大楠山 241m 神奈川県横須賀市
2020年06月20日登山:S井と2人
 
 コロナウイルスによる緊急事態宣言で登山を控え、宣言解除後も県境を越えた外出自粛が求められていたが19日には移動自粛も解除され登山解禁の時を迎えた。しかし、私は運動不足が激しく相方は足が故障気味であり、自粛が空けたと言って遠征するのも憚られるし有名な山で「密」になる事も避けなければと考え、対岸の三浦半島の最高峰を登ることにしようと決めた。暑い時期に低山なので最短で往復出きると思われる湘南国際村からのルートを選択し、朝8時半に自宅を出て9:39より歩き始めた。
 
 標高165mの駐車場から舗装道路を降りていく。途中で犬の散歩をしている人達とかと擦れ違うのは湘南国際村に近いためだろう。最初はマスクを付けて歩き始めたが、息苦しく汗が溜まるし擦れ違う人も付けていないし密では無いので外すことにした。ゴルフ場の横を抜けて標高85mまで降りたところで舗装は終わり登山道に入るのだが標識も階段も良く整備されており、10:12に到着した山頂には売店も置かれているなど、登山と言うよりハイキングのような山である。売店の横に展望塔が有って、その上からは半島最高峰だけに眺めは素晴らしく、富士山は雲の中であったが伊豆半島や大島、房総半島も良く見渡せ想像以上に満足する。山頂で10:26まで楽しみ、往路を忠実に辿って駐車場には11:04に帰り着き、簡単すぎた登山は終了である。
 
 プリンの名店で家族へのお土産を購入して横須賀に向かい、三笠記念公園の近くに車を停め、ドブ板通りを散歩して昼食にハンバーガーを食べてから港に行き1400円を払って13:30の船で猿島に渡った。
 東京湾唯一の自然島で軍の要塞としての遺産が残る猿島へは渡りたいと長らく思っていたのであるが、その為だけに横須賀へ行く気にも成らなかった所、今回の大楠山とのセットだと丁度良い。島に渡る船も昨日まではコロナウィルス感染防止で運行自粛していたという事でタイミングもバッチリである。甲板には多くの乗客が乗っていたが感染対策で定員を減らしているという事である。レンガ造りのトンネルを始め軍の遺跡に満足し、横須賀温泉で汗を流してから高速に乗り、アクアラインの上り渋滞を脇目にしながら午後6時に成る前に帰宅した。
稲包山 1,598m 群馬県中之条町
2020年07月24日登山:W辺と2人
 
 都内を中心に感染拡大が止まらない中、梅雨明けも遅れており、オリンピックの開幕も無くなって4連休だけが残されたので、足首の調子が悪くリハビリ登山を続けるW辺とともに近年上越国境の登山道整備が進んだと聞く稲包山に登ることにした。私は妻の里帰りも兼ねているので23日の夜に祭日にも仕事であったW辺を新座駅前で拾い、苗場スキー場の近くにあるロッジ丘に22時過ぎに到着して泊まる。ここもフジロックが中止になって影響を受けている地域である。
 朝5時に起床して前夜にコンビニで購入していた朝食を食べて出発し三国スキー場跡地を目指す。W辺は30年前に滑った事があると言うが現地はリフトや駐車場が有ったとは思えないほど自然が復元した空間になっていた。砂利道の元駐車場と思われる広い路肩に車を停める。他には車もなく、荷物を整え6:16より歩き始める。
 行動開始直後「通行止め」の道路標識があり、その下には山頂まで4時間という案内が有り午前中の往復が可能か心配になる。道は連日の雨でビタビタである。沢を渡渉すると山道になり、尾根に出て勾配が緩くなって歩きやすくなり、直ぐに国境稜線に出た。三坂峠に向かって少し降り、登り返した西稲包山の先が悪路になっている以外は笹原も広く苅り払われておりとても歩きやすい。トレイルランの普及の恩恵を受けている事を実感する。午後から小雨の予報であったが赤城山も良く見えトンボが飛ぶ気持ちの良い国境稜線から離れて少し登ると、展望を遮る木立がない爽快な山頂には8:28に到着した。
 谷川連邦や白砂山に向けた国境稜線の展望を楽しみながら20分ほど休みを取り、西の雲が近づく前に下山を始める。三坂峠で2人組の登山者と擦れ違ったが、これが今回の全てで、全く「密」にならないマイナーな山であった。小雨が降り始める頃に沢へ降り冷たい水を飲みながらパンを食べて遅れ気味のW辺を待ち、車に戻ったのは10:54であった。予想より1時間も早い往復4:38の登山は終了した。
 
