人口施策及び財政課題について (令和6年 9月定例議会)
 議場の皆様おはようございます。会派羅針盤の近藤です。
 今回も大量の資料を使用し、羅針盤議員団を代表して大綱2点の質問を始めさせて頂きます。
 それでは大綱1「人口施策について」質問します。この質問については3年前の代表質問の続編と成ります。2期生以上の議員の方と執行部の一部の方には繰り返しに聞こえる部分も有るかと思いますがご容赦ください。まず配布資料1をご覧ください。これは平成28年に本市が発表した「木更津市人口ビジョン」及び平成30年に国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の地域別将来推計人口」と常住人口を比較した表です。木更津市は平成17年以降、19年間に渡って人口の増加が続いておりますが推計値と現状の乖離が広がっており、現状のままでは基本構想に示す14万人台に到達せず、減少に転じるように思われます。行政の持続には人口と経済に支えられた税収と活力が重要であり、人口施策を論じることは住みたい街、暮らしたい街を目指すことにつながり、議会の重要な責務と考えます。
 先ずは、中項目1点目として「人口増への対策」について質問いたします。配布資料2をご覧ください。これは平成元年以降の人口推移を出生と死亡による自然要因と転入と転出による社会要因に分類して整理したものです。自然要因を分析すると、出生は減少傾向で2023年には初めて900人を下回る887人と成り、死亡は1989年と比較して2023年は2.7倍となった1702人まで増加しており、自然減の値は815人に達しました。社会要因では転入が転出を大きく上回る状況が17年間続いており2023年は1124人の転入超過であり、自然減の値を何とか上回ることで本市の人口は309人の増となりました。しかしながら近年は死亡者数の増加が著しく、その増加要因が気に成ります。
 そこで小項目1点目として死亡者増加の原因についてお聞きします。高齢者の増加により死亡者数も増加することは仕方のない事ですが、2022年以降の数値が急激に増えた理由が分析できません。自殺や事故などで高齢者以外の死亡が増加しているのであればその対策が急務と成ります。本市の死亡者の内訳比率と、他の自治体と比べて特異点があれば報告願います。
 小項目の2として出生率向上の対策についてお聞きします。配布資料3をご覧ください。本市は2016年に合計特殊出生率が千葉県最高の1.60を記録し、その後も全国平均を上回っていますが低下傾向にあります。資料は参考に流山市と浦安市も記載しておりますが、この両市は2004年までは同様の傾向を示していましたが、子育て施策に力を入れた流山市は出生率が上がり、浦安市は低下の一途を辿るなど明暗が分かれております。 これは行政の施策が数値に現れた事例であり、3年前は本市の対策として『出生率の向上のため、市民の不安の解消や経済的負担を軽減することが重要』という答弁でしたが、数値には十分な効果が出なかったようです。改めて今後の対策を確認します。
 小項目3点目として保育行政の充実策についてお聞きします。配布資料4をご覧ください。2021年に待機児童数が県下最多の90人となり、子育て世代の転入を抑制するのではと危惧されましたが、その後に施設の充実で保育定員が増加致しております。配布資料5をご覧ください。施設が充実し年間を通じて待機児童数の増加が抑制されるなど、一定の効果が発揮されたと安堵しておりましたが、本年度から保育士の配置基準が見直され、令和8年度からは「こども誰でも通園制度」が予定されるなど、再び保育士が不足する懸念が生じます。今後の保育行政の充実策について説明願います。
 小項目4点目として公園児童館の整備についてお聞きします。子どもの遊べる大型遊具のある公園、雨の日にも子どもを遊ばせられる児童館の設置など、子育て世代を誘導する施策は数多くあります。太田山公園の再整備や市街化調整区域での開発行為が進むエリアでの公園整備、図書館機能を吾妻の文化芸術施設へ移転後に現在の図書館の活用など、公園や児童館の整備が望まれますが、今後の具体的な計画があればご説明願います。
 小項目5点目として移住定住の促進策についてお聞きします。配布資料6をご覧ください。これは令和になった5年間での県内市の人口を比べたものです。コロナを挟んでも流山市は絶好調であり本市と袖ケ浦市も健闘しております。君津市と富津市は大きく人口を減らしましたが、最も人口減少が大きい市が市原というのは意外でした。少子化で自然増が期待できないため社会増を促す施策は重要です。移住定住を促進するため住宅の供給や職場の提供などが重要ですが本市の促進策をご説明願います。
 小項目6点目として産業用地の供給策についてお聞きします。民間企業に造成と販売を委託し産業用地を供給する手法が試みられました。区画整理に比べ許認可の手間が少なく事業が速いというメリットが有りますが、残念ながら条件が整わず、昨年度中に事業化には至りませんでした。その後に制度の見直しなどが行われたと聞きますが供給策の進行状況は如何でしょうか。
 小項目7点目として外国人材の支援策についてお聞きします。配布資料7をご覧ください。本市における外国人登録者数は増加が続き、本年の7月現在で住民基本台帳には60の国から3,322人が登録されています。しかし円安が進み日本の魅力が薄れており、人材確保を促進するための補助政策を除いて考えると、本市が住みやすい都市であると評判になることが効果的だと思われます。居住環境の支援策についてご説明願います。
 次に、中項目2点目として「地域偏在の解消」について質問いたします。配布資料8をご覧ください。これは木更津市の平成元年以降の地区別人口を整理したものでグラフはアクアラインが開通した平成9年を100%として、その後の比率を図示したものです。 木更津市全体で捉えると人口増加が続いておりますが、市内8地区の半分で人口が減少し、特に鎌足・中郷・富来田の3地区ではアクアライン効果が及ばず3割ほど人口が減少しました。人口減であった金田地区は区画整理でアクアライン効果を受け止め平成24年以降は急激に人口を増加させています。同様に岩根地区でも令和元年以降に人口増加に転じました。岩根では市街化調整区域の開発行為により多くの住宅供給がなされたためであると考えます。
 そこで、小項目1点目として調整区域での開発についてお聞きします。配布資料9をご覧ください。岩根や長須賀、金田地区で市街化調整区域の宅地開発が続き、資料に示す様に12年間で千区画を超える宅地が供給されています。水路や道路などの課題も発生していますが人口の増加には寄与しております。この様な開発を中郷など人口減少に悩む地区にも誘導すべきと3年前に質問しましたが需要は偏ったままであり、過剰な開発は地域で摩擦も生じています。地域が求める場所へ施策誘導を検討すべきと思いますが如何でしょうか。
 小項目2点目として空き家対策の展開についてお聞きします。人口減少が進む地区には空き家が点在しており、その活用を提案させていただいたところ、空家バンク制度の創設や空家リフォーム助成事業の活用により利用者が生じているようです。近年の利用実績と市街化調整区域での人口増加に寄与した効果をご説明願います。
 小項目3点目として農村部の居住促進についてお聞きします。本市は都会に最も近い田舎をコンセプトにしていますが、中郷や鎌足、富来田の農村部では基本的に開発行為が認められず、切り札であった地区計画制度を利用するものも現れてこない状況が続いています。農業の担い手も減少する中、行政が農家住宅を供給する施策を検討する時期を迎えているように思います。農村部における居住促進についてご説明願います。
 
