02.1月中旬の活動記録
 12日は朝6時15分に木更津駅に集合し会派羅針盤の行政視察に出かける。集合時間に夜が明けていないというのも我が会派らしいと思いながら羽田から岩国錦帯橋空港へ飛ぶ。米軍のオスプレイが訓練で飛来して駐機されていないかと回りを見渡すがそれらしい姿を発見できず、路線バスでJR岩国駅に移動し、山陽本線で大竹駅に到着する。
 駅前で早めの食事を終えてから市役所に移動する手段として本日の視察項目であるコミュニティバスである「こいこいバス」に乗車してみる。区間に関係なく料金は大人200円であり、綺麗な車両と想定以上の乗車率に驚かされた。大竹市役所には若干早く着き13:40より視察研修を開始する。
 
1.広島県大竹市
 市制施行 昭和29年9月1日
 人口 28,109人(平成27年4月1日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 78.66km2
 平成27年度一般会計予算額 142億2413万円
 財政力指数 0.86 (平成25年度)
 視察項目 地域公共通通総合連携計画について
 大竹市はJR駅が有り工業が集積し古くから栄ている「大竹」・市役所や大規模商業施設はあるがJR駅の無い「小方」・JR駅と医療センターが有る「玖波」という3地域に人口が集中しているが、この間を結ぶバス路線は平日3往復、土日では1往復しか無い状況だった。更にはこれらの人口集積地に近接して昭和41年頃から開発された複数の団地に行くバスが無いまま高齢化社会となり公共交通機関の確保が行政課題となっていた。平成19年5月に組織横断的に若手職員7人を集めたワークングチームを設けて41回の会議を経て平成20年3月に市長への答申が出された。それを受け「大竹市公共交通活性化協議会」を設立、平成21年3月に「大竹市公共交通総合連携計画」が出された。
 大竹市の特徴は行政が計画を押しつけるのではなく、住民自らが守り育てることを大切にしている事である。活性化協議会の現メンバーは市+県(教育委員会と警察含む)5人・運行会社3人・利用者2人・運転手1人・運行地域代表4人からなる組織で、年に3〜6回の会議を開催している。
 2路線だけ運行している路線バスについては木更津市と同じように運行補助金を支払っている。独自事業の区分けは幹線をコミュニティバス、4箇所の郊外地とはデマンドタクシーを使うといった運行形態を組み合わせている。これらの平成26年度の運行や財政状況について大竹市から頂いた資料を基に整理したものが下表である。
区分 略称 運航日 平日便数 利用者数 運行経費 市負担金
路線バス 栗谷線 毎日 4往復 5,292 13,322,100 10,409,000
坂上線 毎日 6往復 21,643 16,125,272 3,150,000
コミュニティバス こいこい 毎日 34往復 93,088 26,516,000 8,565,645
デマンドタクシー 三石地区 月・火・金 行5・帰6 1,263 736,560 449,520
玖波7・8 月・火・金 行5・帰6 1,141 652,450 411,917
湯舟地区 火・水・金 行5・帰5 234 140,580 97,403
栄ぐるりん 月〜土 14便 8,096 10,702,500 9,194,200
合計 130,757 68,195,462 32,277,685
 坂上線は県境を越えて岩国市まで路線が続いているので大竹市の負担額は少なくて済んでいる。こいこいバスは協議会による利用拡大運動の効果が出たことと大型商業施設が無料送迎バスを廃止したことより運賃収入が経費の63.5%を占めて市の負担が抑えられている。一方、デマンドタクシーの中で群を抜いて運行本数が多い「栄ぐるりん」は人口が多い地区でもありマイクロバスで周回コースを設定しているのだが収益率は芳しくない。この状況で問題はないのかと質問したが、現在三石地区以外は実証実験中である事と継続の基準を決めていないために廃止や減便の指導が出来ず、活性化協議会で検討するようだ。
 住民自らが手を挙げた地域だけデマンドタクシーを運行するという制度であるが、それに伴う地域住民の負担は得にないようで、要望の通り運行して負担を全て行政に肩代わりしてもらうという形態は、住民の自主性を育むためとはいえ疑問を感じた。それでも大竹市民は良識があるのか栄地区以外のデマンドタクシーの運航日は週に3回という点は感心した。因みに市負担金を利用者で割り戻すと「こいこい」が92[円/人]に対して「栄ぐるりん」が1,136[円/人]であり、最大は栗谷線の1,967[円/人]であった。これ以外に山間地では2地区にタクシー利用補助制度を行っているが、公共交通という観点から今回は割愛する。
 木更津市では路線バスを維持するために運行補助金制度だけで対応しているが、幹線路線と枝線(フィーダー)に分けて運用し、フィーダーは近隣の中心地、木更津で例えるなら馬来田駅や清川駅、君津中央病院等のような場所まで移動する手段としてデマンドタクシーを活用するという複合形態や、市民が利用拡大運動を展開するといった当事者意識の上に立脚した公共交通という点は参考となる点が多かった。
 視察を終え大竹市の議会事務局に玖波駅まで送っていただき、JR山陽線の各駅列車に乗る。宮島口では対岸に世界遺産厳島神社があるものの素通りして、この日は広島で宿泊した。
 
