産業の活性化・土地の利活用について (令和5年9月定例議会)
 議場の皆様おはようございます。会派羅針盤の近藤です。一般質問も本日で3日目となりました。今定例会では18名の議員が質問いたしますが昨日までに9名の議員が終了しております。私を含めこれから今日明日でまた9名が続きます。大変皆様お疲れのところとは思いますが、またお付き合いいただきますよう宜しくお願いいたします。それでは早速、通告に従い大綱2点の質問をいたします。
 最初に大綱1点目として「産業の活性化について」質問いたします。本年7月6日にかずさアカデミアパークに於いて業務用冷蔵庫の断熱パネルメーカーである「たつみ工業株式会社」の新工場が完成され、渡辺市長も出席する中で竣工式典が開催されました。多くの都市が誘致活動を展開する中で、本市の取り組みが実を結んだ素晴らしい結果であると高く評価しております。
 木更津市内の企業数も配布資料1に示すように全ての階層で増加しており、中小企業数を維持したまま資本金の大きな企業が進出することで市民の雇用や税収の増加をもたらすなど本市の元気の源になっており、現に法人市民税は均等割だけでも平成23年度と比べ昨年度は8386万円も増加しており、税収の確保は市民福祉の向上に繋がっております。
 しかし、本市の今後を考えると一抹の不安を感じております。それは平成30年12月議会で産業用地が不足している状況に対する解決策を質問したところ、既存企業の遊休地を活用した立地検討企業へのマッチングや、また日本立地センターなど様々な関係者から情報収集した土地について事業用地として有効活用を図れるよう努めるという答弁があったにも関わらず、今に至るまでの5年間で顕著な変化が生じたようには思えないからです。
 市が何もしてこなかったという訳ではなく、国道409号線沿線で地区計画制度を活用した工業的な土地利用を可能にする制度や、産業立地奨励条例の更新、今年度設置された産業用地整備支援事業審査委員会など、新たな仕組みづくりを進めておりますが、その効果については明確に示されておりませんので、今回の質問として取り上げさせていただいております。
 最初に中項目1点目として「現在の状況」について質問いたします。
 小項目1点目として企業進出の状況についてお聞きいたします。5年前の質問の後には新型コロナウイルス感染症によって世界的に経済が停滞したものの、その後は反動による設備投資が盛んに成り、製造業の中国離れや産業安全保障としての国産化もあり国内では産業用地の需要が増えておりますので本市にも影響が出ているものと思います。そこで近年の本市における企業進出の状況を報告願うとともに企業用地が不足していたため誘致が叶わなかった事例の有無についてもご報告願います。
 次に小項目2点目として地区計画の活用についてお聞きいたします。本来ならば開発が認められない市街化調整区域においても地区計画制度を活用することで工場などの建設が認められるように制度は整えました。しかし都市計画審議会に出向させていただいている私の耳にも具体的な動きは聞こえてまいりません。地区計画制度の活用についての相談の有無及びインフラが整っているアカデミアパーク周辺でも地区計画制度が活用できるよう都市計画マスタープランの変更に向けた取組状況はどうなっているのか、お伺いします。
 次に、中項目2点目として「今後の方針」について質問いたします。
 小項目1点目として産業立地の奨励についてお聞きします。産業立地奨励金については配布資料2に示すように平成23年度から令和4年度までの間に13億3861万4千万円が支出され、交付された法人の数は17社となりました。法人市民税を課税される法人数は先ほどの配布資料1に示すように、その間に310社ほど増えております。実際にはこの間に廃業した法人も考えらまするので新規進出となった法人数は400以上になると推定されますが、310社として単純計算しても5.5%だけの法人が奨励金の恩恵を受けたことになります。人員50人超の法人に限っても44社ですから、その61.4%が奨励制度を受けていない状況です。奨励制度を利用しなくても木更津市に進出していただいた法人には感謝するばかりでありますが、この制度は細かな制約があって活用しづらいことも事実です。奨励金の支給額も平成29年度をピークにして、その後は減少しているということは多くの固定資産税を支払う法人の立地が滞っているということを意味しております。過去の条例では活用されていない土地が残っていた準工業地域などへの誘致を促すため、奨励金の対象となる地域が限定されておりましたが、企業用地が不足している現在では市街化調整区域での小規模な開発でも奨励金を出せるようにするべきです。前定例会では産業立地奨励条例が変更されましたが、その歳に要件緩和の改正は検討されたのか、お伺いします。
 次に小項目2点目として産業用地の確保についてお聞きいたします。今年度から設置された付属機関として産業用地整備支援事業審査委員会があります。目的は事業効果が高く採算性も良い計画に対しインフラ等の整備を市が行う判断として設置されたように伺っておりますが、委員会に審査願うこととなる産業用地を確保するための手法が見えてまいりません。本市では産業用地の創出を目指していた笹子土地区画整理組合がバブル崩壊に伴う事業の採算性悪化で解散となり、区画整理事業で整備されたかずさアカデミアパークでは長期に渡る用地販売の不振などを過去に経験しています。そのため行政による開発行為を躊躇する気持ちも理解できますので、制度を整えることにより民間の資金とノウハウを得て開発を進めることは歓迎される話ではありますが、具体的には、どの様なことを想定しているのか、お伺いします。
 
