議場の皆様こんにちは。会派羅針盤の近藤です。
先ずはコロナウイルス感染症と日々闘っておられます医療関係者の皆様に感謝を捧げると共にワクチン接種を進めている関係者の皆様にも敬意を捧げます。また東京オリンピック・パラリンピックでナイジェリア連邦共和国選手団の事前キャンプを運営されました木更津市陸上競技連盟やスポーツコミッションを始めとするボランティアの方々、市役所職員及び関係者の皆様にも感謝申し上げます。
前回、この質問席に登壇したのは改選前の平成30年12月議会でしたから2年9ヶ月ぶりの質問となります。感染症対策で与えられている時間が通常より短い50分となりましたので、時間短縮のため数値については事前に調べて準備してまいりました。それでは9枚の配布資料を使用し、羅針盤議員団を代表して、通告に従い大綱を1点に絞り質問を開始いたします。目には優しくない資料が続きますが最後まで宜しくお願いいたします。
それでは大綱1「木更津市の人口施策について」質問いたします。日本国では人口減少を迎えておりますが木更津市では平成17年以降、16年間にわたって人口の増加が続いています。確かに人口は伸びているのですが今回の国勢調査の速報結果と平成28年に木更津市が発表した「木更津市人口ビジョン」及び平成30年に国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の地域別将来推計人口」を比較してみた結果、配布資料1に示すように、その誤差は1%以内に留まっていますが各種の推計より人口の伸びが少なく、基本構想に示す14万人の到達を見ることなく減少に転じるのではないかと私は危惧しております。行政を持続させるには人口と経済に支えられた税収が重要であり、人口施策を論じることは住みたい街・暮らしたい街を目指すことにつながり議会の重要な責務と考えます。配布資料2をご覧ください。これは平成元年以降の人口推移を出生と死亡による自然要因と転入転出による社会要因に分類して整理したものです。自然要因では市の人口が増加しているにも関わらず出生は増加していないこと、高齢化の進展により死亡者数は毎年確実に増加していることが解ります。
そこで、中項目1点目として「自然増への施策」について質問いたします。健康寿命を延ばす取組は行われてはおりますが急激な寿命の延長が望めないことから死亡者の抑制は難しことで、市は出生を阻害する要因を除去し両親が希望する子供の数まで産める環境を整える施策を行うべきと考えます。因みに「木更津市人口ビジョン」では理想の子供の数は2.3人でありながら実際には1.6人であることが示されています。配布資料3をご覧ください。木更津市では2016年に合計特殊出生率が当時の千葉県で最高となる1.60を記録しましたがその後は低下傾向にあります。参考に流山市と浦安市も記載していますが、この両市は2004年までは同様の傾向を示していましたが、その後子育て施策に力を入れた流山市は合計特殊出生率を高め2018年には木更津市より0.21ポイントも高い県下最高値となる1.67を袖ケ浦市と共に記録しました。流山市では2010年に17園1789名であった保育の規模を2019年には77園6051名に拡大し保育園に送迎しなくても駅前で預けることの出来る送迎所を設け、小学校低学年では放課後も預かるプログラムを作るなどの施策をとり子育て世代の転入が増えるとともに第2子・第3子の出生が増えていきました。これは施策によって住民の人生まで変わる事例だと思います。
そこで小項目1点目として「出生率向上の取組」についてお聞きします。本市でも合計特殊出生率を向上させることは目標に掲げられておりますが、現実は減少傾向にあります。流山市のように政策が成功している自治体がある中、本市としては出生率の低下原因をどの様に把握し、向上のためにどの様に取り組む考えなのか伺います。
次に小項目2点目として「保育行政の充実策」についてお聞きします。6月議会で本市の令和3年度当初の待機児童数は100人と示されましたが確定値は90人となりました。県内の状況を調べると配布資料4に示すように本市は待機児童数が県下最多です。これは出生の阻害要因というだけでなく転入の抑制となり女性の社会進出も妨げております。木更津市では前年より28人待機児童が増えてしまいましたが保育施設については近年も認可保育園の開設などが続き、保育園の定数は2014年の1465人から2021年には2050人となり7年間で40%も増加しました。その結果、配布資料5に示すように例年増加していた年度末での待機児童数も平成29年度以降は抑制され年間を通じると深刻な事態からは脱却しているように思われます。しかし幼稚園より保育園を希望する家庭が増える中、今後も保育需要の高まりが予想され、新規保育園の開設を続けることで解消を図るだけでは難しいと思いますが今後の保育行政の充実策について説明願います。
小項目3点目として「公費負担の軽減策」についてお聞きします。急速な少子化対策として子育てのコストは地域全体で担うという考えに立ち第2子以降の公費負担を軽減する施策を今まで以上に拡張すべきと思います。保育料や給食費等については今まで多くの議員が質問を行ってまいりましたが、その後の検討を進める中で、何らかの対応は可能となったのか、お伺いします。
次に中項目2点目として「社会増への施策」について質問いたします。再び配布資料1をご覧ください。死亡者が出生者を上回る自然減の中で本市の人口増加は転入が転出を大きく上回るという社会増に支えられて参りました。アクアラインバス品川線が開通した2006年に大きく減少した転出者数が近年は再び増加傾向を示しています。配布資料6をご覧ください。これはコロナが流行り始めた昨年3月1日からの1年間で県内の市の人口がどの様に推移したのか調べたものです。実数では流山市、増加率では印西市が最大であり、木更津市と袖ケ浦市も健闘はしておりますが君津市と富津市は人口が減少しております。自然増が期待できない以上、社会増を促す施策は非常に重要です。
