ゴールエリアに着くと、今年は「招待券」が配られた市議会議員は入ることが出来ないと言う。数名の議員は入ることを諦めたようだが私と草刈議員は関係者の努力で入場する事が出来、およそ3時間に渡って歓声を送り続けた。スパイダーマンや鉛筆等の被りものが次々とゴールする中で渡辺市長の完走を待ちつづけ、5時間48分を回ったところで青山コーチや森県議と供に帰ってきた渡辺市長を確認した。
檀上に居た市の幹部職員は安心してゴールエリアを後にしたが、私と草刈議員は残り12分間の攻防を見届け最後まで声援を送り続けた。その後は街中に戻り、木更津バルを利用して街中を回り、各所で行われているお疲れ様会を横目に見ながら、数人で長い一日を満喫した。
22日は娘を保育園に送ってから自宅で議運の行政視察資料を整理しながらHPの更新を行う。午後から市内で打合せを行い、夕方は娘を保育園にお迎えに出かけた。
23日は市内で所用を済ませながら、観光協会に立ち寄ってアクアコインのチャージ機を体験させていただき、その後、八剱神社に立ち寄ると偶然宮司と合ったので週末に落成式を行う参集殿の内部を見学させていただく。外には足場が組まれ、額の飾り付けを待つところであった。聞けば渡辺市長が猛練習の末、額に揮毫する事になったと聞く。数百年は残るであろう建築物の額とは素晴らしい。帰宅後は明日からの準備を行った。
24日は朝7時45分に駅東口に集合し、高速バスで品川駅に行き、新幹線で総務常任委員会の行政視察を始める。掛川で新幹線を降りて磐田市で昼食を摂り、午後2時の視察まで時間があったのでヤマハのコミュニケーションプラザで起業城下町の財源の根元を見てから市役所で研修を開始する。
1.静岡県磐田市
市制施行 平成17年4月1日(旧磐田市は昭和23年4月1日)
人口 170,009人(平成30年9月30日現在の住民基本台帳登録数)
面積 163.45km2
平成30年度一般会計予算額 632億1千万円
財政力指数 0.86 (平成28年度決算)
視察項目 広報戦略プランについて
磐田市の広報戦略は「いくら良い仕事をしても市民が知らなければ仕事をしたと思われない」という考えの元に情報発信の一元化を進め多彩な広報活動を展開している。特色的な事業として、市が作成した取材メモを報道機関に渡すことでメディアへの露出を高めている事であり、そのため年に2回ほど14社の報道機関との懇親会を設けており、広報公聴・シティプロモーション課だけでなく市長・副市長も出席している。また市内に存在する高校の同窓会が例えば関西支部等の総会を開催するときに出かけて市の報告を行うことで、市の広報マンとして同窓生を活用すると供にふるさと納税の拡大も目指している。そのためのツールとして「磐田市役所から市民の皆様へ 磐田市がしてきたこと、していること、これからのこと」と題したA4表裏(折ってA5で4頁)に整理した簡潔な資料を作成していた。市の現状を簡潔に伝えられる良い出来であった。
議会も広報公聴委員会を常任委員会として活動しており、行政が地区の代表者にから意見を聴取することに対して広く市民の声を聞くという姿勢であるようだ。シティプロモーションの部分では定住促進や企業誘致との連携は強くなく、市民向けの活動と感じた。
質疑応答を終えて玄関に戻る途中で「市民第一、現場第一、行動第一 協力し合おう!鍛え合おう!挑戦しよう!」という大きなスローガンが受付窓口の横で目に着いた。毎日朝礼で掛け声に出しているとの事である。隣には議会の活動報告も張り出してあり、行政や議会の意識の高さを感じた。
翌日の視察先の富士市まで戻ってホテルに入る。月夜に照らされた富士山が見えるかと期待したが、山頂は雲の中であった。
25日は9時半から富士市役所で研修が始まる。ホテルは市役所の隣接地なので歩いて庁舎に向かう。市役所の隣に建つ7階建ての庁舎が「消防防災庁舎」と命名され、防災や情報発信に関する各課が入っている事で、既に防災意識の高さを感じさせた。
2.静岡県富士市
市制施行 昭和41年11月1日(旧吉原市は昭和23年4月1日)
人口 254,219人(平成30年10月1日現在の住民基本台帳登録数)
面積 244.95km2
平成30年度一般会計予算額 831億円
財政力指数 1.00 (平成27年〜29年度平均)
視察項目 災害対策の取り組みについて
視察は壁に国土交通省のカメラ画像がモニターできている災害対策本部室にて開始された。平成13年に完成した庁舎は免震構造で、隣には作戦司令室も配置され、通した部屋として運用することも可能である。