 次に、大綱2「財政課題について」質問します。多くのインフラや公共施設が老朽化して修繕または更新の時期を迎える中で、駅前庁舎及び吾妻の文化芸術施設の建設が令和10年に重なることで本市の財政状況は逼迫し、一時的には苦境に立つことが予見されています。庁舎等整備特別委員会の中で示された中期財政計画では基金等が減少するものの財政運営には支障がない事が示されました。その前提として本来なら令和10年までに実施が予定されていた改修や改築などが先送りに成ったものと想像されます。これに際して各種の計画との乖離や課題を確認いたします。
 まずは、中項目1点目として「財政計画の課題」について質問いたします。配布資料10をご覧ください。中期財政計画は駅前庁舎が自前の建築物となった昨年12月に修正され令和9年度までを計画期間としています。策定時に今年度予算は512億63百万円の計画でしたが、実際には520億2百万円となり7億39百万円の増額となりました。昨年度の歳出は547億77百万円で見込んでいたところ今議会に上程された決算では544億88百万円で2億89百万円の減額となりました。
 そこで、小項目1点目として今年度予算の評価についてお聞きします。人件費は計画より1億53百万円増加となりました。地域手当など各種手当の増加が要因と推察されますが、働き方改革なども有り人件費は高止まりが続くものと思います。システムの導入などで職員数が減っているようにも思えません。同様に扶助費も2億2百万円増加となり、これは障害児通所支援と障害者自立支援の両事業で昨年度の約32億円から約36億円に急拡大したことが主な要因だと思いますが、サービス水準を下げる議論が難しい事業なので、これも高止まりが続くと推察されます。中期財政計画と今年度予算との乖離をどの様に評価するのか伺います。
 小項目2点目として前年度決算の評価についてお聞きします。中期財政計画で前年度の計画額は9月補正値を使用していますので決算との差は誤差の程度に思えますが、私が気になる点は扶助費が一気に18億21百万円も増加していることです。決算審査があるので細部は聞きませんが財政計画を前提にどの様に評価するか伺います。
 小項目3点目として長期的課題の明示についてお聞きします。現在は為替が前例を見ない円安に振れているので輸入品を中心に物価が高騰しております。この傾向が続くとは思えませんが建設業界でも働き方改革の影響で労務単価は確実に上昇し吾妻の文化芸術施設や駅前庁舎の建設費は、現在想定より高額になると想定しております。他にも小中学校施設長寿命化改修事業や富士見通り歩道改良事業、富来田分署建設事業など、多額な事業費を必要とする事業が進められ、今後も金田小中学校整備事業、火葬場周辺市道整備事業、街なか居住マンション建設事業補助、中野畑沢線(桜井工区)整備事業が見込まれ、更には広域事業として取り組んでいる第2期君津地域広域廃棄物処理事業や公設卸売市場の再整備、中野畑沢線(貝渕工区)の用地買収や新たな給食センターの整備などが見込まれる中、令和11年に水道料金の四市統合が行われ、今回料金改定が為されなかった本市は40%前後の急激な値上がりが想定されます。激変緩和措置を講じるとすると数億円の負担が必要と成るなど令和10年度危機をクリアした先にも棘の道が続き苦しい財政運営が想定されますので次回の中期財政計画は計画年度を伸ばし長期的課題を明確にすべきと思いますが如何でしょうか。
 次に、中項目2点目として「各種計画の現状」について質問いたします。これまでにご説明を頂いている各種計画も歳出の平準化のために執行の見直しを余儀なくされている事が予想されますので事業規模の多い3つの計画の現状を確認します。
 小項目1点目として橋梁等の長寿命化についてお聞きします。都市整備部が所管する橋梁長寿命化修繕計画改定版は令和2年度に策定され、近年は予算が減少しているように感じられます。舗装や下水道などの長寿命化計画も遅延して、インフラの維持管理が適正なのかという危惧を感じていますが、計画の執行状況を報告願います。
 小項目2点目として公共施設の再配置についてお聞きします。資産管理部が所管する公共施設再配置計画第2期実行プランは令和4年度〜令和8年度を計画期間とするものですが、駅前新庁舎の自前建設への方針変更や吾妻の文化芸術施設計画が反映され本年3月に見直され、昨年度は8課58施設分の個別施設計画の策定に関した整理も行われました。再配置計画については近年の建設費高騰を前提にすると市が所有すべき施設総量まで再検討すべきですが、今後はどのように進めるのか説明願います。
 小項目3点目として基本計画の見直しについてお聞きします。企画部が所管する第3次基本計画は令和5年度〜令和8年度の範囲で、基本計画に位置付けられていることが予算の前提なるように根本的な計画ですが、物価高や庁舎建設計画の変更で計画に織り込まれながら期間中に実施できない事業も増加しており見直しを余儀なくされていると思われます。基本計画について今後どの様に見直し作業を進めるのか説明願います。
 以上で第一質問を終了いたします。
 