 13日は原爆関係施設に行ったことの無い者が居るため、朝9時から路面電車に乗り原爆ドームや平和記念資料館を見学する。欧米系の外国人の姿も多く見られたが、にこやかに記念写真を撮っている姿を見ると、どの様な気持ちでここに来て見ているのかと気になる。昼前に広島を離れ呉線快速で呉に移動する。
 駅前のホテルに荷物を預け、近くの海上自衛隊広報施設を急いで見学してから呉市役所に入り、予定より若干早めに研修を開始する。なお、この日は広島県西部市議会の研修会が廿日市市で行われており議会事務局も多忙な中、視察を受け入れてくれた事に感謝したい。
 
2.広島県呉市
 市制施行 明治35年10月1日
 人口 234,613人(平成27年4月1日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 352.80km2
 平成27年度一般会計予算額 1,068億3千万円
 財政力指数 0.60 (平成25年度)
 視察項目 蔵本通りの屋台について
 視察に入る前に隣接して立派な市役所が建設されていたので話を聞くと、来月から部分的に使用を始めるらしい。人口が約2倍で免震構造の庁舎が156億円で建設されたと聞くと、どうも木更津市の新庁舎が130億になったというのは高すぎる話だと思った。
 それはさておき、木更津市でも旧市街地活性化の手法として常設の屋台村が一部で検討されているようだが、その在り方についての参考としての呉市の蔵本通りである。現場は市役所の直ぐ近くであるが、まずは座学により経緯や特徴を聞かせていただいた。
 呉市では昭和41年に28軒の屋台があって市民に親しまれていた。昭和59年に都市景観形成モデル事業を進める中で市が上下水道と電気工事を行い22区画を設けたが、地元合意の中で屋台は15軒までとされていた。その後、営業者の高齢化等で平成12年には8軒にまで減少してしまい、屋台を観光の活性化に使おうと考え平成13年に「蔵本通り屋台活性化懇談会」が設置され検討を進めてきた結果、@道路占用で営業許可を出すことが難しい状況を解決するため歩道の一部を公園区域に編入、A新たな営業者を公募して集める、という再生策が決まった。平成14年6月の市政だよりで公募したところ48名の応募があり、新規営業者7人が追加されることになった。その後の廃業などで減少が生じ、公募をしてきているが、近年は応募者が少なく、現在では11軒が営業している状況である。なお、公募は5年に1度のペースに成っているが偶然らしい。
 営業時間は夕方4:30〜翌朝5:00で、営業許可区域は12u、公園使用料と屋台収納場所使用料の合計で12,630円を徴集している。上下水道使用料や電気代については現在請求していないが、今年度は上水道の個別メーターを設置して上下水道代は支払って貰うようにするらしい。営業許可を受けられる者は呉市民で市税の滞納がない方に限られ、チェーン店としての展開や昼間に店舗を構えている者が夜だけ屋台を出すと言った形態は認められない。借用している場所も昼間には通路として解放するため、毎夕に設置し毎朝に撤収する作業が繰り返されることになる。営業日に指定はなく、休日は自由に取っているようだ。そのため現在営業している11軒の屋台の全て並ぶ事は少ないようだ。なお、聞くところによると移動式の屋台は200万円程度が必要であり、呉市が管轄する保健所がメニューを指導して許可を出しており、便所は公園のものを使用できるとしてもガスやゴミ処理は自己負担と聞く。経営する視点では屋台より市街地の空き店舗を借りて商売した方が楽ではないかと思える程の制約である。
 幾つかの質議を終えて現場を見せていただく。右の写真で白いタイルが施行されているところが道路と公園の境界である。屋台が出される前は公園である部分も普通に歩行者空間となっている事が解る。上下水道を完備したことで汲み置きの水を使わなくて済み、衛生的な環境になったと担当者は話していた。
 水道や電気は左写真のように植裁枡の立ち上がりに扉が着いた状況で収納されている。扉を開けた状況は写真にカーソルを合わせていただくと解るように下水道は管がむき出しで開いており、個人的には下水の臭いとかが気にならないか心配であった。
 現地案内を終えていただき、市役所からの説明は終了となる。一旦ホテルに戻って屋台が出るような時間を見計らって設営後の状況を見に行った結果が右の写真である。この様に白線の内側に収まるように店舗は出されるが、夏には歩道部分に椅子やテーブルが置かれるという違反も発生するようだ。
 夜になって食事を終え、再度屋台に行ってみると、たまたま入った店舗が悪かったのか接客と清掃面に残念な印象を残す結果になった。木更津で展開する場合は呉市のように設置撤収を繰り返すのではなく、帯広市や八戸市の屋台村のように常設の狭い店舗を貸与し、営業が軌道に乗ったら市内の空き店舗を斡旋して本格営業をして貰うことで市街地の活性化を図る方が良かろうと考える。出店基準についても日本の商慣習が解っているのなら外国人にも門戸を広げる事で多国籍料理が楽しめるだろうと会派のメンバーに提案してみたが、国際政治が混迷するとトラブルの元に成るから賛成できないと言われてしまった。
 