1976年に東海地震の危機が提唱されて以来、静岡県を中心に防災対策が進み、富士市でも20年以上前から危機管理かという単独組織を配置し、現在は臨時職員1人を含む12人の体制を布いている。389の町内会もマンションや新設の町内会といった3箇所を除く全てで自主防災組織が成立しており、会長の研修会が年度当初に行われ、防災組織も年に4回の訓練を実施している。職員も西日本豪雨の被災都市である呉市に11人を派遣して災害対応の経験値を高めており、冒頭の挨拶をして頂いた副議長も防災組織の立ち上げをするなど、意識の高さは木更津市と大きく違い、制度や運営でも大きな差があると感じた。市外から通勤している職員も多く1時間以内に徒歩で市役所に参集できる職員は30%である事や、市内26地区の防災拠点に集る役割の地区斑564人も半数がその地区に居住していない状況である事や観光客や来訪者の対策が具体化していない事や市立ではない高校との連携が難しい事などが課題のようだが、本市でも出来ていない話である。
被災時に安否確認を速やかに出来るよう、町内の斑単位で事前に住民構成の解るカードを準備する事や、瓦礫の処理場所を仮設住宅用地とは別の市有地6箇所に設定している事、年に1回JRと災害対策の協議を行っている事なども素晴らしいが、災害派遣トイレを全国に先駆けクラウドファンデングで購入し、西日本豪雨の時に倉敷市に50日間貸与したことは特筆すべき事だと感じた。全国の自治体が1台づつ移動トイレを所有し災害発生時に融通し合う事でトイレ問題を解決しようとする考え方は賛同すべき事だと考えさせられた。
視察を終えて翌日の視察先である島田市まで移動する。移動途中で日本平からロープウエイに乗り久能山東照宮に参拝する。個人的には約35年ぶりの参拝であり、金箔や漆が復元され国宝に成っていたことに時の流れを感じさせられた。
島田市ではギネスブックで世界最長の木造歩道橋に認定された蓬莱橋にも立ち寄ったが橋脚が損傷しており通行は出来なかった。ホテルに着いて時間があったので商業施設に移転した図書館や「おびビズ」という産業支援センター等を見て回り、街の雰囲気を理解した。
26日は散歩して朝風呂に入って朝食を摂り、9時半にホテルを出発して市役所に向かう。玄関を入るとペッパー君が迎えてくれた。ICTに対する取り組みが始まっていると実感しながら視察を始める。
3.静岡県島田市
市制施行 平成17年5月5日(旧島田市は昭和23年1月1日)
人口 254,219人(平成30年10月1日現在の住民基本台帳登録数)
面積 315.70km2
平成30年度一般会計予算額 382億15百万円
財政力指数 0.76 (平成28年度決算)
視察項目 ICTコンソーシアム事業について
島田市の地方創生事業は、隣接する掛川市と供にICTを活用して人材の育成を進めると供に多様な働き方を導入して若者の転入者数を増やそうとしている。そのため商工会議所と市内の5つの高校、観光協会等と包括連携協定を締結し、市内企業6社や金融機関8行を含む25の団体から構成され、静岡大学の湯瀬教授を会長に「島田ICTコンソーシアム」を平成29年3月29日に設立し、平成28年度から5年間に4億円の事業費を投入する。多くのセミナー等で地域のスキルを高めると供に、クラウドソーシングとして市民を会員に仕事を創出している。しかしながら会員登録者数はまだ23人で、仕事も数が多い状況には成っていない。行政のバックアップがあるクラウドソーシングは安心感が有るが、事業費と効果を考えると今後も一般会計から支出して続けるべきか疑問に思い質問したところ、今後は手数料で自立することを目指すという事である。
タブレットを持参していたのでHPを見ていたが、単価の安い仕事が多く、自立するためには高額な受注を進める必要があるが、その場合は島田市だけの人材で対応が出来るのかという問題も生じるだろう。先駆的な取り組みではあるが難しさも感じた。
市役所内での質疑を終えて、商工会議所の1階にある事務所を見学に行く。因みに産業支援センターは別の場所に有り、その連携や一体化という点での議論が行われたと聞く。まだ社会実験中の様子であり、数年後にどの様な形態になるのか、島田市の取り組みは時間を追って確認し、本市の参考にするべきだと個人的には感じていた。
全ての視察を終えて帰路に着く。品川から高速バスに乗り木更津には午後5時に到着する。この日はMOPの拡張後のグランドオープンと八剱八幡神社参集殿の落成祝賀会前夜祭である。荷物を持ったまま八幡様まで歩き、雅楽やフラワーショーを鑑賞してからバルを味わって帰宅した。
27日は未明に強い雨が降ったが朝には上がり、9時から岩根西文化祭の開会セレモニーが始められた。私は来賓として挨拶し、その後、会場を見て回る。数年前と比べ展示の数は減少している事が今後の気懸かりである。その後、市内で所用を済ませて回り、午後から参集殿での挙式を見学する。
一旦帰宅して車を自宅に置いて神社に戻り、夜は境内で展開される日本酒パーティーに参加する。市長を始め多くの方々が集まり、賑やかに落成イベントを楽しむことが出来た。 |