57.7月下旬の活動記録
 22日は午前中に荷物の片付けや娘の子守を行い、午後2時半より執り行われる中里神明神社の例祭に出席するため自宅から炎天下の元を歩いて中里まで行く。風はあったが暑さで汗が引かず神事の後に戴いた冷えたビールがとても美味しかった。
 中里の方々と語らった後は続いて万石区の集会所へ移動し翌日の子ども祭りの日程を聞きながら缶ビールを飲む。午後6時になると岩根4丁目のふるさと夏祭りに出席し、地域の方々と多くの意見交換をしながらビールを交わし日没後の涼しい風が吹く中を帰宅した。
 
 23日は朝6時半から岩根西中学校で地域交流ラジオ体操の初日が開催されるので出席する。初日と最終日は会場が1箇所なので各地域から集合し、用意した250枚のカードが足りなくなるほど大勢の人達とラジオ体操第一と第二を行う。
 
 一旦帰宅して娘に朝食を食べさせた後、万石子供育成会の主催する夏祭りに加わりに行くと、岩根4丁目の御輿も少し前を歩いていたので前夜の感謝の言葉を交わす。
その後、万石の御輿と行動を共にする。
岩根4丁目の御輿   万石子供育成会の御輿
 万石の集会所に御輿が帰ってからは集会所の中で地域の方々と様々な意見を交換している内に小雨が降り始めたので、その中を帰宅し、自宅事務所でHPの更新作業等を行った。
 
 24日は岩根小学校のラジオ体操に参加した後、朝から駅前庁舎で基地対策特別委員会の運営や9月議会質問に向けた諸調整を行って帰宅する。午後からは涼しい風を部屋に入れながら私的な仕事や行政視察の準備、事務所の清掃を行い、夕方には地域を所用で回った。
 
 25日は中里会場のラジオ体操に参加した後、娘を送ってから幕張に移動し高校野球県大会の決勝戦を観戦する。詳細は
最近思う事に記載するが苦労しながら勝ち取った県大会優勝を他の応援団の方々と供に喜ぶ。帰宅後は、HPの更新作業と視察の準備を行った。
 
 26日より会派羅針盤の行政視察が始まる。朝6:20に木更津駅に集合して6:36の快速列車で東京駅に行き、北海道新幹線で新函館北斗駅を経由して函館駅に降りる。空気が爽やかでスーツを着ていても快適である。視察先の近くにある地域寡占率の高いハンバーガーチェーン店としてカンブリア宮殿等で紹介された「ラッキーピエロ」で昼食を食べてから視察先の地域交流まちづくりセンターに入り研修に入る。
 
