令和の木更津を文章にする
2019/04/10記
 5日のプロフィール、6日の議会質問、7日の議会改革と、3日続けて演説会の内容(予定)をアップしてきたが、令和時代の木更津をテーマにしたとき、少し調べものが多くなりアップまで間が空いてしまった。それでも事業の執行においては若干の変更も有り得るし、そもそも下記に示す内容に誤りがないとは言い切れない。それでも整理することで、令和元年以降の木更津市の姿が少し見えてきたような気がする。
 
 さて、これまで一般質問を通じて市政をどう変えてきたか、議員としてどの様に議会改革を進めてきたか説明させていただきました。今後も多くの質問を行って行政に問題提起を行い、議会による市民報告会を検討するなど、引き続き議会改革を進めてまいりますが、やはり皆さんの関心は市政がどの様に成るのかという事だと思います。
 市政を動かすのは行政で、議会は条例の制定や予算の承認という立場で携わるというのが教科書的な表現ですが、実際には渡辺市長がマニフェストの原案を作成した後、羅針盤の議員に意見を求めてくるので、私達も間接的に働きかけております。その意味では、渡辺市政に責任を持つ立場ですので、木更津市政が活発に展開している現在の状況は嬉しく思っています。
 さて、市役所の組織を見れば総務部・企画部・財務部・市民部・福祉部・健康こども部・経済部・環境部・都市整備部・教育部・消防本部と多岐に渡るのでその全てを紹介するのは無理ですが、令和の時代に入り直ぐに取り組み始める事業の中から、私がセレクトして18点を駆け足で紹介します。
 
@ 新市役所の建設
 潮見にあった旧庁舎2015年9月18日に閉鎖され2015年9月24日から駅前と朝日に分散して開設された仮庁舎も、朝日庁舎の市民窓口が使いやすいと評判の一方、賃料を払い続けるのは勿体ないという声も聞かれます。個人的には百億円の市役所を建設して50年で建て替えるより、毎年2億円で賃借する方が、貸し主の所得税と固定資産税を得られるメリットもあると考えています。
 それでも仮庁舎の契約が令和7年、西暦で言うと2025年の3月までなので、分散している事務機能と各種機能を一体化する事を視野に入れ、本年度より庁舎整備に向けた専門委員会を設置し、東京オリンピック以降に建設需要が低くなる事で単価が下がる事を見込み、2025年に新庁舎で執務が始められるよう、検討を始めます。
 
A 市民会館の建設
 現在、耐震基準を満たさずに閉鎖している木更津市民会館ですが、2025年頃を目標に、新たに5〜700人規模の中ホールを市が単独で建設する方針としました。なお、千人を超える大ホールを各市で持つ必要は少ないという判断から、君津市文化ホールを引き続き借用し、将来的には四市協同で大規模ホールを建設することを目指しています。
 令和元年は、建設場所・施設の複合化・事業手法などを決める年になり、設計は翌年度以降の予定です。
 
B 新火葬場の建設
 老朽化した木更津市の火葬場を建て替える計画に近隣の3市が相乗りし、木更津市に委託する形態で、かずさ四市が協同使用する新火葬場の事業が進んでいます。本年3月7日に東亜建設工業を代表とする企業Grが整備運営事業の落札者に成り、提案内容を照査した後に改選後の議会で契約承認となります。今後は羽鳥野側からの工事用道路の建設が行われ、令和2年より建築工事に着手、令和4年、西暦では2022年11月に新しい火葬場が供用される予定です。
 
C 新廃棄物処理施設の建設
 ゴミを焼却処理する事でダイオキシンが発生すると問題になり、焼却温度を高温処理する施設として、平成14年、西暦2002年から「かずさクリーンシステム」が四市協動で運用を始めました。桜井地区や漁協との約束で20年間の運用としていましたが、5年間の延長を同意してもらい2027年までは使用できます。
 それ以降の施設の新規建設を計画していると、館山市を除く安房郡市が加わり6市1町で計画が進みます。新しい建設場所は富津市だと予想されますが、今年度中に事業者を選定し、来年度より環境影響評価を実施し、令和5年頃より工事を始めると2027年、令和9年からの使用開始に間に合う計算です。
 
