20.7月中旬の活動記録
 11日は娘を送ってから選挙に関する片付けを済ませ事務所で私的な仕事を片づける。夕方にHPを更新してから娘を迎えに行った。帰宅してタブレットを見ると8日からこの日までの感染者数は33人、53人、38人、27人と高い値が続き、木更津市の人口10万人当たり一週間感染者数は169.6に達し、5月以降で最大となった。明らかな第7派の襲来である。
 

 木更津市では高齢者施設における従事者6名、利用者等17人の集団感染も明かとなった。今後は病床使用率等に注視する必要がある。
 
 12日は娘を送ってから駅前庁舎の会派室に立ち寄って感染症のデータを整理し、昼食後は大寺浄水場で1時から開催される事業運営懇談会に出席する。13人の議員が全て集まり下記の議案が説明された。
項目 内容(件名とは異なる) 資料枚数 A4換算枚数
浄水場視察 1 新管理本館及び監視制御施設 A3×12 24
2 浄水施設等の耐震化 A4×18 18
事業運営説明 1 組織体勢と課題 A4,A3各1 3
2 今年度の実施予定工事概要 A4×9+A3×3 15
3 災害対策の進捗 A4×4 4
4 水道料金改定のスケジュール A3×10 20
5 コンサルタント委託の事業効果 A4×1 1
その他 1 富津市山中奥畑地区の状況 A4×1 1
合 計 86
 5月11日に袖ケ浦市役所で事前調整した効果も有り、A4に換算すると96枚に及ぶ資料は充実していると感じたが、今後の組織体勢や災害対策についての計画が明確でないことが指摘された。
 大寺浄水場で会議を行った理由は今年度になってから木更津市と君津市の水道事業が用水供給事業とともに同じ場所で一括管理された現場の披露であり、富津市は令和7年度、袖ケ浦市は令和10年度の施設更新に併せて統合されることが説明された。因みに委託先は(株)ウオーターエージェンシーである。
 企業団と木更津市では同じ会社が管理していたが君津市は(株)三幸が受託していたものが別の会社に変わることとなり、当面は再委託でノウハウを引き継ぐという事である。今後の2市も別会社が管理しているので同様の対応が執られることに成るだろう。また、耐震対策が求められている施設を稼働しながら対策することが困難であるため来年度以降に大きな事業費を投じる可能性があることの説明も成された。
 この日の会議で最も注目すべき点は令和11年度料金統一に向け令和6年度に最初の料金改定が行われるが、その基本的な考えとスケジュールが始めて示されたことである。木更津市だけは料金改定をせず、君津市では高すぎる大口径の基本料金、富津市では小口径と大口径の料金体系の統一が行われるようだ。安すぎる木更津市の大口径管の基本料金も同時に見直すべきではと私から意見を伝えたが、そもそも企業団議会に出向していない多くの議員や市民が気にしている議題であるので各市の9月定例会で充分な説明を行うべきであると会議後に要望した。
 帰宅して感染者数の54人に驚きながら最近思う事を作成し、夜には青年会議所時代の友人達と久しぶりの暑気払いを行いながら、様々な情報交換を行った。
 

 13日は娘を送ってから自宅で雑件を処理し、HPを更新する。午後から市内で所用を済ませ娘を連れて帰宅するとこの日の感染者数が73人であった事を知る。70人を超えるのは4月14日以来の3ヶ月ぶりとなる値で、明確な第7波の到来である。来週に関西視察を控え心配である。
 
 14日は午前中に私的な仕事を処理し、午後から会派室で代表質問に向けた準備を行い、夕方には翌週の行政視察についてチケットの確認等を済ませた。強い雨が降る中で娘を連れて帰宅すると感染者数が81人に達したことを知る。木更津市の人口10万人当たり一週間感染者数は一気に上昇して265.9に届き、4月上旬の危機的状況に戻ってしまった。
 
 9月定例会についても感染対策を講じて行われることになりそうで、代表質問にどの程度の時間が与えられることになるのか気になる。
 
 15日は会派代表者会議市庁舎特別委員会理事会が今週になってから入ってきたが、先月末から予定していた家族サービスの伊豆旅行が計画されていたので両件とも鶴岡議員を代理とすることを事務局に届けてある。議長の日程優先なので仕方ないが早めの日程を求めたい。
 旅行先の西伊豆でも雨の予報であるが朝7時に荷物を積み込み車で渋滞の東名を走る。伊豆半島にはいると雨も弱くなり目的である大潮の時に楽しめる天然記念物のトンボロ地形に着く頃には雨も上がっていた。海岸線を歩き、堂ヶ島の遊覧船に乗り、ご当地の食事を楽しんだら午後2時にホテルに着いた。
 部屋には3時を過ぎないと入れないが、目の前の海やホテルに併設されているプールで泳ぎ、温泉入浴後は夕食前に卓球を楽しみ、食事を摂っているとらずナビに気象情報が飛び込んでくる。
通知時刻 通知項目 継続時間
A 16:39 大雨警報発令 -
B 17:39 洪水警報発令 -
C 18:37 土砂災害警戒情報発表 -
D 19:41 避難指示発令 -
E 20:33 洪水警報解除 [E-B=] 2:54
F 20:36 避難指示解除 [D-F=] 0:55
G 23:21 大雨警報解除 [G-A=] 6:42
 上記はこの日に届いた気象に関する情報であるが、この状況の地元にいないことは心苦しく思えてくる。食事を終えて部屋のテレビを見ると市内各所で冠水しているようだ。人災がなかったことが幸いである。
 
