蔓防指定を受ける
2021/06/18記
 10都道府県に発令されていた緊急事態宣言と5県に発令されていた蔓延防止等重点措置について今月20日までの期限が近づき、政府は沖縄県のみ緊急事態宣言を継続させるものの7都道府県については蔓延防止等重点地域に移行し、感染が抑制された中国地方の2県については全面解除とし、現在蔓延防止等重点措置が適用されている5県からは東海地方の2県を全面解除し東京に隣接する3県は継続することを発表した。期間は来月11日までの21日間である。それを一覧表にすると下表の通りである。 
区分 6月20日まで 6月21日から 昨日の感染者数
北海道 緊急事態宣言 蔓延防止重点措置 73人
埼玉県 蔓延防止重点措置 蔓延防止重点措置 79人
千葉県 蔓延防止重点措置 蔓延防止重点措置 124人
東京都 緊急事態宣言 蔓延防止重点措置 452人
神奈川県 蔓延防止重点措置 蔓延防止重点措置 185人
岐阜県 蔓延防止重点措置 全面解除 13人
愛知県 緊急事態宣言 蔓延防止重点措置 99人
三重県 蔓延防止重点措置 全面解除 4人
京都府 緊急事態宣言 蔓延防止重点措置 17人
大阪府 緊急事態宣言 蔓延防止重点措置 95人
兵庫県 緊急事態宣言 蔓延防止重点措置 39人
岡山県 緊急事態宣言 全面解除 4人
広島県 緊急事態宣言 全面解除 21人
福岡県 緊急事態宣言 蔓延防止重点措置 41人
沖縄県 緊急事態宣言 緊急事態宣言 97人
 
 蔓延防止等重点措置が継続される3県についても指定する自治体の見直しを併せて行うこととなり、下表のように埼玉県と神奈川県では合計で25市3町が解除される。千葉県では6市を解除する一方で木更津市を含めた5市が新規指定される事になった。 
県名 対応 自治体名 備考
埼玉 解除 川越市・所沢市・草加市・越谷市・
蕨市・戸田市・朝霞市・志木市・
和光市・新座市・富士見市・
ふじみ野市・三芳町
13市1町
継続 さいたま市・川口市 2市
千葉 解除 野田市・柏市・流山市・八千代市・
我孫子市・鎌ヶ谷市
6市
継続 千葉市・市川市・船橋市・松戸市・
習志野市・浦安市
6市
新規指定 木更津市・市原市・君津市・
富津市・袖ケ浦市
5市
神奈川 解除 横須賀市・平塚市・鎌倉市・藤沢市・
茅ヶ崎市・逗子市・三浦市・秦野市・
大和市・伊勢原市・海老名市・綾瀬市・
葉山町・寒川町
12市2町
継続 横浜市・川崎市・相模原市・
小田原市・厚木市・座間市
6市
 この状況は、全国的には感染が収束傾向にある中、木更津周辺の5市だけが危険な状況にあることが浮き彫りになったようだ。
 
 今月に入ってから周辺自治体の感染者の増加が危機的な状況にあることを14日の記事にも記載したが、木更津市では一昨日に続き昨日も11人の新規陽性者が確認された。この人数は栃木県全体で確認された数と同じである。
 県内の状況を確認するため、人口3万人以上の36市について、この4日間での感染者数から人口10万人当たり一週間感染者数に換算して計算したところ、下表のようになった。 
区分 人口
[A]
5/31
[B]
6/13
[C]
C-B
[D]
D/A×7/4
×10万
1 木更津市 136,118 599 633 34 43.71
2 市原市 268,038 1,204 1,260 56 36.56
3 富津市 42,280 105 112 7 28.97
4 袖ケ浦市 63,975 244 254 10 27.35
5 習志野市 174,990 1,231 1,253 22 22.00
6 浦安市 169,749 1,324 1,342 18 18.56
7 八千代市 200,538 1,490 1,507 17 14.84
8 成田市 130,689 822 833 11 14.73
9 君津市 81,355 225 231 6 12.91
10 市川市 496,657 3,898 3,931 33 11.63
11 船橋市 641,499 5,145 5,186 41 11.18
12 富里市 49,470 447 450 3 10.61
13 佐倉市 169,059 923 932 9 9.32
14 東金市 57,560 195 198 3 9.12
15 茂原市 86,446 248 252 4 8.10
16 鎌ケ谷市 109,370 651 656 5 8.00
17 千葉市 981,738 6,094 6,138 44 7.84
18 柏市 433,941 2,692 2,711 19 7.66
19 山武市 48,196 177 179 2 7.26
20 松戸市 492,367 3,255 3,274 19 6.75
21 銚子市 57,533 103 105 2 6.08
22 鴨川市 31,554 69 70 1 5.55
23 旭市 63,507 142 144 2 5.51
24 八街市 66,430 516 518 2 5.27
25 匝瑳市 34,427 87 88 1 5.08
26 印西市 103,677 573 576 3 5.06
27 野田市 152,227 855 859 4 4.60
28 館山市 44,692 69 70 1 3.92
29 四街道市 93,233 531 533 2 3.75
30 白井市 61,673 383 384 1 2.84
31 我孫子市 130,290 795 797 2 2.69
32 流山市 200,298 1,171 1,174 3 2.62
33 香取市 71,391 181 182 1 2.45
34 大網白里市 47,722 138 138 0 0.00
35 いすみ市 35,570 86 86 0 0.00
36 南房総市 35,454 72 72 0 0.00
 この表に示すように君津市以外の4市はステージWとなる25人以上となっており、蔓延防止等重点措置の指定はやむを得ないものと思う。来月11日までの期間中は今まで以上に自粛レベルを高めなければと考える。なお、データからは八千代市の解除は早いように感じるし、成田市・富里市・佐倉市といった空港に近接する市も警戒レベルを高めておくことがよさそうである。
 
