快速停止が要望される
2012/10/30記
 巌根駅はJR内房線において唯一快速列車が停車しない駅である。そのため地域の住民の不便さが募るだけでなく、人口減少に伴う活力低下を招いている。
 そのため、岩根区長会を中心とした3団体で2009年10月25日に「巌根駅に快速電車を停めよう!推進協議会」を発足し、署名活動を行った結果、2010年1月25日に11,526名の署名を添えてJR東日本と千葉県と木更津市に要望書を提出し、その後は駅前に要望看板の設置を行い、、2010年9月2日にはJR東日本に対して再度要望書を提出した
 
 市とJRによる協議も進み、2011年の当初予算ではホームの改修費として2億円の負担金が計上されていたのではあるが、東日本大震災の発生によって大きな被害を受けたJR東日本は、東北の復旧を最優先にとしたため、当面の間、店晒しに成っただけでなく、駅前の整備にあたってもJR東日本保有の土地購入を求めたり、ホーム延長にあたっての負担金のハードルが厳しくなったりと、事業が進みにくい状況となっていた。
 
 地域住民も協議の進行を見守っていたのであるが、再要望から2年も経過し、翌年度予算編成の時期を迎える中で、巌根駅の事が忘れ去られているという心配が地域住民の間で起き、岩根区長会を始めとする14団体の連名で10月29日に市への要望が行われた。
 私は「巌根駅に快速電車を停めよう!推進協議会」の事務局長ではあるが、今回は各団体の要望という形式になったので、大村・齊藤・重城・鈴木各市議とともに地元市議という立場で高橋県議とともに同席した。
 今回の要望書の文面は下記の通りである。
 
内房線巌根駅への「快速電車停車」に関する要望書
 
 平成23年3月には東日本旅客鉄道株式会社と木更津市で快速電車の停車に合意し、平成24年3月までに巌根駅ホームの延伸を行って快速停車が実現する予定でありました。
 しかし東日本大震災が起こり、東日本旅客鉄道株式会社の予算が震災の復興に重点的に回されることとなり、本年3月の停車は実現に至ることが出来ませんでした。
 現在、東京湾岸の金田地域をはじめとして開発が進み、三井のアウトレットモールの開業、ベイシヤ、カインズホーム等の商業施設が充実してきている中、内房線の千葉駅から君津駅の間で唯一快速電車が止まらないため、最寄りのはずの巌根はそのメリットを活かせない状況となっております。
 そして木更津市が進める「かずさアクアシティ」計画を推進するためにも、多くの人を移送する事が出来る快速停車が必要不可欠であり、その人の流れを活発化させることは、木更津市のみならず房総地域の発展にむけて欠かすことはできないものであります。
是非、再度早期の実現に向けて東日本旅客鉄道株式会社への協力を市から要請いただけるよう、下記の項目について改めて要望いたします。
 
要望項目
 平成26年3月までに、快速電車を巌根駅に停車する事ができるよう木更津市が東日本旅客鉄道株式会社に協力要請するとともに、市の積極的な行動を要望します。

平成24年 10月 29日
木更津市市長 水越 勇雄 殿
 
要請団体
 岩根区長会・高柳地区消防後援会・岩根東地区社会福祉協議会・高柳農家組合・岩根中央通り商店会・岩根小学校PTA・江川あけぼの会・岩根若木会・岩根西地区社会福祉協議会・岩根西地区まちづくり協議会・防犯指導員岩根支部・安全協会高柳支部・青少年育成岩根東地区住民会議・木更津法人会北支部
       
 
 要望書提出に参加した団体の代表者は、岩根区長会の田中会長、木更津法人会北支部の小籠支部長、岩根中央通り商店会の渡辺会長、岩根東地区社会福祉協議会の中澤会長、高柳農家組合の安藤会長の5名である。
 提出を終えた後に市長、副市長、企画部長等との話し合いが持たれ、市も駅前広場の整備を進めると供に、JRに対し引き続き協議する事が確認され、特に駅の改修を必要としない京葉線快速を停止させることを強く望んでいく事となった。
 
  上の写真は「新日鐵住金かずさマジック」の壮行会が行われた今月25日の19:34に君津駅に停まっていた各駅停車の列車の行先表示を撮影した物で、巌根駅にも停車して東京駅まで行くことが示されている。
 お気づきのように、これは京葉線快速であった車両で、18:02に東京駅を発車し、京葉線区間を快速で走り抜け、19:15頃に内房線で巌根駅を素通りして19:25に君津駅に着いた車両が12分の停車の後、19:37に君津駅を出発し、19:48に巌根駅に停車し、蘇我以北の京葉線区間も各駅で停まって21:12に東京駅に帰るものなのである。つまり京葉線快速の車両は物理的に巌根駅へ停車できるのである。
 かつて長浦駅にも京葉線快速だけが停車していた時期もあったように総武線快速と別の運用を行っていた前例もある。ホーム延伸工事を行う前に、まずは京葉線快速だけでも停車するダイヤ編成にして貰いたいものである。