最大級の感染拡大 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2021/08/04記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今週の月曜日から木更津市にとって3回目の緊急事態宣言が発令された。前にも書いたが最初の緊急事態宣言は48日間で9人の感染者で、次の緊急事態宣言は73日間で230人の感染者を記録している。一日当たり平均新規感染者数は最初が0.19人で次が3.15人であった。ところが今回は緊急事態宣言発令から2日間の値を見ると一昨日が36人、昨日が13人で平均24.5人に達し過去と桁が違う感染拡大の中に突入している。 ちなみに一昨日の36人という値が365日続くと13,140人となり木更津市の人口の9.73%に達する数値である。10人に一人が感染者となる勢いだと考えると恐怖を感じる。 累計感染者数も昨日で894例目に達し、多分今日の夕方の発表で九百人の大台を超えてくるものと推察する。8百人に達したときには9百人到達が今月24日のパラリンピックの開会式の前になりそうだと予想したが、8日のオリンピックの閉会式前に到達することになるとは想像に出来なかった。 8百人を越えたのが先月29日の事だったので、わずか6日で百人が増加している。7百人から8百人には26日間を要しており、年末から年始にかけて大規模なクラスターが発生したときでさえも百人増加には約2週間が必要だったことを考えると、クラスターが発生していない状況でこの速度は、市中の多くで同時多発的に最大級の感染拡大を生じていることだと理解されるのである。 木更津市における一週間感染者数も130人となり、人口10万人当たり換算値は過去最高の96.3人に達し、ステージWの基準である25人の4倍近い値に届いている。本日以降に新規感染者が確認されなくても8日の日曜日までステージWが続く計算である。 感染が拡大しているのは木更津市だけではなく、日本全国で拡大しており、7月12日に緩めた制限を下表のように再び強化する方向に向かっているものの、昨日は群馬県・埼玉県・新潟県・福井県・山梨県・滋賀県・沖縄県の7県で過去最大となり、連日国内感染者数が1万人前後で記録されているため、今週中に累計百万人に到達してしまうことだろう。 |
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東京や沖縄の緊急事態宣言は8月22日までの予定であったが首都圏や大阪と同様に8月31日まで延長になっている。学校の夏休みに重なる時期で、小中学生は海水浴やプールにも行けず、猛暑を避けるように室内でオリンピックを見守るという夏を過ごすことになるのだろう。 房総半島でも先月29日から昨日までの5日間に睦沢町・長柄町・御宿町を除く23市町村で合計449人の新規感染者が確認されている。このうち298人は市原市とかずさ四市の5市が占めており、その比率は66.4%に成っている。 |
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房総半島の新規感染者は一日当たり89.80人、人口10万人当たり一週間感染者数換算では56.23人に達して、前回の過去最高を軽々と上回った。房総が、千葉県が、そして日本が緊急事態なのであるが、オリンピックが開催されているためか、高齢者へのワクチン接種が進み重症者の比率が減っているためかは解らないが危機感が高まらない状況が続いているように感じている。 郡市別累計者数のグラフは下図の通りであり急激な上昇に移ったことが解る。 人口10万人当たり一週間感染者数の値を昨年末の大流行の頃より整理したものが下図である。木更津市はその頃と同様の値になっており、市原市や近隣市はその頃の値を超えている。 今回は安房郡市が17.69でステージVに留まっているが、それ以外では房総の全ての地区でステージWとなっており、木更津市と市原市だけでなく長生郡市や山武郡市でも顕著な上昇傾向を示している。 木更津市のグラフは前回から使用している年齢が高い方が下層となる年齢別グラフを示すが、50未満の層が急激に膨らんできたことが解るだろう。縦軸は既に千人まで増えてきた。 緊急事態宣言では酒類の提供自粛が求められているので、幾つかの飲食店は今月中の営業を中止して長い夏休みに入っている。遠い旅に出ることも難しい中で、こんな時でないと出来ない新しい技能の習得や店舗の改装といった前向きな時間に利用できたらよいのだが、先が見えない感染症の前に心が塞いでしまわないことを願うばかりである。 