竜ヶ岳 1,100m 三重県いなべ市
2012年05月12日登山:F島と2人

 
 転勤で1月から滋賀県民になっているF島から初春の登山に誘われながらも日程が合わず、連休の翌週に週末が空いたので鈴鹿の名山に登りに出かけた。
 
 前日のうちに電車で名古屋に入って1人手羽先を食べながら酒を楽しみ、翌朝8:56にJR桑名駅前でF島の軽自動車に拾われる。山並みには雲が掛かり、鈴鹿峠の向こうは雨だったと云うF島の言葉に気分が重くなるが、天気予報を信じて登山口に向かう。
 途中のコンビニで食料を購入し、国道421号線で宇賀渓入口に着くと直ぐ手前に無料の駐車スペースがあるのに有料駐車場として500円を提示される。引き返して国道沿いの駐車場に車を停め9:50より歩き始める。
 再度宇賀渓の入口に着くと入山料として1人200円を請求される。駐車場利用者は無料と云うことなので、2人では100円の節約に過ぎなかった、と反省しながら入山届けに記入し、先に進む。
 車道を少し歩き、10:17より裏道登山道に入るといきなりの急登である。基本的には沢沿いのハズなのに山を登っているな、と思っていると尾根を超え沢沿いに戻る。コースには標識が整備され、橋も前回の皆子山とは比較にならないほど整備され、解りやすい山だと思って安心しているうちに獣道に入り登山道と分かれてしまう。
 稜線は近いから登ってしまいましょうというF島の言葉に引きずられるように進むと弱った子鹿が蹲っている。本当の獣道だったな、と思いながら進むと笹原に入り道が無くなる。藪を漕ぎながら登山道に戻り稜線に出ると風が強く雨具を羽織る。降りてきた人が山頂は7℃で風が強く、寒くて居られないよ、と言われる。幸い不安に思っていた雨も無く、東側の展望も知多半島程度までは見えているので開放感に満足しながら小さな起伏を超え12:24に山頂に到着する。結構多くの人が山頂でくつろいでいた。我々も山頂の少し下で風を避けながら昼食を取りビールを飲んでいたが身体が冷えてきて12:50に出発する。石榑峠に向かって下るうちに日差しも増え始め、気温も高くなってきた。
 石榑峠には13:30に到着すると多くの車が停まっていた。トンネルの開通で滋賀県側からのみ、ここまで登ってこれるという事だが、車でここから入れば往復2時間の軽い山なのだ。我々は通行止めになっている三重県側の車道をしばらく歩き、本谷コースの下山道に入っていく。何回か沢を渡りながら下山していくと砂山分岐に着く。当初は砂山コースで考えていたが、沢沿いの滝などを楽しもうと提案し、川沿いを下ると鐵梯子が現れ、その下には立派な長尾滝が現れる。
 渓谷沿いの道を進むと夫婦連れに追いつき、その後ろを歩いていると中道を降りてきた4人連れが合流点で後ろに着く。気が着くと10人程が一列に並んで歩いているが先頭を行く奥さんは道を譲る気配がない。気を使った旦那さんが直ぐ後ろにいる我々に「お先にどうぞ」と言った場所は狭い岩場だったので「広く安全な所に出てから譲って下さい」と答える。ハイカーはこのような事に気付かない人が多いと思う。少し先で道を譲ってもらったら歩行速度を上げ、すっかり晴れている駐車場には15:05に戻り着いた。
 
 近くに湯の山温泉なども有ったが、個人的な趣味で「伊賀の里もくもく村」を見たかったので、山の汗を流すのは16:45まで遅れたが、もくもく村の温泉にすっかり満足し、夜はF島が単身赴任している南草津の駅近い居酒屋で気持ちの良い夜を過ごした。
編笠山・権現岳 2,715m 山梨県北杜市
2012年07月31日登山:単独