  
 市当局の回答
 ※意味が変わらない範囲で部分的に言い換えたり省略をしています。
 
<渡辺市長>
 議場の皆様、おはようございます。羅針盤 代表 近藤 忍 議員のご質問にご答弁申し上げます。私からは、大綱1「人口施策について」、中項目1「人口増への対策」についてお答えいたします。
 はじめに「死亡者増加の原因」についてでございますが、近年における本市の死亡者の内訳比率は、令和4年千葉県衛生統計年報によると「悪性新生物」いわゆる「癌」が最も高く全体の25.2%、「心疾患」が15.8%、「老衰」が10.5%、「脳血管疾患」が6.8%、「肺炎」が6.2%でございます。他の自治体と比べての特異点でございますが、千葉県や千葉市、近隣3市と比較をした結果、内訳比率の高い順やその割合も相違のない結果でございます。
 次に「出生率向上の対策」についてでございますが、議員おっしゃるとおり本市の合計特殊出生率については、出生数とともに緩やかに低下の傾向にございます。しかしながら、本市の合計特殊出生率は1.4以上で推移しており、県内において常に高い水準を保っているものと認識しております。出生率の低下については全国的にも多岐にわたる要因が関与していると言われますが、本市においても例外ではなく、結婚年齢の上昇、未婚率の増加などの社会的要因や物価高や賃金の停滞により、結婚や子育てに対する経済的な負担が大きくなっている経済的要因、若者の価値観の多様化により、結婚や子育てを人生の主要な目的としない人が増えてきているなど様々な要因が複合的に作用して、出生率の伸び悩みにつながっております。出生率向上のためには、市民が子どもを安心して産み育てることができるよう結婚・妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行うことが必要であることから、結婚に伴う新生活への支援や妊娠期から出産後までの相談支援、出産・子育て応援給付金による経済的支援など子育て世帯への継続的支援を行うとともに新たな取組について再度整理し、今後も出生率向上のため、出来うる限りの支援を行なってまいります。
 次に「保育行政の充実策」についてでございますが、本市の待機児童数は、新規保育施設の開所、市立保育園の民営化等により、令和3年4月の90人から、令和6年4月は7人と、大幅に減少しておりますが、待機児童の解消には至っておりません。本年度、児童の安全確保及び保育の質の向上を図るための配置基準の改正が行われたところであり、各保育施設においては基準を満たす人数の保育士を配置することが求められております。また令和8年度から「こども誰でも通園制度」の運用が開始される予定となっておりますが、実施に際して新たに保育士を確保しなければならない施設も考えられます。待機児童が解消されていない中での配置基準の見直しや新制度の創設により、保育士の不足が懸念されるところでございますが、給与改善などの保育士の処遇改善策のほか、保育士資格取得を目指す学生に対する修学資金貸付制度により、市内の保育施設に従事する人材確保に努めるなど、引き続き、待機児童の解消、保育環境の整備に取り組んでまいります。
 次に「公園児童館の整備」でございますが、太田山公園の再整備については、様々な世代のニーズを取り込んだ公園となるよう、市民参加型合意形成プラットフォーム「きさらづみなトーク」などを活用しながら、検討を進めているところでございます。「子どもの遊べる大型遊具のある公園」は、子育て世代にとって魅力ある施設の一つであり、今後の整備における検討事項としてまいります。市街化調整区域での開発行為が進むエリアでの公園整備につきましては、民間事業者による公園整備を基本と考えており、開発許可制度の中で法令に基づき、開発面積に応じた公園を整備いただいているところでございます。次に児童館の整備でございますが、雨天時にも利用できる子どもたちの居場所や遊び場としての児童館の設置について子育て世代からのニーズが高いことは認識しております。本市では第3次教育大綱で定めた基本施策の一つであります。文化芸術拠点施設の整備推進と文化財の価値や魅力の創造の活動内容として現図書館については図書館機能移転後、子育て世代の支援をより一層強化するための子育て支援施設を検討するとしております。検討の過程で児童館整備の必要性が出てくることも想定されますが、現段階といたしましては図書館移転後の子育て支援施設としての建物活用の可能性や課題等について、関係部署で協議を始めたところでございます。国が「こども家庭庁」を発足して以来、様々な子育て支援策を打ち出す中、効果的な取組みを実現するためにも、子どもたちや保護者が自由に集えることに加え、子育ての身近な相談から各種支援へと、切れ目なく繋ぐことのできる複合型の施設設置に向け、議論を重ねてまいります。
 次に「移住定住の促進策」についてでございますが、平成29年度から、移住・定住相談窓口を設置するとともに、LINE登録者には、個別の相談者への対応、市の魅力を紹介する動画やイベント等の最新情報を積極的に発信するなど、幅広いサポートを行っております。LINE登録者数につきましては、前回ご質問のございました令和3年8月末時点では233人に対し、本年8月末現在では1,244人に達しており、着実に増加している状況でございます。また、市内各所のデジタルサイネージにおいて、移住・定住動画を放映するとともに、移住された方々の体験談を掲載した移住・定住促進用のパンフレットを作成し、都内で開催されるイベントで配布するなど、民間企業と連携して効果的なPRに努めているところでございます。引き続き、多くの方々に市の魅力を知ってもらうことで、移住・定住へつなげてまいります。
 次に「産業用地の供給策」についてでございます。企業の受け皿となる産業用地の不足につきましては、本市のみならず県全体においても大きな課題となっており、令和2年3月に策定した「木更津市企業誘致方針」に基づき、産業用地の確保に取り組んでいるところでございます。議員ご承知のとおり、木更津北インターチェンジ周辺地区につきましては、企業からの進出要望があるなかで経済発展が期待される地域として、昨年度、産業用地整備の事業化に向け、企画提案を公募いたしましたが、条件面で適合しない部分もあったことから、事業化には至りませんでした。この他、築地地区、かずさアカデミアパークやその周辺地区などにおいても、企業からの相談が寄せられている状況でございます。今後は、これらの企業動向を見極めつつ、募集要領の見直しを含め、いち早く希望に合う産業用地の確保ができるよう、県と連携・調整を図りながら、取り組んでまいります。
 次に「外国人材の支援策」についてでございますが、居住環境の支援といたしまして、市ホームページへの外国人サポートデスクの設置に加え、令和5年度には外国人市民が多く訪れる朝日庁舎に相談窓口を移転し利便性の向上を図りました。なお窓口等の対応では、庁内での統一的な対応を示した「外国人市民への情報提供ガイドライン」に基づき、やさしい日本語や多言語により生活に必要となる情報を分かりやすく提供しております。また外国人市民と地域住民がお互いの文化や習慣を理解することは多文化共生の地域づくりに大変重要になりますので、木更津市国際交流協会において、日本語教室や華道・茶道体験教室など、両者が直接交流できる様々なイベントを開催しているところでございます。併せて、このような取組を周知するため、令和5年度からはSNSへの掲載のほか、外国人市民が働く企業や利用する店舗にも情報を提供しております。今後も、外国人市民が安心して暮らし働くことができるよう、支援に務めてまいります。
 続きまして、中項目2「地域偏在の解消」についてお答えいたします。
 はじめに「調整区域での開発」についてでございますが、本市では市街化調整区域の既存集落などにおける集落機能を維持するまちづくりを実現するため、地区計画制度の活用を一つの軸として、住宅や生活利便施設の立地誘導を進めているところでございます。本制度の活用にあたりましては、計画の立案から実施までを担う民間事業者の参入が重要な要素となりますことから、令和4年4月に「土地所有者」と「地区計画の策定に協力する開発事業者など」をマッチングする制度を新たに設けたところでございます。中郷地区におきましては地元要望を受け令和3年度からまちづくりについて継続して打合せを行っており、先月にも地区計画に係る地域住民への説明会を開催したところでございます。今後も引き続き、地域と連携し、市街化調整区域の課題を解決するまちづくりに取組んでまいります。
 次に「空き家対策の展開」についてでございますが、空家バンク、空家リフォーム助成事業の近年の利用実績につきましては、空家バンクは平成29年度から実施しており、累計登録件数は39件、うち成約件数は14件でございます。また空家リフォーム助成事業につきましては、平成30年度から実施し、助成件数は7件となっております。次に、市街化調整区域での人口増加に寄与した効果でございますが、これまでのところ、市街化調整区域での空家バンクの登録件数は7件、成約件数は0件となっております。空家バンクにつきましては、更なる利用拡大を図るため、宅地建物取引業協会と調整のうえ、今年度からの制度改善を行っており、今後、市街化調整区域の空家等の利活用にも効果が出てくるものと考えているところでございます。
 次に「農村部の居住促進」についてでございますが、国は農山漁村における人口減少に向けた取組の一つとして、「農山漁村の自立及び維持発展に向けて、広く知ってもらうことを入口に、農村関係人口の創出、二拠点居住・移住・定住の実現を図り、農山漁村の活性化を推進する。」としております。本市におきましても、第3次基本計画の「農業の振興」に係る施策の中で、「都市と農村の交流促進」を掲げ、生産者や関係団体による「食」や「農」をテーマとするイベントの開催、道の駅「木更津うまくたの里」を拠点とする地域農産物の販売促進、農山漁村滞在型旅行やグリーンツーリズムの推進に取り組んでいるところでございます。このように都市と農村の交流促進に取り組むことで、農業に興味をもってもらい、農地や住宅の確保など、就農できる環境を整えることが重要と捉えております。現在、本市では新規就農者に対する農地の仲介や住居を含めた幅広い相談に、対応・支援ができるよう新たな機関として農業支援センターの設立を目指し、JA木更津市などの関係団体と連携しながら体制づくりを進めており、このような取組により農村部への居住にも繋げてまいります。
 私からは以上でございます。その他につきましては副市長から答弁いたします。 
 
