金田のバス運行を考える
2011/08/31記
 回答を先送りしていた金田バスターミナルに関する質問メールにそろそろお答えせねば成るまいと思い、覚悟を決めた。
 質問の全文は下記の通りである。 
 
 金田のバスターミナルについての進捗状況はいかがでしょうか。次の点についてお教えいただければ幸いです。
 
@東京湾アクアラインを経由している路線バスとして、大網白里、蘇我、鴨川、勝浦、御宿、館山、市原、君津、木更津等を始発としています。そのうちどの路線が金田バスターミナルを中継するものと考えているでしょうか。
 
Aバス料金は現行と比較しどの程度減額されますか。反対に増額の心配はいかがですか。
 
B旅行用の荷物等のバスから乗り継ぎバスへの移送はスムーズに行われますか。
 
C日東、小湊、京成、小田急、京急、臨港、東京空港、JRバス等との話し合いはどの程度進んでいますか。
 
D市原市、袖ヶ浦市、君津市等との調整はどの程度進んでいますか。
 
E袖ヶ浦バスターミナルはどうなりますか。
 
F乗り継ぎによる便利さ、不便さはどのように考えていますか。
 
G新たな路線の計画はありますか。
 
Hその他参考になることがあればお願いします。
  
 質問が多岐に渡るが、木更津市の現状で私が把握しているところを記載すると次のようになる。
 
@ 金田バスターミナルを総合バスターミナルとして位置付け、利便性を高めるためには全ての路線を金田に停車させることが望ましいと考えている。そのためには測道型にして時間損失を抑制すべきだと考え、去年の9月議会で図面も提示して質問も行ったのだが、市が発注した検討業務では現在の位置で拡張する事を目指すようだ。本線から離れることで時間損出が生じるので全ての運行会社が本当に停まってくれるのか疑問がある。また規模にしても大型のターミナルを作る計画であるが、そんなに大規模なものは不要ではないかと思い、建設常任委員会で今年の秋に徳島の事例を視察することにした。
 
A バス料金は基本的に変更は生じないと考えている。但し料金については8月22日より道路運送法に基づく路線バスではなく、旅行業法に基づく都市間ツアーバス(会員制バス)として竃[総エキスプレスHDが木更津→東京で800円の便を設定し、それに対抗するように路線バスの始発便も現金客に限り700円の設定をするなど、競争の結果で料金が下がりつつある。個人的には深夜バスの時間帯で勝負する会社が現れて欲しいと思っている。
 
B バスの荷物は、飛行機のように運航会社が次の便に運ぶのではないため、乗客が取り出して次の便に載せるなどの対応をすることになる。因みに羽田空港ではレーンの案内員が荷物も積み込んでくれるが、金田で運行会社の負担により、そのような対応を行うことは難しいだろう。
 
C 運行している箇々のバス会社と個別協議は行わず、千葉県バス協会を通じて話し合いを進めている。具体的にはアクアライン便の幹事会社である日東交通が全体の代表として様々な会合に出席している状況である。
 
D 近隣市(市原市、袖ヶ浦市、君津市等)とは具体的な調整を行っていない。金田の利便性が増すことは近隣市、特に木更津市民の利用も多い袖ケ浦BTを持つ袖ケ浦市にとっては望ましくないことなので、協議が行いにくい状況にある。
 
E 袖ヶ浦バスターミナルは現状でも多くの利用があるので当面は引き続き存続されると思われるが、中野畑沢線経由便が多くなると経由する便数は減る事もあり得るだろうし、現在袖ケ浦BTを利用している人が大幅に金田にシフトした場合は便の廃止も有るかもしれない。ただ、金田までのアクセスや駐車場の規模を考えると一気に袖ケ浦離れが生じることは無いと思う。
 
F 乗り継ぎが出来ることにより、例えば品川便や新宿便の無い羽鳥野BS利用者などは金田乗り換えで選択が広がり、大変便利になると思われるし、現在金田を多く利用している者にとっては通過便数の増加が生じることで利便性の向上が図れる。不便さとしては金田に停止することで目的地までの時間が余分に係るようになり、速達性が低下する事を上げることが出来るだろう。
 
G 新たな路線の計画について、バス運行会社からは特に話が来ていない。しかし圏央道の延伸に伴い現在運行されていない白子・一宮・大原等の外房沿線から羽田に向かう便が出来るのではないかと個人的には思っている。
 
H 参考になる話であるかは難しいが、来春開業予定の三井アウトレットパーク木更津金田(仮称)にバスブースが設けられている。基本的には路線バスのためのブースであるが、需要が高まった場合は御殿場のように東京直行便が設けられる可能性は否定できない。また、金田BTの施工に当たっては、未だに県と市の間で負担をどうするか等の細部が詰まっていないという問題があり、当面は現在のバスターミナルを使用し続ける、という事も選択肢の一つに成るであろう。
 
 質問を頂いてから回答まで2週間近く掛けてしまったが、現在の金田に関する状況について、知るところと思うことを合わせて記載させていただいた。金田については変動要素も多く、1年も経たない内に今回の記載事項と違う方向が示される可能性もあるので、今後も必要に応じて情報を提示し続けようと考えている。