D 道路の整備
 木更津市を南北に貫く中野畑沢線は北端の袖ケ浦市境から金田東までの700mを平成29年から県で事業化し、南側では港南台から桜井新町までの890mを木更津市で工事すべく用地買収を進めています。中央・新田・貝淵の1,562mは工事の予定が立っていませんが、事業化を求めています。
 他にも袖ケ浦市で終わっている平成通りを中郷で高速道路の側道である国道409号線まで延長する事や千束台で途切れている道路を請西東と連結させる事など、まだまだ骨格道路の整備が遅れており、この地域では紫陽花通りを万石まで延長して国道409号に接続させる事も必要だと感じています。
 道路は用地交渉に多大な時間と、事業には多大な経費を必要としますが、計画的に進める事が重要です。
 
E みなと口の整備
 都市公園内での民間企業による賑わいづくりや富士見通りの再整備等を進める「パークベイプロジェクト」が具体的に動き始める年と成ります。鳥居崎公園に有る市民プールは今年の夏の営業を終えた後に解体され、将来の民間施設が営業可能な用地になります。エルシオン前の港湾を埋め立て、集客施設を建設する計画も進みます。事業費28億円のうち木更津市が9億3千万円を負担し、令和7年度末に埋立工事を完了し、令和12年頃に施設建設も完成させる方向で国や県との話が進んでいます。
 富士見通りについては、アーケードを撤去する方向ですが、今年度計画を具体化します。
 
F 巌根駅の整備
 総武線快速列車停止に向けた調査費用が今年度予算に2千万円計上されました。またバリアフリー化を目指し構内にエレベータを設置するための設計も始められます。これらについて地域への説明を行い、意識を共有化できるように働きかけてまいります。
 
G 金田西の整備
 県が進めている区画整理事業で保留地の分譲が行われた結果、バスターミナルに近い側を新昭和が22億円で購入し、西端に近い側をコストコが18億7千万円で購入しました。新昭和についてはホテルや物販等の総合的開発を目指すとしていますが、運営企業を集めるための時間が少し掛かるものと想像しますので事業化は少し後になると思われます。一方、コストコについては地質調査等を進めていますので設計が認可され次第、建設に着手する事でしょう。
 
H 公共交通
 利用者が低迷しているバス路線を維持するため今年度予算では6364万円を計上しています。公共交通の適正化を目指してバス路線の見直しを進めると供に、住民主体による新たな交通システム、いわゆる自治会バスについて、鎌足や富来田地区で検討が進みます。
 
I 江川運動場拡張
 現在建設中の陸上競技場は6月23日の午前10時にオープニングイベントを実施し、以降使えるように成ります。野球場とサッカー場については、防衛省が今年から来年にかけて造成工事を済ませ、翌年に木更津市が仕上げ工事を行い、2021年以降に使用開始となる方向で調整されています。
 
J スポーツイベント
 木更津市を東京オリンピック2020の事前キャンプ地にするとナイジェリア政府から打診があり、令和元年の予算には調印のためアフリカへの渡航費が計上されています。練習場は江川運動場競技場を中心に、近隣市の施設も借りて行われることになると思います。オリンピックの誘致に関しては、中学校でトップアスリートによる体験授業を実施するなど、機運の醸成に努めます。
 それとは別に、今年も陸上自衛隊を会場にトライアスロン大会が開催される予定です。
 
K 農林水産業振興
 農地については集積・集約化を推進し農業経営の効率化を支援していきます。林業については森林経営管理法の制定に伴い整備保全に対する支援を行います。水産業では貝や海苔の食害を防ぐ対策への補助を進めます。令和元年には国際的な米の食味分析コンクールが11月30日と12月1日にかずさアカデミアパークで開催するよう農協と協同して取り組んでまいります。
 
L 商工業振興
 商工会議所内に設けられた「らず-biz」を活用し、事業者の売上向上と新規事業の立ち上げを支援し、空き店舗の活用も進めます。君津信用組合を中心に運用されている「アクアコイン」の普及を進めることで地域内で資金が環流する事を目指すとともに、公共料金の支払いやボランティア活動でのポイントが付与されるように成るなど、アクアコインを活用した行政サービスを展開します。
 
M 観光行政
 観光協会に置かれているDMOという組織が、人を集め金が稼げる組織に成長して行く中で観光の活性化を進めます。冬の集客につながる冬花火のイベントは今年も実施します。さらにクルーズ船誘致に向けた活動を続ける中で、9月20日には東北へのクルーズに向かう豪華客船が木更津港に立ち寄ります。来年の東京オリンピックの歳には不足するホテル需要の代わりに、木更津港にクルーズ船を係留して、ホテルとして使用する事に対する検討も進められます。
 
