アクア木更津を考えるD
2010/01/27記
 昨日開催された臨時議会において、アクア木更津ビルを有限会社金剛山に売却することを議決した。これを持って駅前のビルは市有財産から普通の民間の物件に戻ることになり、維持管理の負担や管理責任から離れ、固定資産税が入ってくる普通の状況に戻ることになって一段落である。
 今まで『アクア木更津を考える@』『アクア木更津を考えるA』『アクア木更津を考えるB』『アクア木更津を考えるC』を記載してきたが、今回の記載を持って、このシリーズは完結する。
 
 12月28日に実施したアクア木更津の売却のための入札は2社が応札し、予定価格である不動産鑑定の3億9千万円を下回る額しか提示されなかった。最初の提示額は今回ビルを購入する事になった(有)金剛山が2億5千万円で、もう1社は7350万円であった。双方ともに予定価格に達していないため再入札が実施されたが1億を超える額を提示できない会社が辞退しているのにも関わらず、今回の購入会社は3千万円も上乗せした2億8千万円まで価格を上げてくれた。そうは言ってもこの段階でも予定価格から1億円以上の乖離があり、議会の出番となったのである。
 それは、地方自治法第96条第1項第6号の規定で、普通財産を適正な対価なくして譲渡することについては、議会が議決しなければならず、第237条第2項の規定では議会が議決しなければ譲渡する事が出来ないと決められているからである。
 
 契約書は「この契約は(中略)議会の可決を得たとき効力を生じるものとする。ただし、議会の可決を得られないときは、この契約は無効となり、甲(木更津市)は損害賠償の責を負わない」ことが明記され、1月19日に締結されている。契約額は2回目の入札額より1千万円上乗せした2億9千万円で、収入印紙は8万円だ。
 収入印紙だけでなく、購入者は不動産取得税約1億4千万円、不動産登録税7千万円を別途負担した上、さらに新規改装のため約13億円の負担を行うことになるので、大きな買い物である。
 
 木更津市にとっては、2億9千万円が入るだけでなく、今まで修繕基金として積み立てている約2億7千万円を取り崩すことが出来るようになり、さらに本年度当初予算で計上していた中央監視システムの改善費約7千万円を執行しなくて済む事になる。
 翌年度以降には電波対策負担金約8百万円や修繕負担金約1千万円などの予算計上をしなくてすむようになり、その上毎年数千万円の固定資産税が入る事になる。有限会社金剛山も本社を大阪から木更津に移すことになるので、法人市民税も期待できるなど予算上の効果はとても大きい。
 さらに空床対策的に入居させていたチャレンジセンターが負担していた共益費約1千3百万円も、その事業を廃止することで解消できる。テレワークセンターや観光案内所などは共益費の上に、新たに家賃負担が発生するので、今後も現在の位置に残るべきか議論の余地があるところである。
 
 ともあれ議会では賛成多数で可決したので契約が成立した。
 これから金剛山は地下に食料品売場の進出を計ると共に、会員制場外馬券場の設置を行うための手続きを進めることだろう。今の計画では6月に第一期、10月に第二期のオープンを行い、12月にはグランドオープンを目指すという事である。地元企業として暖かく見守りたいものである。