X1.10月中旬の活動記録
 11日は木更津陸上自衛隊の第43回航空祭の日であるが、生憎の雨である。自衛隊の周辺に航空祭渋滞が発生する中で自衛隊に行き、格納庫に会場を移した記念式典に市議会の基地対策特別委員長として参列する。今回は地元の浜田代議士だけでなく、サマワ駐屯部隊を指揮した「ヒゲの隊長」こと佐藤正久参議院議員も来られ、来賓挨拶を行われていた。航空祭では航空天展示など様々なイベントが行われるのであるが、この日は友人の結婚式に参列するため式典終了後に会場を後にした。
 自宅に帰って礼服に着替え、午後からは知人のご子息の結婚式に参列する。新婦側も知っている方なので、双方に幸多かれと願ってきた。
 
 12日の月曜日は体育の日の祭日なので翌日も休みを取り1泊2日で
南大菩薩の縦走を行うことにした。JRとバスを乗り継いで標高を稼ぎ、大菩薩峠にある介山荘に泊まる。大菩薩でも鹿の害が酷く、高山植物はほぼ全滅の状況にあるようだ。房総半島でも増えているが全国的な問題だと思う。
 
 13日は多くの頂を越えて富士を望みながら南に続く尾根を下り、途中の峠から麓の温泉に降りる、およそ8時間の歩行で山を満喫する。
 湯上がりにバスとJRを乗り継いで東京駅に出て、大学の友人と待ち合わせて飲む。一人はJICA専門家としてカンボジアで橋梁の指導に当たって現在一時帰国している者で、現地の話を聞くと技術者として羨ましい気分や苦労を慰労する気分になりながら一時を過ごし、アクアラインバスで帰宅した。
 
 14日は様々な雑務の片付けやHPの更新を行った後、夕方から来月の矢那川彼岸花イベントのために君津土木事務所や環境部を回る。夜には木更津港に来ている護衛艦「こんごう」「ちょうかい」試験艦「あすか」の電灯艦飾を見に行く。近くに視点場が無いことが残念と思った。
 
 
 15日は午前中に木更津市戦没者追悼式に列席して献花を行い、午後からは市内で所要を済ませながらイオンモール開店1周年記念に郷土博物館が協力して行っている「みなとまち木更津展」を見る。市役所駅前庁舎で江川運動公園等の進捗などを打合せして帰宅し、HPの更新を行った。
 
 16日は自宅で私的な仕事への対応を行い、事務所の片付けや来週からの視察の準備等を行った。
 
 17日は朝から江川漁業共同組合員として海岸清掃を行い、一足先に退席させていただき自宅で作業着を着替えてアカデミアへ向かい、かずさ青年会議所が創立50周年記念として行っている『かずさドリームフェスタ』に行き福島正伸氏の講演を聴く。素晴らしい内容であるが聴衆が少ない事が残念であるし、写真撮影が禁止なので記録はない。
 講演会が終わってホールに出ると松本佳奈さんのミニライブが開始されており、市内の飲食店や木更津東高校の生徒が作成したワンコイン弁当も販売され賑わっていた。森県議や草刈市議も現役の青年会議所メンバーとして忙しそうに働いていたが、私はOBとして弁当の消費に協力した。
 アカデミアの帰りに築地に立ち寄り、一般公開されている自衛隊艦船を急ぎ足で見学する。こちらには多くの市民が集まり興味深そうに写真撮影を行っていたが、私は「あすか」だけを見学して帰宅し、自宅で開催する町内の常会の準備を進めていった。
 夜には町内7世帯の常会を行い、酒を酌み交わしながら近所の懇親を深めていった。
 
 18日は朝から袖ケ浦市市長選挙の出陣式に先立ち友人である福原氏の応援に駆けつけ、直ぐに市民会館中ホールに移動し『木更津市生涯学習フェスティバル』に参加する。
 
 受付や司会は知人が行っており、市民力の高さを感じさせる。式典に続き林典子氏の講演を聴く。海外で現実に行われていながらマスコミが放送しない様々な問題を提示していただいた。講演会後は体育館を利用して出展されている様々なブースを覗き、ジェスパルの販売している焼きそばを購入して一旦帰宅する。
 自宅で着替えて駅まで送って貰い、君津のホテル千成で行われる友人の娘さんの結婚披露宴に出席した。堅い式ではないのでフランクな進行となり楽しく賑やかな時間を過ごしてきたが、造り酒屋が4者も揃う中で酒も進み、企画後にHPの更新を行うつもりが、寝てしまった。
 
