内房総AFを観る | |||||||||||||||||||||||||||||||||
2024/03/24記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
2014年3月21日から5月11日にかけて市原市で「いちはらアートミックス」が開催された。私も4月13日に見学し、凄いイベントであることを実感するとともに3億5千万円という巨額の予算に驚かされたものである。その後も基本的には3年間隔での開催を原則として2017年も4月8日から5月14日まで開催したが、2020年は新型コロナウィルスの蔓延で先送りされ3回目は2021年11月19日から12月26日での開催となった。 私も娘を連れて3回目の最終日を観てきたが、その回は熊谷千葉県知事や音楽家の小林武史さんも観ていたようで、知事はこれを県全体の事業にしたいと考えたようだ。幸か不幸か解らぬが、千葉県成立150周年という記念の年でもありイベントを行うのには相応しい状況であり「百年後芸術祭」が誕生したようである。 小林武史さんもアートと音楽の融合で何か楽しいことが出来ると考え熊谷知事と意見交換が行われ、今回の「内房総アートフェス」の総合プロデューサーに就任している。 矢那のKURKKU FIELDSは基本的に芸術と農業の融合などを目指して小林武史さんが中心となり運営しているので、当然のように木更津市も主体的に参加することとなり、「百年後芸術祭」が千葉県全体のイベントでありながら市原と木更津を含む内房総の5市で行う「内房総アートフェス」が全体を牽引するような形になっているように感じられる。 木更津市では経済部観光振興課が本事業を所管しており、議会には令和4年12月8日に「内房総アートフェス」の基本計画骨子が、令和5年9月7日に開催概要が建設経済常任委員会協議会に示されている。開催概要によると昨年の9月30日から今年の5月5日を<イベント・パフォーマンス期間>、3月23日から5月26日を<アート作品展示期間>として位置付けており、昨日は後者の開所式が行われたという次第である。なお前者の期間中では木更津市でも昨年11月5日の17時からKURKKU FIELDSでドローンを使った"en Live Art Performance"が開催され、娘連れで見学させていただいている。 予算の上では商工費の観光費として実行委員会に下記の予算を拠出している。県や他市の負担状況は事業の決算を観て確認したいと思う。なお、市原市が2021年に開催するため、2019年から2021年の3年間に支出された補助金の累計額は5億15百万円で補助金等を除いた一般会計からの持ち出しが3億61百万円と聞いていたので、それに比べれば安く収まっていたと感じるか、その金額を困っている市民のために使うべきだと考えるのは価値観の衝突となる。木更津市議会は予算を承認しているのである。 |
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昨日の開所式は雨の降る中、木更津駅からのシャトルバスに乗るため東口に行くと受付場所には既に増田セバスチャン氏の芸術作品が多数展示されていた。9時から木更津市が所有すの学び支援バスでKURKKU FIELDSに移動する。 10時から開所式が行われ、司会は「内房総アートフェス」のアートディレクターであり「いちはらアートミックス」や新潟県十日町市の「大地の芸術祭」等での実績も多い北川フラム氏が務め、総合プロデューサーの小林武史さん、熊谷知事と5市の市長、芸術家の皆様が揃う中で開催され、テープカットの後には希望者によるオープニングツアーに参加した。市原市や君津市の議員や多くの関係者とともに11時に出発して袖ケ浦市の袖ケ浦公園、市原市の旧里美小学校、君津市の八重原公民館、富津市の富津公民館などを見学して回り、16時にKURKKU FIELDSへ帰ってきた。以下はそれらの一部を写真で紹介する。 |
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最初の写真群は木更津駅とKURKKU FIELDSである。東口はこの作品だけで西口に3作品が点在し個別鑑賞料金は300円必要で、4箇所を観るのであれば500円の料金が設定されている。同様にKURKKU
FIELDSには13の作品でエリア鑑賞料金800円と成っているが「内房総アートフェス」開催以前に設置されていた作品も多い。他にもアクアラインの近くに1つで何処からも観られるので鑑賞料金の設定が解らない1作品と合わせ、合計18作品が木更津市内にはある。KURKKU
