おまけNo.9 下北編      日本を走る

 

 

 

 
旅行期間 2011年7月10日〜2011年7月13日
 前年の加計編で真夏の南国を甘く見ていたことを強く反省し、今年は涼しい北国を走ることにした。自転車走行は行程の最後の2日だけで、その前には渡島駒ヶ岳等の登山を楽しんだが、それは別の記録を参考にして貰いたい。
 
 
7月10日(日)
 地元の清掃活動などを済ませ羽田を15:40に出発するJAL便で函館に到着し、レンタカーを借りて湯ノ川温泉に泊まる。
 
7月11日(月) [走行距離:3km]
 朝からレンタカーで登山や温泉巡りを行い、午後6時に車を返すときにやっと自転車を組み立てる。でもこの日は走って10分で着く前夜と同じ宿に着いて終わり。
 
7月12日(火) [走行距離:78km]
 湯ノ川温泉で朝風呂を楽しみ、7時半に宿を出る。大間行きの始発便は9:30と遅いのでのんびりした行程である。時間があっても函館観光には目もくれなかったのであるが、港にある新鮮イカール星人の映像には目を奪われてしまった。
 何回目かの津軽海峡を船で渡り、11:25に原発工事現場が近い大間港に到着。さっそく29年ぶりの岬まで走り、少し早めの昼食は大間のマグロと思い、岬の観光案内所でかもめ食堂を教えてもらい1500円のマグロ丼定食を取る。昔はここから脇ノ沢に向かって南下したのであるが、今回は東に向かうことによって下北半島を一周する軌跡を繋ぐことも目的の一つである。前日に東北地方も梅雨明けしたと言うことで、強い日差しの下で気温26度の快適な走行を楽しむ。
 日頃の運動不足でちょっとした上り坂に苦労する中で大畑に着き、さっさとむつ市のホテルに行ってしまおうかという誘惑を断ち切り、奥薬研温泉のかっぱの湯を楽しむために渓谷に沿って進み始める。森に囲まれた薬研温泉を抜け2km上流に行ったところで目的地は現れた。しかし、いつの間にかかっぱの湯は男女別になり男性入浴時間まで1時間半も待たねばならないことが解った。他に有ったはずの湯船も閉鎖されており楽しめない。何がここの魅力だったのか解らない行政の取った行動にガッカリしながら薬研温泉まで戻り、民宿の風呂で軽く休憩をする。湯は単純なもので前日の恵山温泉と比較すると印象が無くなる。
 そこから恐山の登りが始まり軽いギヤでのんびり進むが途中で一休みを入れてしまう。29年前には怪我をしても軽々と登った記憶があるだけに失われる体力気力と増えていく体重を悲しみながら16:20に恐山に到着する。入山料を払って敷地に入ると直ぐに薬師の湯に浸かり板の間で横になり上り坂の疲れを癒す。窓からの風が気持ちよい。夕方5時から境内を見て回り、後は3kmの登り返しだけで今夜の宿泊地であるむつ市に下るだけである。途中にあった水場の美味しさに感動しながら下北駅を目指す。
 街中を抜け、予約していたプラザホテルが見えてきたが、近くに繁華街の気配はなく、目の前に焼き肉屋と少し離れて牛丼のすき家が有るだけという状況には愕然とした。確かに駅には近く立派なホテルなのだが、街の気配を楽しむことが出来ないと思いながらフロントで話を聞くとむつ市では大湊か田名部に行かないと居酒屋が無くタクシーで片道千円程度掛かるようだ。取り敢えず部屋に行き風呂に入りながら悩んだ結果、ホテルのレストランで夕食を取ることにした。おかげでこの夜は10時前にベットに入って寝てしまった。

 

 

 
7月13日(水) [走行距離:54km]
 この日はJR東日本パスという1日乗り放題の切符を併用した自転車の旅の日である。まず朝4時半に起床し、下北駅で輪行して5:17に出る大湊線の始発列車で野辺地に出て『青い森鉄道』で青森を経由し、津軽線の蟹田駅に8:43に到着する。レールは三厩まで延びているのだがこの先の列車は11:22まで来ないため、ここから本日の目的地である竜飛岬を目指すべく自転車を組み立て9:08より走り始める。
 
 直ぐに北海道新幹線の工事現場を抜け、小国峠を越えて海に出て三厩の駅を目指す。ここで着替えなどの余分な荷物を預けようと考えていたのだがロッカーも無く駅でも預からないと言う。駅前には店もない。仕方なくザックを背負いながら竜飛を見座すと役場の支所が出てきた。駄目元で荷物を預かれないか聞くと、問題なく預かってもらえた上、明るい対応に三厩の嫌な思いが払拭される。
 海岸沿いの道を走り、丘に登る急坂を経て青函トンネル記念館には11:22に到着した。29年前はトンネル貫通まで1000mを切った日で、思えば遙か昔になってしまったものだと思いながら11:30の坑道行きケーブルカーに乗り地下140mの世界を楽しんでくる。その後、竜飛岬灯台や階段国道などを見て回り、ホタテラーメンを食べて竜飛岬に満足し、三厩に向かって戻り始める。役場の支所に感謝しながら荷物を受け取り、国道沿いのコンビニで麦酒などを買って、駅には14:15に到着する。自転車の旅はこれで終わりである。
 
 列車まで1時間以上有るのでのんびり麦酒を飲み、雑記帳に目を通す内にバスが着き数名の客が駅に居る中で輪行袋に自転車を収納し、汗臭いサイクルスーツからTシャツ短パンに着替えて帰りの時間を迎える。
 15:21三厩発の津軽線は17:08に青森駅に着き、17:20発の奥羽本線で新青森に移動し、17:38発の『はやぶさ406号』で一気に東京に向かう。残念ながら全ての指定席が満席だったので立席の券で、東京まで通路で読書を続けることになる。それでも最速の列車の力を見せつけ21:08に東京に到着した。新幹線の写真撮影を終え、非常に遠い京葉線ホームを目指して歩き21:30の『さざなみ15号』で22:39に木更津に着いた。津軽から約7時間の電車の旅を経て、気温も不快指数も一気に上がった事を体感する。
 下北〜蟹田も含め2万円を超える区間を1万円の企画切符で移動したため、非常にお得感は有ったのだが、満喫するために1日の行動時間が長すぎて、帰宅した夜は直ぐに疲れて寝てしまった。