38.1月中旬の活動記録
 11日から会派羅針盤の行政視察が始まるので午前6時50分に金田BTに行き、羽田空港行きのバスに乗る。この日は特別養護老人ホームさつき園の評議員会議が午前11時から行われ定款の一部変更について協議されるが、先に視察の日程を組んでいたため、そちらには欠席で返事をさせていただいた。8:15発のJAL643便で鹿児島空港に降り、路線バスで指宿駅に着き、昼食後の14時から行政視察を開始する。
 
1.鹿児島県指宿市
 市制施行 平成18年1月1日(旧指宿市は昭和29年4月1日)
 人口 42,377人(平成28年4月1日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 149.01km2
 平成28年度一般会計予算額 239億8871万円
 財政力指数 0.38 (平成26年度)
 視察項目 指宿市特産品販路拡大支援事業について
 指宿市は温泉としての知名度は高いものの、農産品のブランドイメージが弱く、オクラ・空豆・スナップエンドウ・実えんどう・観葉植物で日本一のシェアを誇りながら、それを活かしていない状況にあった。地域経済の活性化のため域内で生産されたものを域外に販売する「地産外消」を進めるため、今までは農産物は農政課、水産物は水産係と別々に行っていた地域産品のPR活動を一元化するため平成25年度より商工水産課内に特産品振興係を設け、職員3人体勢で活動している。
 係の主な事業は、販路を確保するための商談会等の設営、事業者の資質向上となる研修会の開催、都市部でのPR活動の実施、速やかな情報提供体制の構築であり、事業者が物産展や商談会等に出席する際の販路拡大補助として交通費(1/2以内かつ5万円以内)の支援も行っている。
 指宿市は平成18年に山川町と開聞町との合併で新設され、商工会議所が未だに一本化されていないため、将来的には商工会議所に機能を移すことを念頭に置きつつも、行政の信頼度を背景に取り組みを進め、道の駅の運営事業者に楽天モールを使ったインターネット販売を始めさせる事や香港での販売ルートを研究するなど、年間事業費は約300万円との事であるが多方面の取り組みを行っていた。なお目的が地産外消なので市内の販売促進(地産地消)につながるようなイベントは行っていない。小規模経営も多いため、小ロットでの販売が可能になるよう消費企業とのマッチングに心を配るなど、行政が積極的に人脈を築いて事業者に情報提供していく姿勢には感心させられる。
 木更津市も「オーガニックなまち」として首都圏での位置を確立するために、地域産品をより付加価値を高めて販売し、事業者の雇用確保に繋がっていくことも考えるべきであると参考になった。
 視察を終えて市内の宿に泊まる。旧温泉街にはシングルルームの多いビジネス系のホテルが無いという事なので町外れに泊まった。案内していただいた議会事務局の職員によると、指宿の人気を高めるためには温泉宿の設備更新も課題と言うことである。
 
 12日は朝6時に起床するも外はまだ暗い。ずいぶん西に居ることを実感しながら未明の散歩に出かける。知林ヶ島を目指して歩いたが、途中でこの場所に海軍の基地があり多くの特攻機が出撃し,82人が還らぬ人に成った事を知る。錦江湾の夜明けを見てからホテルに戻り朝食を食べ、8:20より視察を開始する。
 前日に話のあった開聞岳周辺の畑などを見ながら西大山駅前の売店に立ち寄り、農産物の状況と駅からの開聞岳を眺めてから池田湖畔を通り、本日の視察地である鹿児島市の喜入地区にある農業公園に到着する。先方に予約してある時間より早めに着いたので先に高台から前景を見て視察に望んだ。
 