 次に、大綱2点目として「土地の利活用について」質問いたします。
 私は議員に成ってから将来的にも使用する見込みの少ない学校用地などについては売却を進め、一時的な売却益を得るだけでなく民間活用に伴う地域活性化と税収増を図るべきだと質問をしてまいりました。2年前の12月議会では3か所の学校用地を売却したことで約500人の人口増と年間2700万円の固定資産税及び都市計画税が増えていることを示しましたが、その他の土地の利活用も推進すべきという考えから、現状と方針について確認させていただきます。
 最初に中項目1点目として「現在の状況」について質問いたします。
 小項目1点目として公社健全化計画についてお聞きいたします。年度当初で土地開発公社が保有する土地は配布資料3に示すように7個所6,676uであり、第6次経営健全化計画では、令和4年度末債務保証等対象土地の簿価額13億2千万円に対し毎年2億円を買い戻すこととしています。既に木更津駅万石線代替用地を買い戻したので残りは6箇所となり、2億円の予算と公社の定期預金を取り崩した1千万円を使用し、借入額も5億8800万円となりました。財政調整基金を活用し金融機関からの借り入れを一括返済すれば公社の負債が無くなって健全化するとともに買い戻した土地の利活用も進められます。逆に簿価額で市が買い戻すと、公社は金融機関に返済した後で約5億円の余剰金が残ることに成り税金が塩漬けされるような事態を招きます。この件については昨年の予算審査特別委員会でも質問していますが、長期金利の見直しを行うと国が発表するなど状況も変わり現在の0.48%の金利が上昇する前に買い戻しをすべきと思い、改めて令和5年度からの第6次計画を見直す考えはないのか、お伺いします。
 次に小項目2点目として未利用の建築物についてお聞きいたします。3月の予算審査特別委員会の質疑では使用されていない市が保有する建築物は6施設あり、今年度に解体が終わるのは市営住宅であった祇園団地だけで中央公民館はさらにその翌年となることが明らかになりました。また令和5年度より市営住宅の岩根団地が用途廃止により財産活用課の所管となっており、現在使用されていない建築物は合計7施設になりました。それを整理したものが配布資料3の下段に示す一覧表です。現在土地開発公社が保有する土地より広い18,417uが未利用の建築物が残っている事で利活用が妨げられております。施設の解体を急ぐべきだと思いますが今後の利活用はどう考えているのか、お伺いします。
 次に、中項目2点目として「今後の方針」について質問いたします。
 小項目1点目として公共用地の売却についてお聞きいたします。利活用を検討する対象は一般的に市が保有しているものの当初の目的を終えた土地か、目的の通りに使用することが無くなった土地を対象にしていると思います。しかしそれ以外に市が所有する道路や水路のうち、必要な機能を果たす以外の土地も有るのではと考えます。具体的には当初は道路の形状を維持するために必要であった盛土や切土の法面がその後の周辺の形状変更に伴い道路の一部として利用されない広場に成っている部分や、道路や河川の形状改良に伴って使用されることが無くなった公共用地です。これらを普通財産に変更して、売却すれば雑草や不法投棄ゴミ対策といった維持管理費の軽減も図れますが、そのような公共用地を売却してきたのか、お伺いします。
 最後に、小項目2点目として公有財産の活用についてお聞きいたします。今年度から財産利活用推進委員会が附属機関として設置されました。既に委員会は設置され5月12日に最初の会議が行われています。積極的に公有財産の売却を通じて地域の活性化を目指すとともに維持管理費の軽減と賃料または固定資産税等の増加を図るべきだと考えます。財産利活用推進委員会の状況について報告願います。
 以上で第一質問を終了いたします。
 