 三国峠を下り猿ヶ京温泉の「いこいの湯」で46度の高温に耐え、日本酒を探し求めながら玉村まで南下してから高速に乗り、妻の実家に車を停めてから武蔵野線と東上線で和光に行き、ミフネ和光店で美味い肴と酒で久々の山の打ち上げをしてから解散した。
若草山 342m 奈良県奈良市
2020年08月08日登山:妻と娘と3人
 
 奈良には何度も行っており34年前の自転車の旅では泊まってもいるが奈良公園にある若草山には登ったことはなかった。2003年に北九州の皿倉山と山梨のフルーツ公園とともに新日本3大夜景に選出されて以来、一度は行こうと思っている中で年月は流れ、今回家族旅行で訪れることになった。
 若草山ドライブウエイを使っているので足で登る標高差は40m程度の散歩のような山である。日が落ちた山頂には多くの恋人同士が涼んでいる中で私は妻子を連れて三角点を踏み暗くなる風景を楽しもうと思って移動すると娘が斜面で滑って転ぶ。後ろから来る妻に気を付けてと言うが別の所で足を躓き激痛を訴える。急いで駐車場に戻って鹿に囲まれながら対処し、夜には薬局に湿布を買いに行き、翌朝には私と娘が奈良公園を散歩している間に病院に行くと小指の付け根を骨折していることが解った。昨年の美ヶ原のように楽しい記憶には成らなくなってしまったが、強烈に記憶に残ることは間違いないだろう。
行道山 442m 栃木県足利市
2020年09月22日登山:娘と2人
 
 連休の終盤に天気が良くなると言う予報を聞き群馬のマイナーな山に登ってから里帰りしている妻子を迎えに行く計画で家を出発して妻の実家に行くと4歳になる娘も山に連れていってと言われた。行動時間が1時間程度の山を考え、未踏の関東百名山の中から足利の行道山を選択したのは前夜の9時を回った頃であった。
 翌日は新座の実家を7時半に出発し混雑が予想される高速を避けて下道を使うが渋滞もなく順調に進み登山口には9時半に到着した。
 
 登山道で草原が無いことを信じて今回は長ズボンを実家に持って帰っていなかった娘に会わせて半ズボン登山である。荷物を準備しているところを娘に撮影され9:38より登山を開始する。途中に見える山門まで娘が競争だと言うので階段の駆け足登山を行うことになった。小さな娘には段差がきついだろうと思うが苦にする気配もなく寺を素通りして登り続け9:58に寝釈迦に到着し、そこで休憩していた婦人から頑張っている娘にと蒟蒻ゼリーを頂いた。
 ベンチでゼリーを食べ水を飲んで少し休憩してから登り始め山頂には10:27に到着した。ミカンやパンを食べ赤城山を見ながら10:40まで休憩し、もう降りると宣言した娘の言葉に逢わせて坂を下る。帰路にお寺によると登山口からのモノレールが災害で運休していることや清心亭も休み成っていることを知る。娘はお寺に興味がないようで先にどんどん下っていき11:22に帰り着いた。車に乗せて走り始めると5分も経たずに眠ってしまった。標高差210m程度だが疲れたのだろうなと思いながら太田で昼食を摂り、熊谷で風呂に入って帰路に着いた。
霧訪山 1,306m 長野県塩尻市
2020年10月30日登山:S井とF島と3人
 
 久々に山小屋に泊まりたいと思っていたがコロナ禍で難しくなった上に10月上旬も忙しく尾瀬等では小屋が冬季閉鎖になってしまった。八ヶ岳の小屋かなと考える中で鉢伏山に宿泊できる小屋があることを知る。おまけに車で横付けでき山頂も目前という立地である。お手軽山小屋を決めた後で、その前に登る近くの展望がよく行動時間の短い山を探し、難読名この山を知った(山名は「きりとうやま」である)。S井とF島とはメールで計画を詰めていったが、S井の三重県出張が決まって一人日帰りを余儀なくされるため帰路は電車になることなど、諸調整を行った結果、私は自宅を出てから山に背を向けて東に向かいS井を乗せて行くことになった。
 