2.鹿児島県鹿児島市
 市制施行 明治22年4月1日
 人口 605,395人(平成28年4月1日現在の住民基本台帳登録数)
 面積 547.21km2
 平成28年度一般会計予算額 2,421億86百万円
 財政力指数 0.69 (平成26年度)
 視察項目 観光農業公園交流体験事業について
 鹿児島市は市の組織に観光交流部グリーンツーリズム推進課を設けて農業公園(グリ−ンファーム)を観光施策として直営にて運営している。これは農村地域の魅力を本物にこだわり始めた都市住民に向けて発信するためと、平成16年11月に周辺の5町を吸収合併して魅力ある農村地帯が増えたことより、平成18年度に基本計画を設け、平成19年度に9箇所の候補地の中から喜入一倉地区を選定、平成20年度より設計を、平成22年度より工事を開始し、平成24年11月15日より供用を始めたものである。総事業費は36億円で、そのうち31億円が合併特例債である。喜入地区が選ばれた理由は土地が工業団地の残地である市有地で、造成や道路、水道などのインフラが整っていたからである。しかし市の職員に聞いても跡地利用が前提ではなかったとは言っていた。
 41.3haの敷地は滞在型市民農園や交流体験館の有る地域交流ゾーン、農産物直売館やキャンプ場のある体験学習ゾーン、民間事業者が有機農業を行う民間参画ゾーンにコンセプトが分けられ、直売館の横には30年の定期借地権を設定し、民間事業者が農園レストランを建築・運営している。
 循環型農業の学習用に、レストランの残渣を飼料化する設備等を設けるなどハード面の整備も充実しているが、平成27年中は361日の開園中に240種、約1900回の体験プログラムを運営するなど、その実行力に感心させられる。プログラムは収穫などの農業体験、ネイチャーゲームなどの自然体験、黒豚ウインナー造りなどの調理体験、間伐体験などの環境学習から成り、その多様性にも特色がある。これを運営するスタッフは市の職員が5人、嘱託職員が14人、臨時職員が7人で、他に農産物直売所と農園レストラン、及び民間参画ゾーンの生産用農場を民間が独自に運営している。利用者は年間約20万人で、土日が多いため職員は平日に交代で休んでいる状況のようである。施設の入園料は取らず実費程度の体験料やキャンプ場使用料、市民農園使用料等が主な収入で今年度予算は約2,031万円の歳入に対し、歳出は5人の市職員の人件費以外で約1億3,758万円となっている。この差額に対して歳出削減の努力という意見はあるが、不要だというような声は出ていないようだ。
 研修室での質議を終え、滞在型市民農園を視察に行く。
南アルプス市のクラインガルテンより規模は小さかったが年間利用料も22万と格安で、中には生活している利用者も居るようだ。初回は20区画の全てが借りられたが利用期間の3年が終わって更新した以降は12区画の利用に留まり空きも出ているようだ。
 環境学習棟や豚舎等も見させていただき視察を終える。クラインガルテンを上回る充実度は参考になり、オーガニックな都市というイメージ造りにも寄与する事は間違いない。運営する鹿児島市のグリーンツーリズムにかける情熱には頭が下がる思いであるが、行政予算が2300億円を越えているから可能とも思える。
 木更津市での展開を考えると予算規模の制約もあり直営は厳しく、民間で類似の活動を行いたい団体や企業(身近な事例としてはマザー牧場が有る)に対し市が施策的誘導を行う等の協力をするレベルに留めるしかないだろうと感じていた。
 
 農業公園から車で15分の知覧で昼食を食べ、特攻記念館の見学も行う。前にも何回か来ているが、隊員達が残した手紙には涙をながさずにはいられない。資料館を3時過ぎに出て空港に着き18:40の便で羽田を経由しアクアラインバスで木更津に帰ると20:40に成っていた。
 家に着いたところで重城議員と連絡が取れ、この晩に開催された東西岩根区長会の合同新年会の中締めを少し先に延ばしてくれると言う。家族に急いで魚勇に送って貰い、慌ただしく東西の区長と懇親を深めさせていただいた。


 13日は午前中に出張の荷物の片付けやメールへの返信作業などを行い、午後2時半過ぎに東京ベイプラザホテルへ送ってもらい「平成28年度かずさ四市議会議長会議員研修会」に出席する。
 君津中央病院の経営方針について君津中央病院企業団専務理事兼事務局長の高橋功一氏からパワーポイントを使用した講演を聴く。その後、各市の議員からの質問もあり、関心の高い内容であることを実感する。その後は四市の議員による懇親会に入り、他市の議会事情などの情報交換を行った。
 話の中で富津の渡辺議員が富津市役所は予算編成過程を公開しているという。不勉強で知らなかったが既に平成27年度予算より取り組んでおり、平成29年度予算についても公開が始まったとの事である(渡辺議員の解説)。私は四市合併論者であるが、このような話を聞くと個々の自治体が先駆的な取り組みを行い、他の3市が追いかける形が有るのも良いものだと思ってしまう。
 
