娘と市原で楽しむ
2024/05/26記
 3月23日に開所式を迎えた「内房総アートフェス」の<アート作品展示期間>も気が付けば今日が最終日である。3月31日に木更津みなと口エリアを見て、4月11日にKURKKU FIELDSエリアなどを見てきたものの圧倒的に作品数が多い市原エリアは手つかずのままであった。幸い天気も良く朝のうちにゴミゼロ運動として近所の清掃活動を終えた後には特に用事がない。GWの頃には行く気がなかった娘も何故か乗り気になっているので最終日の見学に出かけた。3年前も最終日だったのは単なる偶然であろう。
 
 国道409号線で牛久エリアに入り駅前の案内所で娘の学校から配られていた引換券でチケットを手に入れ、上総牛久駅に展示されている小湊鐵道の車両を見学してから駐車場に戻る道すがら、エリアに9箇所有る作品のうちの5箇所を見学する。
 3年前にも同様のコンセプト作品を観ているが、展示内容は若干変更しているようである。しかし今日の目的は前回に行かなかったエリアの見学なので牛久エリアは足早に通過して内田未来楽校へ移動した。
 
 エリアの作品は2つだけであるが見応えのある作品であった。それより運営しているNPO法人「報徳の会」の方々が優しく最終日ということもあってか娘に人形や折り紙を下さり、おもてなしコーナーの自家製パンも安価で美味しく、娘は次も来たいと言っていたが私も好感が持てる場所であった。明日以降も「内房総アートフェス」と関係なくイベントが行われることも有るようなので娘を連れていこうかと考えながら旧平三小学校に向かった。
 
 このエリアは3年前にも訪れており、幾つかの作品は前回と似たようなイメージでの作品だったが、新たな作品も暗闇と音響を効果的に使ってインパクトが強い仕上がりであり、娘は「この小学校は呪われている」と言っていたが7つの作品をトータルで観ると子どもにはそのようにも感じられるのかもしれない。出口でもスタッフの方が「怖がっていませんでしたか」と聞くので多くの子どもが恐怖に震えていたのだろう。「川でトンネルでも観たらどうですか」と気分転換を提案されたので環境整備協力金の200円を払って駐車場から階段を下り川廻しを見学する。このトンネルは学校敷地を横断しており、学校が河川の上空占用だったのかとか養老渓谷の好文洞崩落の際には安全確認が大変だったろうと余分なことを考えていた。娘には子どもが減って統合されて廃校になるという現象を説明しながら月出工舎に向かった。
 
 
 月出工舎は月出小学校が2007年に廃校となって以来、芸術の発信拠点として運用され日常的に創作活動が行われているため、エリアには14作品が配置され、湖畔美術館エリアの10作品を大きく上回っている。作品も旧校舎の中だけでなく隣接する廃屋なども使われ地域を巻き込んだ芸術活動が展開されているようだ。
 その様な事もあってか、内田未来楽校や旧平三小学校では最終日だというのに駐車場に停まっている車は10台以下であったが、ここでは30台以上が停まっており駐車場は満車に近い状況であった。校庭と校舎内の作品を見学してから常設されているヤマドリ珈琲に立ち寄る。娘がかき氷を食べたいと言うがこの日は販売されておらず、アイスクリームが乗ったフレンチトーストをいただく。室内にも「内房総アートフェス」としてはカウントされていない芸術作品が配置されこの場所のクオリティの高さを実感する。
 隣接敷地では空間を広く使っているので作品も大きく見応えがあるものも多いが音響だけの作品は私には芸術性を理解することが出来なかった(写真で表現できないので上に掲載していない)。多くの作品が<アート作品展示期間>終了後もこのエリアに蓄積され、それにより交流人口や滞在する芸術家が増え知名度が高くなることで市原市のイメージが上がり企業誘致や転入人口の増加などに繋がるとしたら巨額の財政負担にも意味があるのだろう。
 
 
 月出工舎を後にして帰路に着き、途中の月崎・田淵エリアにある「駅舎」としてカウントされている公衆トイレも含んだ4作品を見学する。他にも市原市内には湖畔美術館エリアと3月23日に訪問した旧里美小学校エリア、駅舎/広域区分などの作品があり、5市全体の90作品に対して2/3を占める60作品がエントリーされており、この日はその過半となる32作品を回ってしまった。携帯に示された歩数も1万を越えてハイキングをしているような数値になった。
 湖畔美術館ではフィナーレのイベントが行われるようだが、当該エリアにあるクオードの森でも16時からチェーンソーカービングでの作品作成がライブで開始されていた。娘も工作が好きなので興味があるのかと思って一緒に見ていたが、5時間以上も作品漬けの時間に疲れたのか、単に歩き疲れたのか解らないが、帰りたいというので完成を待たずに帰路に着いた。
 
 オープニングツアーで回った作品や個人的に見て回った作品を含め、今回の参加数と参加率を集計してみたものが下表である。
行政名 フェス全体 私の参加状況
作品 行事 合計 作品 行事 参加数 参加率
市原市 57 3 60 36 0 36 60%
木更津市 18 0 18 16 0 16 89%
君津市 3 1 4 3 1 4 100%
袖ケ浦 4 0 4 4 0 4 100%
富津市 4 0 4 3 0 3 75%
広域企画 0 1 1 0 0 0 0%
合 計 86 5 91 86 0 63 69%
 見学に行った時点では作成中で完成しておらず展示対象になっていなかった作品や悪天候により展示を中断していた作品も有ったが上表には含めていない。それでも約7割の作品を見学した自分を褒めてあげたいものだと思う。
 このように私の「内房総アートフェス」は終了した。6月議会で参加人数や経済効果を発表することは難しいだろうが、可能な限り速やかに収支や実績報告をいただきたいものである。また作品の存続状況や、存続する場合の著作権及び帰属団体など確認せねばならない事項は多い。単に素晴らしいイベントだったと思考停止するのではなく、その効果を検証する必要があると思いながら、帰宅したその日にHPを更新している次第である。