 16日も朝食後に海やホテルのプールで娘に泳ぎを教え10時過ぎにホテルを出る。一人旅ならホテルは寝るだけの場所で早朝発が普通であるが宿の施設を利用してゆっくりするのも悪くない。途中の施設でアート体験をおこない干物や土産を購入して夜の大雨を避けるため夕方には帰宅した。
 
 17日の日曜日は7時から地元の神社の境内を氏子達が草刈りする。人数も多く集まったので1時間程度で作業が終わり、帰宅後にシャワーを浴びてから新聞を読んで降雨災害を把握し、午後から雨も止んだので市内で買い物を行い図書館で娘の絵本を交換した。
 
 18日の月曜日は海の日であるが朝から曇っているので事務所でHPの更新作業を行う。前日の感染者数が118人に達していたことを新聞で知って最近思う事を取りまとめる。昼食後は翌日からの会派行政視察による出張の罪滅ぼしに風呂の大掃除等に汗を流してから翌日からの行政視察の準備を行った。
 
 19日は保育園に向かう娘と一緒に妻の車に乗り木更津駅まで送ってもらい8:10の品川行き高速バスに乗って行政視察を開始する。会派としては2020年1月以来となる久々の視察であり、木更津市議会では最初の出発と成ったようだ。草刈副議長は体調を悪くして欠席となったので鶴岡・永原両議員と3人での視察である。梅雨は明けているのだが天候が悪く京都市では観測史上最多タイとなる豪雨に襲われ品川から乗車した新幹線は乗換駅の米原の一つ手前の岐阜羽島駅で46分間運転見合わせとなった。遅れて到着した米原駅では乗り換える在来線の接続が悪く、視察を遅らせていただくように連絡して米原駅からタクシーで彦根市役所に向かい予定より15分遅れの13:45より視察を開始する。
 
1.滋賀県彦根市
 市制施行 昭和12年2月11日
 人口 111,898人(令和4年5月31日現在)
 面積 196.87km2(琵琶湖の98.59km2を含む)
 令和4年度一般会計予算額 497億69百万円
 財政力指数 0.82 (令和2年度)
 視察項目 議会開放プロジェクトについて
 木更津市では新たな議場のレイアウト等について議論が進められているがその議場の活用方法についての検討は行われていない。彦根市では平成24年に実施した議会に関する市民アンケートで批判的な意見が多く集められたことから議会改革特別委員会を常設するとともに広報公聴にも力を入れ「議場解放促進委員会」「広報委員会」「公聴委員会」をそれぞれ定数8人で設置し全ての議員がどこかに所属する体制を執っている。今回の視察は彦根市議会の辻市議、小川市議の両名が対応していただき、苦労や実状に迫る話を聞くことが出来た。
 議場開放については@子ども議会、A議場コンサート、B中高生傍聴が主な取り組みである。子ども議会は市の企画部門と教育委員会と議会が共同で取り組み市内17小学校から24人が選出され8月の事前研修後に各自持ち時間5分の質問を準備し11月の本番では市長や市の幹部職員が答弁するものである。
 7月1日に高柳小学校の生徒が行った模擬議会は市で原稿を用意して議員と職員の双方を子どもが演じる形式であったが彦根市の取り組みの本気さには驚かされる。予算規模は7万円で平成26年から継続されている事業であり、子どもの肖像権を考慮して放映はしないがDVDと議事録を作成し関係者に配っているとの事である。小川議員が将来は子ども議会の経験者の中から本当の議員が生まれることを期待したいという言葉が印象に残った。議場コンサートは6月と12月の定例議会の初日の午後に開催し予算規模12万4千円で平成24年頃から続いていたがコロナで中断している。当初は出演者を公募していたが同じ団体に遠慮して頂く中で関係者が減少し今では公民館のサークル活動に声を掛けているという事であった。他にも演奏の場として利用する希望があるか確認してみると、議場は昭和47年完成のもので多用途利用は考えておらず市民から借りたいという申し出もないという事であった。ただ議場コンサートの変形として10月21日に「ひこにゃん」を議長に県内12体・県外13体のキャラクターによる議会を開催する計画のようだ。テレビ映えしそうな企画で関西的な乗りの良さも自由で面白い。中高生傍聴は生徒会の会議のついでに傍聴が行われるような企画であるが、学生に議会を見てもらう企画は悪くない。なお彦根市でも議会報告会には苦労しており参加者の固定化や減少で、今では消防団や民生委員といったテーマを絞った報告会を目指すなど木更津市と同じ様な方向性になっていた。
 約1時間半の意見交換を終えて議場を案内していただく。円形のレイアウトされた議場は50年前であればモダンだったと思われるが速記者の席などに歴史を感じさせるものであった。彦根市の議会事務局に東海道線が不通になっているが新幹線は動いていることを教えていただき再びタクシーで米原駅に戻った。
 新幹線で辿り着いた京都市では記録的な大雨のため市内の一部に避難指示が出されているような状況であり、木屋町や先斗町に後ろ髪を引かれる想いをしながら、大雨感染症の災害を避けるため繁華街に向かうことなく初日の日程を終了した。
 