 14日も呉線各駅列車で竹原まで移動し、迎えに来ていただいた市の車で視察場所まで移動して最後の行政視察を開始する。視察項目は木更津市も認定を受けている「海の駅」で、木更津市には建築物は無いので、整備の事例として先行する竹原を選んだのである。
 
3.広島県竹原市
 市制施行 昭和33年11月3日
 人口 27,554人(平成27年4月1日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 118.30km2
 平成27年度一般会計予算額 131億3百万円
 財政力指数 0.62 (平成25年度)
 視察項目 たけはら海の駅について
 竹原市は昭和38年に愛媛県波方町と結ぶ中四国フェリーの運航で賑わっていたが平成11年のしまなみ海道の開通や燃料の高騰の影響で平成21年をもって航路が廃止となった。離島行フェリーは残っていたがターミナル施設が大きく空き、跡地利用が課題となる中で広島県の推進する「海の道構想」の一環としてビジター桟橋の整備の話が出たこともあり観光交流拠点として「海の駅」を整備することになったものである。
 平成22年から24年にかけて地域住民や商業者を交えたワークショップを開いて必要な機能が議論された結果、食堂・地域交流スペース・売店・フェリー待合所を備えた形態が決まった。その後、既存建物にエレベーターを追加するなどの工事を総事業費約2億円で行い、平成26年8月1日に開業となった。改修費の55%は国の補助金を活用できたので市の持ち出しは1億円以下となる。運営形態はシダックスを運営する大新東鰍ノ指定管理としている。ちなみに大新東は市街地にある「道の駅」の指定管理者でもあり、海の駅の公募を行った結果、唯一申し込みをした会社という事であった。平成26年7月には「みなとオアシス」の認定も受け、指定管理者の若い代表が「駅長」として市の経済界と情報交換を進めたり独自事業を行うなどしてイベント開催時に人は訪れるように成っているが今回研修を行った会議室の利用状況は寂しい限りのようだ。
 「海の駅「として船舶の利用状況が気になるが、フェリーターミナルとして大崎上島や契島からの客は多いがビジター桟橋の利用者は平成27年4月〜9月で67回であり、利用者が増加しないと県による港の整備が進まず、整備が進まないから利用が伸びないと言ったジレンマに陥っているようだ。
 周辺に不法係留の船を見ないので質問したところ、もっと市街に近づいた港の奥に多いようだ。またフェリーの運航会社も別の場所に給油を出来るような桟橋を設けており、港湾機能が分散している点も今一つ利用者が増えない理由だろうと思った。なお、竹原市全体では「マッサン」効果と大久野島が「ウサギ島」として有名になったこともあり順調に観光客は増えているようだ。竹原の担当者からは「木更津をインターネットで見たら立派な係留設備があって羨ましい」と逆に言われてしまった。我々としては中核施設のある竹原市が良いと思っての視察であるが、様々な施設が揃えるようにバランスの良い整備も検討する必要があると改めて確認するに至った次第である。
 視察を終え竹原市で昼食を取り、空港シャトルバスで広島空港に移動する。シャトルバスに交渉したところ美観地区経由としていただき朝の連続テレビ小説「マッサン」の効果等の話も聞くことが出来た。
 