1.北海道函館市
 市制施行 大正11年8月1日
 人口 263,709人(平成29年4月1日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 677.83km2
 平成29年度一般会計予算額 1,371億2千万円
 財政力指数 0.457 (平成27年度)
 視察項目 函館市地域交流まちづくりセンターについて
 大正12年(1923年)に当時の商業の中心地であった十字街に鉄筋コンクリート洋風3階建で丸井今井呉服店として建築された建物は1930年に大規模な増築がされ1969年までは百貨店として使用されていたが、翌年度に空きビルと成ったので市が引き取り2002年まで分庁舎として水道部が使用してきた。
 2007年から老朽化による安全性の確保を目的として減築を伴う大規模な改修工事を7億26百万円で行い、2009年より地域交流まちづくりセンターとして指定管理制度のもとで使用を再開した。今回の視察も市の職員は立ち会わず、全て管理者である「NPOサポートはこだてグループ」が対応して戴いた。施設の延床面積は2,808.17uで、朝9時から夜9時まで開館され、12月31日から1月3日までの4日間以外は無休である。視察は最初に施設の各階の案内をしていただいた。
 1階は玄関のすぐ脇に福祉の店、その奥に北海道観光パンフレットブース、中央にインフォメーションと喫茶コーナー、奥にはギャラリーが配置される中で通路を使って「手作りマルシェ」が営まれている。出店は無料で約15ブースに対し多くの希望があり、毎月抽選となっているほどのようだ。
 1階から1930年の増築の際に設置された87歳のエレベーターで最上階の5階に上がる。これは東北以北で最古だと特別に保存されているもので、2007年の改修の際には利便性も考え、別の場所に新しいエレベーターが追加されている。5階と4階はギャラリースペースで、3階は「まちづくりオフィス」として市民活動団体に貸し出す区画が8箇所設けられ月3000円で貸されている他、印刷室や会議室も設けられていた。
 センターに登録されたまちづくり団体は会議室を無料で使えるが270の登録団体中、実際に活動しているのは30団体程度という事である。また、貸しブースは数年で他の団体に交代させたいと考えているが借りた団体が居座り固定化される傾向があるようだ。まちづくり団体の私書箱が有るのは木更津市の市民活動支援センターと同じであるが、それ以外の部分では随分先を進んでいると感じさせられた。
 2階は市民交流フロアとして位置付けられ、多目的ホールや研修室が配置されおり、この日は「くらしのサポート養成講座」に使用されていた。多目的ホールの使用料は1日1万円、2・3階の研修室や会議室は1時間あたり500円の使用料が必要で、営利目的の利用では割高になるものの使用に制限はないようだ。
 施設見学を終えて1階に戻りエレベーターホール前のスペースで説明を聴き質疑を行う。まず管理者のNPOは地元の有志がこの施設管理を行うために立ち上げた団体で、途中2回の更新でも他社に替わることなく続いており、前回の更新では函館市の全ての指定管理業務で最高点であったそうだ。現在のセンター長は元ホテルマンで、常にどうやって集客し施設の利用率を高めるかを考えており、会場設営をセンターが協力するなど利用者目線での対応を行うことでリピーターの確保につなげているようだ。施設はセンター長を含め常勤職員7名、非常勤職員4名、臨時職員1名で運営され市民活動支援の他、移住・定住サポート、観光案内、各種講座の開催やNPOまつり等の自主事業を行っており、月平均の入館者実績は1万人強で、指定管理料は5年間で約2億17百万円、利用料金約38百万円の収入を得る予定である。
 移住サポートセンターも地域交流まちづくりセンターの中に置かれているが、平成20年度までは企画部内に置いていた機能を付け替えただけで、東京にも展示パネルを設けてはいるが、補助金や住宅支援制度が市に設けられていないため情報提供や移住希望者のまちなか案内に留まるようだ。
 自主事業の内、NPOまつりは77団体が参加し、本年は7月30日に開催予定で毎年千人程度が来場するイベントのようだ。パンフレットを近隣の2万8千世帯に折り込むとともに、同時開催する7講座で多くの人を集め、各団体のPRをしているという事である。事業費は10万円程度で殆どが広告費であり、講座の講師には弁当とお茶を出すだけであるが、講師も名を売るチャンスとして捉えているため問題ないようだ。木更津市の市民活動支援センターでは今年から始めた指定管理者が都内の業者であり、これからどの様に活動展開を行うのか期待したいと思うが、地域に根ざした活動で活発な展開を行っている函館市から見習うべきものは数多く有ると感じながら16時に視察を終えた。
 帰りはセンターからほど近い場所に赤れんが倉庫が有るので散歩してみたが、台湾人観光客の多さが目に着いた。夕食は地元の回転寿司に入ったが、こちらは地元の家族連れで賑わっており、千葉県では目にしない変わりネタを食べながら初日の行程を終えた。
 
 27日は8:54発のスーパー北斗に乗って東室蘭経由で室蘭に入る。駅前で昼食を執った後、少し時間があったのでタクシーで地球岬に行って貰おうとするがその前にトッカリショという場所を案内してくれる。室蘭の住宅地のすぐ脇にこの様な景勝地が広がっている事に改めて驚かされた。
 