<田中副市長>
 私からは、大綱2「財政課題について」、中項目1「財政計画の課題」についてお答えいたします。
 はじめに「今年度予算の評価」でございますが、令和6年度一般会計の予算総額は、過去最高であった前年度予算と比較し2.4%、12億95百万円減となる520億2百万円を計上し、「中期財政計画」で示した財政フレームとの比較において7億39百万円の大きな乖離が生じたところでございます。この主な要因につきましては、扶助費における障害児通所等支援や障害者自立支援など、また、普通建設事業費における金田第一駐車場再整備予算の再計上などによるものでございますが、未来を見据えたまちづくりや市民サービスの向上など、喫緊に取り組むべき課題に対し、限られた予算を効果的に配分できたと考えております。今後も引き続き、社会経済情勢の変化や各種制度の改正、国の動向などを注視しながら、計画的な財政運営 及び 財源確保の強化に取り組み、将来を見据えた持続可能な財政運営を推進してまいります。
 次に「前年度決算の評価」でございますが、歳入歳出ともに「中期財政計画」を上回る決算額となりました。歳入におきましては、市税の徴収率が、令和4年度の95.4%から令和5年度は96.3%へ改善されるなど、計画比で4億61百万円増となりました。一方、歳出におきましては、議員おっしゃるとおり、扶助費が18億21百万円の大幅な増となりましたが、この主な要因につきましては、計画策定後に国からの地方創生臨時交付金を活用した「電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金」や「物価高騰緊急支援給付金」の給付などを行ったことによるものでございます。納税者数や給与所得の増加、地価の上昇や企業立地の進展等に伴い、市税は総じて増加傾向にございますが、経済情勢の変化への対応や少子高齢化の進行、多様化する社会保障などによる扶助費の増大に加え、公共施設の整備・長寿命化対策など決して楽観できる財政状況にないものと受け止めているところでございます。
 次に「長期的課題の明示」でございますが、「中期財政計画」につきましては、基本計画を財政的視点から検証・支援し、持続可能な財政基盤を確立するための指針として策定しているもので、計画期間を4年間と定め、毎年見直しを行っているところでございます。策定にあたりましては、直近の決算状況や予算執行状況等から試算する将来推計を基に財政フレームを作成しているところでございますが、事業規模の大きな普通建設事業等につきましては、フレームに大きな影響を及ぼすことからその事業担保は原則、基本計画に基づくものとしております。しかしながら、議員ご指摘のとおり、計画4年間では判明しない多額の財政需要が見込まれる事業も控えておりますことから、長期的な財政見通しをお示しすることは必要であると考えております。「公共施設等総合管理計画」や公共施設の長寿命化計画等の長期的な計画においては、ある程度、財政収支を見通したうえで、策定しているところではございますが、今後は、実効性を高める計画としていくため、計画期間の各年度において公共施設整備等の事業に充当可能な一般財源を、より精度を高めながら推計し、計画へ反映させるとともに、その根拠として示してまいります。
 続きまして、中項目2「各種計画の現状」についてお答えいたします。
 はじめに「橋梁等の長寿命化」につきましては、令和2年度に策定した橋梁長寿命化修繕計画に基づき、進めているところでございます。執行状況につきましては、計画16橋に対し、実施は今年度施工箇所も含めますと16橋であり、100%の執行率でございます。舗装につきましては、令和2年度に策定した道路舗装維持修繕計画に基づき実施しており、計画延長12,920mに対し、実施は今年度施工延長も含めますと4,270m、33%の執行率でございます。道路舗装の修繕につきましては、交付金事業で実施しておりますので、国の予算に合わせた執行率になっているところでございます。次に下水道につきましては、ストックマネジメント実施計画などに基づき、長寿命化対策など施設管理の最適化を進めており、平成30年度までに、第1系列水処理施設の機器の更新などを行ってまいりました。現在、下水道整備に合わせた汚水量に対応するため、下水道事業計画に基づき、第3系列水処理施設の増設の準備を進めているところであり、第2系列水処理施設の長寿命化対策などについては、この施設の完成後に行う予定となっています。今後も計画に基づき、適切な施設管理を行ってまいります。
 次に「公共施設の再配置」についてでございますが、公共施設再配置計画は、少子高齢化が進み、財政状況が厳しくなることを見込む中で、安定した行政サービスの維持・提供ができるよう、公共施設等総合管理計画に掲げる公共建築物の延床面積を平成29年度からの30年間で23%削減する目標に向け、公共施設の再編について各施設ごとに複合化や統廃合、民営化などの方向性を示したものでございます。議員ご指摘の建設コストの上昇など、今後も、公共施設を取り巻く環境は、厳しさを増していくものと認識しているところでございますが、長期的視点を持って、適切に維持管理が可能として掲げた施設保有量の目標に向けて、引き続き社会経済状況を注視しつつ、本計画を推進してまいります。
 次に「基本計画の見直し」についてでございますが、基本計画につきましては、議員ご承知のとおり基本構想に掲げる将来都市像の実現に向け、基本政策ごとの施策体系や各施策の取組の方向性を示す中期的な計画でございます。 現在、第3次基本計画の推進にあたり、重点的・優先的に取り組む事業を位置付けるため、実施計画の見直しを行っております。今年度の見直しにおいては令和8年度までに実施を予定する新規事業をはじめ既に実施計画に位置づけられている事業の人件費、物価高騰に起因する事業費の変更を中心に8月下旬に各課からのヒアリングを実施したところでございます。今後は、庁内調整後、令和7年度の当初予算説明会において情報を共有する予定としております。実施計画に位置付ける重点事業につきましては、続く物価高騰などの社会情勢を踏まえる一方で基本構想に掲げる将来都市像の実現にむけ歩みを止めず、更に推進することができるよう事業の見直しを行ってまいります。
 私からは、以上でございます。
 