 
 山に行こうと思いながら、休みが取れる日には天気が悪く、気が付けば3ヶ月近く山から遠のき、若干の焦りを感じていた。この日は翌日から九州出張を控えた月末であったが天気予報の良さに引かれ、登山を強行することにした。
 
 30日は遅くまで仕事を片づけ、午後10時に布団を車に積んで自宅を出発、午前1時に韮崎の道の駅に着き眠りにつく。朝5時前に隣の車の片付け音に目を覚まされて登山口に向かう。標高1,560mの観音平に6時前に到着する。車の気温計は19度を示しており涼しい。水場がないため少し戻って延命水で給水し、荷物を片づけ6:13より登山を開始する。服装は短パンとTシャツで、藪に成ったら履くためのジャージをザックに入れていったが最後まで使うことはなかった。
 最初の展望台である「雲海」からは言葉通りに浮かぶ富士山が見え、爽やかな風に寝不足も感じさせず、快適である。老夫婦を抜き、若い女性に抜かれて、マイペースで登っていると雲も消えていき視界がどんどん広がり始める。石楠花の花越しに南アルプスを見て満足した気分で8:44に編笠山[2,524m]に着くと、北アルプスから恵那山まで広がる大展望に声が出てしまった。諏訪湖の奥に槍が聳え、八ヶ岳の稜線も間近に厳しい。平日なのに山頂には人が多く、皆がこの展望を喜んでいる。私も多少風邪気味で、場合によっては此処から引き返すつもりが、30分の展望休憩をとるうちに俄然登山意欲が高くなり、権現岳を目指すことにした。
 青年小屋の鞍部に降り、登り返す内に植林限界を超え、強い日差しが容赦なく肌を刺す。日焼けするだろうなと思いながらも短パン登山の快適さに購えず、そのままガレ場も鎖場も超えていく。ギボシの先にある権現小屋は屋根の上に布団を干しているところで、ここに泊まるのも良さそうだと思いながら最後の坂を上り10:34に山頂に到着する。東には西上州の山並みが川上村の光るハウスの上に広がり、北に赤岳は目前である。展望を満喫しながら休憩していると北から縦走してきた人々が通り過ぎる。キレットを超えてきたのか、と苦労を心の中でねぎらい、山頂の一時を地元の青年と話しながら過ごす。
 早く帰って翌日の出張準備を行なわねばならないため11時になった所で山頂を後にする。三ツ頭経由も考えたが最後の登り返しが嫌で編笠山を巻くルートで下山をする。青年小屋から押手川までの道に岩が多くて予想以上に苦戦しながら、それでも速度を緩めずに足を進め、駐車場には13:56に到着した。8時間弱の行動時間であった。
 
 駐車場から車を少し走らせ延命水の水場に行き喉を潤し少し休息をとりながら靴を履き替える。その後は翌日に筋肉痛を残さないよう、小渕沢延命の湯に浸かり、中央道を急いで帰ると国立府中の先で事故渋滞となっていた。一般道に降り、多摩川沿いの道を浮島まで走り続け、アクアラインを渡って木更津に帰り着いたのは午後7時に成る前であった。そして予想通り、九州出張の間は下り階段が少し辛い3日間を過ごすことになった。 
高松岳 1,348m 秋田県湯沢市
2012年08月10日登山:単独

 
 3月末以来被災地に長いこと足を運んでいなかったが、何とか9日からの休みが取れたので初日に登山してから気仙沼に向かうつもりだったが国境稜線に雲が多く、初日を視察に充てて2日目に早朝から山に登る計画に変えて、牡鹿半島を巡って気仙沼に泊まった。
 翌日は天気が悪ければ大島で海水浴をする覚悟だったが午前4時半には快適に晴れている。早速車を動かし泥湯温泉を目指す。カーナビでは8時半に到着予定だったが前夜の復興商店街で日本酒を飲み過ぎたのが効き、登山口に着く前に車中で仮眠して、結局泥湯に着いて歩き始めたのは10:15になってしまった。
 