  
 市当局の回答
 ※意味が変わらない範囲で部分的に言い換えたり省略をしています。
 
<渡辺市長>
 近藤忍 議員のご質問に ご答弁申し上げます。
 私からは、大綱1「産業の活性化について」、中項目1 「現在の状況」についてお答えいたします。
 はじめに「企業進出の状況」についてでございますが、近年の企業の活発な投資活動を背景に昨年度は金田地区にコストコホールセールジャパン株式会社の本社が移転し、今年度は、かずさアカデミアパークにたつみ工業株式会社の木更津プラントが竣工するなど順調に企業誘致が進展しております。加えて立地相談も多く寄せられており、過去5年間の相談件数は、本市への相談が延べ1,127件、県に対するかずさアカデミアパークへの相談が延べ534件と、企業からの関心の高さが伺われます。一方で進出条件が合わず立地を断念した企業もございます。
 次に「地区計画の活用」についてでございますが、本年度、県が「新たな産業・地域づくりに関する基礎調査」を実施しており、本市ではかずさアカデミアパークがその調査対象地域の一つとなっております。県からは対象地域における土地利用の在り方や、地域経済への波及効果が高い企業・産業の誘致イメージ、今後の展開などを整理していくと伺っております。また新たな産業や民間企業の立地を促進するため、県との産業用地確保を議題とした勉強会を定期的に実施しておりますので、その中で実現に向けた環境整備につながるよう働きかけてまいります。
 続きまして、中項目2「今後の方針」についてお答えいたします。
 まず 「産業立地の奨励」でございますが、木更津市企業誘致方針に基く戦略的な誘致を進めており、木更津市産業立地促進条例も本方針に合わせ、市内各インターチェンジ周辺の産業振興を目的に、農業関連施設の立地に限りますが、市街化調整区域を含む半径5km以内の区域を対象地区として加えております。また、新たに調整区域を加えた市内全域において10ha以上の大規模投資による企業立地についても奨励金の対象としております。今後は、小規模な開発の動向の分析も行いながら、他市の奨励金の状況も踏まえ、調査研究してまいります。
 次に「産業用地の確保」についてでございますが、昨年度実施した「産業用地拠点検討調査」によって、主に市街化調整区域内の市内インターチェンジ周辺地において実効性・実現性の高い新たな産業用地候補地の調査・分析を行いました。その結果、本市の都心へのアクセスの良さや関係法令の規制状況・企業の立地意欲などから、民間活用を活用した産業用地整備事業の可能性の高い地域があることが確認されました。今後は、民間企業に対し基礎インフラ整備を含む産業用地の造成を誘導するとともに、市は基礎インフラ整備への補助を行うことで総事業費を抑制し、迅速な用地確保を図ってまいります。なお、事業化に向けては、民間事業者による産業用地整備事業が実現可能な計画であるか審議するため、各分野の専門家を委員とする「木更津市産業用地整備支援事業審査委員会」を設置し、早期に事業化が図れるよう適切に審議を行う予定でございます。
 
