ワクチン接種No.1
2021/09/20記
 職域接種の拡大と入手の遅れで夏頃から品薄感が出始めた新型コロナウイルスワクチンは、同じ頃に爆発的な流行拡大で希望しても打つことが出来ない状況となり、東京都が渋谷区に設置した若者向け接種会場には長い列が出来たりしていた。
 感染が少し収まってきたので予約が取れないことに対する殺伐とした空気は少なくなったが、ワクチンが予定通り来ないことは現在でも変わらず、木更津市では多くの医療機関があることで接種能力が高いにも関わらず、千葉県は人口が少ない地域も「平等」に扱うため1箱づつしか配給しない事もあり、接種困難な状況は解消されていない。
 
 県の対応については森県議を通じて解消を求めているが、県としても国から充分な量が届いていない中で「今回はありませんよ」と切り出す覚悟が出来ず、少しずつ全部に配る結果、1人あたりでは不平等な状況が生じているのである。
 更には木更津市では60歳以上を優先接種するため接種券を段階的に配布している頃、近隣市では若者まで全てに配ったものだから近隣市の住民が木更津市でワクチン接種をしている事例も多く、木更津市に配分されたワクチンで近隣市の接種率を高めている状況も生じていた。
 これらについては県の裁量で解消が望まれるところである。
 
 明日(21日)は10月1日から15日までの接種について予約受付が始まる。新規の受付は1回目分なので下表に示す1,440人分となる。この予約が一杯になるまでどの程度の時間が掛かるかを見ることで、現在の深刻さを理解することが出来そうだ。
曜日 1回目接種 2回目接種 当日合計 備考
10 1 228 0 228 夜間接種含む
2 228 0 228 夜間接種含む
3 126 0 126  
4 126 0 126  
5 126 0 126  
8 126 210 336 夜間接種含む
9 0 210 210 夜間接種含む
10 0 126 126  
11 126 126 252  
12 126 126 252  
15 228 126 354 夜間接種含む
11日間計 1,440 924 2,364  
 
 それはともかく、木更津市で50代のうち少なくとも1回は接種したものが過半数になったことと、万が一体調不良になっても議会日程に影響が出ない事を考慮して、私も昨日1回目の接種を終了した。今日は打ったところが少し痛くは感じるものの、特段の異状はない。しかしながら副反応の多くは2回目接種後に生じると聞くので3週間後が心配である。
 
 日本国全体でも品不足といわれながらも速いペースで接種が進み、オックスフォード大学による「Our World in Data」が示すところによると、9月20日の段階で少なくとも1回はワクチン接種を終えたものの比率は米国を抜いて29位となっていた。
順位 国名 地域 接種率
1 UAE 中東 92.9
2 ポルトガル 欧州 86.1
3 シンガポール 東南アジア 81.7
4 スペイン 欧州 79.4
5 ウルグアイ 南米 78.5
6 チリ 南米 77.4
7 デンマーク 欧州 76.3
8 カナダ 北米 76.2
9 アイルランド 欧州 75.9
10 ノルウェー 欧州 75.7
11 フィンランド 欧州 74.3
12 フランス 欧州 74.1
13 イタリア 欧州 73.3
14 イギリス 欧州 72.6
15 バーレーン 中東 70.7
16 カンボジア 東南アジア 70.4
17 モンゴル 東アジア 69.7
18 オランダ 欧州 69.6
19 ブラジル 南米 69.1
20 スウェーデン 欧州 68.7
21 マレーシア 東南アジア 68.7
22 韓国 東アジア 68.5
23 パナマ 中南米 68.1
24 キューバ 中南米 68.0
25 サウジアラビア 中東 67.3
26 ドイツ 欧州 67.1
27 イスラエル 中東 67.0
28 モーリシャス アフリカ 66.6
29 日本 東アジア 65.5
30 アルゼンチン 南米 64.5
31 米国 北米 64.4
32 オーストリア 欧州 63.7
33 クウェート 中東 63.4
34 トルコ 中東 63.0
35 スリランカ 南アジア 63.9
36 コスタリカ 中南米 62.3
37 リトアニア 欧州 61.8
38 エクアドル 南米 61.6
39 スイス 欧州 61.5
40 ニュージーランド オセアニア 61.3
 