N 保育行政
 今月の当初は69名の待機児童が発生してしまいました。昨年の83名、2年前の86名、3年前の92名に比べて若干減少しましたが、それでも大きな値だと認識しています。
 子育て世代の木更津移住を妨げないよう、吾妻保育園を社会館保育園へ、久津間保育園を岩根保育園に経営譲渡して民営化するまでの数年間は、市では臨時職員の確保が困難な状況なので、人材派遣会社を通じて保育士を確保することで少しでも預かることが出来るように努力します。また、令和元年には、岩根保育園の建て替えが行われ、金田小学校の近くに長須賀保育園が新しい保育園の開設を目指すなど、保育施設の充実に向けた支援を進めていき、少しでも待機児童を減少させる取組を行います。
 
O 教育行政
 富岡小学校の廃校に伴い馬来田小学校が富来田小学校と改名され、富来田中学校と小中一貫教育である「富来田学園」が開始されます。またエアコンが設置されていない小中学校の教室の全てでエアコンの設置工事を実施します。今年の夏には間に合わない学校も多いと思いますが、令和元年中には全て終了する予定です。また、生徒数の増加に対応するため、金田小には約2億円、太田中には約1億7千万円を投じて仮設の校舎を建設しますし、大規模地震対策のため、岩小と西清小の体育館の天井や照明灯の耐震対策を進めます。
 
P 消防行政
 潮見の新消防庁舎が夏頃に完成するのに合わせ、長須賀分署を廃止し、清川出張所に救急車を配置して清川分署に格上げします。
 消防団については、今年の3月末で4分団5部(住吉町)が廃止になりました。一方、学生を対象とした特別な消防団の募集を行った結果、今月14日に22名で発足することが出来ました。その学生消防団と既に存在する女性消防団を加え、現在の消防団員数は504人となりました。定数の600人に対しては、大幅欠員の状態です。引き続き待遇改善等に取り組み、防災力向上を目指さねばと考えています。
 
Q その他
 福祉行政としての「ひとり親家庭の中学生への学習支援事業」や「成年後見人制度で地域連携」、水道行政が木更津市単独から四市協同事業となった「かずさ水道広域連合企業団」に編成替えと成った事など、まだまだ話すべき事が多くありますが、時間の関係で割愛させていただきます。
 
 これまでの説明で私はどんな人で何をしてきたか、どんな市や議会を造りたいと思っているか、さらには令和元年以降の木更津市でどの様な動きが起きようとしているのか、少しでもご理解頂けたら幸いです。
 特に木更津市では説明したとおり、新たな建設事業や都市整備が進み始めますので、建設技師である私の活躍すべき場が数多く生じると思います。どうぞ活躍させて頂けますことをお願いいたします。
 最後に、私がこれまでの選挙で使ってきたスローガンである「誇れる木更津づくり」について、一言だけご説明させていただきます。私は、平成時代に入って間もなく木更津市に帰ってきました。
 市民の皆様と話すと、木更津には見るべきものがないとか、美味い物がないとか、否定的な物言いをする人が沢山いる事に気が付きました。謙遜するという日本人の美徳だと考えれば良いのかも知れませんが、私は地域に誇りを持って、他の地域に旅行したときに、こんな素晴らしい場所から来たのだよと、自信を持って言うことで、木更津に遊びに来る人が増え、移住を検討する人も増え、木更津から出ていく若者が減るのではと考えています。
 平成の時代にこの地域で注目を集めたものは、竹岡式ラーメンとか江川海岸に並ぶ電柱とか、住んでいる私達には当たり前の事だったと思い出して下さい。否定的に考える必要は無いのです。
 それでも漫然と過ごして木更津が誇れるまちに成るわけではありません。環境や美観に配慮した市民一人一人の行動、お互いに助け合う強い地域の連帯、そして日本中から注目を集めるような行政の先進性が、この地域の誇りに繋がっていくものと信じています。
 私の娘が今月の15日で3歳に成りました。彼女が二十歳になる令和18年がどの様な社会に成っているか、現在から想像することはとても難しいと感じています。それでも時代の先を走る努力を続けることこそが、今を生きている私達の責務であると感じます。
娘が二十歳になって、木更津市に生まれて育って本当に良かった、と言ってもらえる街を造るためにも、精一杯努力してまいりますので、皆様のご支援を宜しくお願いします。
 今日は長時間お聞きいただき、有り難うございました。