 続きまして、大綱2「土地の利活用について」、中項目1「現在の状況」について、お答えいたします。
 はじめに、「公社健全化計画」についてでございますが、今年3月に策定しました木更津市土地開発公社経営健全化計画第6次を推進するため、第3次基本計画に公社が保有する土地の再取得事業費を盛り込み、計画的に買戻しを実施することといたしました。このため、次期基本計画を策定する令和8年度を目途に、健全化計画につきましては公社のあり方を含め十分な検討を進めてまいります。
 次に「未利用の建築物」について、現在未利用となっている7施設に関する今後の利活用についてのお尋ねでございますが、まず旧中央公民館につきましては令和5年度及び令和6年度の2か年で解体する予定としており、その後の土地活用につきましては中心市街地に位置する貴重な市有地であることから、そのポテンシャルを最大限に活かした利活用が出来るよう検討してまいります。次に旧金田公民館につきましては、現在耐震診断を実施しており、その結果を踏まえ活用方法を検討してまいります。次に旧市営住宅のうち、祇園団地及び岩根団地は来年度中の売却に向け準備を進めているところでございます。残る清見台団地及び久津間団地並びに旧祇園保育園につきましては、いずれも築50年以上が経過し老朽化が進んでおりますので、売却等に向け最適な手法について検討してまいります。
 続きまして、中項目2「今後の方針」について、お答えいたします。
 はじめに「公共用地の売却」について、でございますが、主なものとしましては法定外公共物、いわゆる赤道や青道のうち代替機能の設置などにより道路や水路としての機能が不要となり用途を廃止したものについて、隣接地権者から購入の申し出があった場合に売却を行っております。また、議員おっしゃるとおり道路法面が隣接地の形状変更に伴い、その機能が不要となったことから、隣接地権者に売却するといった事例もございます。
 次に「公有財産の活用」についてでございますが、本年度附属機関として外部委員5名で構成する「木更津市財産利活用推進委員会」を設置し、市有財産の計画的な利活用に向け市場動向や活用方法について調査審議を行うこととしております。5月12日には第1回の委員会を開催し、市有財産活用の指針となる「木更津市市有財産利活用基本方針」素案についてご審議をいただき策定に向け手続を進めているところでございます。今後につきましては現在売却準備を進めている旧市営住宅「祇園団地」及び「岩根団地」について公募資料や契約書の作成など必要な事項について専門的知見からご意見を伺う予定となっております。
 私からは以上でございます。
 
 
一問一答
 ※質問と市の回答は文字の色を変えています。省略や言い換えも有ります。細部が気になる方は、市議会のHPで議事録を参照して下さい。
 
 答弁ありがとうございました。再質問に移ります。企業進出の状況について伺います。この5年間で市に千件を越える企業誘致の問い合わせがあったという実績には驚かされます。内訳について確認いたしますが、コロナ前である平成30年以降の状況はどの様に成っているのか、問い合わせ件数の年度ごとの数値をお教えください。
 
 本市に対する企業立地相談について年度毎の件数をお答えいたします。平成30年度は342件、令和元年度は328件、令和2年度は253件、令和3年度は241件、令和4年度は243件、以上でございます。
 
 本市に用地が無くなってきた事が知られてきたのか解りませんが、年を追う毎に若干減少の傾向が見えております。一昨日の斉藤高根議員の質問にもあったように全国的には企業用地の需要が多い中、本市では企業用地が無く、誘致チャンスを逃している状況にあるのではと思います。
配布資料2の一番下の平均に示すように1社あたりの奨励金は平成29年度以降で減少しています。これは広い用地がない事で大規模な投資が行われず固定資産税が下がっていると想像させる結果です。土地の供給について5年前の答弁では一般社団法人「日本立地センター」などの協力を得るとありました。この法人は事業用地・産業立地・企業誘致等、地域経済の活性化に関連する事業を実施する経済産業省所管の団体ですが本市に対してどの様な成果を生じているのかお聞きいたします。
 
 企業誘致や最新の開発手法に関する研修の参加や立地希望企業の情報提供などを受けております。また今年度立ち上げます「産業用地整備支援事業審査委員会」の委員として依頼しており、全国事例との比較検討をしていただきたいと考えております。
 

 了解しました。では、次も5年前にも確認した質問です。かずさアカデミアパークの中で最大面積の遊休地となっている富士通が保有する用地29.7haについて、市からも働きかけを行うとお聞きしていましたが、その後の交渉状況はどうでしょうか。
 
 富士通用地に関しましては、県が当該企業に対して売却も視野に入れ、早期利活用の検討・働きかけを行っていると伺っております。また、本市といたしましても当該土地への立地相談等に対し、県と連携し他企業とのマッチングなどを模索しているところでございます。
 

 土地の固定資産税や都市計画税等を支払っていただいてはいますが、企業が進出することで雇用が生まれ法人市民税なども期待できます。理想を言えば保有企業の富士通が自ら工場などを建設していただくことですが、仮に富士通が活用しないようで有れば所有権を移転するよう強くお願いするべきだと思いますが、その様な依頼はされたでしょうか。
 
