王岳 1,623m 山梨県富士河口湖町
2008年12月25日登山:単独
 
 前回の御陵山から1ヶ月の間に13回も忘年会を行い、怠けた身体を鍛えるために滑りに行こうと思ったらスキー場には雪が無いというニュースを聞いた。それでは山も大丈夫だろうと思い、富士周辺登山に変更した。
 25日は北側に聳える王岳に登る。この西側の三方分山に登ったときはF島と協力し車2台による縦走を行ったが今回は単独行なので女坂峠の下山口に小型自転車を準備してから根場に移動して西湖畔の公営駐車場に車を停める。そんな事をしていたので朝6時前に自宅を出たのに登山開始は8:53になってしまった。
 車道を登山口に向かって進むと『いやしの里』という藁葺き民家集落が現れる。登山道はこの西側を沿うように登るので民家越しの富士山を撮ろうと思ったが逆光だった。気を取り直し鍵掛峠への急登を進む。ここでも鹿の食害防止が目に入る。全国的な問題である。
 10:16に稜線に出有る。分岐は鞍部の少し東側にあり逆から来たら道を見落としたのではと心配になりそうな峠である。甲府盆地の先にある八ヶ岳や南アルプスは雲の中で、本当に富士だけを見続ける登山になる。
 北斜面には若干雪が残っているが、基本的には歩きやすい道を進む。逆光で西湖が輝いている。予想より時間短縮をして11:18に王岳山頂に着く。昼食には早いし、山頂も雪解けでドロドロなので腰も降ろさず先へ進む。急坂を下ったところで、この日唯一の登山者とすれ違った。静かな山行であるが、自分が写真に写らない。
 細かな上り下りを繰り返し、横沢頭の先から広がる樹海を見下ろし、五湖山[1340m]の先で精進湖を眺めて、もう一頑張りで女坂峠である。7年前に登った道を降り車道に出たところに自転車が待っていた。従って13:35より自転車ツアーになる。MTBの方が良かったなと後悔しながらも14:08に西湖畔の車に帰り着いた。予定を上回る早さだったので富士西湖温泉という銭湯に浸かり、紅葉台[1165m]へ寄り道し、早めの夕食をするなどして不動温泉に付いたのは17:40であった。床暖房の気持ちよさでこの日は早く眠りに付いた。
杓子山 1,598m 山梨県富士吉田市
2008年12月26日登山:単独
 
 26日には今年最初の大寒波が来る、と天気予報が伝えたので、澄んだ空気の中の富士山が期待できる、と早朝登山を行うことにした。
 まだ暗い5:30に起床し、車で林道ゲートまで走り付いたのが6:00であった。車外の寒さに服装を整えてヘッドライトの明かりで歩き出す。夜は段々明け始め富士の白い姿が浮かび始める。地図では大権首峠の手前で林道が終わっていたが実際は峠まで通じており、そこにパラグライダーの離陸場が有った。この雄大な富士を見ながら飛び立てると気持ちよいだろうと思う。
 合羽を着て手袋をしていても風は刺すように冷たい。硬直気味の筋肉でゆっくり登っていると山頂に着く前に夜明けを迎えてしまう。上半分だけ赤い富士は樹林の中で写真にならなかった。それでも忍野村に光が射す前の7:03に山頂に到着する。周囲の写真を撮るが寒さの余り5分と居られず、直ぐさま引き返す。富士を見ながら下る登山道は気持ちよいが、流れる涙は感動より寒さのためであった。
 林道をさっさと下り、車には7:51に到着。不動温泉の宿に帰り凍えた身体を朝風呂で暖める。それから食堂で朝食を取ったので、言葉通り『朝飯前』の山だった。
 
 あまり簡単な山一つで帰るのは勿体ないから山中湖東側の明神山(鉄砲木ノ頭)[1291m]にパノラマ台から登る。9時を回ったというのに気温は氷点下だし、富士山頂には雲が懸かってきた。まだ石割山を登る時間は充分に有ったが次回以降の楽しみに残し、石割の湯で身体を温め、富士吉田まで帰って吉田うどんを食べ、忍野八海などを散策して帰ってきた。自宅に付く前に海ほたるから夕焼けの富士山を再度楽しんだことを付け加えておく。
 
