剣 岳 2,998m 富山県上市町
1997年7月27日登山:F島と2人

 山に本格的に登るようになり、毎年アルプスを歩いている内に募ってきた剣〜槍間の大縦走の夢が有った。しかし今まではまとまった休みは全て自転車による日本走破の旅に当てて来たので先送りになっていた。しかし走破の旅も北越編のように終盤の虱潰しになったため一休みとして、33歳という気力と体力のあるうちに山の夢をかなえるチャレンジをした。
 
 26日早朝に夜行北陸で富山駅に着き、電車とバスを乗り継いで標高760mの馬場島に降りる。大縦走をスタートさせるのならば早月尾根しか考えられないのだ。もちろん黒戸尾根の地獄の記憶があるので無理をせず、この日は標高2,224mの早月小屋に泊まる。仕事や夜行列車の寝不足を取り返す昼寝が出来て最高だった。小屋からの富山湾の夕景も綺麗である。
 
 翌朝から残る標高差を詰める。登る毎に小屋や馬場島が低くなり稼いでいる標高差を実感するうちに山頂に到着。急激に人が増える。山頂最初の乾杯の後で縦走を始めるが20食分近い食料を背負ったまま非常に遅い女性登山者の後を行く鎖場は辛かった。
 水の豊富な剣山荘で昼食。ザックを降ろせば天国のような開放感。周辺の混雑情報を聞くと黒部アルペンルートに近いだけ有って何処も酷い雑魚寝らしい。そんな中でも環境が良さそうなのは縦走路から若干はずれた内蔵助山荘と知り今夜の宿はそこにする。たしかに手足を伸ばして寝ることが出来た。
立 山 3,015m 富山県立山町
1997年7月28日登山:F島と2人

 朝から曇り。ラジオでは台風9号が四国から山陰に抜けて熱帯低気圧に変わり停滞しているとのこと。そのせいで天気が落ち着かない。仕方がないから内蔵助山荘を6時頃に出発し、ガスの中を立山を越え、縦走路を進む。一ノ越で少し天気が良くなったが獅子岳の通過で強く降られる。風呂に入れるという魅力も有って午前中であるが五色ヶ原山荘で宿泊を決める。
 ここまで3日も使用しながら進捗の遅さに若干焦る。
薬師岳 2,926m 富山県大山町
1997年7月29日:F島と2人

 台風が変わった熱帯低気圧は太平洋側に戻ったとかで迷走を続けている。そのため雨は降るし展望も得られない。あまりパッとしないからスゴ乗越で泊まろうかとも思ったが、小屋到着が11時前だし昨日までの歩みが遅いので先まで足を延ばす。
 視界のない縦走路を登り続けて展望のない薬師岳山頂に着く。山頂直下に避難小屋は有るが今回食料とアルコールのため寝具を持参していないため営業小屋である太郎平小屋に泊まる。
黒部五郎岳 2,840m 富山県大山町
1997年7月30日:F島と2人

 若干天候は回復基調にあるようだ。北ノ俣岳に登る長い緩やかな坂を越え、細かいピークを幾つか越えれば黒部五郎岳に到着する。ピークで一休みの後、展望も少ないので五郎沢のカールを行く方の道を選び黒部五郎小屋まで歩いて昼食タイム。食事を取っていると稜線ルートを通った登山者が降りてくる。よく見ると我々が山頂到着直前に山頂を出発した人だ。小屋の前のベンチについてカールルートの方が楽だと言う。結果良しだ。
 
 以下は縦走の後半に続く。
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日本を走る