感染拡大が止まる
2021/10/21記
 嵐のような8月が過ぎ、9月上旬は感染が何時になれば収まるのか、緊急事態は何時明けるのかと心配して過ごしたが、9月中旬以降は感染が収束し、10月に入ると感染者が確認されない日々も多くなり、木更津市では10月8日以降の12日間は新規感染者が確認されない状況が続いている。
 激しく感染者が増えてきた20代の累計感染者数グラフを見ると、急激に感染者が出なくなった特異な様子が見えてくる。
 
 上図には作画するため20日にデータを入れているが、実際には感染者が出ていないので点がプロットされない。これは20代に限ったことではなく、全世代で急激に感染者がなくなるのである。
 累計感染者も17百人の大台を前に停止している状況であり、百人増加に一月半以上を要することが明らかになった。
 
 これは房総半島全体でも同じであり10日から昨日までの10日間でも新規感染者が確認されたのは3市4町だけで、人数も19人だけである。一日当たり感染者数は1.90人、人口10万人当たり一週間感染者数換算値が1.19人まで下がってきた。
市名 感染者数 町村名 感染者数
1 館山市 367→367 1 九十九里町 108→108
2 木更津市 1697→1697 2 芝山町 67→67
3 茂原市 783→783 3 横芝光町 182→188 +6
4 東金市 648→648 4 一宮町 113→113
5 勝浦市 114→114 5 睦沢町 37→38 +1
6 市原市 3328→3334 +6 6 長生村 131→131
7 鴨川市 199→199 7 白子町 67→67
8 君津市 772→772 8 長柄町 50→50
9 富津市 381→384 +3 9 長南町 76→76
10 袖ケ浦市 634→634 10 大多喜町 36→36
11 南房総市 257→257 11 御宿町 48→49 +1
12 山武市 509→509 12 鋸南町 60→61 +1
13 いすみ市 297→297
14 大網白里市 465→466 +1
市計 10451→10461 +10 町村計 975→984 +9
房総半島合計 11426→11445 +19
 
 房総半島だけでなく首都圏でも感染が減り、緊急事態宣言が解除になってからも続いていた飲食店の営業時間短縮や人数制限も今週末で解除すると熊谷千葉県知事が昨日発表した。これでコロナ前の日常にまた一歩近づくことが出来ると考えると嬉しくなる。
 
 日本では急激に減っているが視野を世界に広げると、感染状況はまだら模様である。累計感染者数上位15国の状況を見ると下表の通りである。
国名 累積数 [A] 1日感染者 [B] B/A
1 アメリカ 45,131,193 81,280 0.180%
2 インド 34,108,996 14,623 0.043%
3 ブラジル 21,664,879 12,969 0.060%
4 イギリス 8,581,288 43,638 0.509%
5 ロシア 7,936,798 32,835 0.414%
6 トルコ 7,714,349 30,862 0.400%
7 フランス 7,196,754 6,038 0.084%
8 イラン 5,809,967 13,308 0.229%
9 アルゼンチン 5,274,766 1,303 0.025%
10 スペイン 4,990,767 1,889 0.038%
11 コロンビア 4,983,527 952 0.019%
12 イタリア 4,722,188 2,695 0.057%
13 ドイツ 4,410,921 22,340 0.506%
14 インドネシア 4,236,287 903 0.021%
15 メキシコ 3,763,553 5,089 0.135%
上位15国合計 170,526,233 270,724 0.159%
世界計 [C] 241,574,393 441,283 0.183%
日本 [D] 1,715,420 391 0.023%
D/C 0.710% 0.089%
 ※ データは10月20日の16時現在の値としてジョンホプキンス大学が発表した値等を私が加工したものである。入力ミスは容赦いただきたい。
 