FIELDSでは右中段の草間弥生さんの新作品などが今後も常設で残るようなので、イベント終了後も今以上に芸術性の高い空間に成っていくだろう。 |
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次の写真群は袖ケ浦と市原である。袖ケ浦市は袖ケ浦公園周辺に4作品があり全て個別鑑賞料金の300円が設定されている。市原市は流石に数が多く、内田未来楽校エリアに2作品でエリア鑑賞料金300円、牛久駅エリアに7作品でエリア鑑賞料金800円、湖畔美術館エリアに10作品で入館料1000円、旧三平小学校エリアに7作品でエリア鑑賞料金800円、月崎・田淵エリアは3作品が点在し一つだけ個別鑑賞料金の300円が設定され他にはパフォーマンスイベントが1箇所(2日開催当日券2500円)、月出工舎エリアに14作品でエリア鑑賞料金800円、上総牛久駅以南の小湊鐵道沿線の駅舎6作品で展示物は無料で2つのイベントが行われる。そして我々が立ち寄った旧里美小学校エリアに6作品と2企画が設けられエリア鑑賞料金300円が設定されている。市原市内の展示等の合計は60となり5市全体の90に対し2/3を占めている。しかしながら過去に作られた作品も多く、上写真の右下の遊具のような作品は3年前に旧白鳥小学校に設置されて娘が遊んでいたものであり、今回移設されたものである。 オープニングツアーの参加者はここで大きな豚肉と隠し味にピーナッツペーストの入ったカレーライスを2階で給食を提供されるようにしていただいた。体育館を利用した工場を模したデザインには感心したが1階の売店も「EAT&ART TARO」として60作品等の一つと数えているのは水増しのように感じるのは私だけだろうか。開所式の日に間に合わず全力で製作途中の状況も見られたことは楽しかったがエリア鑑賞券を購入しながら完成した作品を見ることが出来なかった人たちはどの様に感じるのだろうか。でも多くは途中の段階でも楽しんでくれる人たちが来るイベントだと想像する。 |
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最後の写真群は君津市と富津市、KURKKU FIELDSに戻って最後に観た地中図書館に飾られている作品である。君津市には八重原公民館周辺に3作品と1イベントで個別鑑賞料金が300円、エリア鑑賞料金が500円と設定されている。同様に富津市も富津公民館周辺に4作品で個別鑑賞料金が300円、エリア鑑賞料金が500円であった。君津市では話を作りながら絵を描いていくアート作品を体験し、富津市では数多くのエピソードを読んで回り富津の歴史を追体験するような作品に出会うなど個性的な体験をすることが出来たが、芸術の範囲の広さには戸惑うばかりである。 なお、市原市も八幡宿・五井・姉ヶ崎等の都市部には作品がないが、君津と富津は人口が希釈である両市の南部地域に作品がない状況である。内房総アートフェスのレガシーを残すので有れば亀山湖畔や富津岬などの景勝地に作品があるべきだと思うし、石材を使ってアートを展開する民間美術館のある金谷地区が入らないことも不自然であると考える。 ともあれ、5市の作品集を公式ガイドブックから数え上げて個人的に判断して整理すると次の通りである。 |
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他にもかずさ四市の会場で6日間ほど「通底縁劇・通底音劇」と題した小林武史さんの率いるライブパフォーマンスが開催され、市原市では6箇所のエリアで期間中に連携イベントも開催される。 展示作品数が18と多い木更津市もKURKKU FIELDSの13作品を除けば5作品だけであり、市原市の取組にかずさ四市がお付き合いしているような数字と読める。降って湧いたような話しに対して各自治体の意見が分かれ、実行委員会は順調に進まなかったという話しも聞こえているし、担当していた職員の中には体調を悪くして移動したものもいたようだ。難産だった企画だろう。 ともあれ「内房総アートフェス」は進んでおり、予定では5月5日まで<イベント・パフォーマンス期間>で、5月26日までは<アート作品展示期間>である。市が負担した資金が有効に活用されているか監視することとともに、せっかくの芸術作品群で目と心に栄養を与えるため、何回かは会場を回らねばと思いながら記録を整理した次第である。 |