 広島から羽田に飛び、帰りのアクアラインバスは金田で停車しないため袖ケ浦で降り、迎えの車で家に荷物を降ろしたらそのまま岩根東西区長会合同新年会の会場に移動する。開始前に市と県の職員より市政協力委員である区長さん達に対しアクアラインマラソンのボランティア募集の呼びかけがあったので私も同席して話を聞いた。懇親会は渡辺市長や高橋県議も同席する中で懇親を深め、地域の様々な課題についてお話を伺うことが出来た。
 
 15日は旅の荷物を片づけ、溜まっていた郵便やメールを処理したら議会事務局に行き、月末の基地対策特別委員会の行政視察を調整する。正午には潮見の旧庁舎から出される市のバスに乗り鴨川市民会館で開催される県南市議会議長会主催の研修会に出席する。
 
 講師は政治学者である大森彌東大名誉教授による『人口減少への挑戦と地方創生』であり、増田さんによる「地方消滅」という本が出された裏側の話しや自治体の消滅は自治を諦めて合併吸収されることで起きるのであり人口減少では消滅しないから小規模でも立派な自治を進めて下さいと励まされたりしながら話を聞いた。木更津に帰ってからは議員会主催による新年会に出席する。改選が昨年の春だったので新しい顔ぶれになってから始めての新年会であるが、随分選挙から時間が経ったように感じていた。
 
 16日は朝から自宅に地域の方が訪れて相談に乗り、それから区長会新年会の時に話を聞いた件で現場に立ち会って問題点を聞く。午後からは文章の指摘を受けた後援会報の手直しなどを行う。日没後は木更津港に冬花火を見に行く。出島の駐車場には多くの車が集まっていた。
 
 短くても綺麗な花火の鑑賞後は市内で所要を済ませて帰宅した。
 
 17日は朝から溜まっているHPの更新作業を開始するが量が膨大で進まず、途中で切り上げて消防出初め式に出席する。
 日射しもなく風も冷たい中で昨年まで消防団員が着ていた防寒着が今年はなくなっていたのでさぞ辛かったろうと思いながら見ていた連携総合訓練は川崎市や千葉市の消防ヘリも加わり、内容の濃い展示になっていた。閉会後に急いでジェスパルの売店を目指したが既に撤収した後で残念だった。
 帰宅してから直ぐに江川の集会所に行き来月に行われる江川熊野神社節分祭の準備会合に出席する。話し合いが終わってから事務所に戻って翌日からの視察の準備を行い、HPの更新を始めたが深夜になっても終わらず、心残りだが視察の全文を書き上げる前に暫定的な状況でアップすることにした。
 
 18日は先週の会派より若干遅い7:10に木更津駅に集合し議会運営委員会の視察に出かける。木更津では雨であるが東京や神奈川では雪になっており新幹線も速度を落として運行しているとの話である。それでも名古屋に着く頃には遅れを取り戻し姫路駅には定刻で到着するからJRは大したものである。視察先は県境を越えた先に有る備前市である。
 
1.岡山県備前市
 市制施行 平成17年3月22日(旧備前市は昭和46年4月1日)
 人口 36,586人(平成27年12月1日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 258.23km2
 平成27年度一般会計予算額 183億67百万円
 財政力指数 0.46 (平成25年度)
 視察項目 ペーパレス議会の導入について
 備前市では平成26年度から市長の発案により「ICT街づくり事業」が開始され消防団や民生委員等の公的立場にいる市民300人にタブレット端末が支給された。その中に備前市議会議員16人も含まれており、視察に最後まで同席していただいた田口議長の強い意向でタブレットが有るのだからペーパレス議会を進めようという意見で取り組みが始まった。ただし目的はICT街づくり事業としての活用であり、ペーパレス化は念頭ではなく、紙の資料も別途配布しているためペーパレスとして経費削減効果は生じていない。議員16人中1人だけは今でも紙資料による会議を続けているので完全な取り組みでもない。
 タブレットは私的利用も問題ないと考えており、議会での資料は市民に向けて公開して構わないものという認識の元、情報管理レベルは低く設定されている。議員の中にはタブレットに原稿を入れて議会質問を行うものも居るようだが、配付資料としてタブレットでデータを送るという事はまだしていないようだ。
 基本ソフトは
昨年8月6日に東京で個人的な研修を受けてきた東京インタープレイス鰍フもので、備前市議会の要求で使い勝手を変更することもあるようだ。この場合のプログラム改修手数料は請求されないという事であるが備前市だけにカスタマイズした改修でなく、全体的利便性の向上としての改修であるので、これによって一層使い勝手が良くなって多くの議会に利用してもらうように市場を広げるためであろうと私は思う。
 契約上の容量は5GBであるが容量の多い3月議会資料が300MB程度であったので4年分の資料が保管できれば良いという考えのようだ。データ保管スペースの拡大が経費の増加になると考えていたが、議会資料の保存は紙が基本でデータは利便的な存在という考え方は参考になる。なお、データもクラウド管理であるが、万が一のため議会事務局のパソコン上にオリジナルデータを残して管理しているという。なお、データ化は所管課が実施して事務局に集められるため、にタブレット導入による議会事務局の事務量は取り立てて増大していないようだ。
 市の職員は課長以上はもっているが全職員に支給する考えはないようである。議会の運営上は補足資料や議員への情報提供がFAXではなくデータとして速やかに届く事とか、過去の資料が会議中に検索できることなど好評なようである。会議の開催通知もデータとして届くのであるが並行して郵便でも届けられる等、まだ開始したばかりなので急な変更は行わずに従来方式と併用しているようだ。
 視察を終えて備前市に宿泊する。市内に1軒しかないホテルの回りは住宅や備前焼の窯元が立ち並ぶが夜の賑わいはなく、コンビニの麦酒を飲みながらテレビを見て静かな夜を過ごした。
 