 上表の右端に示すB/Aは累計感染者に示す昨日の感染者数の値であり、インド・コロンビア・インドネシア・日本等で少ない一方でイギリスやドイツでは高い値を示している。感染が再拡大の予兆を示しているが、重症化しないことや医療が対応できることなどで大きな騒ぎに成っていないのであろう。
 上表の下端に記載したD/Cは日本が世界に占める割合で、総感染者数の0.71%を占めている日本で昨日の感染者が0.09%しか占めていないという事態は、世界に比べ日本の減り方が急だというように理解できる。
 
 ここで14位のインドネシアに注目してみる。人口は約2億7千万人で日本の2.2倍程度である。累計感染者数は日本の2.47倍で昨日の感染者数は日本の2.31倍だったから双方ともに人口比と同じ様な値である。しかしながら2回ワクチンを接種した者の比率は日本が68.8%であることに対してインドネシアは23.6%に過ぎない(Our World Dataによる)。この比較はワクチン接種率の向上が感染収束に成っているわけではないことを示唆している。
 逆に、ワクチン接種率が日本と同様に高いイギリスやドイツで多くの感染者が出ているがイタリアやスペインではそれほどではないことも解る。原因は解らない。何れにしろ、ワクチン接種率が高くなったからと行って感染が収まるわけではないのである。
 
 木更津市で感染者が減ったからと云ってもワクチン接種は順調に続いており、17日時点で総人口の61.6%に達した。
10月17日時点
区分 人数 1回数 2回数 合計 1回率 2回率
12-29歳 23,461 16,273 11,430 27,703 69.4% 48.7%
30-49歳 35,545 26,863 20,158 47,021 75.6% 56.7%
50-59歳 17,933 14,192 11,365 25,557 79.1% 63.4%
60-64歳 7,199 6,445 6,145 12,590 89.5% 85.4%
65歳以上 39,816 35,288 34,704 69,992 88.6% 87.2%
市の総人口 136,034 99,061 83,802 182,863 72.8% 61.6%
10月10日時点
区分 人数 1回数 2回数 合計 1回率 2回率
12-29歳 23,461 15,111 10,354 25,465 64.4% 44.1%
30-49歳 35,545 25,084 18,340 43,424 70.6% 51.6%
50-59歳 17,933 13,435 10,460 23,895 74.9% 58.3%
60-64歳 7,199 6,358 6,075 12,433 88.3% 84.4%
65歳以上 39,816 35,211 34,581 69,792 88.4% 86.9%
市の総人口 136,034 95,199 79,810 175,009 70.0% 58.7%
7日間の増加数
区分 人数 1回数 2回数 合計 1回率 2回率
12-29歳 23,461 1,162 1,076 2,238 5.0% 4.6%
30-49歳 35,545 1,779 1,818 3,597 5.0% 5.1%
50-59歳 17,933 757 905 1,662 4.2% 5.0%
60-64歳 7,199 87 70 157 1.2% 1.0%
65歳以上 39,816 77 123 200 0.2% 0.3%
市の総人口 136,034 3,862 3,992 7,854 2.8% 2.9%
 
 増加状況は7日間で7,854回なので1日当たりは1,122回となり前回より更に減少している。これは県からのワクチン供給の遅れが原因だと思われるが、その一方で集団接種の予約が直ぐに埋まらなくなっている状況を考えると希望者には有る程度行き渡ってきたと考えるべきか、感染が収まってきたので急いで接種しなくても良いと思い始めたのかは定かではない。
 
 気温が下がり窓を開けて換気することが難しくなる中で、人数が増えた宴席が増えることが予想される。出席者の全てがウイルスに感染していなければ何人集まっても心配ないが、微少な確率で入り込んだウイルス保有者から感染が広がる可能性も無視できない。経済は回すべきだがクラスターを発生させないような配慮は必要である。体調の悪い方や発熱している方は人前に出ない配慮を続けなければならない。
 
 感染が急激に収まった理由が解らないまま、とりあえず感染に関する分析は一週間おきにすれば十分だろうと考えつつ、今回の記載事項としたい。