袖ケ浦市議選終了
2024/10/28記
 昨日は全国的に注目を浴びた第50回衆議院選挙の日で、政治と金の問題で自民党に逆風が吹き、維新や国民民主との連立も可能性として残るものの、自公は与党少数で国会運営を担うことになりそうである。来年度予算が年度内に成立し、地方自治体の予算編成に影響が出ないことを望むばかりである。
 
 さて、全国的な注目度はないものの、同じ日に袖ケ浦市では市議会議員選挙も投開票された。正確には袖ケ浦市が日程を決めた後に国会が解散して割り込んできた形である。袖ケ浦市にとっては市が負担する選挙費用が少なく済むことは有難いだろうが、開票作業が遅くなって候補者の方々は大変だったであろう。
 現に投票結果が確定したのは本日の午前1時48分であり、そんな深夜まで待たされた関係者の方々の労苦を慰労したい。
 
 選挙は22議席を巡り19人の現職と11人の新人が争う構図となり、結果は17人の現職と5人の新人が当選を果たし、2人の現職は当選圏に届かなかった。4月にも書いたが富津市では立候補した新人の5人全員が当選したが袖ケ浦市では半分以下しか当選を果たしていない。これは4年前の選挙で293票で当選された議員がおり、300票ぐらいなら何とかなると挑戦した人が多くなった結果であると私は考えている。実際に30人中27人が前回の最低当選得票数を上回る票数を集める事には成功しているが、5人はそれでも当選に届かなかったのである。今回は534票を獲得しても落選となったことで次回からは最低でも550が必要だと認識され、新人の挑戦が減ると想像している。
 因みに袖ケ浦市の新人議員比率は22.7%であり、近隣市に比べて低いほうである。昨年11月12日に補欠選挙で当選した渡辺あゆみ議員も含め、かずさ四市の市議会議員の合計84人中、35人が議員となって1年6ヶ月以内の経験しかない。四市議長会では新人議員に向けて広域事業や君津郡の歴史などについて合同研修会を計画すべきと感じている。
 因みに24人の新人と渡辺あゆみ議員を当選時点での年齢別に整理すると下表の通りであり、25人の平均年齢は46.7歳である。
   
No 氏名 年齢 性別 得票数 世代別人数
1 山本浩太郎 29 袖ケ浦 668 1
2 鈴木 秀斗 30 袖ケ浦 551 7
3 吉田眞希人 30 木更津 2,075
4 満武 琢也 32 君 津 1,227
5 渡辺 あゆみ 32 袖ケ浦 1,719
6 小倉 広紀 38 君 津 1,606
7 林 祥子 38 君 津 887
8 三原 弘嗣 39 君 津 1,641
9 平野 寛明 42 富 津 1,487 8
10 富井 碧 42 富 津 1,216
11 大滝 浩介 43 君 津 976
12 小島ひとみ 44 袖ケ浦 945
13 吾津松太郎 45 木更津 2,729
14 高橋 大志 47 袖ケ浦 774
15 松井 晃治 47 木更津 1,870
16 藤田 真澄 48 木更津 768
17 重信 文彦 52 木更津 1,266 5
18 四宮 安彦 52 君 津 972
19 田丸ゆきこ 55 袖ケ浦 980
20 安藤 順子 56 木更津 2,141
21 斉藤 秀樹 59 木更津 1,667
22 白井 義男 63 富 津 846 3
23 丸 優子 66 富 津 1,288
24 天笠 等 67 君 津 1,190
25 荒井 輝久 72 富 津 630 1
 2002年に展開されたかずさ四市合併運動から既に22年が経過している。30代以下の8人は当時高校生以下であったことになる。既に歴史に成ってしまったような過去のことなのだろう。当時とは各市の人口も替わり、君津市と富津市の合計が木更津市を下回るようになってしまっている。改めて勉強する機会を設けたほうが良いのかもしれない。
 
 では、今回の袖ケ浦市議会の当選者の世代別分布はどうなっているのかと、年齢順に並べたものが下表である。  
氏名 年齢 性別 区分 期数 得票数 世代別人数
山本 浩太郎 29 新人 1 668 1
鈴木 秀斗 30 新人 1 551 3
渡辺 あゆみ 32 現職 1.5 1,719
根本 駿輔 38 現職 3 1,747
小島 ひとみ 44 新人 1 945 4
砺波 久子 47 現職 5.5 1,223
高橋 大志 47 新人 1 774
佐藤 博文 49 現職 2 1,211
佐藤 麗子 50 現職 5.5 1,321 7
笹生 猛 54 現職 5.5 1,540
小国 勇 55 現職 4 1,096
在原 直樹 55 現職 4 1,013
田丸 ゆきこ 55 新人 1 980
伊東 章良 56 現職 2 1,360
木村 よし子 58 現職 2 1,531
緒方 妙子 60 現職 4 2,013 5
稲毛 茂徳 61 現職 2 1,309
塚本 幸子 62 現職 7 1,239
篠崎 典之 64 現職 8 1,161
山口 進 69 現職 3.5 953
湯浅 榮 71 現職 2.5 647 2
榎本 雅司 72 現職 5.5 1,133
 最年少の山本君は四市唯一の20代であり、平均年齢は52.6歳である。1年半前の統一地方選挙で当選した木更津市議会議員は当時の平均で57.8歳であったから現在は59.3歳程度に成っているものと思われ、袖ケ浦市の議員は若い。
 期数に小数点がついている議員は補選で当選した議員である。今回の選挙で6期目になる砺波・佐藤・笹生・榎本の4人は私が初当選した2007年の統一地方選挙の7ヶ月後に行われた補欠選挙で当選してきた議員であり、在籍期間は私より短いのに期数が多くなっている。袖ケ浦市で私より経験が長いのは篠崎・塚本両市議だけとなってしまった。
 
