集会は午後1時の開会と聞いていたので、岩根西公民館で開催される通学合宿の結団式を終えると速やかに自転車で現場に向かった。開始時点では参加者も疎らに見えたが時間を経て人数が増え、午後2時の頃には多数の参加者が木陰の下で休んでいた。会場の中には「神奈川」「栃木」「茨城」等の県外の旗や個人の名前の入った幟も目立った。
今回の集会を案内するビラが周辺地域に配布されていたようなので、会場の中に岩根地区の知人の顔が無いものかと見て回ったが、良く知った市議会議員の顔以外に地元の人には気が着かなかった。人が多いので見逃したのかも知れない。
参加者の横断幕にはオスプレイは木更津に要らないというだけでなく厚木に要らない沖縄に要らないというフレーズも有り、挨拶には生方幸夫衆院議員（立憲民主党）、畑野君枝衆院議員（共産党）、青木愛参院議員（自由党）という野党議員が登壇し、「県民集会」というより全国大会のようでもあった。
一方、街宣車の部隊も新宿交差点を中心に共産党批判や反対集会を警護する形に成っている警察を批判し続けていた。
街宣車も関東周辺から集まっているようで、車の大小や色も多様であり、静かなものから騒がしいものまで多様であった。交差点では私以外にも撮影をしている市民が沢山いたが、車群の通過が終わるまで交差点を封鎖していたことで、車両だけでなく街中へ行こうとしている歩行者の住民まで長時間に渡り足止めを受け、現地では警官と軽微なトラブルに成っていた。
2年前の11月13日には通行止めの車列の先頭集団に入ってしまい、Ｕターンさせてくれないかと警察に依頼したものの認められず長時間の待機をさせられてしまった。今回は交差点のバリケードの手前でターンが出来るように成っていたので警察も考えているなと感心したが、道路事情に明るくない観光客には対応が出来なかった様で、何時解放されるか解らない中で長時間耐えていた。
埼玉に住む義弟は、アウトレットで買い物をして回転寿司のやまとで食事をするというのが木更津の定番情報だと教えてくれていたが、今回もその様な行動をしようとした多くの観光客が木更津市に対して不快な思いをしたことは間違えない。今回は極めてレアな事象が起きており、いつもの木更津はこうではないと理解してくれれば良いのだが、第一印象が悪かった街には二度と行かない人も多いので、イメージ回復が今後の課題であろう。
午後3時を回り反対派の集会は陸上自衛隊正門を経て駅までのパレードを開始した。陸上自衛隊前の交差点は信号が手動式に変わり、私の時計では15:14から15:29まで15分間に渡って通行止めをしてパレードを渡していた。
街宣車の渋滞で参っていた人が、今度はパレードの通行止めに遭ったのかと思うと気の毒になる。昭和の頃なら真夏の猛暑の渋滞でオーバーヒートが発生してボンネットを開ける車がいたものだが、性能が高まり、その様な事にならなかったことは幸いである。この後は駅までのパレードが続くのであるが、そこまでは見届けることなく帰宅させていただいた。
何故オスプレイに対する反対なのか、という事を本日整理して考える機会があった。単純に兵器としての脅威で有ればF35や艦載機を搭乗できる護衛艦の方が能力が高い。事故の脅威を表に出して危険というが、軍用ヘリの多くは同程度の事故率であるし、危険性を計算する場合は事故率×通行回数で求めるものなので、上空を通過する航空機や毎日街中を走る自動車の方が年間に事故を起こす可能性は高いものである。
では何故オスプレイなのかと思うと、これは福島の原発事故で発生した放射能の拒否反応に似ていると思うのである。前にも書いたが、生命は自然界から多くの放射線を受けて進化をしてきているし、原発事故の前には癌に効くという噂を信じて多くの人が玉川温泉に集まり、自ら被曝していたものである。それが原発事故の後は福島ナンバーの車や福島からの転校生に対する嫌がらせが全国的に相次ぐなど、理性より感情が先行してしまった。今回のオスプレイも単なるシンボルに成ってしまい、それに反対することが軍拡に対する反対や政権に対する反対に直結するという、不運な存在に成っているように思えて成らない。
最高時速565km/hに過ぎない能力では戦闘機に簡単に狙われるし、輸送量を確保するための大きな機体では地表からでも簡単に攻撃が出来そうだ。個人的には安全性が確保されたら、航続距離が長く速度も速い輸送機は危険な存在でなく、理想的な能力だと思うのだ。近日中に木更津市議会を代表して正副議長や副委員長とともに防衛省に要望書を提出に行く。木更津市ではオスプレイに関してこの様な不利益を得ているという事を念頭に基地対策特別委員会の委員長として仕事をしてくるつもりである。