 20日は天気も回復に向かう中、8:10の京都発の近鉄特急で名張に向かう。途中の大和西大寺駅は安倍元総理が襲撃されたところで昨日まで献花台が置かれていたようだ。黙祷して通過し9:27に名張駅に到着した。議会事務局の車に乗せていただき蔵持市民センターに向かい、市の職員3人と地域の方5人を講師に研修が始まる。
 
2.三重県名張市
 市制施行 昭和29年3月31日
 人口 76,462人(令和4年4月1日現在)
 面積 129.77km2
 令和4年度一般会計予算額 276億61百万円
 財政力指数 0.70 (令和2年度)
 視察項目 ゆめづくり地域予算制度について
 名張市は関西圏のベッドタウンとして昭和56年に人口増加率日本一となったが住宅地の高齢化が進み平成9年開設の市立病院が負担になるなどして平成14年に財政非常事態宣言が出され令和4年3月まで継続された。平成15年には伊賀地域の大合併に関する住民投票が行われた結果、7割の市民が合併しないことを選択し、地域のことは地域住民が担うゆめづくり地域交付金に関する条例が平成15年に、住民基本条例が平成17年に成立した。
これは15の小学校圏を単位に地域づくり組織を設け、地域の総力で地域の課題を解決することを目指している。説明をしていただいた市の職員は地域環境部地域経営室の室長で、この組織名称からも地域を独立したものとして取り扱う意欲が感じられる。
 各種補助金を一括交付金に変更するとともに公民館を全て市民センターに変更し全てを地域に指定管理している。住民票等はコンビニ交付が出来るので支所の機能は持たせず、市の職員も置かれていない。蔵持地区は市の中心部に位置する人口3600人規模であるが4人の住民により管理されているようだ。
 一括交付金は地域づくりの活動の原資であり宗教や政治活動以外であれば使途は自由である。昨年の決算では15箇所への一括交付金の合計が1億5百万円で市民センターの指定管理料が88百万円、合計1億93百万円が地域自治に使われている。277億円の一般会計規模から見ると凄いことである。区長制度を廃止することで行政の下請的立場から対等な関係を目指すとともに、重複した地域組織も整理している。平成24年度には市の管理職員も地域に入り地域ビジョンを作成し目標を明確にするとともに地域間でアイディア競争を促している。各地域の活動は多岐に渡り、防犯パトロールや環境美化といった一般的なものだけでなく公園の除草や放課後児童クラブを市から支度したり防犯カメラを設置したりコミュニティバスを運行したり市民センターでカフェやレストランを営んだり地域の支え合いとして有償ボランティアを提供したりお祭り等のイベントを実施している。また行政も15箇所に「まちの保健所」を設置して健康相談に乗るなど地域の単位を活用した福祉制度を進めている。
 蔵持地区では防災を考えセンターの敷地に井戸を掘り水を確保するとともにレトルト食品の作成を通じて非常食を備蓄するなど自発的に先端的な取り組みが行われていた。掘っても水が出ないときは経費を自腹で負担する覚悟だったというが綺麗な水が出て、今では人気のパン屋さんが水を買いに来ていた。
 段階的にステージが進められ地域に根付いた組織になっている。今でも自治会や区は無くなったわけでもなく消防団はまちづくり組織の単位にまとまっている訳ではないようだが、木更津市の状況より10年以上進んでいるように感じる。財政が厳しいことに対する苦渋の判断という面もあったであろうが、地域を住民が担っている姿勢には感心する。地域の議員の役割が気になったが住民が「ここ4年間は議員に頼んだことはない」と言い切ったことにも感心するとともに一抹の寂しさを覚えた。
 9:40から2時間以上に渡って話を聞き終えると、明日も福岡から視察が来ると云う。名張駅前まで議会事務局に送ってもらい、昼食後はバスで隣の伊賀市に移動した。天気も良くなってきたので上野城公園を散歩する。上野市駅を忍者市駅と呼称するなど忍者押しが凄い。
 土産の忍者煎餅に合わせて忍者Tシャツを自分へのお土産に購入して宅急便で自宅に送る。選挙の時に着る「忍ジャンバー」も似たものだと思いながら、あちこちに「忍」が書かれ妙に共感を覚える街であった。
 
 
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2022年7月下旬の記録