一問一答
 ※質問と市の回答は文字の色を変えています。省略や言い換えも有ります。細部が気になる方は、市議会のHPで議事録を参照して下さい。
 
 答弁ありがとうございました。それでは再質問を行います。死亡者増加の原因について本市での特別な要因は認められないということですので安堵は致しますが
配布資料2に示したように緩やかに上昇していた死亡者数が2022年以降からは急激に増加しているので分析が必要だと考えて質問いたしました。では自然減が拡大している状況を改善する策として企画部の考えを伺います。
 
 出生数を増やし、死亡数を減少させるため、若い世代が将来に希望を持ち、安心して家庭を築くことのできる環境を整えることにより、「木更津で育てて良かった」、「木更津で育って良かった」と親子で実感できる子育て支援体制を構築してまいります。あわせて、健康寿命の延伸に向け市民一人ひとりが健康で心豊かな暮らしを土台として、安心感や幸福感にあふれ、健全かつ美しい暮らしを享受できる「ウェルネス社会」の実現を目指したいと考えております。
 
 まさにその視点が重要だと私も考えます。しかし現実には死亡者数が急増しておりますので、市営霊園の供給に支障が出ていないか心配になりますが、その件については本日午後に公明党代表の佐藤議員から質問があるようですので、その質疑で勉強したいと思います。
 出生率向上の対策は3年前も同じ答弁だったと感じています。ネウボラや子育て支援センターの設置で市民が子どもを安心して産み育てることができる環境が整ってきたと感じてはおりますが、数値に反映されていないので、他の政策も求められていると思います。例えば結婚や子育てに対する経済的な負担を軽減するため所得の少ない若年層に対する子育て支援住宅の提供など他の自治体でも取り組まれている制度を研究することも重要と思います。新たな取組について再度整理するという答弁でしたが、候補に挙がっている施策が有れば紹介願います。
 
 現状においては、具体な施策について申しあげることはできませんが、木更津市制施行80周年記念事業の取組の一環として設置された「きさらづ未来会議」からの提言である「きさらづ未来ビジョン」の進行管理を現在行っているところであり、その一つのビジョンである「子ども・若者が育つ環境のあるまち」の中で施策を整理・検討しているところでございます。
 

 検討中で話せないということなので改めて聞きませんが、成果につながることを期待いたします。
 保育行政の充実策についてお聞きします。制度の改定などに伴い、保育士不足が懸念されるとう答弁がありましたが具体的にはどの程度の人数が不足すると想定しているのか、把握されているようでしたらお知らせ下さい。
 
 保育士の配置基準は、最低限、配置しなければならない基準を定めたものとなっております。そのうえで給食の介助や、園庭で遊ぶときなど、児童ひとりひとりに目配りをした、ゆとりを持った保育を実施するためには、基準よりも手厚く保育士を配置することが求められますが、各保育施設で必要とする人数は、施設毎の考えもあり一律ではございません。 また、こども誰でも通園制度につきましても、現時点では、実施する保育施設は未定となっておりますことから、基準改正や新制度導入に伴い、不足する保育士の人数の把握は難しいところでございます。
 

 人数の把握はできないということですが、ゆとりある保育のためには保育士が不足してくると理解します。奨学金制度の周知拡大や、更なる支援制度の拡充などを通じ保育士確保を進めていただくようお願いします。保育士の待遇などについては明日の午前中に新栄会代表の座親議員から質問があるようですので、その質疑で勉強したいと思います。私が考えるもう一つの解決方法は、行政が多くの保育士を確保するだけでなく、雇用が多い企業で事業所内に保育園の設置を求めることで待機児童と公的負担の軽減を図ることです。 このことは3年前に提案させていただき「経済部と連携し事業所内への保育所設置について提案」すると答弁をいただきましたが、その後の進捗について報告を願います。
 
 事業所内に設置される、企業主導型保育事業所につきましては、現在、市内には3施設ございます。企業主導型保育事業は、多様な就労形態に対応する保育サービスの拡大や、待機児童の解消を図り、仕事と子育てとの両立に資することを目的として、国が募集してまいりましたが、令和4年度以降、国は、待機児童が減少傾向にあることから、新規募集を実施しておりませんので、令和3年11月に1施設が設けられたことを最後に、市内での新たな施設の設置はございません。
 
 企業主導型保育事業について国の関与は理解しました。国が募集をやめたというのでは心外ですが仕方ありません。では、事業所内保育事業も同様に進んでいないのでしょうか。
 
 事業所内保育事業所については市内に2か所ございますが、近年、新たな整備は進んでおりません。施設整備補助がなく、事業者負担となっておりますことから、新たな整備が難しくなっているものと思われます。
 

 事業所内保育事業につきましては事業者負担が多いことは理解していますが、その一方で子育て中の優秀な女性を長時間雇用し易くなるというメリットもあります。雇用規模の大きい事業所は社会貢献の観点からも推進して欲しいものです。その様な観点で企業に提案されて来ましたか。
 
 事業所内保育事業につきましては、従業員のためにも、大変、有益な制度と認識しております。現状におきましては、事業の実施については、あくまで事業者側の判断であることや、議員おっしゃいますとおり、事業者負担が多いことから、企業への提案は行っておりませんが、今後、進出する企業に対し、働きかけてまいりたいと考えております。
 

 今後進出する企業だけでなく、現にある雇用規模の大きい企業にも働きかけられますようお願いいたします。
 公園児童館の整備についてお聞きします。「子どもの遊べる大型遊具のある公園」について検討事項とされるとの答弁には期待いたします。財政が厳しいことは承知しておりますがクラウドファンディングによって遊具を設置している自治体もありますので、知恵を搾り整備に向けて取り組んで頂きたいと思います。市街化調整区域では一定規模の開発で開発面積に応じた公園を確保する制度があることは承知しておりますが、設置した実例が有ればご報告願います。
 
 開発許可において整備した実例につきましては、長須賀地区において整備された上越戸公園がございます。公園面積としては231u、令和5年1月20日に供用開始しております。
 
 そこの公園は鉄棒が有るだけの極小規模な公園であると認識しております。その様な小さい公園や緑地を開発者から移管された場合は、行政が維持管理の負担だけが増えるように感じております。有る程度の面積が無ければ遊具も設置できず、住民の満足度が上がらず、利用者が増えないと推察します。この件は都市計画審議会でも意見させていただきましたが、例えば、開発者から整備負担金を受け取って基金として運用し、地域で一定以上の開発が進んで住民が増えた時に行政が適正規模の公園を基金で整備することも検討すべきと思いますが、都市整備部としての見解をお聞かせください。
 
