くの報酬を受けている訳ではない、という事を理解してもらいたい。 議員報酬については人口10万人以上20万未満の都市では鎌ヶ谷市についで2番目に低い金額であり、政務調査費も最低の金額である。今回の人事院勧告を加味する前の平成21年度当初の額で、具体的に示すと下表の通りである。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
これで見るように、本市議員は少ない金額であることが理解していただけると有りがたい。重要なのは議員個々人の能力とか発信力とかであり、少ない政務調査費でも自腹で頑張っている議員が本市には多いぞと思われたい、と考えるのは貧乏な都市の議員だからだろうか。 さらに個人的に問題にしたいのは本市では平成12年度で廃止して、現在は支給していない『日当』の問題である。これは行政視察のように公務で出張する場合に支給する物で、現在県内36市の内、16市で支給されており、その金額は下表の通りである。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
他の自治体の判断は、それぞれの議会が負うことであって、私がとやかく言うべき筋では無いことは承知しているが、木更津市議会は決してさぼっていませんよ、と伝えねばならないと思い、このような記事を書かねばと思っていたのであった。 |