基地関係要望を提出する
2019/08/13記
 前期の議会で私が基地対策特別委員長に選出されて以来、毎年のように基地関係要望書の提出を行ってきたが、今年も立場が議長と変わったものの、先週の金曜日である9日の午後に北関東防衛局まで、國吉副議長・永原基地政策特別委員会委員長・齋藤副委員長と議会事務局の局長と次長の6人で提出してきた。なお、直接の提出先は北関東防衛局の松田局長であるが、他にも岩屋防衛大臣と防衛装備庁長官・地方協力局長宛の要望書も持参して、北関東防衛局長から各機関に進達していただいた。
 
 今回で5回目となる要望書であるが、過去の提出では予算要望時期に合わせて少しづつ前倒しにしてきたものが、今回はオスプレイの暫定配備に関する地域説明会が続く中でも有ったので、臨時議会に合わせる形で議決することとなったものである。具体的には下表に示すとおりである。
提出年度 提出日 議決議会
2019 8月9日 8月臨時議会
2018 7月9日 6月定例議会最終日
2017 9月4日 9月定例議会初日
2016 9月30日 9月定例議会最終日
2015 12月22日 12月定例議会最終日
 
 北関東防衛局では局長・次長を始め企画部長・調達部長・管理部長等を始めとした大勢の幹部職員が対応していただいた。
 
 要望書の全文は下記の通りである。
 
基地対策関係施策に関する要望書 
 
 木更津市は、陸上・海上・航空の3自衛隊が所在しており、市議会としては基地に対する市民の理解と協力を得るため、生活環境の整備や住民福祉の向上等に鋭意努力しています。
 しかし、本市は東京湾に面した海岸線を有しながら、木更津飛行場が立地することにより、京葉工業地域が本市を回避する形態で造成されることとなり、近隣市に比べ法人税増収の機会を失うばかりか、本来であれば得られる固定資産税の収入もありません。国有提供施設等所在市町村助成交付金を受けてはおりますが上記の2つの税に見合うものではなく、木更津市は長く厳しい財政状況下に置かれています。
 国防のための自衛隊の存在は理解しており、我が国の安全保障環境が厳しさを増す中、沖縄の負担軽減にも資するものと認識をし、本市はオスプレイの定期機体整備の拠点を受け入れ、その役割を果たしてまいりました。しかし、本年5月24日新たに、陸上自衛隊が今後保有するオスプレイ17機について佐賀空港での配備が可能になるまでの間、暫定的な配備をしたいと打診が有り多くの不安や疑問がある中、木更津市主催で防衛省からの説明会が行われております。このような状況にある事を十分ご賢察いただき、次の事項の実現を図るよう強く要望します。
 令和元年 8月 9日
北関東防衛局長 松田 尚久 様
 千葉県木更津市議会議長  近藤 忍
基地政策特別委員会委員長  永原 利浩
 
1.基地に関する市民の安全・安心を確保し市民に情報を提供すること
 平成29年2月1日から開始された米海兵隊オスプレイ初号機の定期機体整備は、当初予定より大幅に遅延して終了し、現在は2号機と3号機の整備が進められていますが今後の整備予定について情報提供が行われておりません。また、陸上自衛隊が所有することになる17機のオスプレイの暫定配備計画の打診があり、議会としましては、去る6月10日に開催した本委員会からの確認事項や、説明会等で市民から出された懸念に対し、今後貴省がどのような誠意ある対応策を出されて来るのか注視していることを伝えた上で、以下の3点を要望します。
 ・オスプレイ定期機体整備及びオスプレイ暫定配備について、引き続き市民と議会に対し、判断をするための情報提供(佐賀空港への配備計画の進捗を含む)と説明の場を設けること。
 ・情報提供は、議会に対し直接、適切かつ速やかに行うこと。
 ・木更津市に所在する陸海空の自衛隊に対し今まで以上の安全対策を徹底し、市民の安全安心確保のための対策を行うこと。
 