2.北海道室蘭市
 市制施行 大正11年8月1日
 人口 86,394人(平成29年4月1日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 80.88km2
 平成29年度一般会計予算額 442億38百万円
 財政力指数 0.601 (平成27年度)
 視察項目 公共施設再編に伴う複合公共施設整備事業について
 室蘭市では昭和45年頃に16万人を越えていた人口が現在では9万人を切るようになり、平成8年より小中学校の統合が進められている。小学校は平成8年に22校有ったものが現在は15校になり平成32年度末には9校まで削減する予定である。同じく中学校は平成8年に11校であったものが現在は7校に成って統合目標に達している。そのため現在でも11校、将来的には17校の学校跡地が出来る状況である。また、平成22年頃に公共施設の耐震診断を行ったところ21施設中18施設で耐震性能に問題があることが明かとなった。特に総合福祉センターの老朽化が進んでおり、その建替にあわせ青少年研修センター、中島会館(市が設置した集会所)、市民活動支援センターの機能を統合し、向陽中学校跡地に多世代の利用できる生涯学習センターを設置する事が平成26年に決められた。なお、当初は国際コミュニティセンターと子育て相談ふれあいセンターも統合対象であったが、市役所に統合することが相応しいとされて当面は移転しないことになった。統合の計画は企画部が進めてきたが生涯学習センターを建設すると決まったことで平成27年度より教育委員会に所管が変更となり、現在は設計を詰めている段階である。
 統合に先立ち平成25年度に市民公募による中高生も参加した50名のまちづくり協議会を設けて複合施設に何を求めるかワークショップ形式で意見を集め、室蘭工業大学の協力の下に取りまとめ、それを幅広い市民に問いかけ1,114人の回答を得るなど、基本計画に市民の意見を盛り込んでいる。
 市民意見から「図書館機能」「子供の遊び場(有料)」「カフェ」が提案され市長もそれを反映させるようにと進めている。事業方法を決めるに当たり、平成26年度に民間活力導入可能性調査を行い、中学校の広大な敷地の一部を余剰地として民間事業者が活用できる事も含めたDBO方式とした。学校の敷地面積は14,651uで基本計画における施設の延床面積は4,300uなので建築面積は2,000u、概ね200台の駐車場に7,000u、外構に2,500uと考えると3,000u程度が余剰となる事までは理解できるが、そこを民間活用させる発想は凄い。
 公募の結果、2者のプレゼンテーションより平成28年9月に事業者が決まり現在は実施設計の段階である。設計と運営は札幌の企業、建設は地元の企業であり、建設事業費は約20億円、運営の指定管理料は年間9千万円で、余剰地を定期借地で貸与することによる収入は年間3百万円程度という事である。
 余剰地には高齢者施設程度と考えていたようだがプレゼンテーションには14階、200室のホテルルートインが計画されていた。その案に決定された後、地域と意見交換の結果8階、160室に変更と成ったようだが、固定資産税や雇用の発生を考えると凄い波及効果だと思う。室蘭市は市役所庁舎も耐震上の問題があることを把握しながら使用を続けている中で「複合公共施設」を進めるだけでも価値のあることだと思うが「市民意見の反映」「民間活力の導入」まで盛り込んでいる事には感動する。この建築物の完成後にもう一度見に来たいものだと思った。
 視察が終わり議会事務局に東室蘭駅まで送っていただく。16:15の特急北斗に乗り午後6時過ぎに札幌のホテルに入る。大通り公園ではビアガーデンが開催されている時期であるが、ストイックに観光もせず食事をしながら意見交換してこの日は終えた。
 
 28日はホテルを8:25に出発し北広島駅まで移動し、駅からタクシ−で下水処理場に入る。予定では10時開始であったが職員も準備して待っていただいていたので30分早く研修を開始する。
 