 19日から総務常任委員会の行政視察が始まるが、その朝にHPを急いで更新する。集合時間が近づく中で急いでアップして木更津駅に集合。バスと新幹線と在来線を乗り継いで焼津駅に到着。昼食を食べてから行政視察を開始する。
 
1.静岡県県焼津市
 市制施行 昭和26年3月1日
 人口 142,126人(平成27年8月31日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 70.31km2
 平成27年度一般会計予算額 445億29百万円
 財政力指数 0.90 (平成24年度)
 視察項目 タブレット型PC端末の導入について
 焼津市は既存のノートパソコンのリースアップとXPのサポート終了に伴い時期の機種選定を検討する中、庁舎外での使用を可能とするタブレット端末に安価なWindos8の機種が登場したこともあり、平成26年度より全国の自治体に先駆けて全職員での使用が始まった(参考資料
You Tube)。
 導入に当たっては職員からノートで良いという抵抗が沢山あった様だが各課にサンプルを持って説明に出向き同意を取り付けたようである。なお、卓上で使用する時にはキーボードが使えるようにして作業性の低下を生じさせない配慮も行っている。
 個人情報の保護のため情報系と基幹系を物理的に切り放し、セキュリティは各課単位で行っている。タブレットは個人に貸与しているので人事異動の際には設定変更作業が深夜に及ぶという。予算の制限のため臨時職員にはノートパソコンを貸与し、情報はダウンロードを前提としておりクラウドにはしなかった。
 現在焼津市役所は老朽化のため一部使用禁止となっており、議会は遠い大井川庁舎を使用しているなど分庁になっている。そのため通信機能を利用して職員間でスカイプを利用して情報交換する事が可能となっているだけでなく、外国人にもテレビ電話で通訳を行うなど活用は進んでいるようだ。庁舎の建て替えが視野に入っているのでWiFiの整備費を投じることなく、有線LANでデータ取得をしているところは古めかしく感じるが、将来的には通信機能を活用し、子育て中の女性職員等の自宅勤務を可能とするなどワークスタイル改革に寄与し、それが市政改革に繋がることも視野に入れていると聞くと先進性に驚かされる。
 会議はペーパレス化が常識になり紙の使用量や資料作成の手間が大幅に減っているが、まだ議会のペーパレス化や市民を交えた審議会での活用には至っていないようだ。最後にゆるキャラの「やいちゃん」が居る執務室で使用状態の説明を受けて焼津市の視察を終え、JRで静岡に戻り駅前のホテルに泊まる。
 せっかく静岡に戻って来たので市街地活性化の参考にホテルから歩いていけるおでん横丁を私的に見学しに出かける。横丁の突き当たりにある民家が大家さんで、既に40年を越える歴史があり、多くの人が開店したく店舗が開くのを待っていると聞くと、たかがおでんとは侮れない。
 
 20日は新幹線で静岡から三河安城に移動し、そこから貸し切りバスで高浜市役所に向かう。ご当地グルメとして愛Bリーグにエントリーしている「とりめし」を市役所の近くで食べて、午後からの視察に望む。
 
