猛暑の中で考える
2018/08/02記
 今日は木更津市でも今年最高となった7月23日と同じ36.1度を12:46に記録し、木更津市の歴代記録の第5位タイ記録となった。なお過去最高は2015年8月7日に記録された 37.6度である。
 先月23日に埼玉県熊谷市で日本の最高気温を更新する41.1度を記録し、人と会えば暑さの話題が口をつく日々であるが、気象庁は先月の平均気温は東日本で平年より2.8度高く、1946年の統計開始以来の歴代1位を記録したと発表した。本日も岐阜県多治見市で14:13に40.2度を記録したが、多治見市は過去に40.9度を記録しているので過去最高では無かったという事も凄い。
 参考に最高気温が40度を超えたことが有る気象庁の観測点は下表のように本年8月7日時点で21箇所も有り、東北・関東・東海・関西・四国と幅広く分散している。千葉県からは市原市牛久が名を連ねており、決して人事ではない値である。中国や九州ではまだ40度を記録したことが無いという事は意外であった。 
順位 都道府県 観測点 観測値 観測日
1 埼玉県 熊谷 41.1 2018年07月23日
2 岐阜県 美濃 41.0 2018年08月08日
岐阜県 金山 41.0 2018年08月06日
高知県 江川崎 41.0 2013年08月12日
5 岐阜県 多治見 40.9 2007年08月16日
6 新潟県 中条 40.8 2018年08月23日
東京都 青梅 40.8 2018年07月23日
山形県 山形 40.8 1933年07月25日
9 山梨県 甲府 40.7 2013年08月10日
和歌山県 かつらぎ 40.6 1994年08月08日
静岡県 天竜 40.6 1994年08月04日
12 山梨県 勝沼 40.5 2013年08月10日
13 新潟県 三条 40.4 2018年08月23日
埼玉県 越谷 40.4 2007年08月16日
15 愛知県 名古屋 40.3 2018年08月03日
群馬県 館林 40.3 2007年08月16日
群馬県 上里見 40.3 1998年07月04日
愛知県 愛西 40.3 1994年08月05日
19 千葉県 牛久 40.2 2004年07月20日
静岡県 佐久間 40.2 2001年07月24日
愛媛県 宇和島 40.2 1927年07月22日
22 山形県 酒田 40.1 1978年08月03日
23 新潟県 大潟 40.0 2018年08月23日
群馬県 前橋 40.0 2001年07月24日
 24地点のうち17地点は今世紀に入ってから18年間の間に出された記録で、そのうち8地点は今年の夏に観測された記録という事も驚かされる。まだ猛暑が続いているので、地点数は更に増えるかも知れない。今月いっぱいは上記の表を修正し続けようと思う。それにしても、このままだと、30度を超えた「真夏日」、35度を超えた「猛暑日」に続く40度超えのカテゴリーが必要となる時代に入っていると感じる日々である。
 
 この猛暑の原因は太平洋高気圧の上にチベット高気圧が重なることで生じていると気象予報士は解説しており、今までの国内最高気温である41.0度が高知県江川崎で記録された2013年の猛暑と同じパターンだと言っている。
 因みにその2013年には8月11日に歴代観測史上第2位となる最低気温の高さを東京で観測している。その値は最低気温だというのに30.4度である。明け方に成っても30度を下回らないというのはかなり寝苦しい事だろうと思い、はてその時私は何をしていたのかと調べてみると木更津総合高校の応援の前日で神戸に泊まっていたので経験していなかったようだ。今年の夏も木更津総合高校は甲子園に出場している。今年もすごい熱帯夜が来るのかと心配になってしまう。なお、初戦となる福井県代表の敦賀気比高校との試合は8月10日の第一試合の予定である。残念ながらその日は会派の行政視察で松江市にいる予定である。
 二重の高気圧という気象条件は朝鮮半島にも影響を及ぼしているはずだと思って調べてみると、昨日はソウル市で1907年の気象観測開始以来、最も暑い39.6度を記録し、江原道洪川郡では韓国の史上最高記録となる40.6度を記録したようだ。韓国も大変な状況にあるようだ。さらにどちらも北朝鮮との国境に比較的近い場所の記録なので、北朝鮮国内では多くの熱中症患者が出ているのではと推察される。冷房設備も不十分で、気象情報も充分に届かないであろう彼の国で被害に遭われている方々のことを想像すると胸が痛む。
 
