次の議場を考える
2022/09/15記
 袖ケ浦市では今回の定例会から新しい議場を使用しており、今月2日に傍聴をしながら見学してきたことは活動記録に記載しているが、濃厚接触者の自粛期間中なので補足するように資料を整理するととに私の考えた木更津市の新議場案を併せて説明する。
 
1.傍聴席まで 
 新庁舎の入口は清潔感が溢れているが受付で話を聞かないと何処に向かえばよいのか解らない。工事中なので今後は綺麗な案内図が着けられると思うが、入口のガラスに紙が沢山貼られており、エレベータも箱の内部に階別の組織が貼られている状況だった。
 議会は4階と5階を使用しており、議会事務局や議長室及び会派室の有る4階でなく5階に傍聴受付カウンターが置かれており出欠を示すモニターが設置されていた。一般市民が利用するエリアと議会エリアを分離する意味では良いレイアウトであり、展望に優れた5階を市民に開放するという考えは理解できるが、職員の目が届きにくい5階の管理には懸念が残る配置である。
 議場入口は全面ガラスで開放された広い空間となっており、外部でも傍聴できるようにモニターが設けられていた。傍聴席との高低差を処理するためにスロープが設けられていたが、高低差は階段にして2段分、約30cm程度しか上げていなかった。
 
2.議場及び傍聴席
 議場は天井が6m程の高さで、議長席の後ろには石の壁が設置されている以外は木を多用した空間となっていた。配列は英国式ではなく従来式で、議席は2列目と3列目が高くなっており固定席となっていたが、1列目と発言席及び執行部席は可動式であり、他用途に使用可能な設計としているようだ。
 議場内には議員と執行部の双方が見えるように合計4台のモニターが設置されている他に傍聴席にも2台が置かれ、外部のものも含めると7台以上が使用可能である。木更津市では各自にタブレットが有るのでここまでの対応は必要ないかも知れないが、便利だと感じられた。
 傍聴席と議席の間は跨げる程度のガラス板で仕切られているだけで、3列目の議員は傘で殴ることが出来る距離感である。仕切りの端部には鍵のない扉もあり、避難が必要になった場合の導線確保の点では良いと思うが、市民が容易に議場に乱入出来る設計でよいのだろうかと心配になる。
 入口の近くには車いすのままで見られるようにスペースが設けられている他に子供連れで傍聴して泣き声が迷惑にならないような区画も設けられ、音声はスピーカで聞こえて独自のモニターも配置され、そこに置かれていたのは長椅子であったのは子どものおしめを交換出来るような配慮なのかも知れない。
 通常の傍聴席のうち議場と往来できる扉に近い方から5席は袖机が出せて電力も取れる仕様になっていた。記者が傍聴しながらノートパソコンで記事が打てる配慮であり、参考になる。
 
3.木更津市議会の考え
 
 上図は私が作成した平面図の原案で、駅前ロータリーに面した右下隅に談話室兼議会図書室を配置し、エレベーター前の空間(ホワイエ)と一体的に使用できるスペースとして天井高さも議場と同様に高くするという考えで居たが、談話室の利用者と図書の管理を行うために議会事務局より奥にした方が良いという意見が理事会の場で出されレイアウト案は変更になっている。またスロープを利用してホワイエに東側からの採光を得るという計画でもあったがトップライトの配置で対応する方が良いという意見でここも変更になっている。その他は図面の通りで、新庁舎の5階だけに全てを収める方針である。傍聴席は議場より1m以上高くして、その下に机や椅子の収納スペースを設けることで議場の多目的利用を支障無く行えるよう考えている。傍聴席の細部やモニターの配置についてまでは決めていないので、袖ケ浦市議会を参考にして細部を検討したいと思う。
 
 先月25日の市庁舎整備特別委員会で、鋼材の納期が特に遅れていることや現在の立体駐車場の外壁にアスベストの使用が懸念されることなどより供用開始が1年遅れて令和8年度当初に変更されることが報告されている。従って、来春の統一地方選挙で5選目を果たしたとしても最後の1年間だけしか新しい議場が使用できないことになる。どうせ遅れるのだからコストを掛けずに良いものを創れるよう、皆で議論を進めていきたいと思った。