 最初の内は車道を川原毛地獄入口まで歩き、その先から登山道に入るが「遭難死多発」の看板が妙に気になる。10:44から山道を登り始めるが気温も高く、前日の酒も残り体調が悪い。山伏岳[1,315m]には12:18に到着するが、ここから見える高松岳は結構遠い。登山ガイドのコースタイムは5時間だが、今日の体調では難航しそうだと思いながら小休憩をとる。此処に来るまでにコンビニを探せず、満足な食事がないのも辛く、万一のための保存食に手を出さず水だけを飲む。展望は悪くないが神室岳以外は馴染みのない山域で戸惑いも覚える。
 時々涼しい風が吹くようになった稜線を歩いて13:48に高松小屋に到着し、日陰で横になって仮眠する。まさか遭難死はしないだろうが、想像以上にへばり、標高差の割にはタフな山行きに成ってしまったと悔やみ、大島で泳げば良かったかなと思ったりする。それでも汗が引いたところで片道0.3kmの山頂までピストンし、後は下るだけだと自分を奮い立たせ歩き始める。
 ここから石神山分岐までは爽やかな笹の稜線で少し曇り気味で日差しが弱くなったので気分も良くなり、小安岳の巻道下にある細い水場で喉を潤し、勾配の急になった下山路を泥湯温泉目掛けてひたすら下り、駐車場には16:15に戻ってきた。行動時間6時間であった。この間に出会った人は誰も居ない静かな山であった。
 
 せっかく泥湯温泉に居るのだから、この湯治場に浸かるのも魅力的ではあったが、夏しか入れない川原毛大滝の滝壺に浸かろうと車で一走りし、午後5時過ぎに滝に到着する。家族連れの4人が水着で入っていたので、私も品をわきまえ短パンで浸かる。カメラは防水なので滝壺まで持参したが、目も開けられないような強い酸性に大丈夫かと心配になる。打たせ湯を沢山楽しみ、湯から出て稲庭うどんを目指したが佐藤養助本店の営業が終わっており、他の店舗で食べたものはやはり少し劣る味だった。
十二ヶ岳 1,683m 山梨県富士河口湖町
2012年10月05日登山:S井と2人

 
 9月中が忙しく山から遠ざかった日々の中で、今月21日にアクアラインマラソンを走るS井から体調調整のため、簡単な登山を富士山の周辺で行いたい、というリクエストが届く。前夜に寝袋を持って我が家に着いた彼と打ち合わせる中で、当初案の御坂黒岳から十二ヶ岳にする事に決めて日付の変わった後に就寝した。
 
 午前5時前に起床して中央道を河口湖まで走り、富士吉田の牛丼屋で朝食を取って、何の気無しに御坂峠に着いたところでS井より「十二ヶ岳に変更したろう」と指摘され、西湖の登山口に移動する。一晩寝たら忘れてしまうとは我ながら恥ずかしい。
 移動の途中で河口湖畔から富士山が見えており、山頂からの展望にも期待しながら西湖の登山口に到着し、8:35より歩き始める。「通学路」という分岐を過ぎるといきなり急登が始まり、アキレス腱が攣りそうになるのを堪えながら登る。途中で勾配が緩くなるが久しぶりの登山はやはり辛い。マラソンに向けて身体を作っているS井は息が切れる気配も見せず順調に登っていく。私は花の撮影と称として休憩を入れるなど、ペースを抑えて進み、10:27に山頂に到着する。山中湖から精進湖まで足下に見渡せる展望は評判通りだが富士山頂は雲に隠れて見えない。何とかなると信じて早めの昼食タイムにする。
 しばらく休憩していると単独行の男女がそれぞれ到着し、少し賑やかになるが目前の雲はますます厚くなる。女性の方は毛無山経由で岩場を超えてきたという。ただ毛無山の山頂に「毛」が生えてしまったようで展望が利かないと聞き、下山は当初予定通り往路を下ることに決めた。山頂で11:30まで待ったが雲が切れることが無く、富士山の端正な姿を見ることは出来ないと諦め撤収を開始し、午後から登山する人とすれ違いながら急坂を一気に下り、12:45に登山口に帰り着いた。
 登山口にある「富士西湖温泉」という天然温泉ではない風呂に900円で入り、山中湖から道志を超えて藤野やまなみ温泉へ到着して600円で2箇所目の風呂を満喫しながら夕食をどうするか話していると、木更津に出来たMOPで食べたいとS井が言うので、相模湖ICから高速に乗り、午後6時過ぎに自宅の近くのMOPへ到着し、富田製麺の特製浸け麺(1000円)を食べて解散した。
温泉ヶ岳 2,333m 栃木県日光市
2012年10月12日登山:単独