 ともあれ、この様な高温の状況下で、西に向いている我が家の事務所ではエアコンをかけても輻射熱が厳しく肌を刺し、思い切って午後からは駅前庁舎に登庁して会派室で9月議会に向けた作業を行うことにした。
 議会がある7階に行く前に、学生の自習スペースを中央公民館の手前に設けたという6階に寄ってみると、既に3人の学生さんが自習している所で、それを副市長と総務部長と総務課長が温かく見守っている現場に出くわした。
 
 これは4年前の市長マニフェストに記載されていた項目で、前の任期中に完成していなかったことを3月議会の代表質問で「未達成である公約」の一つとして「学生の駅前自習施設」はどうなっているのかと聞いたところ、中央公民館仮移転にあわせ、さらなる街なかの賑わいを創出するため、同じフロアへ、学生や若者の居場所づくりとなる駅前自習スペースを整備してまいりたい、という答弁が有ったものであり、それが現実化したと言うことで嬉しく思う。
 当該箇所は市が借用している場所ではなく、スパールシティが木更津市と協議の結果、一般に開放していただいた場所である。机や椅子は市が準備した備品だと聞くが、設置数は40脚程度で、まだこの3倍は収納できそうである。学生間ではスマホを経由して情報が直ぐに広がるので数日後にどの程度使用しているか楽しみである。仮に椅子にあぶれるものが出てきたときには寄附を求めるとかの対策で多くの人を収納できるようになるだろう。
 なお、解放時間は午前9時から午後9時までと長く、事前予約は必要ないが、飲食・懇談・休憩等の目的での利用は遠慮願っているようだ(その様な目的の方は1Fのエリアを使うべきという考えであろう)。場所を利用できるのは中学生・高校生・短大生・大学生・専門学校生などの学生を対象としているが、利用が少ない時間帯は社会人も利用できるようなので、今後はここで読書することも考えてみたいと思う。
 
 涼しく勉強ができる環境を提供できることは素晴らしい事であるが、今まで会派要望で要求してきたように、可能な限り早く小中学校の教室にもエアコンを備えてもらいたいものである。学校現場からは暑さでぼうっとしている生徒も多くなり学力の問題につながるのではと心配している話が聞かれてくるのである。
 
 気象学者の中には異常気象の日常化という表現を使う人もいる。今までの常識が通じない時代という感覚は先の西日本豪雨でも感じている。これは猛暑ではなく降雨の話であるが、我々技術者が30年に一度の雨に耐えられるように、といった基準で整備してきた土木構造物が、これから毎年のように限界を露呈するような時代がやってきていると考えると恐ろしくなる。想定した降雨量を超えた場合、側溝や管渠で流せなくなるので、その場合は路面を使って排水処理を行い、住宅への被災を極力抑えるといった点まで気にして設計している者が案外少なく、それが都市災害を招いている現状がある。いずれにしろ整備基準の見直しが必要な時代に成ってきているのだろうが、そうなると今まで作り上げてきたインフラはどうなるのだろうかとまた次の心配が頭をよぎる。
 ともあれ、涼しい会派室でこのような文章を打ち込みながら、今年の猛暑の中で徒然に考えているのである。
 
 ※8月3日に加筆を行った。
 ※8月3日の名古屋の最高気温40.3度を受けて修正。
 ※8月6日の下呂市金山で41.0度を受けて修正。
 ※8月23日の新潟県の3箇所の記録を追加。