災害対応を定める
2020/08/19記
 9月定例会の初日である27日の午前9時半から議会運営委員会が開催され、昨年来の課題であった災害対応指針と今回のコロナウイルスによる議会対応が決められた。
 前者は台風シーズンを前に制定せねばならないと昨年度より検討を進めていたものであるが、後者は刻々と変わる感染状況や他市での対応を前提に現在最良と思われる対策を決めたものである。双方ともに取り敢えず運用した結果として発生した問題を適時フィードバックして文章を改定し、より良いものを目指していくつもりである。
 
 偶然ではあるが、その日の夜に災害ボランティア議員連盟千葉県支部のオンライン会議が開催され、他市では災害対応を文書化している事例が少なく、ましてコロナ対応の文書化は珍しいという反応があった。翌日、議会事務局に話をすると、他市からも本市に対して問い合わせが数軒有り、木更津市の対応は注目されている状況にあることを今更ながらに理解した。
 
 情報を欲しいという議員や議会に本市から提供することはやぶさかではないが、どうせなら積極的に開示すべきではないかと考え、今回はだいぶ長文になるが、災害対応等を決定してきた経緯について、その概要を私なりに整理して記載したい。
 
 まず、災害対応についてである。
 議会基本条例を策定するために平成28年(2016年)6月議会で特別委員会の制定が議決され、私もその一員となる中で条例に災害対応を行うことを入れるべきと提案して議論を進めてきた。
 平成30年(2018年)4月1日より施行開始した木更津市議会基本条例では、その第22条を(災害時における活動等)と題して次のように規定した。
 
議会は、災害が発生した場合に市民等及び地域の状況を把握し、総合的かつ機能的に活動できるよう、連絡及び意思決定等の体制を整備するものとする。
議会は、災害が発生した場合に市民生活の回復等に必要な予算を迅速に決定する等、災害からの復興に向け積極的活動するものとする。
議員は、災害対応及び防に係る取組が円滑行われよう活動するものとする。
 
 この条例制定を契機に具体的に行動するための指針が必要だという考えは当時の特別委員会の委員の中には合ったが、まずは倫理条例を優先させて議論するべきだという考えの元で同じメンバーで倫理条例策定特別委員会を設置して条例を議論して可決し、条例の施行は改選終の令和元年5月1日からと決めて任期満了を迎えた。
 改元と同時に新たなメンバーで運営を始めた木更津市議会の議長となった私は、任期中に災害対応についての制定が必要だろうと思い、先ずは災害支援ボランティア議員連盟千葉支部の設立総会を昨年(2018年)6月1日に木更津市で実施する中で、危機管理アドバイザーである国崎信江氏による「地方議会が災害を前にして対応すること」と題した記念講演を通じて研修を深めるとともに、検討を開始した。
 
 しかし、議会が議長を中心とした本部を造る事を優先するより、市役所の行う災害対応の邪魔に成らず、市役所の活動を支援しながら地域住民の一員としてどう振る舞うかという考えに立つべきだという者(私も含む)の中から、対策本部設置を優先しない中で文書化する必要があるのかという異論も出ている状況の中、9月9日に台風15号が来襲してしまったのである。
 各地で停電や断水が発生し、市の災害対策本部が長期間設置され、本市で初となる災害ボランティアセンターが開設され、全国から多くの自衛隊や電力会社が本市に集結する中、定例会の開催中であった本市議会は日程変更によって市役所の負担を減らすとともに、緊急質問で市の対応を明らかにするという程度の対応を行うに留めた。
 これは木更津市での被害が半島の南部に比べて比較的軽い上に中郷、矢那、富来田といった被害の大きかったところが全体から見ると一部で、その地域に力を結集する事で対応が長期化しなかったためでもあると思う。
 
 一方、激しい被害を受けた館山市等では市役所が全体被害を把握しきれない中、市議会が他市の災害対応マニュアルを引用しながら体制を整え、議会内の対策本部を設置して議員からの情報を収集し、それを市役所の災害対策本部の情報と突き合わせて、情報不足や対策の遅滞を埋める作業を進めたと聞いた。
 台風でこの状況で有れば海溝型大規模地震が発生した際には動くことも出来ないだろうと考え、議会事務局に情報収集を進めさせるとともに、議会運営委員会で検討を進めることについての確認を改めて取り付けたのである。
 その様な中で年が変わり、1月15日に県南市議会議長会による議員研修会が木更津市で開催される機会を利用し「議会としての災害対応のあり方」という講演会を行うことにした。他市の議員からは好評であったが本市の議員から考え方が違うという発言も出され、多少波乱含みの展開になってしまい多くの参加者に迷惑をお掛けしてしたことは私のリーダシップが足りないと反省する。
 