そこで小項目1点目として「移住定住の促進策」についてお聞きします。リモートワークが拡大される中、移住先としてかずさ四市が注目されている旨の報道も多く目にしましたがこの1年間の人口推移を見ると顕著な効果は見えておりません。移住を促す有効な広告戦略と魅力的な街づくりが必要だと思います。特に本年はポルシェの開業やコストコ本社移転などイメージ向上に寄与する出来事が続き本市は多くの注目を集めることと思います。本市の移住定住の促進策をご説明願います。
次に小項目2点目として「産業用地の拡充策」についてお聞きします。本市に選択できる職場が多ければ転入が増加し転出は減少します。しかしながらアカデミアパークには販売可能な企業用地が2区画を残すのみとなっており産業誘致を行う土地が有りません。今後の産業用地の拡充について、どの様に取り組まれているのか伺います。
小項目3点目に「外国人材の支援策」についてお聞きします。社会増には住民基本台帳に登録された外国籍の住民の増加も視野に入れる必要があります。コロナウイルスの影響で海外との交流は止まっておりますが介護人材等で外国人材の需要は根強く、配布資料7に示すように木更津市における外国人登録者の総数及び比率はコロナ下でも増加を続け、10年間で1.7倍になり今後も増加しつづけると思われます。一方、アジアでは日本だけでなく韓国・台湾などでも少子化が進んでおり国内だけでなく国際的に人材争奪戦を迎えております。本市はベトナムのダナン市やフィリピンのビスリグ市と友好都市を締結した強みが有りますが更成る結びつきの強化を目指し先方の諸都市と人事交流を行ってはどうでしょうか。外国人にとっては人権等の相談を行える窓口が出来ますし、地域社会への融和を促す施策を講じることで相互不信や市民の不安も物色できます。外国人の労働力がなければ都市を維持できない以上、積極的な支援に乗り出すことで友好都市からの人材確保を促進するべきと思いますが本市の今後の支援策についてお伺いします。
最後に中項目3点目として「地域偏在の解消」について質問いたします。木更津市全体で捉えると人口増加が続いておりますが、多くの地区では人口が減少しており、地域の活力維持や伝統文化継承のためには地域偏在の解消が望まれます。配布資料8をご覧ください。これは木更津市の平成元年以降の地区別人口を整理したものでグラフはアクアライン開通の平成9年を基準に、それからの増減を示したものです。近年の区画整理で住宅供給が行われた地域では人口が増加しておりますが、それ以外の地区はアクアラインの恩恵も少なく人口減少が止まらないことが解ります。特に岩根地区と富来田地区では約2千人、鎌足地区と中郷地区では約千人減少しております。これらの地区でアクアライン開通当時の人口を維持できていれば本市の人口は約6千人多い状況で推移して既に14万都市になっていたことが想像されます。
そこで小項目1点目として「空き家対策の展開」についてお聞きします。市街化調整区域の農地が転用されて宅地供給が続いている岩根地区で人口が減少しており人口急増の羽鳥野を擁する波岡地区でも人口増加が鈍化している理由を考えると既存市街の住宅から居住者が減少したり空き家に成ったりしているためと思われます。管理不十分な空き家は近隣住民の環境悪化を招き既成市街地からの人口減少はインフラの維持コストの増加になります。そこで伺いますが今までの空き家対策の取り組み実績と今後の更なる制度の利用促進に向けた展開についてご説明願います。
次に小項目2点目として「郊外部の居住促進」についてお聞きします。現在の木更津市では請西や金田の区画整理によって供給された宅地も多く本市への移住を希望する方々に十分供給できる状況ですが、これらに継ぐ大規模な住宅供給の予定が有りません。また郊外部では田舎暮らしを始めたい方への物件供給が不十分で希望があっても人口増加に結び付けることができない状況です。都会に最も近い田舎をコンセプトにする本市に移住しようと考える方々に居住地を供給し、特に学校の維持が課題となっている中郷や鎌足地区で人口増加を図れるよう地区計画制度を利用した街づくりに積極的に行政が協力し、民間の協力も得た開発も進めるべきだと思います。今後の郊外部における居住促進についてご説明願います。
最後に小項目3点目として「移住定住の広域化」についてお聞きします。配布資料9をご覧ください。これは「かずさ四市」での通勤通学の状況を整理したもので全通勤通学者の8割近くが四市の内側で収まっていることが解ります。先ほど木更津市内には産業用地が不足していることを示しましたが近隣市への企業誘致が進むことで本市の市民に職場の選択肢が増えることになりますし、新たに進出した企業の従業員は行政界を超え本市に居住することも予測されます。また近年では君津市と富津市の人口減少が続き、かずさ地域内の行政間での偏在も顕著になっています。君津市は最大10万円の移住者助成金を設け、富津市も結婚した移住者に最大60万円の助成制度を設けるなど様々に移住定住施策に取り組んでいます。近隣市の人口減少は水道事業等の広域行政で木更津市の負担増につながる懸念がありますのでお互いに奪い合うのではなく一致団結して対岸からの誘導を目指すべきと考えます。そこで、移住定住政策や企業誘致施策については地域生活圏全体の重要な課題としてとらえ、広域化を行うことで取組の強化を目指すべきと考えますが如何でしょうか。
以上で第一質問を終了いたします。
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