政府や専門家はこの緊急事態宣言中にワクチン接種が進むので今回が最後の宣言になるだろうと楽観的な意見を述べているものも居る。若い世代を中心にワクチン拒絶派という感じのものも有り日本国として集団免疫を得るような事態になれるのか自信はないが、今はワクチンだけが頼りであることに変わりはない。 来月中旬には国民の大移動と言われるお盆休みがやってきて昨年は自粛した先祖の墓参りを行うことで東京から地方にも感染が伝播するのではと言われている。オリンピックの開催と先週の4連休によって気が緩み人の往来が増えているというので、飛行機や新幹線の乗車率も上がるだろう。 政府は打つ手が無いと言っているが、本気で人流を停めたいのであれば高速道路代や電車代を大幅に引き上げ、ガソリン税を今の数倍に課すことで値上げさせれば良い。物価は高騰し各地で品不足が生じ利用者の大幅減に伴い交通系の会社の収入は激減するだろう。何より国会を開いていない状況で、民主的国家としては出来ない対処方針であり、無理だということも解っている。 木更津市のワクチン接種状況は今月から接種円滑化システムを除外し、接種記録システムに報告されている値だけ掲載することとなったので、先月に引き続き公表情報が変更となった。過去のデータとの比較が難しくなったが、千葉県が接種する医療従事者の相対的比率が小さく成りつつある中では「市の接種対象者数」という概念はそれほど重要ではなくなったのかも知れない。 それでも接種計画に対する実績値を把握したいと私は考えるのであるが、多忙な部署に無理強いをすることも本意ではない。基準が変わるので総数の比較しか出来ず、どの区分の人達で接種が増えているのかは把握できなくなることを前提に7月26日17時時点の値と比較して整理したものが下表である。 |
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福祉会館で実施されている集団接種は1回目が5,330、2回目が4,636で合計9,966となり、間もなく1万回に達する見込みである。因みに重城病院のHPを見ると7月24日に1万回接種を達成しており、集団接種を上回る速度である。全接種に占める集団接種の割合も11.5%に留まり、88.5%は59の医療機関において実施されている。しかしワクチンの供給が先月から希望量の半分以下しか届かず不安定になっているためワクチン接種の予約を停止した医療機関も多くなっている。 合計7,520の接種に8日間を要したので、1日あたりの接種回数は940に留まり速度は低下したままである。1回目の接種が前回の6日間での1,645よりは増えているので大きな問題ではないと考えるべきだろう。しかしながらこのペースで集団免疫を確保するといわれる人口の70%まで接種するには (136,034×2×07-86,990)/940=110 となり、110日が必要となる。11月下旬には何とかその域に達することが出来る計算となり、忘年会頃から制限が緩和されるだろうと言う予測は正しそうだと思う訳である。 東京オリンピックは様々な競技でメダリストが誕生し、国民に気の緩みをもたらしてはいるものの明るい話題を提供し続けていることも間違えなく事実である。閉会式までの残り4日間を自宅で楽しませてもらおうと考えながら最大級の感染拡大の中で今回の記事を記載した。 ※追記 18:15に議会事務局を経て届けられた8月4日の感染者は18人を加えることとなって累計912例目(911人目)に達してしまった。悪い予想が当たり百人増加に6日しかかからなかった。この状況が続くので有れば、今月前半で千人の大台に到達してしまう。 なお、先週の水曜日の感染者数が21人であったため、一週間感染者数は昨日より3人少ない127人となり、人口10万人当たり換算値も昨日より若干下がった94.1人となった。それでも異常に高い状況が続いていることに変わりはない。 4日は千葉県で840人、東京都で4,166人など14都府県で過去最多を更新し、国内全体でも14,207人となり、それまでの最多感染者であった7月31日の12,341人を大きく塗り替えた。この様な状態を受け政府は8日から31日まで福島県・茨城県・栃木県・群馬県・静岡県・愛知県・滋賀県・熊本県の8県に蔓延防止等重点措置を適用させることを決めた。2日から適用になっている5道府県と合わせて13道府県が蔓延防止等重点措置となり6都府県の緊急事態宣言と合わせ19都道府県に制限を加えることになる。 さらにジョンホプキンス大学の集計によるとデルタ株の世界的流行により6月頃から感染者が増加し、累計感染者数は2億人を越えたようである。木更津市や日本国内だけでなく世界中が最大級の感染拡大の渦中でオリンピックが進行しているのだ。 |