 千葉県南議長会研修を開催している頃から新型コロナウィルスの感染症者が増え始め、感染拡大による経済的災害が日本を襲うことになってしまった。3月議会では木更津市における感染者が出ていない状況も考え、特に日程を変えることもなく運営を進めたがうに成ってしまった。
 その中でコロナ対策をまず明確にして6月議会での対応を決める必要があると考え事務局と協議を進め、4月21日に正副議長と議運の正副委員長で協議をして草案を確定し、23日と28日に会派代表者会議を開催して全体調整を行い、30日の議会運営委員会で下記の事を決定した。
 
 
新型コロナウイルス感染症対策における会議の基準等について
 
令和2年4月30日
議会運営委員会 決定
 この基準は、新型コロナウイルスの感染症対策として、木更津市議会の対応等を定めるものである。
 なお、今後の状況により、適宜見直しを行うものとする。
 
1 会議への出席等について
① 出席の基準
本人に風邪の症状や発熱がある場合 ①風邪の症状※や37.5度以上の発熱がある場合、又は、②強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合は、登庁しない。
帰国者・接触者相談センターの指示により自宅待機期間となっている場合は、登庁しない。
検査の結果が陰性の場合は、出席を認める。
Aア①の状態が4日未満でおさまった場合で、発症から6日が経過した以降は、出席を認める。Aア①の状態が4日未満でおさまった場合で、発症から6日が経過した以降は、出席を認める。
同居する者に風邪の症状や発熱がある場合 同居する者がAア①又は②の状態にある場合は、登庁しない。同居する者がAア①又は②の状態にある場合は、登庁しない。
同居する者が帰国者・接触者相談センターの指示により自宅待機期間となっている場合は、登庁しない。
同居する者の検査の結果が陰性の場合は、出席を認める。
同居する者がAア①の状態が4日未満でおさまった場合で、発症から6日が経過した以降は、出席を認める。
本人が感染した場合 検査の結果が陰性となり、保健所から許可を受けた場合は、出席を認める。
本人が濃厚接触者と認定された場合 検査の結果が陰性、又は、2週間以上症状がない場合は、出席を認める。
同居する者が感染又は濃厚接触者と認定された場合 検査の結果が陰性、又は、最終接触から2週間以上症状がない場合は、出席を認める。検査の結果が陰性、又は、最終接触から2週間以上症状がない場合は、出席を認める。
※「風邪の症状」37.5度未満の微熱があり、だるさやのどの痛み、咳などの症状がある場合。なお、平熱が低い場合は、平常時より熱が高い場合を微熱とみなす。
 
② 議会事務局への連絡
 ①の出席基準により、登庁しないこととなる議員は、議会事務局まで連絡する。
 
2 会議の開催について
 会議の開催に影響が生じる可能性がある場合、または、感染対策のため日程等を考慮する必要がある場合は、以下の基準をもとに会議の開催について検討する。
 本会議については、議会運営委員会(以下「議運」)にて協議を行い、議長が決定する。議運の開催が困難な場合は、正副議長及び議運委員長で協議のうえ決定する。なお、会期に関するものは、本会議を開催して議決により決定する。
 委員会については、正副議長、議運委員長及び当該委員会委員長で協議のうえ決定する。
 
⑴ 会議開催の決定
① 会議開催の要件
出席者数 出席可能な議員数が過半数を超えていること。
緊急的な状況にあり、執行部が出席できない状況ではないこと。
書記が本会議では3名以上、委員会等では1名以上が出席できること。
会場 議場(会議室)が使用できること。
議会事務局 議会事務局が機能し、開催準備が行える状況であること。
 
