嵐の8月が終わる
2021/08/31記
 本日の木更津市内における新規感染者数は20人であったと木更津市から発表があった。これで、今月に入ってからの累計感染者数は672人となった。先月末の感染者数が845人であったので、一ヶ月で79.5%も増加したことになる。
 今月に入っての一日当たり感染者数平均は21.7人となり嵐が訪れたような8月が本日で終わることになった。問題は8月が終わっても嵐が終わるという訳ではないことである。
 
 人口10万人当たり一週間新規感染者数の値はピークとなった今月23日の144.4人から若干下がり、本日は116.3人である。この推移について第4波の始まる直前である5月9日から本日までをグラフにしたものが下図である。
 
 今から見れば蔓延防止等重点措置が発令された第4波が大したことはなかったと思われてくる。今回は先月21日にステージVの目安である15人を越え、7月28日から今日までの35日間はステージWの目安である25を遙かに越える日々が続いており、来月早々に回復するような見通しは全く立っていないのである。
 
 本日の20人で累計感染者数が1,516人となり1,500人の大台に達してしまった。今月に入ってから百人増加に要した日数は下表に示すようにおよそ5日平均である。
累計人数 到達日 経過日数 備考
1 2020/03/19 - 最初の1人
100 2020/12/24 280
200 2021/01/06 13
300 2021/01/21 15
400 2021/03/03 41
500 2021/04/27 55
600 2021/06/12 46
700 2021/07/03 21
800 2021/07/29 26
900 2021/08/04 6
1,000 2021/08/09 5
1,100 2021/08/14 5
1,200 2021/08/18 4
1,300 2021/08/23 5
1,400 2021/08/26 3
1,500 2021/08/31 5 本日
 
 今から見れば昨年中の感染者が如何に少なかったかと思い知らされる日々である。
 こんなペースで増加しているので木更津市の年代別感染者数のグラフも急勾配を描き続けている。
 
 このグラフは年齢が高いほど下層にしており、殆ど感染が出ていない70歳以上では増加傾向を見せていないことが解る。
 逆に年齢が低いほど下層にしたグラフは次のようになる。
 
 この図から若い世代の感染が増加している実態が見て取れる。
 
 それでは、7月末までの845人と今月中の672人の年齢構成が大きく変わっているのかと思い、比較してみたものが下図である。
 
 何となく若者が極端に多いと感じていたが、7月以前でも大学生のクラスターの発生が影響しているため、20代は逆に今月に入ってからの方が比率が少なかった。傾向に明らかな差が出ているのは60歳を越える世代で、ワクチン接種が進んでいることと、7月以前には高齢者施設でのクラスターが発生したこともあり、今月に入ってからは急激な減少となっている。
 
 これを裏付けるように木更津市のワクチン接種状況は下表に示すように60〜64歳では68.5%が2回接種を終えており、65歳以上では82.5%が2回接種済みである。 
8月29日時点
区分 人数 1回数 2回数 合計 1回率 2回率
12-29歳 23,461 6,693 3,816 10,509 28.5% 16.3%
30-49歳 35,545 11,356 6,476 17,832 31.9% 18.2%
50-59歳 17,933 6,799 3,964 10,763 37.9% 22.1%
60-64歳 7,199 5,765 4,929 10,694 80.1% 68.5%
65歳以上 39,816 34,230 32,787 67,017 86.0% 82.3%
市の総人口 136,034 64,843 51,972 116,815 47.7% 38.2%
8月22日時点
区分 人数 1回数 2回数 合計 1回率 2回率
12-29歳 23,461 5,308 2,564 7,872 22.6% 10.9%
30-49歳 35,545 8,952 4,911 13,863 25.2% 13.8%
50-59歳 17,933 5,385 3,135 8,520 30.0% 17.5%
60-64歳 7,199 5,558 4,137 9,695 77.2% 57.5%
65歳以上 39,816 33,829 32,249 66,078 85.0% 81.0%
市の総人口 136,034 59,032 46,996 106,028 43.4% 34.5%
増 減
区分 人数 1回数 2回数 合計 1回率 2回率
12-29歳 23,461 1,385 1,252 2,637 5.9% 5.3%
30-49歳 35,545 2,404 1,565 3,969 6.8% 4.4%
50-59歳 17,933 1,414 829 2,243 7.9% 4.6%
60-64歳 7,199 207 792 999 2.9% 11.0%
65歳以上 39,816 401 538 939 1.0% 1.4%
市の総人口 39,816 5,811 4,976 10,787 4.3% 3.7%
 