3.北海道北広島市
 市制施行 平成8年9月1日
 人口 58,964人(平成29年4月1日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 119.05km2
 平成29年度一般会計予算額 250億36百万円
 財政力指数 0.63 (平成27年度)
 視察項目 バイオマス利活用施設整備事業について
 北広島下水処理センターは昭和47年2月に供用を開始し、昭和r53年に汚泥乾燥機を導入し、農林水産省に肥料登録して乾燥汚泥の緑農地還元をしている。ゴミについては資源ゴミ以外は最終処分場で埋め立てていたが容量の限界が近づいていたので平成23年予定で広域での一般廃棄物焼却処理の計画を進めていた。しかし千歳川の遊水池計画と焼却場所が重複したり広域処理する自治体の枠組みが変更となったりして焼却炉の建設が遅れ、せめて家庭系ゴミの3〜4割を占める生ゴミを削減しようと考え平成20年に家庭ゴミを有料化して生ゴミを分別回収すると供に平成23年から市内の生ゴミを下水処理場で受け入れる事とした。更に昭和52年に供用開始した屎尿処理場が老朽化したこともあり平成25年から近隣3町を含め屎尿と浄化槽汚泥の受入を下水処理場で行い始めた。これらの受入を可能としたのが全国に先駆けて下水汚泥と生ゴミ、屎尿・浄化槽汚泥といったバイオマスを混合処理する施設の整備である。
 下水道は国土交通省の所管であるが生ゴミは環境省の所管であるため施設整備に当たっては県を通じて両省の調整を行い、それぞれの交付金を活用している。単独でそれぞれの施設を建設するより当初建設費で約10億円、毎年の維持管理費で約1億円の削減効果が有ったと試算されている。また混合処理で発生する消化ガスを場内施設で有効利用する事で重油の使用を激減させると供に、発生した汚泥を乾燥後に肥料として農地還元するため、化石燃料の削減や循環型社会の構成に寄与しているというメリットも発生している。なお、発生した汚泥は基本的に産業廃棄物なので、肥料として農家に流通させるために組合を作ってもらうなど制度造りにもアイディアを使っている。なお、肥料の一部は市民還元として9kgの袋を100円で世帯辺り10袋を上限に販売している。肥料の用途としてはキャベツなどの葉物野菜や小麦には有効だが人参等の根菜や水稲には適していないと言うことである。
 生ゴミは3,5,10[リットル]の3種類の袋で週に2回ほど回収され、受入施設で破砕し1cmのスクリーンを抜けたものが消化タンクへ進み大きなゴミと袋の破片は埋立処分に回している。貝殻や玉子の殻、トウモロコシの皮などは消化できない事を市民に周知しているが、実際にはまだ混入が有ることが問題のようだ。
 屎尿等はバキュームカーで搬入され1mmのスクリーンでトイレットペーパー等の遺物を分離して消化タンクに送られる。目が細かすぎるので埋立に回る量が多いのではと質問したが、施設の状況から適正な値だと判断されたようだ。なお、生ゴミの側も同様であるが、異物混入の場合には回転するスクリーンドラムで異音がするので速やかに停止し遺物の除去を行っているようだ。その様なこともあり運転開始以来4年が経過してもアクシデントによる設備の停止は発生しておらず、修繕等も使用しながら進めているとの事であった。
 平成28年度の処理実績は下水濃縮汚泥35,664m3に対し生ゴミ1,495t、屎尿等11,557tを混合し、697tの乾燥汚泥を生産するとともにA重油換算で112Klの消化ガスを回収した。このため当該年度のA重油消費量は1.5klに抑えられたという事である。CO2削減効果は1,680tと計算されている。
 木更津市もオーガニックな都市を目指している中で、先駆的な北広島市の取組は大変参考に成って視察を終えた。
 
 3都市での行政視察は終わったが、恵庭市にトマトを見に行きたいという声で追加の視察を計画していた、これは1粒の種を水耕栽培で世界一の大きさまで生育し約13,000個のトマトを実らせているものある。
 「えこりん村」という施設に移動し昼食後に現物を見学。どれ程の年月を掛けているのかと思ったら昨年の11月に植えているという事を知り驚く。施設の人に聴くと、毎年育てては一から出直しを繰り返しているようだ。1980年のつくば科学博で披露された技術が現在に受け継がれていることにも感動した。
 施設の無料送迎バスで恵庭駅に戻り新千歳空港に移動し、土産物などを購入してから17:00のANA072便で羽田に降りると夕刻に係わらず関東は真夏の暑さである。汗を流しながら2周目の視察から帰宅した。
 
 29日は祭礼の時間が近いのでラジオ体操を休み、朝6:50に江川熊野神社に集合し、獅子頭のお祓いを受けるため他の役員と供に八剱八幡神社へ参拝する。参加する氏子が減少したので地域での祭礼が無くなって3年目に成るが、寂しい思いは拭えない。
 祭事が終わって帰宅し、視察の荷物の片付け整理やHPの更新作業を開始したが視察レポートのまとめはこの日の内には終わらなかった。
 
 30日は江川会場のラジオ体操に参加した後、娘の食事を手伝ってから江川日枝神社の祭礼を見に行く。同じ江川に複数の神社があるため担い手が分散してしまっているが、こちらでは縁日的な催しが行われ多くの子どもたちが楽しそうに過ごしていた。
 帰宅してHPの更新を終えた後、休日の妻子を連れて後援会役員の元に挨拶廻りを行った。
 
 31日は万石会場のラジオ体操に参加した後、娘に朝食を与えて保育園に送り、自宅に戻って図書館から借りていた「ニッポンが流山になる日」を読み切る。井崎流山市長から学ぶことは多そうだと思いつつも木更津市も新しい取組が始まっているように感じていた。
 読み終えた本を袖ケ浦図書館の返却ポストに返却に行きながら先頃開通した内房線のアンダーパスを通ってみる。すると富川橋も見たくなり横田までドライブしてくる。
 2径間連続桁橋は耐候性鋼板で施工されており技術者として面白い。それにしてもJRの駅だけでなくこれらの構造物の費用を次々に投下できる袖ケ浦市は羨ましいと感じる。市が若いので老朽化の問題も少ないのだろうが、何より潤沢な税収が有ることが強みであろう。橋を見ながらそんなことも考えていた。
 
 
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2017年8月上旬の記録