 そして袖ケ浦市の選挙が終わると毎回書いている四市の比較表である。2020年2016年2012年の記録も参考にされたい。
候補者
R6.10.24 R6.4.21 R5.9.24 R5.4.23
袖ケ浦市 富津市 君津市 木更津市
1 吾津松太郎 2,729
2 下田 剣吾 2,680
3 草刈 慎祐 2,573
4 齋藤 高根 2,334
5 佐藤 葉子 2,249
6 三上 和俊 2,210
7 安藤 順子 2,141
8 渡辺 厚子 2,096
9 吉田眞希人 2,075
10 田中 紀子 2,057
11 佐藤 修一 2,039
12 緒方 妙子 2,013
13 竹内 伸江 1,946
14 大野 俊幸 1,912
15 松井 晃治 1,870
16 神蔵 五月 1,831
17 根本 駿輔 1,747
18 鈴木 秀子 1,727
19 渡辺あゆみ 1,719
20 保坂 好一 1,688
21 永原 利浩 1,683
22 斉藤 秀樹 1,667
23 関 務 1,660
24 三原 弘嗣 1,641
25 座親 政彦 1,609
26 小倉 広紀 1,606
27 石井 徳亮 1,597
28 高橋 明 1,590
29 鶴岡 一成 1,576
30 近藤 忍 1,560
31 野上 慎治 1,552
32 笹生 猛 1,540
33 木村よし子 1,531
34 高橋 健治 1,526
35 平野 寛明 1,487
36 石上 塁 1,456
37 鶴岡 大治 1,454
38 重城 正義 1,430
39 三浦 道雄 1,429
40 山田 重雄 1,388
41 伊東 章良 1,360
42 小倉 靖幸 1,359
43 猪瀬 浩 1,324
44 佐藤 麗子 1,321
45 稲毛 茂徳 1,309
46 丸 優子 1,288
47 小林喜久夫 1,285
48 重信 文彦 1,266
49 塚本 幸子 1,239
50 満武 琢也 1,227
51 平野 明彦 1,223
52 砺波 久子 1,223
53 富井 碧 1,216
54 佐藤 博文 1,211
55 鈴木 高大 1,204
56 天笠 等 1,190
57 三富 敏史 1,179
58 宮崎 晴幸 1,162
59 篠崎 典之 1,161
60 榎本 雅司 1,133
61 三浦 章 1,103
62 小国 勇 1,096
63 平野 英男 1,041
64 松本裕次郎 1,040
65 千倉 淳子 1,023
66 諸岡 賛陛 1,017
67 在原 直樹 1,013
68 奈良輪政五 1,006
69 田丸ゆきこ 980
70 大滝 浩介 976
71 四宮 安彦 972
72 山口 進 953
73 小島ひとみ 945
74 石井 志郎 931
75 林 祥子 887
76 渡辺 純一 886
77 白井 義男 846
78 堀切 俊一 833
79 斎藤 利生 803
80 高橋 大志 774
81 藤田 真澄 768
82 村上 幸人 738
83 山本浩太郎 668
84 湯浅 榮 647
85 平野 卓義 639
86 船田 兼司 638
87 荒井 輝久 630
88 石川富美代 583
89 佐久間 勇 573
90 鈴木 秀斗 551
91 山田 悟 534
92 村田 稔 519
93 高木 一彦 510
94 川津多計美 455
95 吉岡 淳一 341
96 松岡 克俊 321
97 茅野 昌文 296
98 佐々木次郎 278
99 佐久間 亘 271
100 村上洋一郎 220
101 小長井哲也 77
102 中田 裕二 71
 
 102人が立候補して84人が当選し18人が苦杯をなめている。この1年半の四市の選挙における落選者の中で最も得票数が多かった者は君津市の斎藤利生氏である。木更津市を含め6人の議員がそれを下回る票数で当選しており、逆に今回の袖ケ浦市で最も少ない票数で当選した鈴木秀斗氏より多くの票を得ながら6人が落選している状況である。
 上位が得票を集めてしまえば下位が少ない票数で競うことは仕方がないし、有効投票数(今回の袖ケ浦市は130票)を上回れば法的に当選が有効になるので少ない票数で当選することには何も問題があるわけではない。
 少ない得票数でも価値のある仕事を進める議員も居れば、票数は多いものの委員会で満足に質疑も出来ず、存在感を疑う議員がいることも事実である。広く浅く票を集めるより特定少数の政治を必要としている人々のために働くという考え方にも敬意を払う。議会は多様性が望まれることを否定するつもりはない。女性議員は全当選者の23.8%になる20人であるがまだ少ないと感じるので選挙に出やすい制度にすることは重要である。
 それでも敢えて持論を述べさせていただければ、800人程度の支持を集めることを前提としてほしいと思うのである。市議会議員としてその規模の市民の代表者として振舞うことが質の維持につながると考えるのである。構造的に少ない票数での当選者が出続けるようであれば定数の見直しを検討すべきではないだろうか。
 
 1年半後の木更津市長選挙までは、参議院や知事選などの応援に出ることはあっても市議会議員が当事者になる選挙の予定はない。木更津の市長選挙では木更津市議会に欠員が出ているので補欠選挙が行われることになるが先の話である。
 国政は大荒れになる気配であるが、かずさ四市では比較的穏やかな日々が流れることになるので近隣市の議員との交流や情報交換を通じて他市の良い制度を導入して地域の福利向上を進めたいものだと思いながら、恒例の記事を終えたい。