2.愛知県高浜市
 市制施行 昭和45年12月1日
 人口 44,259人(平成27年9月1日現在)
 面積 13.02km2
 平成27年度一般会計予算額 138億4630万円
 財政力指数 0.97 (平成24年度)
 視察項目 アウトソーシングの取り組みについて
 幸前議長の挨拶で視察が始まる。高浜市は古くは三州瓦、最近はトヨタ関連企業が多く立地し、第2次産業就業人口比率が2015年で全国1位の49.13%の都市である。面積は木更津市の1/10以下で、東西4.2km・南北5.5kmに過ぎず、市域の何処からでも直ぐに市役所に来れる立地条件である。
 平成元年から20年間市政を担当した前森市長の元、市の職員は公権力の行使や意志決定の仕事をすべきでルーチングワークは外注すべきだという施策を押し進め、平成3年に法人格のない施設管理協会を設立。平成5年からは法人化に向けた調査を始めた。当初は財団法人を検討したが広範な目的に対応できないこともあり株式会社にする決断をしたようだ。デメリットは議員が役員を兼ねることが出来ず議会の権限が及ばなくなる事と、営業利益に課税されることである。株式会社としたことで旧市立病院の売店経営や市長車のリースなども行っている。
 平成7年3月31日に市が全額を出資する資本金5千万円で『高浜市総合サービス株式会社』は設立された。役員は市内の企業経営者を代表取締役(20年が経過して現在3代目)に、取締役の7人を市内企業経営者、2人を市の職員(市民担当と財政担当の部長)が務め、監査役2人も含めた12人は全て無給であるが月に1〜2回、年に30日程度の役員会を行っているようだ。管理部門の職員は4人で2人が市の派遣職員で2人がプロパーの職員である。現在の職員数は253人でそのうち184人が臨時職員である。女性が78%、高齢者が31%を占めるなど女性や高齢者の社会進出を支え、障害者も積極的に採用して社会貢献を果たしている。
 市役所の窓口、水道窓口、学校の給食調理や用務員、公民館管理など多才な業務を市から受託しているが、民間企業が出来ることは行わず、隙間産業に徹しているとの事である。高浜市の取り組みは自治省のアウトソーシングの指針造りの参考になっているようだ。財政削減効果は年間2億75百万円に達し、定員管理上の効果は平成6年から平成26年を引くと
214人、消防広域化や市立病院の民営化を差し引いても129人の削減効果が出ている。この間に市の人口が10,239人も増加する中での削減は感動的でもある。これを表にしてみると次のようになる。
人口(A) 職員(B) H6対比  A/B  備考
H6 36,134 475 100.0% 76.07
H7 36,029 472 99.4% 76.33 高浜市総合サービス株式会社営業開始
H8 36,895 468 98.5% 78.84
H9 37,402 463 97.5% 80.78
H10 37,650 448 94.3% 84.04
H11 38,037 452 95.2% 84.15
H12 38,716 445 93.7% 87.00
H13 39,086 438 92.2% 89.24
H14 39,580 424 89.3% 93.35
H15 40,278 384 80.8% 104.89 消防の広域化で職員数33人減
H16 40,981 377 79.4% 108.70 指定管理者制度の開始
H17 42,013 370 77.9% 113.55 地域内分権の推進
H18 42,480 368 77.5% 115.43 民間提案型業務改善制度の開始
H19 43,831 341 71.8% 128.54 外部委託推進ガイドライン作成
H20 44,314 329 69.3% 134.69
H21 44,592 273 57.5% 163.34 市立病院の民営化で職員数53人減
H22 45,114 270 56.8% 167.09
H23 45,457 269 56.6% 168.99
H24 45,901 265 55.8% 173.21 吉浜保育園民営化
H25 45,990 259 54.5% 177.57 中央保育園民営化
H26 46,373 261 54.9% 177.67
 ただし、財政削減効果が出るのは高浜市総合サービス株式会社の職員給与が短大卒の新人程度に抑制されているためであり、この会社で政経を立てていく事は難しいが、子育ての終わった女性や高齢者の社会進出という目的の会社なので不満は出ていないようだ。ただ急激な定数削減は退職不補充という形を取ったので、現在職員の年齢構成に大きな歪みが生じている事や大規模災害時にどこまで役割分担を出来るかという課題はあるようだ。市民の評判は窓口が丁寧になったと好評なようであり、窓口業務を委託したことで土日開庁が実施できているので、確実に市民サービスの向上に繋がっているようだ。
 他にも公園管理を地域に委ねるように地域内分権を進めるなど市の業務は継続的に見直しをすすめ、新しい市長の元でも保育園を市内の株式会社に移譲するなどの改革を現在も進めている姿勢には驚かされる。乾いた雑巾を絞るというトヨタ方式が浸透する愛知県ならではと思うが、見習うべき点は数多く見受けられる。帰り際に改めて窓口を見ると制服を着てテキパキと働いている方々が株式会社の人で、民間だからと特に違和感があるものではなかった。
 
 視察を終えて宿泊先の名古屋に向かう。移動がバスなので、途中で集客力日本第3位といわれる刈谷ハイウエイオアシスに立ち寄る。
 JH施行分のPAと高速道路外側の道の駅機能、更には岩ヶ池公園が一体的に使用でき、家族サービスに利用される理由が理解できたが、馬来田の道の駅とはコンセプトが違いすぎるなと感じさせられた。宿は翌日の瀬戸市への便がよい栄のビジネスホテルであり、名古屋飯を食べながら視察の感想を語り合った。
 
 
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2015年10月下旬の記録