江川の事故で考える
2019/04/25記
 一昨日の朝、巌根駅で通勤・通学する人達に挨拶してから自宅に戻り、娘を保育園に送るために県道に出たところ、北行き車線が封鎖され事故処理を行っている所を目撃した。保育園に到着した頃に市役所からの電話で岩根小学校の児童が被害にあったことを知り、選挙終了による安堵の気分も消し去ってしまった。
 
 23日(火)朝7時20分頃、木更津市江川で県道を横断するための横断歩道を歩行中の小学校3年生の女児2名が信号無視でブレーキもかけずに進入してきた軽自動車にはねられ、一人が死亡、もう一人の女児も重症というニュースは、多くのメディアで取り上げられた。
 21日(日)午後2時頃に兵庫県神戸市のJR三ノ宮駅前で路線バスが暴走して2人が死亡、6人が重軽傷を起こすという事故が発生し、64歳の運転手が現行犯逮捕されている。
 さらにその前の19日(金)12時25分頃には東京の池袋で乗用車が暴走し母親と3歳の娘が死亡し8人が重軽傷を負うという事故も発生しており、87歳の運転手も骨折して入院している。
 死亡事故が連鎖するように発生したことでメディアの注目も高くなったものと思うが、地元に住み、被害者の保護者も良く知っており、小さな娘が居る立場の私としては、49歳の運転手に対する憤りは激しく、この様な事故を二度と発生させないために何を成すべきかと考える日々が続いており、小学校のPTAが開始した見守り運動にも微力ながら協力している所である。
 
 交通事故現場の交差点には多くの花やお菓子が手向けられ、来月中旬まで警察官による通学の見守りがされるようだ。事故前は平均速度が高かった中野畑沢線も事故後には平均車速が遅くなっている様に感じる。これが持続される事を願うばかりである。
 本日の午後の帰宅時間に現場に立ち会わせていただいたが、生徒達はボタンを押し、信号が変わっても左右の車両に注意を払ってから横断していた。車道幅が広いので横断し終える頃に青が終わるかと心配していたが、子供の足でも特に問題無さそうで少し安心した。
 
 この区間の建設にあたっては千葉県君津地域整備センター君津整備事務所公園街路課と協議を重ね、平成20年7月19日に現地確認なども行って、通学路なので押しボタン式信号機を設置することを求めて建設された区間である。
 中野畑沢線については感知式でない交差点の多くで信号機が赤になっても横断するものが無い状況が多く、信号機の信頼性が落ちているという事を指摘し、平成27年6月議会でも質問したところである。しかし今回の事故は赤になれば確実に横断がある押しボタン式信号機で発生しただけに衝撃も大きかった。
 
 当該区間がバイパスになる前の旧道は下の左の写真のように歩道もなく見通しも決して良いとは言えなかった。それが右の写真に変わったことで少なくとも歩道を歩く上では安全になった。しかし見通しが良くなったことと金田地域の整備も進んだことで多くの車が通行するようになり、また幹線道路として速度も高くなったので横断時における危険性は上昇したと考えられる。 
 
 事故を起こさないために考えられることを車両と道路と歩行者の視点から考えたい。
 まず、車両については衝突時に衝撃を吸収する構造に変わっているが、それをより一層進めることと、車両価格が上がるが歩行者を検知した場合に自動でブレーキが掛かるシステムを標準装備に変えていき、数年の移行期間を経たら義務にすることである。これで劇的に減少するが、一定以上の速度で走っている車両では停まりきれないとも聞く。
 次に道路であるが、幹線道路なので速度を落とすための凹凸を造ることは難しく、カラー舗装をしても効果は疑問である。そこで沿線の信号機を全て感知式に変えて、赤になれば必ず横断が有るという状況を造ることで信号機の信頼性を高める事が効果的であろう。さらに速度自動取り締まり機と信号無視を取り締まるカメラを設置することで車両に対する抑止効果を高める事も検討できる。
 最後に歩行者であるが、現在学校で取り組んでいるように、横断時に周囲を注意すると云った安全教育を徹底することと、万が一の事故にあった場合でも頭への被害を少なくするように、長野県が実施しているように歩行者もヘルメットを着用させる事だろう。
 
 事故を風化させないための対策として、通称二十間道路にも置かれたお地蔵様のようなものを設けることも含め、更に色々考えたいと思うが、取り敢えず明日の朝も通学の見守りを行わねばと考えながら今回の痛ましい事故に対する記載とする。