石割山 1,413m 山梨県山中湖村
2009年02月02日登山:単独
 
 前日の強い冬型の気候で東京湾越しに富士山や丹沢が良く見えていた。丹沢はまだ黒々としており雪の気配がない。これは2月でも夏道登山が出来そうだと思い愛鷹山の位牌岳に登る計画を立てた。
 午前6時に自宅を出で東名を進むと最初は晴れて富士も良く見えていたが、裾野ICを過ぎると小雨。登山口まで行って様子を見るが晴れそうもない。柿田川公園を見て時間を潰しても晴れないので愛鷹山を諦める。
 御殿場まで帰って曇りのアウトレットモールなどを眺めてから山中湖に行くと雲が切れて富士山が見えている。諦めていた登山意欲が蘇り、前回(↑)楽しみに残した石割山ならこの時間からでも登れると思い立ち、正午に近かったが登山を決意する。
 
 平野の石割神社参道前に車を停め12:05に出発する。鳥居を潜ると真っ直ぐな石段が始まる。直ぐに足がガクガクに成るが身体は暖まり汗が流れる。石段を登りきれば林道に出てなだらかな道になる。富士に雲が懸かり始めるので写真を撮って先に進む。山中湖の周辺の山々もすっかり雲の中である。
 12:33に林道終点に着くと巨石をご神体にした本殿が建っていた。石の割れ目を巡る道があり、その割れ目の直線上に見える巨木は桂の木で、相模川の上流である『桂川』の語源だと記載してあり、この神社の由緒深さに脱帽する。
 そこから登山道らしい道を少し登ると山頂である。到着時間は12:52で1時間かけていない。霜柱に被われた山頂からの展望はガスのため殆ど無い。直ぐに寒くなってきたので来た道を下山し、車には13:28に到着する。当初計画の愛鷹山は5時間の予定だったから、だいぶ手軽な山になってしまった。
 帰路は山伏峠を越えて青根緑の自然村で温泉に入り横浜の鶴見まで一般道を走る。IBSで山用品を買おうと思って向かったのだが月曜定休日だった。
 
仏果山 747m 神奈川県清川村
2009年03月21日登山:単独
 
 天気が良く行事のない土曜日を迎えて房総の山でも歩いてこようかと思っていると前日からアクアラインが休日片道千円まで値下がりをした。対岸で買い物もしたい等と考えているうちに、神奈川県の低山を歩いてみようかと思い立ち、ネットで調べて丹沢に近いこの山に登ることを決めたのは午前1時になる頃だった。
 朝はゆっくり新聞を読みメールの返信や事務処理を片付けて9:47に自宅を出る。混雑するアクアラインの下り線を横目に見て東京湾を渡り渋滞気味の道路を走って宮ケ瀬湖側の登山口に着いたのは12:16であった。この辺りに来るのはダム建設が始まる前である1980年以来であり約30年の歳月で風景も一変していた。
 よく整備された針葉樹林の中の登山道を歩き始める。この山域も房総と同様にヤマビルが多くいるようで来月以降は危険なようだ。ハイピッチで登り続け30分後には宮ケ瀬越の分岐に到着する。北に行けば0.5kmで高取山だが最初に南側0.7kmに有る標高の高い仏果山を目指した。広葉樹に変わった明るい稜線を軽く登り下りし。展望台の建つ山頂には13:20に到着した。
 山頂にはアマチア無線をしている人や昼食を取っている人など10名以上で賑わっていた。早速展望台に上がると相模大山が近く丹沢の山波が一望される。東側も相模原や厚木の街並みが見えるが春霞で東京や相模湾は見えなかった。展望台から降りて昼飯を取り13:40に下山を開始する。
 帰路に705.7mの高取山に立ち寄る。山頂には仏果山と全く同じ型式の展望台が建っているので早速登ると宮ケ瀬ダムの提体が見える。こちらの展望も良いのだが他に誰も居ない。ただ蕾の硬い桜の木が立っていた。ここで行う花見も気持ちよいだろうと思いながら下山したら車のラジオが東京の開花宣言が出たことを教えてくれた。ちなみに帰り着いたのは14:46なので2時間半の山であった。シーズンオフには丁度良い。
 帰路は湯楽の里相模原店で汗を流し、鶴見のIBSで冬山服を探したりして、自宅に帰ったのは20:25だった。
三原山 749m 東京都大島町
2009年03月31日登山:単独
 
 春の間だけ東海汽船の大島行き高速船が館山港に寄港するので、それを利用して日帰りの三原山に行こうと考えていたのであるが用事が入ったり、暇な時には船が満席だったりして実行できないまま春が終わりそうになっていた。30日の朝に東海汽船予約センターへ電話してみると帰りの便が満席という話で今年は駄目だろうと考えていたが、夕方に再度電話すると1席だけキャンセルが出たという事で迷わず予約を入れた。
 