 議員おっしゃる通り、当該土地の利活用が図られれば、雇用や税収が期待できます。市といたしましても、当該土地への立地相談が寄せられた場合は、県への紹介、立地への働きかけを実施しておりますが、未だ結果に結び付いていない状況でございます。
 
 富士通としても購入時に比べて地価が下がっている中で売却の決断が難しいのではと推察いたしますが市にとっても会社にとっても、双方とも良い結果になるよう、県と市だけでなく「日本立地センター」などの協力も得ながら引き続き努力していただくことを希望します。
 次に地区計画の活用について伺います。かずさアカデミアパーク隣接地で工業的土地利用を行う場合、都市計画マスタープランを変更する必要があり、それに時間を要すると5年前の答弁に有りましたが、県が「新たな産業・地域づくりに関する基礎調査」で選定した場合には、その様な対応を行わなくても大丈夫なのでしょうか。
 
 かずさアカデミアパーク隣接地で工業的土地利用を行う場合、現在の都市計画マスタープランには、工業・業務地としての位置づけがございませんので、県の「新たな産業・地域づくりに関する基礎調査」で本地区が選定された場合におきましても上位計画である県の都市計画区域マスタープランの変更と、市の都市計画マスタープランの変更を行う必要がございます。
 

 変更を行う必要があるということです。では、都市計画マスタープランを変更する場合、それに要する時間はどの程度が必要だと想定されますか。
 
 都市計画区域マスタープランの変更に要する時間でございますが、県の都市計画区域マスタープランの定期見直しが令和7年度に行われる予定となっており、この変更決定を受けての市都市計画マスタープランの変更手続きとなります。想定のスケジュールとはなりますが、市の都市計画マスタープランの変更は令和8年度となります。
 

 令和8年度にマスタープランを変更して、その後に地区計画制度を利用して産業用地を創出するようでは用地が供給されるまでには今から5年以上が必要と成ります。5年前にこの質問をしていた後で速やかに対処されていれば今ぐらいには何とか成っていたのではないかと思いますが、速やかな対処が成されなかったことは悔やまれますが、これについては再度の質問は致しません。
 地区計画制度の活用についての相談の有無については当初(答弁が)ありませんでしたが具体的な事例としてお聞きいたします。令和4年9月に都市計画マスタープランを改正し、市街化調整ゾーンの土地利用方針である「幹線道路沿道を開発誘導ゾーン」に国道409号沿線を加え、物流・業務・商業・環境負荷の少ない工業等、地域振興に寄与すると認められる施設の立地について土地利用の規制誘導を図ることとしましたが、その後、具体的な相談などは寄せられているのでしょうか。
 
 地区計画の活用に向けた具体的な相談につきましては、井尻、菅生、笹子地区において、商業・物流など具体的な相談が複数ございます。
 

 複数の相談があると言うことで需要が高いことを理解しました。当該地域では若者の人口減少で東清小学校の維持も難しくなっております。商業や物流などの展開が始まりましたら人口増に繋がるような住宅開発等も盛んになるような政策誘導をお願いいたします。
 産業立地の奨励については10ha以下の投資では奨励金の対象と成らないということで、今後は見直しを検討するという回答でした。改めて確認しますが民間企業が10ha以上を造成し、複数の区画に分割して売却し、そこに進出した個別の企業の用地面積が10ha以下の場合は現在の奨励金の対象となるのでしょうか。
 
 現在の条例では大規模投資企業立地奨励金の対象とはなりませんが、引き続き本奨励金の活用実績などを精査し、企業にとって使いやすい制度となるよう検討してまいります。
 

 現在では対象に成らないということです。産業用地を造成する側の企業にとっては造成した土地に奨励金が着くというアドバンテージが付いて売却の後押しになると思えば、産業用地の供給を検討するものが増えると思われます。見直しを急ぐべきと思いますが如何でしょうか。
 
 議員おっしゃる通り、行政は産業用地の造成後の企業立地進展を後押しすべきものと考えます。この条例は、有効期限を設け時宜を得た変更を重ねてまいりましたが、事業計画がある場合は関係部局と連携を図ることはもとより、必要に応じ見直しを検討してまいります。
 

 条例改正を先行して、制度を整えることで民間の力を引き出すことが可能に成ると思います。速やかな対応を希望いたします。また今回の条例改正では地域からの雇用が増えた場合は奨励金を支払われる制度が設けられましたが、その効果は出ているのか、現状について報告願います。
 