 内房の5市が感染拡大を牽引する房総半島26市町村では13日から昨日までのわずか4日間で130人の新規感染者が確認されており、そのうち113人が内房の5市で比率は86.9%に達していた。
市名 感染者数 町村名 感染者数
1 館山市 69→70 +1 1 九十九里町 39→40 +1
2 木更津市 599→633 +34 2 芝山町 40→40
3 茂原市 248→252 +4 3 横芝光町 43→43
4 東金市 195→198 +3 4 一宮町 25→25
5 勝浦市 48→49 +1 5 睦沢町 16→16
6 市原市 1204→1260 +56 6 長生村 34→34
7 鴨川市 69→70 +1 7 白子町 21→22 +1
8 君津市 225→231 +6 8 長柄町 13→13
9 富津市 105→112 +7 9 長南町 43→44 +1
10 袖ケ浦市 244→254 +10 10 大多喜町 11→13 +2
11 南房総市 72→72 11 御宿町 17→17
12 山武市 177→179 +2 12 鋸南町 29→29
13 いすみ市 86→86
14 大網白里市 138→138
市計 3479→3604 +125 町村計 331→336 +5
房総半島合計 3810→3940 +130
 房総半島では一日当たり32.50人、人口10万人当たり一週間感染者数換算では20.35となりステージVの状況の中でも更に数値は悪化している。
 累計感染者数をグラフにすると下図のように3500人を越える頃からグラフが急になってきたことが読みとれるようになってきた。
 
 
 木更津市でも今月に入ってからのグラフは急激に増えている。年齢区分別のグラフで示すと下図の通りである。
 
 
 特に20代の増加が顕著であり、そのグラフは次の通りである。
 
 
 木更津市でも65歳以上の接種が程度進んだら60歳以上65歳未満へ接種券を送り、その次にはこの若い世代への接種を始める計画となったことは先日記載したとおりである。
 
 14日から3日間のワクチンの接種状況について、医療従事者の数を今月14日の第1回目の接種人数で固定するなど、新しい接種計画に基づき計算してみると下表のように成った。
6月17日17時時点
区分 人数 1回数 2回数 1回率 2回率
1 医療従事者 5,187 5,245 4,212 101.1% 81.2%
2 65歳以上高齢者 39,816 17,395 3,475 43.7% 8.7%
3 基礎疾患を有する者 11,155 0 0 0.0% 0.0%
4 高齢者施設従事者 2,177 1,105 484 50.8% 22.2%
5 上記以外の12歳以上 64,079 6 0 0.0% 0.0%
8 12歳未満の者 13,620 - - - -
市の接種対象者数計 117,227 18,506 3,959 15.8% 3.4%
市の総人口 136,034 18,506 3,959 13.6% 2.9%
6月14日17時時点
区分 人数 1回数 2回数 1回率 2回率
1 医療従事者 5,187 5,187 3,902 100.0% 75.2%
2 65歳以上高齢者 39,816 16,497 2,631 41.4% 6.6%
3 基礎疾患を有する者 11,155 0 0 0.0% 0.0%
4 高齢者施設従事者 2,177 953 462 43.8% 21.2%
5 上記以外の12歳以上 64,079 0 0 0.0% 0.0%
8 12歳未満の者 13,620 - - - -
市の接種対象者数計 117,227 17,450 3,093 14.9% 2.6%
市の総人口 136,034 17,450 3,093 12.8% 2.3%
増減
区分 人数 1回数 2回数 1回率 2回率
2 65歳以上高齢者 39,816 898 844 2.3% 2.1%
3 基礎疾患を有する者 11,155 0 0 0.0% 0.0%
4 高齢者施設従事者 2,177 152 22 7.0% 1.0%
5 上記以外の12歳以上 64,079 6 0 0.0% 0.0%
市の接種対象者数計 117,227 1,056 866 0.9% 0.7%
 高齢者のうち1回でも接種した者が43.7%、2回目も8.7%に達してきた。14日から昨日までは全て平日であり、集団接種も1日しか行われていないため個別接種を中心に1922回が接種され、一日当たりの接種回数は前回より少ない641回に留まったが、今週末も集団接種と休日中の病院で大規模接種を行うことで大幅に増えてくることが期待される。
 
 ともあれ来週から蔓延防止等重点措置の指定を受ける。
 その中で6月定例議会の最終日を迎え、オリンピックにむけた事前キャンプを張るナイジェリア連邦共和国選手団を迎え入れる。再延長が無く11日で解除された場合は、その12日後に開会式が行われ、大会が終わる頃に次の波のピークが来ることに成るのであろうか。パラリンピック開幕式の頃はどうなっているのだろうかと、わずか二ヶ月先のことも見通せない状況である。
 
 少しだけ気が楽なのは、木更津周辺以外は良い方向に向かっている事なので、多分一週間以内にこの辺でも収束する気配を見せるだろう。それでも夏の多くのイベントは今年も中止が決まっている。富津市でも今年も海水浴場を開設しないことを決めたようだが、子どもたちにとっては羽を広げて遊べない夏がまた来たことになり、可哀想にも思う。京都までとは言わないが、泊まりの修学旅行には行かせてあげたいものだと願っている。
 
 ワクチン接種の進展で一時期は感染が収束した英国では再度感染者が増えているようで、集団免疫を確保されると言う70%を越すまでは油断できないことを示している。
 その値には年末までに達して、穏やかな正月が迎えられることを願いながら今回の記事を取りまとめた。