生命の危機が迫る
2021/08/20記
 昨日も木更津市内で33人の新規感染者が確認されたという報告が届き、人口10万人当たり一週間新規感染者数も131.1人まで上がった。百人増加に要した日数も4日に短縮され、感染の勢いは全く低下する気配を見せていない。
 
 柏市では入院できなかった妊婦が自宅で出産した28週の幼児が亡くなるという痛ましい出来事があり、木更津市内に入院していたアクションスターの千葉真一氏もコロナによる肺炎で亡くなったことを知った。
 君津中央病院では病床の増加を図っているが、この感染者拡大に追いつくはずもなく、当地においても感染しても入院できない患者が増えてくると予想される。多くの患者は重症化せずに回復すると思われるが、少なからぬ比率で中等症以上になり苦しい思いをしながら入院を待つものが現れ、何人かには医療の世話になる前に生命の危機が迫る事態が目前に迫っている。
 
 房総半島でも14日から昨日までの5日間で合計1149人の新規感染者が確認され、7千人台の記録をすることなく8千人の大台を突破してしまった。5日間で確認されなかったのは白子町だけであり、既に安全な地域は房総には無くなっている状況だ。
市名 感染者数 町村名 感染者数
1 館山市 161→224 +63 1 九十九里町 57→61 +4
2 木更津市 1103→1246 +143 2 芝山町 50→52 +2
3 茂原市 435→522 +87 3 横芝光町 91→113 +22
4 東金市 375→444 +69 4 一宮町 87→91 +4
5 勝浦市 64→68 +4 5 睦沢町 22→25 +3
6 市原市 2124→2516 +392 6 長生村 74→80 +6
7 鴨川市 102→124 +22 7 白子町 44→44
8 君津市 478→548 +70 8 長柄町 28→30 +2
9 富津市 201→239 +38 9 長南町 59→64 +5
10 袖ケ浦市 413→468 +55 10 大多喜町 15→19 +4
11 南房総市 151→164 +13 11 御宿町 25→28 +3
12 山武市 264→325 +61 12 鋸南町 40→46 +6
13 いすみ市 140→173 +33
14 大網白里市 254→292 +38
市計 6265→7353 +1088 町村計 592→653 +61
房総半島合計 6857→8006 +1149
 房総半島の新規感染者は一日当たり125.20人、人口10万人当たり一週間感染者数換算では78.39人となり、今回も過去最高を更新した。今までのグラフでは縦軸が通常目盛りであったがこの状況では対数グラフを使用しなければ成らない状況だと感じる。
 
 解説すると最近の郡市別累計者数のグラフは縦軸が通常目盛りである。これは地域別の感染状況が正しく比較できるうえに目盛りが解りやすく数値を把握しやすいというメリットがある。
 
 
 この前に使用していた木更津市と房総全体の値が解る折れ線グラフが下図である。横軸の始点が房総で最初に感染者が確認された昨年の3月19日か、感染拡大の基調が見え始めるその8ヶ月後になる11月19日かの違いはあるが木更津市と房総全体の値は同じ数値であるので同じ形になっている。
 
 
 このグラフの縦軸を対数目盛りに変更したものが下図である。
 
 通常目盛りでは急に増加数が増えている最近の状況も対数軸にすると誤差の範疇に感じられてしまうる。因みに片対数グラフでグラフが直線になるという事は指数関数的に感染者が増加するという事である。
 
 
  現在は毎日二十人前後で「最大級の感染拡大」だと思っているが、単純に考えると毎日百人を越える状況になることも計算上は求められるのである。現実には総人口という大枠があることとワクチン接種者や既に感染から復帰して免疫がある人への感染が生じにくくなることで拡大は弱まるのであるが、それまでに本市の多くの市民が感染する。それは避けるべき未来である。
 13日に木更津市が発信された情報によると、既に君津中央病院のコロナ病床使用率は84%に達して余裕がない状況になっている。感染が拡大することは一定割合で重症者が発生することを覚悟せねばならない。このままでは医療に携わることが出来ずに亡くなる方が出てくる危険性があるのだ。
 
 ワクチン接種と生活様式の変更によって今月中の緊急事態宣言をもって市民の行動抑制を終わりにしたいというのが政府の考えであるが、ワクチン不足により接種は想定のように進んでいない。
 木更津市のワクチン接種状況は10日に週一回とする事が示された。従って17日の更新になることが予想される。また17日は木更津市民の全世代が集団接種の予約を行えるようになるので、受付状況も含めて改めてその頃に状況を記載したい。その頃には国から充分なワクチン供給がされるように成ることを願う。