議会改革の経緯を文章にする
2019/04/07記
 一昨日のプロフィールと前日の議会質問に続いて、今度は議員としてどの様に議会改革を成し遂げてきたのかを記載したい。議会質問で有れば議事録が残っており、検証することは容易であるが、議会改革は委員会での発言もその一部に過ぎず、個人的な主観が多くなっている事は否めない。それでも改めて整理してみると、自分の任期中に色々変えてきたことが明らかになった。
 
 次に議会での質問ではなく、議員活動の中でどの様に議会改革を進めてきたのか報告します。
 
@ 議会広報の改革
 12年前の当選直後から議会広報委員会に配属され、最初から副委員長を任されました。因みに委員長は2期目の白坂議員でした。今までの広報誌は読む意欲が涌かないという点で委員会メンバーが一致した結果、市民が読みやすい広報誌を目指して改革を進めました。極力、議会用語を使わないように心がけ、全ての議案を乗せるのでは無く、市民に知って欲しい議案を丁寧に書くことを心がけました。紙面サイズもファイルで保存しやすいA4版に変更し、白坂委員長が総務委員長に移行した関係で1期目の後半からは広報委員長を担う中で主体的に取組を進め、議会のインターネット配信への筋道を付けました。2年目以降は広報委員会に所属していませんが、同じ会派の議員を通じ、平成27年からは採決結果の公表をするように改革するなど、広報の改革は現在も進行中です。
 
A 費用弁償の廃止
 私が当選した頃は、議会や委員会に出席する場合、議員歳費とは別に日額1,500円の費用弁償が支給されていました。これは交通費相当という位置付けでしたが、給与の2重取りに近く、市民の理解を得る事が難しいだろうと意見し、私が1期目の途中で、近隣市に先駆けて廃止されました。
 
B 会派羅針盤の立ち上げ
 平成19年の当選から最初の4年間は議会のルールと知識を学ぶ場として、最大会派のフォーラム未来に属して活動を続けてきましたが、1期目の最後の頃に職員の地域手当の支給に反対した私達と古参議員の間に溝が生まれ、平成23年の当選後は、同期の4人が会派を離脱して「羅針盤」という会派を立ち上げました。
 最初は私達を無視する空気が流れましたが、初当選の3人を加えて7人の最大会派に成長したために、無視できない存在となり、その結果、2期生の4人が交代で副議長を務めるというようになりました。
 更には平成26年に羅針盤と仲のよい渡辺市長が誕生したこともあり、多くの議会改革に関する意見が通りやすくなりました。
 
C 議員定数の削減
 平成19年も定数30人を28人に削減して行われましたが、平成23年の選挙で更なる定数削減を求めて立候補した鶴岡・草刈という両議員を抱える会派羅針盤が議員定数の見直しを求め、議会で議論したところ、一気に4名を削減するという案が多数を占め、平成27年の選挙から24人の定数になりました。
 これは人口が10万人に満たない君津市や袖ケ浦市と同じ定数で、両市の定数削減の動きを招く結果につながり、現在は両市とも定数を2議席削減して22人に成りました。
 
D 最大会派として改革を推進
 我々の離脱により「フォーラム未来」は「自由民主クラブ」と名称変更し、羅針盤と同じ7人の会派として残っていましたが、定数を削減して臨んだ平成27年の選挙でベテラン議員が多く引退した結果、一気に4人の会派となり、1人減らした羅針盤が6人で、市議会の最大会派となりました。
 その結果、私も総務常任委員会と基地対策特別委員会の双方の委員長を努めるとともに、議会運営委員会の委員として議会運営に携わるようになり、平成27年度から議会改革を加速させました。
 
E 基地対策要望の実施
 今までも基地対策特別委員会は有りましたが、国に対して働きかけることは有りませんでした。
 私が委員長になる頃、オスプレイの定期整備が木更津で行われるというニュースが入っていました。全国で多くの基地を有する自治体が国に対して個別に要望書を提出している状況を把握し、委員長になった平成27年から昨年まで毎年、防衛省に各種の要望を行いました。その結果、江川運動場の拡張工事が進み、消防庁舎や防災無線の整備に対して多額の補助金を受け取ることが出来るように成りました。
 
F 予算決算審査の改革
 審査内容を充実させるため、自分が委員長を努めるときに審査ルールを見直し、提出資料も充実させて過去の慣例とは一線を画した審査を進め始めました。
 
G ペーパレス会議の導入
 議会では膨大な紙資料を配付する事が長年に渡って続いていましたが、紙資源と印刷する職員の手間の削減、資料の利活用や保管の容易さを考慮し、タブレット端末を利用したペーパレス議会を提唱し続けました。当初は紙でなければ理解できないとか使いこなせるか心配だと反対する議員も多くいましたが、多くの研修会を進めて平成29年12月に、千葉県で最初の本格的導入自治体に成ることが出来ました。
 
H 議会基本条例の制定
 議会とは何かという基本的な定義を定める中で、もっと活発な議員間での討議を行うことや、市民との対話を進めること、必要に応じて専門家を招いて課題の研究を進めることなどを盛り込んだ「議会基本条例」を平成30年3月議会で制定しました。
 私も8人の委員の一人として議論を行い条例案の策定に深く関与してきました。
 
I 議員政治倫理条例の制定
 議会基本条例の制定に引き続き、議員の信頼性を高め、自らの規律を高めるため「議員政治倫理条例」を平成31年3月議会で制定しました。今後は倫理を欠く議員に対して議会として強い対応を行うよう運用を深めていこうと思います。なおこの制定に関しても、私は委員の一人として関与してきました。