② 会議開催の判断
開催要件によるもの ⑴①Aの要件を満たしている場合 本会議・常任委員会は開催する。ただし、市内の感染状況等によって日程や内容を見直す。
市内の感染状況等によって、予算及び決算審査特別委員会は日程の短縮を、その他の会議は中止を検討する。
⑴①Aの要件を満たさない場合 本会議・常任委員会・予算及び決算審査特別委員会は、開催要件を満たす状況になるまで延期する。
その他の会議は中止する。(付託案件がある場合は常任委員会と同様)
⑴①Bの要件を満たしている場合 会議を開催する。
⑴①Bの要件を満たさない場合 会議を延期する。
社会情勢によるもの 国、県又は市が宣言等を発していない場合 会議を開催する。ただし、市内の感染状況等によっては日程や内容等を見直す。
国が緊急事態宣言を発している場合又は市内の感染者数が増加している場合等 定例会前の場合は、会期及び開催方法を検討する。
定例会期間中の場合は、会議の延期を検討する。
 
⑵ 日程及び会議内容等
① 日程等
一般質問の取り扱い 定例会前 ⑴①の要件を満たさない場合は、実施しない。それ以外は議運で協議する。
定例会中 ⑴①の要件を満たさない場合は、そこまでで中止。それ以外は議運で協議する。
委員会審査の取り扱い(付託案件) 付託前 ⑴①の要件を満たさない場合は、可能な限り委員会付託を省略する。
付託後 会場やレイアウト等、可能な限り対策を講じた上で委員会を開催する。
議決の取り扱い ・⑴①の要件を満たしている場合は、通常どおり実施する。
・委員会付託を省略した場合は、事前に書面による質疑応答を行って、会議システムに登録し、採決の判断資料とする。また、あわせてホームページで公開し、市民が閲覧できる環境とする。
※議会が開催できない場合、地方自治法第179条第1項の規定により、執行部は専決処分を行うことが可能。
その他の会議 Gメールによる資料配付等を行う。
 
② 会場等
議場 ・可能な限り1時間に1回以上の休憩を入れる。
・全てのドアを開放する等により、換気を行う。
会議室 会議室が狭小であるため、スペースの確保が求められる場合は、議場において委員会等を開催する。
消毒 会議の終了後等、議会事務局において消毒を行う。
 
③ 出席者
議員 出席可能な議員は出席する。
執行部 答弁等が想定される部長等の必要最小限にとどめることを可能とする。
議会事務局 本会議は最低3名以上が出席し、議長の補佐、音響設備操作、中継設備操作及び記録にあたる。委員会は最低1名以上が出席し、委員長補佐、音響設備操作及び記録にあたる。
 
④ 会議公開
傍聴 過去6日間に風邪の症状や発熱がない方で、入室前の消毒とマスク着用を条件とする。ただし、市内の感染状況等によっては傍聴をお断りする。その場合は代替え手段を可能な限り検討する。
中継 本会議は通常どおり中継映像の配信を行う。
録画 本会議は通常どおり録画映像の配信を行う。
 
 これを整理する中で6月定例会における議会質問の中止などの苦渋の決断をするに至るのであるが、その事に対して批判がされたことは前に書いたとおりである。
 
 5月7日には臨時議会を開催して執行部の求める緊急対応を議決するとともに、自らの議員報酬を10ヶ月間に渡り10%削減する議案を通過させた。更に5月25日の緊急事態宣言解除を前に帰国者・接触者相談センターでの目安変更に伴う通知も出している。
 
令和2年5月21日
議員各位
木更津市議会議長 近藤 忍
 
感染症対策について
 
このことについては、令和2年4月8日付けで通知したところですが、帰国者・接触者相談センターへの相談の目安が変更となったこと等から、あらためて通知いたします。
1 議員の対応について
⑴ 議会への登庁等について
・登庁前に体温を測り、発熱等の風邪の症状がないか確認してください。
・議員又は同居する者に発熱等の風邪の症状が見られたときは、議会へは登庁せず、議会事務局まで電話又はラインワークスで状況をご連絡ください。
・議員又は同居する者が新型コロナウイルスに感染した場合、又は、濃厚接触者と認定された場合は、議会へは登庁せず、議会事務局まで電話又はラインワークスで状況をご連絡ください。
・登庁の前後に、備え付けの消毒スプレーで手指を消毒してください。
・会議の際はマスクを着用し、咳エチケットを徹底してください。
 