 令和5年3月に木更津市産業立地促進条例の一部を改正し、新たに地元雇用奨励金及び人材確保事業奨励金を拡充したところでございます。地元雇用奨励金は、木更津市在住かつ雇用期間が10カ月以上の者を雇用した場合の奨励措置でございますので、本年度採用者数を奨励金の対象とするため申請は来年2月に集中すると考えており、現在はまだ申請がない状況でございます。
 

 この条例の状況が解るのは来年になってからであることは理解いたしました。今回の改正は人口に着目した点は高く評価していますが、地域の雇用を増やすことだけでなく、他市から従業員が転入した企業、余所の市から職員を引っ張ってきた企業にもアドバンテージを与えるよう改正を検討すべきと思います。次回の際には検討を宜しくお願いします。
 産業用地の確保について伺います。民間企業に対し基礎インフラ整備を含む産業用地造成を誘導し、市は基礎インフラ整備への補助金を支払うことで総事業費を抑制し迅速な用地確保を図る旨の答弁がありましたが、その具体的な方法をご説明ください。
 
 今定例会中に開催される建設経済常任委員会協議会及び議員全員協議会で説明する予定でございますが、市が求める地域において民間事業者からの産業用地の整備計画の提案がある場合、「産業用地整備支援事業審査委員会」に諮り、計画が承認された場合、道路、上下水道整備に係る費用の補助を行うことにより市の負担を抑制しながら民間のスピード感をもって整備を図ろうとするものでございます。
 

 建設経済常任委員会協議会で説明があるということなので細部はそちらを傍聴させていただきます。ともあれ、産業用地整備支援事業審査委員会に期待する内容は答弁で概ね理解いたしましたが、委員会の開催状況についてご報告願います。
 
 本年度の審査委員会の開催状況でございますが、10月6日に第1回目の開催を予定しており、そこで産業用地整備を実施する民間事業者の募集方法等を審議していただく予定でございます。その後、公募期間を経て、提案事業者からのプレゼンテーションを実施後、令和6年3月末までに計画認定の是非を審議していただく予定でございます。
 

 それでは、その産業用地整備支援事業審査委員会については特に期間を設けず、必要の都度、今後も当面の間、委員会が開催されるような組織だという事でしょうか。
 
 議員おっしゃる通り、産業用地整備事業を公募する都度、委員会を開催する予定でございます。
 

 了解しました。今後の展開に期待いたします。
 大綱2の質問に移ります。公社健全化計画について伺います。第6次計画は令和8年度に見直すという回答でしたが、そうであれば来年度以降に購入する土地の利活用は、買い戻しを終えるまで検討しないというお考でしょうか。
 
 土地開発公社経営健全化計画(第6次)におきましては、使用条件や期限を付し、駐車場等の短期貸与等の限定での利用を図る計画となっておりますが、現在、公社で保有している土地は全て都市計画道路用地であり、細長く形状が良くない土地や駐車場などとしての需要がない土地、また車場整備に係る費用とその駐車場から得られる利用料との収支見込みが合わない土地などであり、利活用は難しいものと考えています。
 

 残りの土地については道路の事業用地ばかりで利活用の難しい場所だと理解しました。では今後公社が保有する土地については、全て民間へ売却が不可能だと考えて良いのでしょうか。
 
 「木更津市土地開発公社業務方法書」第13条に「公社は、公共用地又は公用地として取得した土地をみだりに私人に譲渡してはならない」と規定されていることから、民間への売却は困難であると考えております。
 

 市が購入しても民間へ売却できる土地ではないということで理解しました。そうであれば逆に、道路の事業認可を得て、補助金を得て買い戻しを行う方が財政上は有利になると思われます。先の6月議会で草刈議員の質問に対し、中野畑沢線の貝淵工区は桜井工区の工事と並行して用地取得に着手できるよう準備を進めるという答弁がありました。道路の事業認可後には買い戻しに補助金を受けることが可能と成るので、それまでは公社が保有するべきです。そこで都市整備部にお伺いしますが、貝淵工区の事業認可はいつ頃取得すると想定しておりますか。
 
 貝渕工区につきましては、桜井工区の工事と並行して用地取得に着手できるよう準備を進めているところでございます。貝渕工区の事業着手につきましては、現在、桜井工区の工事に着手したばかりでございますので、桜井工区の進捗状況を確認しながら進めてまいります。
 