 開発許可は法令に基づき行っており、その結果、小規模な公園、緑地が出来てしまうことは、市としても一つの課題と考えております。 同様の課題は他市でも発生していると考えられますので、先進事例を研究するなど取り組んで参ります。
 

 市街化調整区域での開発行為による宅地を購入した住民は公園の無い環境が前提ではありますが、子育てを進める中で公園の需要が生じてまいります。先ほど企画部長が答弁したように、「木更津で育てて良かった」、「木更津で育って良かった」と親子で実感できてもらうため、開発行為で上手に対応できる制度を研究していただきますようお願いいたします。児童館を始めとした子どもの居場所について子育て世代からのニーズが高い、との認識があるということなので、当然、耐震補強を済ませた図書館跡地を利用するものだと個人的には思っておりましたが、整備にあたって何か課題があるのでしょうか。
 
 現在、子育て支援施設としてどのような機能が集まっているべきなのか検討を始めた段階でございます。様々な機能を連携させる場合、現図書館のスペースで足りるのか、また、子育て世代のニーズに合致するのかなど、具体の検証を進める中で、様々な課題が顕在化し、ひとつひとつ解決方法を探ることになると考えております。
 

 機能を検討して既存の建物に落とし込む過程であるということで理解します。早めに新施設のイメージが示されて子育て世代の希望が増え、それが転入や出生につながることを期待いたします。
 移住定住の促進策についてLINE登録者数が5倍以上に増加したことは解りましたが、それを利用して移住につながった世帯はどの程度あったのでしょうか。
 
 LINE登録者から、移住につながった世帯数の把握は難しいところでございますが、議員お示しの配布資料にございますとおり、移住・定住相談窓口のLINE公式アカウントを開設後の令和3年と令和5年の転入者数の単純比較におきましては608人の増加となっている状況でございます。
 

 今示されたその期間では、令和4年にコストコ本社が移転したことなど外部要因が大きいものと思われますので、LINE公式アカウントによって移住が進んだとは正直考えにくいと私は判断しております。移住定住を促進して社会増に真剣に取り組まねばならないと考える理由は、来年の夏に暫定配備が終了しV-22を運用する輸送航空隊が佐賀に移駐する為です。航空機17機だけでなく隊員約3百人、家族を含め6百人程度が本市から転出するだろうと私は推察しておりますので、近年の人口動態から考えると減少分を補うのに2年以上が必要となります。その頃には出産適齢期の若年人口の減少に伴い少子化の影響が強くなり、人口の増加が見込めなくなる可能性があります。つまり対応を進めなければ本市の人口は2025年がピークになると危惧しているのです。人口の減少は経済の停滞や税収の減少に直結します。ここで質問ですが国家公務員である自衛隊員が3百人ほど減少すると市民税はどの程度減少するのか、お示しください。
 
 自衛隊員の個人市民税につきましては、階級等により収入が大きく異なりますし、扶養人数などの控除額もそれぞれ異なりますので、あくまでも参考としての値となりますが、仮に年収を509万円とし、控除を社会保険料と扶養1名で算出した場合、税額は12万9千円となり、これに議員がおっしゃる3百人を乗じますと、約39百万円の減収となります。
 

 推定39百万円の市民税が減少する可能性があると理解します。それを補うほど移住者を急激に増加させることは現実的でないことは承知しておりますので、自主財源を確保するために法人税と固定資産税を増加させることが必要だと考えます。
 そのため産業用地の供給策が重要となります。相談が寄せられ進出希望もありながら対応できない状況はチャンスを見逃している状況です。産業用地が確保されるよう募集要領の見直しを含め行う旨の答弁が有りましたが、具体的には今回何が問題となったのかご説明願います。
 
 具体的な問題点でございますが、昨年度、公募にエントリーのあった事業者からは、事業計画策定等に時間を要し、公募期間が短かったと伺っておりますことから、公募期間の設定も含め、要領を見直す予定でございます。
 

 前例のない取り組みを行っておりますので試行錯誤を繰り返してしまうということは責めることではありませんが、早期に結果が出せるよう、取り組みを進めてください。また木更津北インター周辺だけでなく国道409号線沿線の活用など幅広い対応ができるようご検討ください。
 外国人材の支援策で朝日庁舎に相談窓口を移したという答弁がありましたが、昨年度の利用者はどの程度でしょうか。延べ数だけでなく実利用者数も解ればお知らせください。
 
 令和5年度の相談窓口の利用人数でございますが、延べ人数、実利用者数ともに20人でございました。
 

 外国人の人口が3,322人なので利用率として考えると0.6%であることが分かりました。特に問題もなく日々を送っている方々は相談する必要が無いということでしょうが、木更津市を選んでよかったと思っているか、その辺りが分かりませんので意識調査を行うべきと思います。ご検討いただけますようお願いいたします。では、次に木更津市国際交流協会のイベントに参加された方はどの程度でしょうか。こちらも延べ数だけでなく実利用者数が解ればお知らせください。
 
 令和5年度の木更津市国際交流協会のイベント参加者数でございますが、記名や出席確認を要しないイベントもあるためおよその人数となりますが、延べ人数が 約1700人、実利用者数は約110人でございました。
 

 実利用者の110人で計算すると参加率は3.3%となります。KIFAも精力的に活動していることは理解しているのですが、故郷に仕送りをするために働いている外国人には参加する余裕がないのではないのかな、と推察いたします。それでもこのような交流が多くなって理解しあうことで、誤解から生じる摩擦などが防げるでしょう。先月22日の朝日新聞には全国で263自治体、千葉県では7つの自治体で外国人が消防団に加盟している、という記事がありました。消防団活動を通じて相互理解を深めることは素晴らしいと感じた次第ですが、本市の状況はどうなのか伺います。
 
 現在、県内では7つの自治体で外国人が消防団に入団しておりますが、本市では外国人の入団希望がなかったことから、外国人の入団実績はございません。議員おっしゃるとおり、消防団活動を通じて相互理解を深めるという利点もあることから、消防本部といたしましては外国人の入団希望に備え、外国人が活躍できる体制を整備し、入団について消防団幹部と今後、調整してまいりたいと考えております。
 

 是非とも積極的に取り組んでいただくことを希望いたします。職員についてですが、3年前にも優秀な留学生の採用など、友好都市の職員を外国籍のまま本市の職員にする場合の問題点等について伺いましたが、現在の本市職員の状況を伺います。
 
 本市の職員採用でございますが、正規職員の採用につきましては、現在も、日本の国籍を有しない人については対象としておりませんが、教育委員会に勤務する外国語指導助手を会計年度任用職員として、令和5年度は24名、今年度は9月1日現在、22名雇用しております。「公権力の行使又は公の意思の形成に参画する公務員については、日本国籍を必要とする。」という公務員の基本原則もございますことから、引き続き、様々な課題を整理しながら検討してまいります。
 