⑵ 体調不良が続く場合
 以下のいずれかに該当する場合は、すぐに「帰国者・接触者相談センター」に相談してください。
・息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合。
・重症化しやすい方※で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状が続く場合。
(※ 高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)等の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方。)
・上記以外の方で、発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合。
(症状が4日以上続く場合は必ず相談してください。症状には個人差がありますので、強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。)
・帰国者・接触者相談センターに相談を行った場合は、議会事務局にもご連絡をお願いします。
  【帰国者・接触者相談センター】
平日 午前9時~午後5時 君津健康福祉センター(保健所)
電話0438-22-3745
上記の時間以外 電話相談窓口(コールセンター)
電話0570-200-613
土曜日・日曜日・祝日
 
2 議会事務局の対応について
・議会事務局で上記の連絡を受けた際は、次の事項を記録し、議長に報告する。
症状が見られた時期
症状が見られた時期の前後における市議会への登庁状況
帰国者・接触者相談センターへの連絡状況
・議長等から指示があった場合、会議の延期や中止等について、調整や連絡等を行う。
・議長等から指示があった場合、執行部や関係機関等への連絡及び協議を行い、必要な対応や協力要請等を行う。
 
3 議長の対応について
・議会事務局から上記の報告を受けた場合は、新型コロナウイルス感染症対策における会議の基準等について(令和2年4月30日議会運営委員会決定)等に基づき、対応を検討し、必要な対策を講じる。
 
 そして一般質問もなく、日程を極限まで短縮いた6月定例会の開催中は地域だけでなく日本全体での感染者が激減し、世界での感染は拡大しているものの日本は感染対策に成功したと思った。
 そこで台風シーズンになる9月定例会を迎える前に災害対応指針を決定する方向で作業を進めた。
 昨年度中に前事務局長と作成した指針案は有ったのだが、感染症も災害と捉え記載を見直すべきと考えた。そこで案を示して修正すると先入観が邪魔をすると考え、各自の考えを引き出した方が良いという意見に従うことにした。
 7月9日に正副議長と議運の正副委員長で協議をして、16日の議会運営委員会後に全議員に対して災害対応指針への意見を求め、7月31日までに議会事務局で集約することとした。
 
 一方、7月20日に臨時議会を開催した後に市内での感染が急に拡大し再び議会での感染対策を検討する必要性に迫られた。感染者数は前回より多いが連続して質問権を制限することは避けるべきという点と市役所の感染症対策体制が前回より整っている事から、質問は実施するものの8月18日開催の議会運営委員会で質問時間短縮等の運営変更の措置を執ることを決めた。
 それと同時に感染症対策の指針を更新する必要性を感じ、議場内での議員数を減らす等の措置を含めた対応を8月27日に下記のように決定したのである。
 
 
9月定例会での感染症対策について
 
⑴ 消毒等の対策
・消毒スプレーによる手指消毒を徹底する。
・マスクを着用する。
・議場等に加湿器を設置し、会議を開催していない時間に消毒液を空間噴霧する。
・会議終了時に消毒する。
 
⑵ 出席説明員
執行部の出席説明員は、申合せ事項の規定により原則として地方自治法第121条の規定に基づく者が出席することとなるが、感染の防止を図り、出席総人数を削減するため、前述のうち執行部が必要と判断した者が出席することとする。
 
⑶ 本会議
① 議員の出席
人員の分散により感染拡大の防止を図るため、過半数を超える程度の議員が議場に入り、その他の議員は会派室等で待機するものとする。
ただし、議決の際は、全員が議場に入ることとする。
② 席の配置
席の配置は、通常どおりとする。
③ 発言場所
発言場所は、通常どおりとする。
④ アクリル板の設置等
飛沫対策のため、アクリル板を設置する。
演壇 前方にアクリル板を設置。(高さ90cm、幅150cm)
発言が長時間にわたる場合は、マスクの着脱を認める。
質問席 前方にアクリル板を設置。(高さ90cm、幅110cm)
発言が長時間にわたる場合は、マスクの着脱を認める。
議席 席間をアクリル板で仕切る。(高さ80cm、机より若干長く)
執行部席 席間をアクリル板で仕切る。(高さ80cm、机より若干長く)
⑤ 一般質問
感染の防止を図るため、質問時間を以下のとおりとする。
 代表質問 75分以内とする。
 個人質問 50分以内とする。
⑥ 傍聴
・感染を可能な限り防止する観点から、議場内での傍聴はお断りする。基本的にインターネット中継の利用をお願いするが、会議の基準等の傍聴の基準を満たしている場合は、委員会室での傍聴を認める。ただし、希望者が多い場合はお断りする。
・報道機関は、市民等へ広く周知をお願いする観点から、希望者が若干名で、会議の基準等の傍聴の基準を満たしている場合、議場内での傍聴を認める。
 