2.基地周辺対策経費の所要額を確保し江川総合運動場の早期整備をすること
 特定防衛施設周辺整備調整交付金は、市民の基地に対する理解と協力を得るために重要な施策であり、本市もこの交付金を活用し生活環境の整備や住民福祉の向上等に鋭意努力しているものの、基地の所在による特殊な財政需要の増大により厳しい財政状況下にあることを鑑み、以下の3点を要望します。
 ・交付金の所要額を確保するとともに、米海兵隊オスプレイの定期機体整備の受け入れについては「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法」に準じた特段の措置を行うこと。
 ・防災行政無線のデジタル化事業等、市民の安全確保につながる事業の一部については補助金で事業化を進めていますが、いずれも単年度で終了する事業では無いため、来年度以降も引き続き支援いただくこと。
 ・平成27年度より工事に着手された江川総合運動場の内、陸上競技場は本年6月に完成し、市民のスポーツ振興憩いの場として供用を開始しました。残る野球場及びサッカー場の整備を予定通り完成させること。併せて貴省による基盤整備工事に続き、市による運動施設整備工事が行われますので市の事業に対する助成予算の確保を行うこと。さらに、貴省の基盤整備工事に伴い周辺にある既存道路の損傷が見られますので、全ての施設完成後に補修を行うこと。
 
3.騒音対策等の充実強化を進めること
 現状を踏まえ、以下の4点を要望します。
 ・飛行場周辺地域における騒音環境基準(現行62db)を航空機騒音の環境基準(現行57db)まで引き下げるとともに、騒音環境被害の実態と、場周経路下に居住する住民の感情を考慮し、補助対象区域を拡大すること。
 ・近年は21時を過ぎても飛行訓練が続き、離発着訓練が終わった後もエンジン音により近隣住民の環境は悪化しておりますことから、自衛隊機及び米軍機の訓練や機体整備に伴う米海兵隊オスプレイの飛行は飛行場運用規則に従って適正に行い、夜間早朝等の騒音被害を生じさせる事のないよう対策すること。
 ・夜間や早朝の騒音の実態を把握するため貴省において24時間の騒音測定を行い、その結果を公開するとともに、耳では聞こえない低周波についても実態を調査し、必要な対策を講ずること。
 ・緑地帯や緩衝地帯については風による住宅地等への枝葉の飛散という苦情が聞かれますので、地域の環境を悪化させないよう適切な管理を講ずること。
 
4.地域との共生に努め防災や産業活性化に寄与すること
 木更津駐屯地は昨年3月に新編された陸上総隊の一翼を担う第一ヘリコプター団の常駐により日本国内はもとよりアジア各地の災害に対応する能力を備えていると考えます。また、市民のみならず地域企業との共生に努めることは非常に重要であると考えることから、以下の2点を要望します。
 ・木更津駐屯地は地元自治体との災害時の協力体制を深化させるとともに、防災機能を高め住民の安全確保に寄与すること。
 ・木更津産米等の糧食、物件の地元調達を促進するとともに、防衛施設関係工事及び維持修繕等の地元企業の受注機会の確保や市民の雇用を積極的に行うよう指導すること。
  
 
 今年の要望には陸上自衛隊によるオスプレイの暫定配備に関する可否等の具体的な意見は含んでいない。市民に対する説明会の中で出されてきた課題に対して、行政が防衛省と協議を進めるという事なので、その回答を待つとともに、委員会として対応を協議する事になるだろうし、防衛省から議会に対し再度説明を願うことも考えられる。
 特に暫定配備に関して、5月24日に原田防衛副大臣が本市を訪問され、直接話をいただいたものの、文書としての照会が無い状況の中で議会がどの様な様式を採用すべきかなど細かな点でも悩ましい問題が多い。
 何れにしろ市民のため、今年はまだまだ頑張らねば成らない事が多く続く事を自覚しながら報告とさせていただく。