 既に多くの外国人を雇用していることと評価いたしますが、全て教育現場のALTだけです。窓口業務などにも外国人材を配置し多言語対応ができるよう引き続きご検討ください。他にも日本語学校の設置を通じた対応も期待できますが、それはまた別の機会に聞かせていただきます。
 次に中項目2点「地域偏在の解消」のうち調整区域での開発については今年8月に地域と法人をマッチングする制度を中郷地区で説明したという答弁が有りました。中郷地区住民の反応はどの様な状況だったのか、また、協力してくれる事業者は確保されたのか説明願います。
 
 中郷地区における反応といたしましては、地区として集落の人口を維持したい、そのために耕作放棄地の土地活用を進めたいなどのご意見をいただくと共に、地区計画制度を活用して地域の課題を解決することについて、住民の皆様と考え方を共有いたしました。具体の地区選定へのステップを進めるためには、個別の集落での勉強会が必要とのことから、区の代表者が地区に持ち帰って協議し、今後、希望する集落単位で勉強会を実施することといたしました。協力事業者につきましては、具体の地区が決定された後に、マッチングを行うこととしております。
 

 そのような勉強会を経て、地区計画制度を活用する集落が現れ、活性化や人口増となることを期待いたします。
 空き家対策の展開については、空家バンクの成約件数は14件に過ぎず、その全てが市街化区域であるという答弁でした。市街化調整区域には後継者が居ない空き家も増えておりますが、地区計画以外の手法では開発行為が抑制されている地域での居住を進めるために既存家屋を活用することで非農家であっても居住が可能になり、人口政策の点では即効性がある、と私は思っております。空き家の所有者へのアプローチは現在どのようになっておりますか。
 
 空家の所有者へのアプローチにつきましては、市公式ホームページへの空家活用に関する掲載、きさらづ出前講座や、空家の指導文書発送の際において、空家バンク制度や空家リフォーム助成事業について記載した文書を同封するなど、周知を図っているところです。
 

 先ほど答弁が有りました中郷地区のように集落の人口を維持したいというという考えの方は多いはずです。空き家の所有者の連絡先を地域の方が知っていると思われますので、近隣の協力を得る方法も検討すべきだと思いますのでご検討ください。
 農村部の居住促進について、新規就農者に対する農地の仲介や住居を含めた幅広い相談に対応・支援ができる農業支援センターの設置を目指すということですが、農家認定には一定規模の営農を行っていることが条件であると私は認識しております。農業に興味があるものの、営農実績がない住民が農村部に居住しようとしても住居が建設できない状況だと思いますが農業支援センターを通じれば問題は解決されるのでしょうか。
 
 議員ご指摘のとおり、農村部への農家住宅の建築又は移住をするためには、都市計画法上の「農業を営む者」として60日以上の農業従事日数及び10a以上の耕作面積が要件となっております。農業支援センターにおいては、このような関係法令のもとに、将来的な住居の意向も含めてご相談いただくことで、意向に沿った農地の仲介をするなど、新規就農者の農村部移住に向けた支援も可能であると考えております。
 

 農業の経験がなく、興味と情熱で営農を始めたものの、経営が行き詰まり離農する例も多く聞かれます。それでも障壁を低くして参加者を増やさねば耕作者が減少して疲弊する農村部の改善は測れません。人口が減少している地域に定住化を前提としたクラインガルテンのような農家住宅を供給し、その居住者の中から農地を借りて耕作するものが現れることを期待すべきであると私は思います。このような農家住宅であれば市街化調整区域でも建設が可能なのか伺います。
 
 ご質問のありましたクラインガルテン、いわゆる滞在型市民農園と呼ばれる施設につきましては、都市と農村の交流促進に関する取組として、県内においても滞在型市民農園に取り組んでいる事例があり、農業体験や農泊事業の推進に大変有効な施設であると伺っているところでございます。このような施設を市街化調整区域に建設するためには、各法令により規制がございますので、他市の取組事例や関係法令等を調査・研究しながら、都市と農村の交流促進に繋げてまいります。
 

 農村部の人口政策については、私の次に行う自由民主クラブ代表の齋藤議員からも質問があるようなので、その質疑で勉強したいと思いますので、次の大綱2の再質問に移ります。
 今年度予算の評価についてですが、答弁いただきましたように金田駐車場整備として区画整理組合から用地を買収する費用が計上され普通建設費が一時的に伸びたことは解りました。 扶助費における障害児通所等支援や障害者自立支援では前年度より約4億円の増となっており、予算審査特別委員会で確認したところサービスの充実と利用量が増加しており扶助費はより増額する傾向だと伺いました。来年度はどの程度伸びると予想されているのか伺います。
 
 議員おっしゃいますとおり、先の予算審査特別委員会におきまして、障害福祉に関する扶助費につきましては、将来的に増加傾向で推移する見込みである旨を、ご答弁いたしました。ご質問にございます「障害児通所等支援事業費」につきましては、令和6年度当初予算は10億円でございますが、令和7年度は56百万円の増、また、「障害者自立支援給付事業費」につきましては、令和6年度当初予算は26億円でございますが、令和7年度は78百万円の増となり、令和7年度においては、合計で1億34百万円の増を見込んでいるところございます。
 

 中期財政計画を見ると扶助費の伸びが抑えられていますが、実態はサービスの拡大で需要が増えており、今後はさらに乖離幅が拡大すると思われます。これについての財務部の見解を伺います。
 
 扶助費につきましては、人口推計や過去の実績から、対象者数、サービス利用量、増減率を考慮し、国の制度改正等も踏まえ推計しております。扶助費は、その対象者数や予算額が大きいことから、計画策定後に対象者やサービスの追加・変更があった場合は、影響も大きくなりますので、推計にあたりましては、引き続き細心の注意を払い、精度を高めてまいりたいと考えております。
 

 扶助費が増加すると義務的経費が増大し、起債を抑制すると投資的経費が減少して財政の硬直化が進むと想定されます。インフラの更新や施設の修繕・維持管理に計画通りの予算額を確保できるのか心配でなりません。財政運営の手腕が問われることになります。
 前年度決算の評価についてですが、計画策定後に国からの地方創生臨時交付金を活用した2つの給付金のため扶助費が大幅な増となったために乖離幅が大きくなったことを理解いたしました。この決算については特別委員会での審議がありますので再質問は致しません。
 長期的課題の対応についてはフレームの精度と財政的課題の明確化を論点に長期的視点に立った収支見通しの情報を加える工夫を検討する旨の答弁が有りました。かつてバブル崩壊の影響で生じた土地開発公社の巨額負債を解消するため「アドバンスプラン」という緊縮財政が行われました。職員も手当てを削減するなど努力を重ねていただき財政再建を果たしましたが、インフラの更新が先送りになりツケが後年度に回されたことも事実です。現在は堅調な税収に支えられ財政指数も改善が進んでおりますが、数年後に予測される巨額の財政支出を前提に明確な計画を示すと同時に必要な事業を如何に効率的に遂行するのか、また需要がありながらも数年先まで先送りすべき事業を選別すべきだと思います。その一方で将来に向けた投資は確実に行い、人口増や経済の活性化による市税収入の確保を行い、足腰の強い財政構造を造るべきです。その指標となるような財政基準が必要だと思いますが、財務部の見解を伺います。
 