 船は館山港9:20であるが、渋滞や駐車場を探す時間などを考え朝6:40に自宅を出る。国道は渋滞もなく8時になる前に館山に着いたので城など見てからコンビニで昼食を買い港に行く。駐車場は近くの自衛隊脇に無料の場所が確保されていた。天気が曇なのが残念だ。
 往路の船は定員の1割も乗ってなく復路が満席だと信じられない状況だった。それでも50分で大島元町港に到着し20分の接続で三原山口行きのバスが出る。御神火茶屋から歩き始めたのは10:55であった。流石に三原山は観光地で、火口展望台まで全て舗装されている。標高差も200m程度なのでピッチを上げて歩き、三原神社までの2.2kmを25分で歩く。このピッチを続ければ接続時間が5分しか無い温泉ホテル14:57のバスではなく1本前の13:47のバスに乗れそうだと思い、カメラを片手に早足の歩行を続ける。
 火口1週コースで荒々しい風景を楽しみ続ける。伊豆諸島は利島が見える程度で展望は利かない。最高点の剣が峰も踏むが何も碑が無いのも寂しい。自然と足が速くなり裏砂漠まで無休憩で進む。
 温泉ホテルまで1.9kmの地点で12:20だったからベンチに腰掛け館山で買ってきたおにぎりを食べる。少し日も射してきて暖かい。12:40に出発し、時速6kmのペースで進み13:00にホテルに到着。所要時間2:05で8.3kmを歩いた事に成る。このため温泉でのんびりする時間も出来たので800円を払い汗を流す。露天風呂からの展望が非常に気持ちよく満足感が溢れてくる。ただ湯上がりに服も着替えて爽やかに成ったのに元町港で75分も有ったから焼くさやを注文してしまい、匂いが染みついたように錯覚しながら15:20の船に乗る。復路は本当に満席で、乗船時間が押したため館山到着は予定より10分遅れの16:20だった。往復7,520円の船旅が終わった。
高柄山 733m 山梨県上野原市
2009年04月19日登山:単独
 
 久々に天気が良くて用事がない日曜日を迎えた。景気対策としての高速道路千円制度が有るが木更津からではアクアライン・首都高・東京近郊区間と料金が加算され短距離では効果が低い。そこでJRのホリデーパス(\2,300)を使って中央道沿線の山に行くことにし、下山して鶴鉱泉に入れそうな高柄山を選択した。
 
 千葉駅8:19のホリデー快速ビューやまなし号で東京を素通りして相模湖で乗り換え四方津駅で下車する。この駅に降りたのなら山に登る前に斜行エレベータに乗って『コモアしおつ』を見に行く。積水ハウスが手がけた美しい街並みは技術者として参考になる事が多い。そんな事をして登山開始は11:30になってしまった。
 街並みを抜け川合峠から新緑が綺麗な登山道を登り続ける。気温が高く汗が流れる。新大地峠の直前で林道の工事現場に出て、少し先で林道に出た。立派な休憩場が建っているのは良いが、車を横付けして食事をしているのを見ると登山しているという意識が落ちる。
 ここから上り下りを繰り返し13:25に山頂に到着する。晴れているが水蒸気が多く遠景は望めない。下山先である上野原は遠くに見える。ここで遅めの昼食を取る。
 5人の登山者と入れ替わるように出発し下山を始めるが予想以上に登り返しが多い。特にゴルフ場の建設のため矢ノ根峠からのルートが廃止され御前山まで登り返すコースには怒りを覚える。ゴルフ場の境界フェンスには有刺鉄線も設置され敵意を催す。他の登山者もそう思っているのか新矢ノ根峠に設置されていたコース廃止の看板には沢山の非難的な落書きがあった。
 御前山からの急な下りを終え車道に出ると少しの距離で民家のような鶴鉱泉に着く。入浴を前提に着替えも持ってきていたがこの日は休みでガッカリする。上野原駅に16:20に到着し登山は終了。駅前の食堂で生ビールを飲む。電車登山はこれが何より嬉しい。さらに新宿に出て東京麺通団に寄ってうどんを食べながら酒を飲み、紀伊国屋で本を探してから帰宅した。
No56 .2008/12-2009/6    ←No55No57→
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