 19日は朝6時半に起床すると晴れているがまだ暗い。木更津との時差を感じながら備前の街を早朝散歩する。天保窯や展望台を回り備前焼で出来た門を持つ神社などを見て回ってホテルに帰り、スーツに着替えてからバスに乗り、備前焼の窯元を見てから姫路に移動し、2日目の研修に入る。
 
2.兵庫県姫路市
 市制施行 明治22年4月1日)
 人口 532,993人(平成27年9月1日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 534.43km2
 平成27年度一般会計予算額 2,171億円
 財政力指数 0.85 (平成25年度)
 視察項目 議会基本条例・反問権について
 姫路市では平成21年8月13日から開催された「議会改革検討協議会」で検討され平成22年1月25日の答申の中では基本条例を制定すべきという意見は一致したものの細部で意見が異なり、まず理念の共有を図るべきだという意見の中で平成22年6月25日に「議会基本条例策定特別委員会」が設置され、11回の会議を経て平成23年3月25日に中間報告が行われた。そして統一地方選挙で多くの現職が当選した後、平成23年5月18日に「議会基本・倫理条例策定特別委員会」が設置され、3回の会議を経て平成23年8月1日より議会基本条例(案)のパブリックコメントが実施され、平成23年10月5日に議会基本条例は議決された。なお、倫理条例は平成24年6月25日に議決された。
 姫路市の特徴は反問権を付与していることと議会報告会を規定していないことである。反問権は確認として使用される議会が多い中、姫路市議会では教育長が本当の意味で使用しており議会も緊張するだろうと感心させられた。議会報告に関しては責務を規定しているものの報告会は開催されていない。
 議員数が47人も居る事もあり、議会質問は会派毎に時間制限があり、各議会で12人程度しか質問できない状況である。毎回16人は質問に立つ木更津市議会の方が活性化されているし、費用弁償の廃止や会派視察への職員随行が無いことなど等は木更津が先んじている部分も有るなと感じていたが、議会としての理念を共有し新人議員へは理念を共有するための研修を規定する条例を持つことは意義があると確認した。
 視察を終えて姫路市に宿泊する。この日は木更津市で青年会議所のOB総会があるが久々に欠席する事になった。姫路市は前日の備前市に比べ遙かに大都市なので華やかなのであるが、この夜は大寒波が訪れており、寒さの余り夜の街を徘徊する余裕も少なく早めにホテルに引き返し、テレビでサッカーを見て大人しい夜を過ごした。
 
 20日は朝6時半に起床すると外は雪である。雪の白鷺城が見れると考えると朝食の時間も返上しお城まで歩く。アーケードの通りがあるから何とか成ったが雪で滑る道をワクワクしながら歩き早朝の城の景色をカメラに収めてからホテルに帰り、スーツに着替えてからバスに乗ると城を見てから帰ろうという事に成り再度城に向かう。
 日射しも出てきて9時を回ると道路上の雪は消えてバスのチェーンの音だけが響きわたる。姫路で雪は珍しいのか多くのカメラマンも居る中で城に入り24億円を掛けた平成の大修理が終わった天守閣を二ノ丸から眺める。時間がないので天守閣へ登ることは諦め駅に戻る。
 
 名古屋周辺で遅れていた新幹線は静岡で遅れを取り返し、木更津到着は想像するほど遅れることもなく日のある内に帰り着くことが出来たが、荷物を片づけたら疲れて休憩してしまった。
 
 
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2016年1月下旬の記録