 
 早朝に前線が通り過ぎて日中は快晴になると水曜の夜の天気予報が伝えていた。2週続けて金曜登山となってしまうが、紅葉前線を奥日光まで迎えに行きたいと思い、前日は遅くまで残業をして仕事を片づけ、午前1時過ぎに布団に入った。
 
 翌朝4:50に起床し、東北道を順調に北上する中で、長袖シャツを持ってこなかったことに気が着く。流石にTシャツでは寒いだろうと思い、鹿沼で高速を降り、7時からやっている作業着屋に立ち寄り服を入手する。コンビニで食料を買ったり、色々やっている内に金精峠のトンネル手前の駐車場へ9:10に到着し、新しい靴と木更津のアウトレットで購入したジャージの機能を確認するために新歩き始める。
 金精峠までの上り坂は23年前の同じ季節に歩いているが、記憶にない急坂に戸惑いながら、それでも頭上に広がる紅葉に気持ちも浮き立ち峠まで一気に登る。他の多くの登山者と共に日光白根山へ行こうかと一瞬思うが、背中を向けて県境尾根を北上する。稜線を渡る風が冷たく、直ぐにレインウエアの上を羽織って歩くことになる。東側には湯の湖と中禅寺湖、西側には木々の間に菅沼と丸沼が見下ろせる気持ちの良い縦走路を進み、温泉ヶ岳山頂入口を10:14に通り過ぎて念仏平方向に進み切込・刈込湖を見下ろせる場所まで進んで写真を撮影し、夏から携帯で始めているフェイスブックにアップし、引き返して今度は山頂を目指し、10:47に頂に着く。するとガイドの記載と違い、そこからも切込・刈込湖が見えた事と、尾瀬方面の山が雲に隠れて見えないことにガッカリし、それでも気持ちの良い山頂で大休止を取る。
 誰も人が来る気配がないのでセルフタイマーで写真を撮り、11:00に下山を開始する。往路では逆光がきつかった中禅寺湖方向の遠望も良く見え始め、快適さに満足して11:45に駐車場に帰り着いた。
 
 日光まで来て行動時間3時間以内では勿体ないので、自動車で少し移動して切込湖へのハイキングを行うことにした。紅葉も始まったばかりであるが、道の整備がよい中をゆっくりと快適に歩き、12:50に湖畔に到着した。道路が来ていない湖畔の自然環境は最高で、他に3組が木陰で食事を取っている状況に誘われ、1人で少し遅めの昼食タイムにする。風も秋の冷たさで、長居したい気持ちを切り上げ往路を引き返し、13:51に車へ帰り、程良い疲れを感じて今日の運動を終えた。
 湯元の温泉寺で汗を流し、戦場ヶ原のススキを見て、観光客でごった返す竜頭の滝はスルーしていろは坂を下り、佐野まで一般道を進んでご当地名物に成っている「大根そば」を食べてから高速に乗り、アクアラインを20:06に降りた。近くのベイシアで買い物をしようかと考えたが20寺閉店だと店の前まで行ってから気が着いた。
 
No69 .2012/5-2012/10    ←No68No70→
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