 ワクチンの接種状況は先週から7日間で10,787回の接種が成されている。1日当たりの接種回数にすると1,541回となり、先週までの値より増加している。
 これは19日に届いたワクチンを医療機関が一気に接種したためであると思われるが、次のワクチン入荷が不安定であるため予約は止められている。そのためワクチンが無くなると接種回数が減ってくるものと予想される。
 
 東京都が渋谷に設けた若者向けの接種会場が想定以上に混雑していたという報道があった。都では若者で接種を希望するものが少ないと思いこんでいたようだが、今月の感染状況を見ていれば不安になってワクチンが欲しくなることが常識だと思う。ただしモデルナ製のワクチンに異物が混入していることも伝えられているので接種希望は若干減ってくるかとは思う。
 木更津市でも今の所は私を含め、打ちたくても予約が取れない多くの潜在的希望者が沢山居る状況である。衆議院議員選挙はワクチンの供給状況と医療現場の逼迫状況が鍵になると思う。
 
 嵐の8月は木更津市だけのことではなく、房総半島でも26日から昨日までの4日間で合計562人の新規感染者が確認されており、累計感染者数はついに1万人を越えてしまった。
市名 感染者数 町村名 感染者数
1 館山市 310→336 +26 1 九十九里町 76→83 +7
2 木更津市 1415→1496 +81 2 芝山町 59→61 +2
3 茂原市 639→687 +48 3 横芝光町 137→147 +10
4 東金市 520→545 +25 4 一宮町 101→106 +5
5 勝浦市 89→94 +5 5 睦沢町 29→29
6 市原市 2848→2959 +111 6 長生村 97→107 +10
7 鴨川市 164→176 +12 7 白子町 47→57 +10
8 君津市 619→679 +60 8 長柄町 39→42 +3
9 富津市 321→342 +21 9 長南町 67→72 +5
10 袖ケ浦市 524→562 +38 10 大多喜町 31→32 +1
11 南房総市 228→236 +8 11 御宿町 40→41 +1
12 山武市 383→419 +36 12 鋸南町 57→58 +1
13 いすみ市 238→247 +9
14 大網白里市 376→403 +27
市計 8674→9181 +507 町村計 780→835 +55
房総半島合計 9454→10016 +562
 一日当たりでは140.50人、人口10万人当たり一週間感染者数では87.97人となり、こちらでもピークは越えているものの高い値は続いている。
 郡市別累計者数のグラフも第4波が始まった頃からの時間軸で整理してみたが、上昇傾向が少しだけ落ち着きを見せたように感じる曲線となってきた。
 
 
 人口10万人当たり一週間感染者数では前回突出した値となった夷隅郡市が急激に41.28人に縮小するなど、全体的には改善の基調が見られるものの第4波の頃と比べて圧倒的に高い状況が続いていることは木更津市と同じである。
 
 
 感染爆発状況は木更津市や房総半島だけでなく全国的な課題である。この様な中でも28日と29日に愛知県常滑市で開催された野外音楽フェスでは感染症対策も不十分であった上にお酒の提供をしていたようである。そこに参加して密集の中で騒いでいた若者の多くが感染し、一部は自ら重症化し、他の大多数は症状が出る前に多くの人達に感染させることになるだろう。出演者や主催者が謝罪しているようであるが、運営の途中で見直しをする気が無かったことも問題であり、参加者も高いチケットを払っているかも知れないが現地についてこれでは駄目だと帰る勇気を持たなかったことが批判されるべきような事案である。
 
 少なくとも医療現場に余裕が戻るまで、皆で感染爆発を抑えるための接触機会の減少が求められている。自粛に厭きているのは皆が一緒であるが、ワクチン接種が行き渡るまで3ヶ月程度の辛抱だと思う。苦しいと思うが何とか今を乗り越えようと思いながら嵐の8月最後の思う事を記載した。