⑷ 委員会・協議会
① 開催場所
席の間隔と換気しやすい環境を確保し、また、会派室等から傍聴できるようにするため、議場で開催する。
② 席の配置
委員、執行部ともになるべく間隔が確保できるように配慮する。
③ 発言場所
・委員は、各席にて発言を行う。
・説明員は、マイクの有る席は、各席にて発言を行う。マイクの無い席は、発言席に移動して発言を行う。
・委員長は、会議時間の短縮を図るため、発言者に対し簡潔な発言を求める。
④ アクリル板の設置
委員席間及び説明員席間に、飛沫対策のためアクリル板を設置する。
⑤ 質疑
委員は、会議時間の短縮を図るため、数値の確認等は事前に執行部に行い、会議では行わないよう努める。
⑥ 傍聴
ア 傍聴議員
感染の防止を図り、出席総人数を削減するため、会派室等で傍聴する。なお、会派室等で傍聴する議員は事前に委員長にその旨を報告し、委員長は報告のあった議員を傍聴議員として会議録に記載するものとする。
イ 一般傍聴
・感染を可能な限り防止する観点から、議場内での傍聴はお断りするが、会議の基準等の傍聴の基準を満たしている場合は、委員会室での傍聴を認める。ただし、希望者が多い場合はお断りする。
・報道機関は、市民等へ広く周知をお願いする観点から、希望者が若干名で、会議の基準等の傍聴の基準を満たしている場合、議場内での傍聴を認める。
⑦ 協議会案件
執行部は委員長と協議を行い、必要と認められる案件は協議会の議題とし、それ以外は、説明原稿を添付したうえでGメールにより資料配付するものとする。
 
⑸ 議員全員協議会
① 案件
執行部は議長(議会事務局長)と協議を行い、必要と認められる案件は協議会の議題とし、それ以外は、説明原稿を添付したうえでGメールにより資料配付するものとする。
 
 災害対応マニュアルについては7月末までに各議員から提出された意見を元に整理したものを各議員に意見を求め、8月14日に正副議長と議運の正副委員長で確認整理を済ませ、18日の議会運営委員会に提出し、出された意見を元に一部改正して27日に決定したので下記の通知文を番号を付けた公文書として発行した。
 
木議第462号
令和2年8月27日
議員各位
木更津市議会議長 近藤 忍
 
「木更津市議会大規模災害対応指針
・災害対応行動マニュアル」について
 
 これまで議会運営委員会において検討を行ってきました、「木更津市議会大規模災害対応指針・災害対応行動マニュアル」については、令和2年8月18日開催の議会運営委員会において可決され、同日より運用を開始しましたので、ご報告いたします。
 各議員におかれましては、内容をご確認いただき、平時より備えられますとともに、災害が生じてしまいました場合には、本指針等を基に、しかるべき対応をお取りいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 また、議会からの連絡や情報提供は、基本的に「ラインワークス」「Gメール」により行います。1日1回はタブレットをご確認いただきますようお願いするとともに、緊急時を考慮し、議員所有のスマートフォン等での「ラインワークス」「Gメール」「グーグルカレンダー」の利用を認めることといたしますので、希望される場合は、議会事務局までご連絡をお願いいたします。
 今回、指針等を策定いたしましたが、災害対応に完全はなく、今後も課題等を反映させていくため、随時に議会運営委員会で見直しを行ってまいります。
 内容について、ご意見等がありましたら、議会事務局を通じてご連絡をお願いいたします。
 
 前にも記載したが、重要なのは使い勝手が良く、市民と行政にとって役に立つ指針である。その為には随時必要に応じて改変することが重用だと考えている。その様な意味において75年以上改正を行っていない憲法は第9条だけでなく、全体が現状に適合しているのかという疑問があるが、改憲を強く思っていた安倍総理が辞任を表明したので脱線はこの程度にしておきたい。
 
 では、下記に災害対応の指針及びマニュアルを記載する。本文には「議会における大規模災害発生時の対応イメージ図」が着いているが、それは省略する。一読すれば解るように、災害時には議員は余分なことをして復旧を妨げることなく、地域のために汗を流しなさい、という哲学に基づいて造られている。
 
