愛媛の狸に考える
2024/01/14記
 交通政策特別委員会で今治市に行って来た。本四架橋のうち唯一の自転車走行が可能な「しまなみ海道」の起点ということもあり駅前には自転車を借りられるサイクルステーションがあり、鉄道の高架下には自転車大手のGIANTが店を構え、自転車型の柵などのモニュメントが置かれ、駅前のホテルにはサイクルラックだけでなくエレベーターに自転車を乗せて部屋に持ち込むことまで常識のように扱われていた。正に自転車の聖地である。
 
 私は39年前に今治を最初に訪れ、25年前しまなみ海道が開通した2日後に自分の自転車で今治から尾道に向かって走り、14年前には車で通過しているが、これだけ自転車で楽しんで下さいというサインを出されると久しぶりに自転車で走りたいと感じさせる効果が絶大である。娘が小学校の2年生になるので家族旅行で出かけようかなどと考えた。
 
 その様な自転車の聖地であるのだが、意外にも土産物屋が駅前に見あたらず、僅かに駅構内にあるコンビニの一部が今治土産を売っているだけだった。そこで見つけたものが次の写真である。
 
 
 商品の裏側には『愛媛県西条市にある大気味神社に「喜左衛門狸」がいました。この狸の賢さは日本一とされ知恵比べでは誰にも負けません。そんな他を抜く伝説から「たぬきまんじゅう」が生まれました』と由来が書いてある。
 Wikipediaによると日本三名狸は佐渡島の団三郎狸・淡路島の芝右衛門狸・香川県屋島の太三郎狸であり、日本三大狸話は我が木更津の「證誠寺の狸囃子」・群馬県館林の「分福茶釜」・愛媛県松山の「八百八狸物語(隠神刑部)」である。このお菓子を見るまで西条の狸の話は聞いたことがなかった。
 しかし滋賀県の信楽は狸の焼き物が有名で、自称世界一の狸像は徳島県小松島市に有る(兵庫県宍粟市にも世界一の他抜像が有るらしい)。栃木県の益子焼窯元共販センターでも巨大な狸を見た記憶があるので狸は日本中で愛されているのだろう。失礼ながら有名でないからと言って「たぬきまんじゅう」を販売することに證誠寺を持つ木更津市の議員が腹を立てているわけではない。
 
 写真に有るように包みのデザインだけでなく土産物袋のセンスも素晴らしく、本来で有れば木更津市でもこの様な土産が出来ていて欲しいと思うぐらいである。そう言えば今治駅前で土産がないと思っていたが木更津駅でも土産が何処で手に入るのか説明することはそれ以上に難しい。
 たぬきまんじゅうは今後の参考に購入したが、味も3通り設定され消費期限も一月程度有り単価も安く、配るような土産には丁度良いと感じる。少し前にキューピー人形を造ってみたが、やはり食べ物で土産が出来て、北海道の「白い恋人」・仙台の「萩の月」・京都の「八つ橋」のような定番品に育って貰えれば嬉しいなどと思いながら雑然と記事を書いているのである。