 つまり現時点では、事業認可の時期は見通せませんが、そう遠い先ではないと理解しておきます。では、事業認可を受けて道路用地を購入する場合の補助率について、ご説明ください。
 
 補助率につきましては、現在市で行っている道路事業を参考にいたしますと50%となります。
 
 
では、事業認可を受け、土地開発公社が保有する中野畑沢線貝淵工区の道路事業用地を市が購入した場合、補助金はどの程度得られると想定されますか。
 
 土地開発公社が保有する貝渕工区に係る土地につきましては議員の
配布資料3にあります@の5「市道217-2号線道路用地」1,470.45 u及びAの1「潮見木更津高等学校線道路用地」388.81 uであり、合計1,859.26 uが対象と成ります。この土地を道路事業として購入した場合の補助金の額につきましては近隣の地価公示額を参考に1平方メートルあたり約4万円と仮定し50%の補助を得られた場合には約37百万円となると想定されます。
 
 
約37百万円ともなる補助金を得られる機会を、みすみす失わないようにするべきです。公社の保有する土地は
配布資料3に示すように銀行への返済に影響されない「債務保証等対象外土地」として2箇所、潮見木更津高等学校線と市道216-2号線の道路用地で411.2uがあります。経営健全化計画では道路事業予定を令和10年度以降としておりますがNo.1の潮見木更津高等学校戦は只今説明がありましたように中野畑沢線貝渕工区に相当することが解りました。ではNo.2の市道216-2号線は道路事業に着手する計画は当面はないということで間違いないでしょうか。
 
 市道216−2号の事業着手につきましては、未定となっております。
 
 
こちらの事業化が未定ということは当面は買い戻しに対して補助を受けられる状況ではないと理解いたします。公社の健全化で重要なことは「債務保証等対象土地」を全て買い戻すことではなく金融機関から借用している資金を返済することだと思います。そのため「債務保証等対象外土地」を購入してでも道路の事業認可が見通せる土地は公社に残し、認可後に補助を受けて買い戻す計画に改めるべきと思いますが如何でしょうか。
 
 第6次計画では、公社の経営健全化に向け「債務保証等対象土地の借入金の解消」、「公社保有土地の簿価総額の縮減」、「用途不明確土地の解消及び総合的土地対策の推進」を目標に掲げ取り組んでいるところでございます。そのうえで借入額や簿価額、対象土地の利活用の可能性を踏まえ処分計画を策定いたしました。今後、道路の事業認可が見通せる状況になりましたら、関係部局と協議の上、第6次計画の見直しについても検討してまいりたいと考えております。
 
 
公社について最後に確認します。公社の借入金を全て返済し終えて残った道路事業用地を保有する公社は、当該道路に補助が受けられるまで存続した方が収支のうえでは有利になりますが、そのようにするということでしょうか。
 
 公社の借入金を完済する令和8年度を目途に、公社のあり方を含め、関係部局と十分な検討を進めてまいります。
 
 
公社の借入金を返済する手法としては市が公社に対して借入額と同額の無利子貸付を行い、まずは金融機関に返済を済ませてから、市への返済を土地現物で相殺することも考えられます。今回の決算資料でも財政調整基金が一層積み上がる状況になっております。繰り返しなので、質問はしませんが、健全化計画に囚われず、金融機関へ返済して利子負担を無くすとともに、道路事業の補助金を活用する制度も充分に活用していただけますよう要望いたします。
 未利用の建築物について伺います。未利用と成っている7施設については、施設ごとのポテンシャルに合わせて利活用を検討、また既に売却の準備を進められているという答弁でしたが、未利用の建築物は地域の治安にも不安を感じさせますし活性化の妨げになっております。そこで建築物を残したまま土地を売却することが可能であれば、土地の売却代金は安くなる可能性がありますが、解体を待たずに土地利用が進む事で早期の税収増も期待できると思います。その様な対応は可能なのでしょうか。
 
 建築物を残したままの売却についてでございますが、地中埋設物等のなどのリスク負担を双方合意の特約を定めることにより、現存の状態のまま売却することは可能であると思われます。現在、旧市営住宅岩根団地につきましては、建築物を残したままでの一般競争入札による売却の準備を進めているところでございます。 
 