 14日は事務所で私的な仕事の片付けとHPの更新作業を進めるが、視察資料の整理が進まず、連日の疲れも出たので、この日に開催される冬花火も見ずに、作業の途中で終了してしまった。
 
 15日は妹が嫁いだ先の御家族との顔合わせを行うことに成っていたので、この日に開催されるナチュラルバルに参戦せず、夕方までのんびりと過ごしたが、溜まったHPの更新のため夕方から事務所で机に向かい、夜遅くまで作業した。
 
 16日は勝浦で県南市議会議長会の研修会が有る。駅前庁舎からバスが用意されているが、私は個人的に調べたかったことがあって自分の車で行ったが、目的を達することが出来なかった。研修に参加する13市の平成28月12月1日現在の常住人口や議員数等は下表の通りである。
No 自治体名 常住人口:A 内外国人:B B/A(%) 議員数:C A/C(人)
1 館山市 47,033 340 0.72% 18 2,613
2 木更津市 134,856 2,052 1.52% 24 5,619
3 茂原市 89,222 843 0.94% 24 3,718
4 東金市 60,195 1,707 2.84% 20 3,010
5 勝浦市 18,600 137 0.74% 16 1,163
6 鴨川市 33,436 493 1.47% 20 1,672
7 君津市 85,107 688 0.81% 24 3,546
8 富津市 45,009 324 0.72% 16 2,813
9 袖ケ浦市 61,194 556 0.91% 22 2,782
10 いすみ市 37,924 488 1.29% 17 2,231
11 南房総市 38,323 290 0.76% 20 1,916
12 山武市 51,427 623 1.21% 22 2,338
13 大網白里市 48,937 453 0.93% 18 2,719
県南13市計 751,263 8,994 1.20% 261 2,878
 会場の勝浦市芸術文化センターは2年前に完成した多目的ホールで、各市の議員が横一線に並ぶ中、午後1時半より研修が開始される。
 最初に各市の議長と開催市の市長によるセレモニーが行われた後、増田寛也元総務大臣による『「地方創生」と「少子化対策」に今、何が必要か』と題された講演が行われた。千葉県警に出向したこともあり地域状況に詳しい事に感心する。
 地方創生が叫ばれ、木更津市でもクルーズ船誘致や公共交通の問題など様々な課題に取り組んでいるが少子化対策については最近思う事に記載したように若干の違和感を拭えない。研修が終わり、木更津で所用を済ませて日没後に帰宅した。
 
 17日は朝から後援会報の作成を始めるが、途中で入ってきた雑用に手が取られ先に進まない。昼前に出かけて夕方に帰宅したが翌日があるさと諦めてしまった。
 
 18日は委員会運営等の調整で市役所に行き、東口で所用を済ませた後に階段の写真を撮って帰宅。HPの更新を終えてから後援会報に着手するが、予想どおり途中で投げ出してしまい。夜には市民まちづくり塾の運営等について市民活動支援センターで打合せを行った。
 
 19日は午前中に子守を行い、実家に一旦帰る妻子を金田BTまで送るとオスプレイに関して覚書の取り交わしが進むという情報が入る。その対応について市役所で打合せるが、正式に取り交わしを行ったことの連絡が来なければ対応できないので、仮に明日連絡が届いた場合は月曜日に協議会を開催する方針を定めて帰宅し、後援会報について江野澤後援会長と打合せを行った。
 
 20日は妻の実家に雛人形を受取に行く日であるが、午前中は仕事の代休が取れた学生時代の友人と供に群馬県のスキー場で今シーズンの初滑りを楽しむ。昼食は昨年の3月24日に挑戦した店とは別の、ゲレンデ内の食堂で『はげ盛り』を注文するが食べきれず、夜まで満腹感を持続する。妻の実家で雛人形やその他の荷物を積み、友人の自宅へ向かう途中で議会事務局から電話が入る。
 防衛省から市に対し、米軍と富士重工業(株)との間で覚書の取り交わしが19日に行われた事の連絡が入ったという報告であり、前日確認の通り月曜日の朝10時より委員会協議を開催する旨の連絡を入れてもらうように指示を出してから、友人宅を経由して帰宅した。
 
 
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2017年1月下旬の記録