集団感染が生じる
2020/12/25記
 23日に国内の新規感染者数が3,271人に達した事を書いたばかりであるが、翌日には14.2%増の3,737人となり、首都圏の東京・神奈川・埼玉・千葉の全ての都県で最大を更新した。
 木更津市でも清和大学の柔道部員と指導者の79人中35人の感染が明らかになるクラスターが発表され、昨日まで県内で16位の感染者数であったものが成田市を抜いて15位になってしまった。
 清和大学柔道部では25人の結果がまだ出ていないので本日の夕方にも少なくない感染者が明らかになることだろう。
 
 房総半島の26市町村で一昨日に対して僅か一日で61人の感染者が増加した。木更津市を含めた8市で確認されている状況だ。
市名 感染者数 町村名 感染者数
1 館山市 16→16 1 九十九里町 8→8
2 木更津市 99→136 +37 2 芝山町 2→2
3 茂原市 37→38 +1 3 横芝光町 19→19
4 東金市 26→27 +1 4 一宮町 3→3
5 勝浦市 7→7 5 睦沢町 1→1
6 市原市 288→304 +16 6 長生村 5→5
7 鴨川市 12→12 7 白子町 4→4
8 君津市 42→42 8 長柄町 0→0
9 富津市 11→11 9 長南町 5→5
10 袖ケ浦市 40→42 +2 10 大多喜町 3→3
11 南房総市 3→3 11 御宿町 0→0
12 山武市 36→37 +1 12 鋸南町 0→0
13 いすみ市 8→9 +1
14 大網白里市 31→33 +2
市計 656→717 +61 町村計 50→50
房総半島合計 706→767 +61
 
 時間軸が一日しか進まないのに人数が急激に増えた結果、グラフの傾きはほぼ垂直になり視覚的にも危機的状況である。
 
 
 木更津市周辺を拡大すると下図の通りである。今までの増加などは軽微に感じてしまうほどの激変である。
 
 
 大学生という若者の感染者が増えたため、高齢者の占める割合は相対的に低下したが、それは危機が回避されたことには繋がらない。寮生活を送る柔道部を調べているが、他の寮生や同じ教室で学んでいたもの、それらの学生がバイト先や飲食を行った場所にも感染が及んでいないとは言い切れないので、市内全体で危機感を共有すべきである。
 その一方で重要なことは、清和大学の学生に対する差別や不当解雇などが有っては成らないという事である。清和大学の生徒に向けられる邪悪な視線は総合高校や市内の小中学生及び大学の所在する清見台地区の住民にまで止めどなく危険なものとしての意識が広がり、最終的には木更津市民全体に対して他市の市民が見る目線となり、差別していたものが差別される側に回るということを理解するべきである。
 差別を防ぐ方法は、既に感染は日常的なものであることを前提に捉え、花粉症の人を差別しないことと同じようにコロナ患者を気持ちの上で受け入れることであると考えている。
 
 柔道だけでなくレスリングや相撲など人との距離を保っては競技を行えないスポーツの競技レベルを維持するためにどの様な活動を進めるべきかという悩ましい問題を解決して行かねばならなく成るであろう。
 四市では来春に成人式は行われなくなった。久しぶりの同窓会を楽しみにしていた若者も多いと思うが、感染症が終息するまで堪えていただきたいと思う。その一方で市内の飲食店の利用者が激減することも危惧される。感染防止を徹底しながらの経済活動という悩ましい問題も処理して行かねばならないと思う。
 
 集団感染が発表された昨日は、偶然いすみ市の養鶏場で鳥インフルエンザが確認され116万羽の殺処分を行うと報告があった。自衛隊が県からの災害派遣を受けて動員され、年末年始を跨ぎ約2週間に渡って処分を続けると報道があった。
 116万羽という命の数は房総半島26市町村の人口113万人に近く、その数の多さに絶句する。鳥は感染を防止するために健康な個体も含めて全て殺処分するという対応を考えると、コロナ感染を防ぐためにイベントや会食の自粛などは何と軽い対応であろうかとも考えてしまうのは私だけであろうか。
 
 急激に事態が変わったような印象を受けつつ、取り急ぎ現在の状況を書き留めるため今回の記事を記載した次第である。