 
未利用の建築物の解消と土地の利活用のため、引き続き様々な手法をご検討いただきますようお願いします。
 公共用地の売却について伺います。隣接地権者から申し出があった場合には売却を行っている旨の答弁がありましたが、これまでの実績として近年3ヶ年における売却件数、売却額及び売却面積について報告願います。
 
 まず令和2年度につきましては、個人5件・法人4件の合わせて9件、売却額は341万7000円、売却面積は240.92uとなっております。次に令和3年度につきましては、個人2件・法人5件の合わせて7件、売却額は896万3500円、売却面積は2716.56uとなっております。次に令和4年度につきましては、個人2件・法人2件の合わせて4件、売却額は278万5800円、売却面積は457.53uとなっております。3年間でまとめますと、個人9件・法人11件の合わせて20件、売却額は1516万6300円、売却面積は3415.01uとなっております。
 
 
平均しますと約5百万円が毎年の収入となっている事が解りました。それ以外にも維持管理費の削減も期待できますし税収の増加も期待できますので使用目的を終えた公共用地は積極的に処分するべきだと思いますが今後の処分方針はどの様にお考えでしょうか。
 
 現在、使用目的を終えた公共用地の売却処分につきましては希望者からの申し出により行っておりますが、今後は市が実施している地籍調査事業実施時に、道路や水路としての機能が不要となり使用目的を終えた公共用地の処分について隣接地権者等に周知を図ることで積極的に処分を行ってまいります。
 
 
道路としての舗装部分がない所で市が所有する土地に塀や建物の一部が掛っている事例もたまに見ることが有ります。その様な案件につきましても道路など公共の用途に迷惑でないものは積極的な処分を進めていただけますようお願いいたします。
 次に公有財産の活用についてお聞きいたします。答弁では現在売却準備を進めている旧祇園団地と旧岩根団地について専門的意見を伺うとありましたが、財産利活用推進委員会では本年度検討するのは、この両団地の議案だけでしょうか。
 
 財産利活用推進委員会で本年度検討する案件といたしましては旧祇園団地と旧岩根団地に関することのほか、旧中央公民館跡地や旧金田公民館などの遊休建物の利活用についても必要に応じて意見を伺う予定となっております。
 
 
それでは他の未利用の建築物が残る施設や、建築物が無く活用されていない、例えば真舟地区の旧学校用地の残地などについては何時どの様に検討を進めるのか、ご説明ください。
 
 本年度は委員会の初年度ということで、今後の利活用の指針となる「木更津市市有財産利活用基本方針」の策定のほか、翌年度の売却案件等について意見を伺う予定となっております。議員おっしゃる、真舟の旧学校用地の残地などについても次年度以降に必要に応じ意見を伺い最適な利活用を図っていきたいと考えております。
 
 
そうするとこの「財産利活用推進委員会」は当面の間、存続する考えだと理解いたしました。ではこの委員会を設けることによるメリットを改めてご説明ください。
 
 現在、市有財産の処分にさいしては、庁内の委員からなる「木更津市財産の取得及び処分等に関する委員会」に諮り決定しているところでございますが、不動産、法律、経済、建築などの分野に精通した第3者から市場動向や社会情勢等の意見を伺うことで、財産の特性に応じた最適な利活用が期待できるというメリットがあると考えております。
 
 
公共用地の処分では、民間活用を進めて活性化を図るべきという視点と、公共の福祉のため公的な利用を進めるべきだという視点もあり、答弁にありましたように最適な利活用を図るため、それらを調整するための第3者機関は必要だと私も思います。私も公園などが不足する地域では公共用地をその目的で使用することに異議は有りません。ただ活用されず維持管理の負担だけが発生するような土地は速やかに処分をするべきですし、特に木更津市で土地需要が旺盛なうちに対応することで短期的な売却益と将来的な税収増が期待できることを考えると、今後数年間は重点的に取り組むべきと考えます。
 今議会でも多くの議員が質問しているような行政需要を満たすためには、税収確保の政策が重要となります。産業の活性化や土地の利活用を通じ、収入を増やし市民福祉に回すような「都市経営」の視点が今後はより一層進まねばならぬと考えて今議会の質問を行いました。前向きな対応が続くことを祈念いたしまして、私の今回の質問を全て終了させていただきます。