 
木更津市議会大規模災害対応指針
 
1 目 的
 市議会は、唯一の議決機関として、常に市民の負託に応える役割を担っている。
 市内で大規模な災害が発生した場合において、市議会及び議員がどのような対応をすべきか共通の認識を持ち、迅速かつ適切な行動をとれるよう定める。
 
2 基本方針
 大規模災害時にあっては、特に初期を中心に市と連携し、被災市民の救援と被害復旧のため、非常の事態に即応した役割を果たすことが求められる。
 このため、市議会は、以下の基本方針に立って取り組みを行うものとする。
○ 市が災害対応に全力で専念し、応急活動を円滑かつ迅速に実施できるよう、必要な協力及び支援を行うこと。
○ 国、県、関係機関等に適時適切な要望活動を行い、市の復旧・復興の取り組みを支援すること。
○ 広域的な応援体制が必要であると判断したときは、関係自治体の議会と積極的に連携すること。
〇 議員は、地域の一員として地域における共助の取り組みが円滑に行われるよう努めること。
 なお、大規模災害時においては、議員、職員、庁舎自体が被災することも想定されるところであり、これらの状況に応じて、的確な対応を図るものとする。
 
3 対象となる災害
⑴ 地震
① 市内に『震度5強以上』が発生したとき。
② 気象庁が津波予報区の『千葉県内房・東京湾内湾』に大津波警報を発表したとき。
⑵ 風水害
① 本市に土砂災害警戒情報(発表:気象庁と都道府県が共同)又は記録的短時間大雨情報(発表:気象庁)が発表されたとき。
② 小櫃川又は矢那川に氾濫警戒情報(発表:気象庁と都道府県が共同)が発表されたとき。
③ 小櫃川又は矢那川の水位が避難判断水位を超えた(河川管理者である千葉県が市に通知した)とき。
④ その他、市災害対策本部が設置されたとき。
⑶ 地震及び風水害以外の災害
市内に社会的に大きな影響を与える大規模な火災等の事故、原子力災害、新型インフルエンザ等の感染症、大規模なテロ等で、大きな被害が発生した場合、又はその恐れがあるとき。
 
4 災害対応組織
⑴ 議長は、状況の確認と所要の対応を行うため、必要に応じ、議長・副議長、局長以下事務局職員で構成する「木更津市議会内情報本部(以下「議会内情報本部」という。)」を設置し、その状況に応じて市災害対策本部へ要請等を行う。
⑵ 議員は、市当局が災害対応に専念できるよう、被災状況や被災者の要望等の情報提供については、議会内情報本部を経由する。
⑶ 議長に事故あるときは、副議長、議会運営委員会委員長の順に対応する。
 
災害対応行動マニュアル
 
1 大規模災害発生時の対応
 【初動期(発災から概ね24時間まで)】
⑴ 会議開会中の対応
① 本会議等の開会中に大規模災害が発生した場合、議長は、必要に応じて、会議を休憩、延会、散会又は閉会する。
② 委員会の開会中に大規模災害が発生した場合、委員長は、①と同様に対応する。
③ 避難経路、方法については、別に定める。
④ 議会事務局は、傍聴人の避難誘導その他安全確保のための対応を行う。
⑤ 議員は状況確認後、原則退庁とする。
⑵ 休会・閉会中の対応
議員は、市の災害対策本部が設置された(指針「3 対象となる災害」に該当した)ときは、ラインワークス等を活用し、安否、居所を議会事務局に連絡する。(連絡手段の順序は、別図のとおり。)
⑶ 市議会の対応
① 議会事務局長は、市の災害対策本部が設置されたときは、対策本部会議に出席し、その旨を議長に連絡する。
② 議会事務局は、市内で大規模災害が発生したときは、ラインワークスにより議員の安否確認を速やかに行う。なお、確認ができない議員については、電話・FAX等により議員の安否確認を行うものとする。
③ 議長は、議員に対し、ラインワークスの掲示板等により収集・把握した災害情報の的確な提供を行う。
 