 欧州と北米は生産地であり中東も潤沢なオイルマネーで接種が進んでいることは聞いていたが、日本がドイツやイスラエルに肉薄しているとは思っていなかったので意外である。
 また欧米に比べ遅れていると思っていたアジアでも、モンゴルやマレーシアの検討が素晴らしいし、中国からの供給があるとはいえポルポトによる知的階級虐殺でベテラン医師がいないはずのカンボジアが16位に居ることは奇跡のように感じる。
 一方でアフリカは島国のモーリシャスだけが40位以内に名前を連ねるだけで、世界規模で感染を抑制するのにはまだ1年以上は必要になりそうだと考えさせられる表である。
 
 ワクチン接種が進んだこととの因果関係は明かではないが、真夏に猛威を振るった感染爆発は一息ついている。木更津市でも土曜日には1人だけの報告で、昨日の日曜日はいつものように報告が成されなかった。仮に本日の敬老の日も0であれば人口10万人当たり一週間感染者数は14.8に下がり、62日ぶりにステージUに戻ることになる計算である。
 
 
 房総半島でも13日から昨日までの6日間に確認された新規感染者は150人であり市原市が若干多いが全体での感染は明らかに減少してきた。一日当たりで25.0人、人口10万人当たり一週間感染者数では15.65人で、房総半島は間もなくステージVからも脱却できそうである。
市名 感染者数 町村名 感染者数
1 館山市 363→366 +3 1 九十九里町 106→107 +1
2 木更津市 1646→1666 +20 2 芝山町 66→66
3 茂原市 762→770 +8 3 横芝光町 175→177 +2
4 東金市 626→634 +8 4 一宮町 113→113
5 勝浦市 101→112 +11 5 睦沢町 31→32 +1
6 市原市 3206→3261 +55 6 長生村 129→131 +2
7 鴨川市 195→196 +1 7 白子町 67→67
8 君津市 755→761 +6 8 長柄町 50→50
9 富津市 377→379 +2 9 長南町 76→76
10 袖ケ浦市 607→618 +11 10 大多喜町 36→36
11 南房総市 251→253 +2 11 御宿町 47→47
12 山武市 491→499 +8 12 鋸南町 60→60
13 いすみ市 293→296 +3
14 大網白里市 452→458 +6
市計 10125→10269 +144 町村計 956→962 +6
房総半島合計 11081→11231 +150
 
 人口10万人当たり一週間感染者数は市原市で上昇傾向を見せているが全体での減少傾向はグラフからも見て取れる。7月上旬の状況に戻りつつあるように感じられる状況だ。
 
 
 木更津市のワクチン接種状況については私の1回が加わった昨日時点の現状が明日には発表になると思われるので、以下は明日に追記することとしたい。
 
 以下は21日の追記である。
9月20日時点
区分 人数 1回数 2回数 合計 1回率 2回率
12-29歳 23,461 10,825 6,873 17,698 46.1% 29.3%
30-49歳 35,545 18,890 11,655 30,545 53.1% 32.8%
50-59歳 17,933 10,634 6,978 17,612 59.3% 38.9%
60-64歳 7,199 6,096 5,772 11,868 84.7% 80.2%
65歳以上 39,816 34,785 34,145 68,930 87.4% 85.8%
市の総人口 136,034 81,230 65,423 146,653 59.7% 48.1%
9月12日時点
区分 人数 1回数 2回数 合計 1回率 2回率
12-29歳 23,461 9,809 5,578 15,387 41.8% 23.8%
30-49歳 35,545 16,999 9,572 26,571 47.8% 26.9%
50-59歳 17,933 9,729 5,696 15,425 54.3% 31.8%
60-64歳 7,199 6,031 5,574 11,605 83.8% 77.4%
65歳以上 39,816 34,768 33,849 68,617 87.3% 85.0%
市の総人口 136,034 77,336 60,269 137,605 56.9% 44.3%
増 減
区分 人数 1回数 2回数 合計 1回率 2回率
12-29歳 23,461 1,016 1,295 2,311 4.3% 5.5%
30-49歳 35,545 1,891 2,083 3,974 5.3% 5.9%
50-59歳 17,933 905 1,282 2,187 5.0% 7.1%
60-64歳 7,199 65 198 263 0.9% 2.8%
65歳以上 39,816 17 296 313 0.0% 0.7%
市の総人口 39,816 3,894 5,154 9,048 2.9% 3.8%
 