 これまでの財政指標や財政健全化判断比率を活用した市の財政状況の多面的なチェックや類似団体との比較等による分析を行うことはもちろん、将来必要となる財源や投資により見込まれる効果等を的確に見込み、数値として計画等に反映させるとともに、市税を始めとする財源確保、コストの削減、徹底した市債管理など、それぞれの取り組みにおいて目標を明確に示すことで計画的な財政運営を進め、持続可能な財政基盤の確立を目指してまいりたいと考えております。
 

 財政当局の強い決意を感じますので期待しながら中項目2の質問に移ります。
 橋梁等の長寿命化のうち橋梁については計画通りに進んでいると理解いたしました。舗装が計画より遅れている理由は補助金の問題だと理解いたしますが、ひび割れやわだちなどが発達して安全上の課題になっていないか危惧しております。危険性が有れば単費でも施工すべきと思いますが如何でしょうか。
 
 ひび割れやわだちが発生し、安全上問題になっている箇所につきましては、緊急性と危険性を判断した上で、単独費において補修をしているところです。道路の舗装につきましては、交通事故などにつながる恐れもあり、長寿命化計画による計画的な補修の他、市民の通報や道路パトロールなどにより、舗装の劣化状況を注視し、安全な道路環境の維持に努めてまいります。
 

 補助金が来ない中でも安全確保策は宜しくお願いいたします。下水道では第3系列水処理施設の増設の準備を進めているという答弁でした。第2系列の増設で数十億の費用を要したと記憶しています。企業会計であるとはいえ、一般会計からの繰り出し金の増加か、面的整備の遅延が予想されますので、今後を注視したいと思います。財政が厳しいとインフラの投資を後回しにする傾向がありますが、老朽化が進むと大規模な補修に多くの費用が必要となるので、適切な時期に維持管理を行うことで全体の費用を抑える、という考え方が長寿命化計画の根底にあります。その考えに沿って、金額合わせではない適切な事業進捗をお願いいたします。
 公共施設の再配置について社会経済状況を注視しながら計画を推進するという答弁ですが、ではお聞きします。公共施設等総合管理計画に掲げる23%の削減に向けて現在の進捗状況はどうでしょうか。30年間という計画に対して計画開始からの経年と、どの程度進んでいるのか説明願います。
 
 計画開始からの経年につきましては、公共施設再配置計画の開始年の平成29年から7年が経過しております。進捗状況につきましては公共施設実態調査が未完了のため、概算の見込みでの数値となりますが、令和5年度末で目標削減面積73,774uに対し、削減面積は約5,420uであり、進捗率は、約7.3%となっております。
 

 本来であれば計画期間が30年に対して7年が経過しておりますので7÷30となる23%まで進捗していなければならないと思いますが、大変遅れているようです。金田地域交流センターや新しい消防庁舎など面積の大きい施設がその期間中に増えていることが理由とは思いますが、市が所有する施設面積の約半数を占める教育財産の削減が進んでいないことが主な要因であると私は推察します。小中学校の統合を進めずに小規模特認校制度を採用していれば、目標通りに進まないことは当然であり、所管課だけでは解決できない課題だと思います。今後も公設卸売市場の再整備や新たな給食センターなどが見込まれる中、削減を進めるのであれば積極的な複合化は避けて通れません。重城議員が提案しているように岩根公民館と岩根中学校の複合化などは、私も必要な取り組みであると思っております。吾妻の文化芸術施設は市民会館や公民館、図書館を複合化する計画としておりますし、駅前庁舎にも市民交流プラザを設ける予定ですが、それ以外に具体的な複合化の構想は進んでいるでしょうか。
 
 文化芸術施設、駅前新庁舎以外に、現在、複合化の具体的な取組みを、お示しすることはできませんが、公共施設の利便性の向上及び効率化を図る観点から、今後も、建物の建て替えの際には、複合化の検討を行ってまいりたいと考えております。
 

 施設が老朽化している公民館を児童数が減少している小中学校に複合化して廃止するなど将来的には検討すべきだと思います。それ以外にも民間に依存している学童保育についても学校施設を活用することで家賃補助が削減できます。令和3年度では民間施設を賃借している29施設の事業者に1,364万円補助していますのでそれが削減できるということです。子どもも学校内の移動なので安全が担保されます。実際にこの夏に会派で視察した宇都宮市ではそのような対応がされておりました。複合化は他にも様々な組み合わせが考えられると思いますので組織の垣根を越えて検討して人口が減少に向かう将来世代での負担削減を進めてください。
 基本計画の見直については現在、実施計画の見直しを行っているとのことでが、事業費の増大と今後の歳出増を前提にすると基本計画に記載されていながら来年度には予算要求できない事業があるということでしょうか。
 
 基本計画に位置付けられた重点事業につきましては、企画部の査定額を上限に、事業費を改めて精査のうえ、予算要求するように各部等に依頼します。
 

 企画部の査定額を上限としつつも重点事項は粛々と進めるものだと理解いたします。それでは、既に現計画から次期基本計画に先送りするものが決まっておりましたら紹介願います。
 
 現在、査定中のため、先送りする事業は決まっておりませんが、例えば、道路事業など工期の見直しを図ることで財政の平準化を目指してまいりたいと考えております。
 

 道路事業の見直しと聞きますと桜井工区の開通が遅れるのかな、と心配になることもありますが査定中ということなのであえて再質問は致しません。基本計画に係る重点事業から削除若しくは、先延しとなる事業が多くなるだろうということは理解できますが、逆に見直しによって新たに追加される事業が決まっておりましたら紹介願います。
 
 繰り返しになりますが、現在、査定中のため、事業名は公表することができませんが、基本構想に掲げる将来都市像の実現に向け、新たに追加する事業はあるものと考えております。
 

 将来都市像の実現に向けた新しい事業が追加される想定だという答弁には期待いたします。財政課題の解決を進めるあまり将来へ向けた種まで失くしてしまいますと次世代への背信行為となります。必要な事業は確実に前進させ、持続可能な木更津市を目指していくことを期待いたします。
 今回は大綱2点、小項目では16点の質問を行いました。現状のままでは本市の人口ピークは来年に訪れ、その後に若干盛り返したとしても減少するという危機感と令和10年度前後に財政課題が表面化するという想定の元で、その対応策を考慮し、現在は検討されていないような事業まで執行部の意向を確認させていただきました。簡単には具体化出来ないことも理解いたしますが、出来ることから実施し、市の活力を維持し、未来のまちづくりが担保されることを期待いたしながら、会派羅針盤としての代表質問を全て終了させていただきます。