 【初動期経過後(議会が通常の機能を回復するまで)】
⑴ 議員の対応
① 議員は、自らの所在を明らかにし、連絡体制を確立する。
② 議員は、地域の一員として避難所支援等の共助の取り組みが円滑に行われるよう協力し、被災状況等必要に応じて情報を議長に提供する。
③ 情報提供にあたっては、ラインワークス・Gメール等タブレットにより行うものとする。
④ 議員は、市民に対し、議会内情報本部からの災害情報を提供する。
⑵ 議会の対応
① 議長は、被災情報を収集・整理し、災害対策本部に提供する。
② 議会事務局は、災害対策本部からの情報を速やかに議長・副議長へ報告する。
③ 議長は、議員に対し、ラインワークスの掲示板等により収集・把握した災害情報の的確な提供を行う。
④ 議長は、議員からの情報のうち、以下の事項に該当するものは議会内情報本部に一本化し、市議会として取りまとめるものとする。
ア 被災地域における復旧工事等の要望に関すること。
イ 各避難所における運営方法等に関すること。
ウ 国・県に対する緊急要望の取りまとめに関すること。
エ その他、議長が必要と判断した事項。
⑤ 議長は、被災の状況を踏まえ、国・県・関係機関等に対し、適時適切に要望活動を行う。この場合においては、広域的な視点に立ち、関係自治体の議会とも十分に連携を図る。
⑥ 議長は、この指針を踏まえ、必要な対応を行うとともに、早急に通常の議会機能が回復できるよう努めるものとする。
⑦ 議長は、通常の議会機能が回復できたと判断した場合には、議会内情報本部を解散する。
 
2 参集または活動時の留意事項 
⑴ 服装・携帯品
木更津市議会の防災服を着用する。また、ヘルメット、手袋、懐中電灯、携帯ラジオ、タブレット、筆記用具等をできる限り携帯するとともに、個人として食糧・飲料水も携帯する。
⑵ 交通手段
道路事情により自動車が使用できないことも予想されることから、その場合は、徒歩、自転車、バイク等を利用する。
 
3 環境整備
⑴ 防災訓練
市議会は、実際に災害が発生した際に、本指針等に定める対応ができるよう必要な研修等に努め、議員は、地域で開催される訓練等に積極的に参加する。
⑵ 通信環境
大規模災害等が発生した場合、通信回線の途絶や規制等により、情報伝達手段が著しく制限されることから、平時からタブレットの充電状況の確認等を行うとともに、モバイルバッテリーを用意する等、災害時に使用できるよう努めるものとする。
⑶ 議場等の代替施設
大規模災害が発生し、議場を含む議会事務局がある駅前庁舎に被害が生じた場合は、別に定める代替施設・運営方法により会議を開催するものとする。
 
4 その他
⑴ 本指針・マニュアルの見直しについて
本指針等は、防災訓練等の実施により得られた情報・課題等について、適切に本指針等に反映させ、改定させていく必要がある。また、検討課題に対する対策が完了した場合や実施すべき内容等に変更が生じた場合にも本指針等に反映させる必要があることから、必要の都度、適宜見直しを行うものとする。
⑵ 本指針等の見直し体制について
本指針の見直しは、議会運営委員会において行うものとする。
 
 昨年の台風15号襲来の日は前日にレッドブルエアレースが開催され、その飛行機は木更津飛行場を発着するので状況を最寄りの公園で眺めながら麦酒を楽しんでいた。まさか直径の小さい台風であれほどの被害が出るとは想定していなかった。
 ここまで定めながらも災害対応マニュアル3の(3)に示す議場が被災したときの代替場所についてが「別に定める」課題として残っており、その解決が求められている状況でもある。
 
 気象現象や地学的現象に対して人生なんて余りにも短すぎるものだが、どうしても人は経験で物事を語るように成る。特に年齢を重ねるほどその傾向は強くなると言われている。その経験不足を埋めることが歴史の探究や科学等への真摯な姿勢であるが、社会全体にそれを期待することが難しいし、まして全員が賢人では無いという前提に立つ以上、何らかの指針やマニュアルが必要になる事は仕方ない。
 
 しかし、より重要なのは「釜石の奇跡」で証明されたように、想定を前提とせず、その時に出来る限りの努力をするという事だと、多くの犠牲のもとに私達は学んできたはずである。
 議会という組織の責任者を努める立場で、議会事務局の多大な協力を受けながら様々な方針を明文化してきたが、それは想定に囚われることではなく、常に考えるヒントを手元に置いておくためであると自覚する。
 昨年の9月9日に台風襲来を受けてから、延々と非日常が積み重なる日々を送るように感じながら、その様な事を考えていた。
 
 
 ※9/31に文書を一部修正した。