妙高山 2,454m 新潟県妙高高原町
1989年8月25日登山

 御嶽登山から2週間も経っていないが、この頃は公団の退職を決め精神的には「いつぽっくり逝っても後悔しない」という覚悟でハードな日程をこなしていた。
 W貫課長が私とN田さんを妙高に誘うので上田の想い出造りに登りに行く。燕温泉から北地獄谷を登る。谷沿いも稜線に出ても急坂が続きかなりバテて山頂に到着する。帰りは長助池を通り、遠回りだが比較的楽に下る。車に着く直前に燕温泉黄金の湯が現れ、混浴に何の躊躇いも示さず服を脱ぎ入浴する。山を降りて入る温泉の良さを実感した山行だった。 
黒姫山 2,053m 北海道旭川市
1989年9月10日登山

 W貫課長とC国さんが黒姫に行こうと決めた計画に誘われ、登山口集合で黒姫に向かった。駐車場に着くと私の方が早いようなので集合時間を30分過ぎるまで待つがまだ来ない。登山口を変更して登っている可能性もあるし、山慣れしている2人なら追いつくだろうと言う見込みで登山開始。
 結局、山頂に先に着き、1時間待っても来ない。下山するとフロントガラスに戸隠で待つと書いてあるメモ。行くとW貫課長の体調が悪いので登山を取り止めたらしい。お詫びに蕎麦をご馳走になったので良しとする。 
八丈富士 854m 東京都八丈町
1989年9月16日登山

 八丈島で知り合った女の子を2人誘って標高560mの登山口までレンタカーで上がり、そこから往復で2時間弱のお気楽登山である。
 登山道からは常に海を見下ろすことが出来て気持ちが良く歩きやすいが、単調である。観光で行って登るのには丁度お手頃な山かも知れない。ピクニック気分で登る山もメンバーが良ければ楽しいものである。
 ここに至る旅については八丈編を参照していただきたい。
天狗岳 2,646m 長野県茅野市
1989年9月22日登山

 W貫課長が山小屋に泊まって縦走すると山は一段と楽しくなる、と言うので八丈島から帰った翌週では有ったが、東京からC国さんとY川さんを呼んで4人で八ヶ岳の縦走を実施した。
 上田からJRとバスを乗り継いで麦草峠に到着し、そこから歩行開始である。しばらくは北八ヶ岳の綺麗な苔生した林の中を進むが中山峠を通過すると岩山の雰囲気を見せ始める。それに調子を併せるかのように雲が出始めて展望を得ることがないまま天狗岳に到着する。
 少しの間天候の回復を待ったが晴れそうもないので根石岳を越えて夏沢峠に降り、今夜の宿である山彦荘に到着する。小屋の前にはマウンテンバイクが4台有る。持ち主に聞けば夏沢鉱泉から本沢温泉にパスハンティングの途中だという。山小屋で自転車の話しに花が咲いてしまった。
 夕方に山小屋の濁酒を飲んでいると天気が回復し始め硫黄岳の断崖が良く見えるようになる。小屋の親父が本沢温泉は系列店だから一風呂浴びてくればと冗談に進めるが登り返しを考えるとやはり行くことが出来ない。
 食事を終えても窓に来るモモンガの愛くるしい姿を見ながら食堂でゆっくり酒を飲み続ける。初めての山小屋の静かな夜を味わうのであった。 
八ケ岳 2,899m 山梨県高根町
1989年9月23日登山

 山小屋での御来光を迎える。この気持ちよさを味わうので有れば小屋泊まりの山行も良いなと思う。硫黄岳に登り切れば横岳以降の山並みが鋭く聳え、行程の大変さを感じる。目を南に転じれば南と中央アルプスも良く見える。森林限界の上に出た開放感の有る縦走路を歩いていると自分の陰にモルゲンロードが現れる。かなり気持ちがよい。
 赤岳山頂で展望を楽しみながら大休止を行い、真教寺尾根を下り始める。まだそれほど山になれていない当時の私にとっては崖を降りていくような気持ちで、これを逆行する事が出来るのが信じられない位であった。
 スラブの急降下が終わっても美しの森までの尾根が長い。その上高度を下げると急激に気温が高くなり体力も急激に失っていく。疲れ果てて降りた美しの森の観光売店で購入したアイスクリームがとても上手かった。
 私以外の3人もやはり疲れたようで舗装路を歩く根性もなく、清里駅までタクシ−で出て小海線で上田に帰っていった。とても疲れたが、今考えるとこれが私の本格的な夏山デビューであった。
 
No04.1989/8-1989/9    ←No03No05→
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