 50代で1回目のワクチン接種者が8日間で私も含め10,634人に達し、もう少しで6割を越える勢いである。30歳以下は46.1%とまだ半数を超えていない。9月に入ってから昨日までの新規感染者の152人のうち、30才未満は97人と63.8%を占めている。重症化のリスクは少ないといえども啓発を進め、接種しやすいように集団接種のうち夜間の人気が高いようなら増やすような対応を行っていただきたいと思う。
 
 実際、本日9時から受付を開始した1,440人分の集団接種は瞬く間に予約が埋まり9:37には「らずナビ」で受付終了の案内を出さなければ成らなくなるほどの人気であった。
 ワクチンさえ有れば木更津市の誇る95の医療機関が次々と個別接種をしてくれるはずなのだ。現にこの9月13日から20日までの間に集団接種は4回実施され、計画通りで有れば下表に示すように1,176回を接種しているはずである。この数値がこの期間の増加数である9,048回に占める比率は13.0%なので、87.0%は医療機関による個別接種か職域接種、都内等の大規模接種で行われていることになり、大多数は医療機関の値だと考えている。
曜日 1回数 2回数 合計 備考
9 17 210 126 336 夜間接種含む
18 210 126 336 夜間接種含む
19 126 126 252
20 126 126 252
合計 [A] 672 504 1,176
木更津市 [B] 3,894 5,154 9,048 9月13日から20日
集団接種の比率 17.3% 9.8% 13.0% =[A]/[B]
 
 ともあれ、接種状況も12日からの8日間で9,048回されており、1日当たりの接種回数にすると1,131回で先週までの値と比べて若干減少した。これはワクチン不足が影響したのか定かではないが、発表間隔が7日から8日に変更されると曜日変動の影響も受けるので比較が難しくなる。所管課は忙しいだろうから文句は言わないが分析しづらくて困るのである。他にも20日の値であることは解るが、前と同じように20日の17時時点なのか夜間接種が終了した状況なのかも解らない。忙しいから概略が解れば良く、統計は後回しである。
 
 なお、ワクチン不足の中でも比較的安定した値を出している理由の一つが職域接種の拡大にあるようだ。職域接種に必要となるワクチンは自治体の管理とは別のルートになるため職域接種の多い自治体が今後は数値が伸びると思われる。それでも自治体別に供給されるワクチンの数は接種能力に応じた配分が必要である。
 参考に近隣市の摂取率を記載すると下表に示すように日本全体で1回目接種を終えたものが65.5%に達する中で、木更津市だけがそれを大きく下回っている状況である。
人数 1回数 2回数 合計 1回率 2回率
木更津市 136,034 81,230 65,423 146,653 59.7% 48.1%
君津市 76,000 56,100 47,950 104,050 73.8% 63.1%
富津市 40,196 31,116 25,942 57,058 77.4% 64.5%
袖ケ浦市 58,171 41,632 33,764 75,396 71.6% 58.0%
四市合計 310,401 210,078 173,079 383,157 67.7% 55.8%
 ※袖ケ浦市は9月17日、他3市は20日の値
 
 この様な状況にもかかわらず、くどいようであるが千葉県庁が足を引っ張っている図式になっているのだ。文句は県庁に言って貰いたいと、この話が出る度に思う昨今である。
 
 残念ながら昨日も木更津市内で2人の新規感染者が明かとなり、ステージUに戻るのは先送りとなった。今日(21日)が1人以下なら63日ぶりの15人以下となるので結果を待ちたい。
 その様な日々の値も気になる点であるが、集団免疫を確保できるように2回目接種者が70%を越える状況を早めに達成したい。君津市と富津市では既に6割を越えており経済を戻す段階に入っても良さそうであるが、同じ経済圏にある木更津市の接種率が低いことで次の段階に移行できないようでは申し訳なく思う。
 
 私も2回目の接種は来月10日になる。木更津市内の2回目接種率は週に4%程度は向上しているので3週間後には市民の6割程度が2回目接種を終えるだろう。それにより感染者が確認されない日々が早く戻ることを願いながら追記も終えることとする。