 金曜日の朝4時前に起床して市原に住むS井を拾い、5時前にピックアップして中央道を西に進む。山梨県を抜けると雲が切れて晴天の領域に入る。太田市に住むF島は上信越道経由で集合地点の小坂田道の駅に来るので八ヶ岳PAで朝食を摂りながら時間調整し、道の駅からは一台になって登山口に向かう。マイナーな山だと思っていたが駐車場には2台が停まっており、我々も着替えて8:59から登山を開始する。麓の中学校が100m毎に距離標識を設置してあり駐車場から1600mで400mの標高差を登ることを知る。松茸山を単調に登るだけだと思っていたが城跡だけでなく、途中には避難小屋もあり、ニホンカモシカも挨拶に出てくるなど急登でも楽しく登り続け、山頂には9:58に辿り着いた。360度の展望を確保するため周辺の樹木は伐採されており、鐘も設置されるなど地元の方々がこの山に力を入れていることがよく解る。展望は八ヶ岳方面は良く晴れていたが南北アルプスには雲が掛かり若干残念であったが雪を被った御岳も見えてなかなか爽快な山頂である。20分ほど展望を楽しんで下山を開始し、平日なのに多くの登山者と擦れ違いながら11:06に駐車場に戻り着いた。
 
 大して汗もかいていないが田川浦温泉によって汗を流し、山小屋に泊まらないで特急で帰らねばならないS井を岡谷の駅に送りながら新蕎麦を食べる。午後2時過ぎに岡谷の駅前でS井とは別れた。
鉢伏山 1,929m 長野県岡谷市
2020年010月30日,31日登山:F島と2人
 
 岡谷駅から再び道の駅に戻って塩尻の日本酒やワインを購入し高ボッチ高原を経由して標高1,835mの鉢伏山荘に付いたのは14:46であった。周辺に木立もなく、予想より開放的な空間に洒落た建物が建っており、小屋の主も良い人で、宿泊者は我々二人だけという自由さにすっかりくつろいでしまい、夕焼けの時間まで小屋で酒を飲んで至福の時間を過ごさせていただいた。
 日本酒で気分も良くなったころ防寒装備を調えて15:45から山頂を目指して登り始める。道も良く整備されており急坂もなく15分程で日本三百名山の頂に到着する。小屋との標高差は94m程度であるが飲酒登山のため息は切れている。少し先にある展望台まで行くが富士山や北アルプスは雲の中で残念である。それでも諏訪湖と松本市の夜景やこの日に満月を迎える月の出などを楽しみに待っていると鹿が挨拶に出てきた。
 標高が高い分だけ風も強く日が沈むと気温が下がり、17:10まで見ていたが耐えられずに小屋に戻る。するとお風呂が涌かされており冷え切った身体を暖めることが出来た。夕食のおかずも美味しい肉とキノコという山小屋とは思えない充実ぶりのため、持ち上げた酒とワインは簡単に飲みきり、発電を消してロウソクの灯りだけとした食堂で小屋の焼酎を飲みながら山小屋の経緯や運営などについて話を聞いていた。夜9時に成る前に部屋に戻って布団に入り直ぐに夢の中に入ってしまった。
 
 翌朝は夜明け前に起床して朝焼けを見るため5:30から再び山頂に登りはじめる。道には霜柱が発達し笹の葉の上には霜が降りて白い。月が沈んだ後の行動になってしまったが天気は快晴で富士山も良く見えており南アルプス・中央アルプス・北アルプス・頸城山塊が一望できる。諏訪湖畔や松本市街には街の灯りが残り夜明けの美しさを引き立てる。極寒の山頂で1夜明けまで風景の変化を楽しみ、下山しながら前鉢伏山まで足を伸ばして北アルプスを眺めるなど、小屋に戻ったのはもうすぐ7時に成る頃だった。
 美味しい朝食を摂りながら、本来だと蓼科に登る予定であった今日の登山は満足度が更新できるようには思えないので辞めて、鉢伏山の強い印象を持ち帰るのはどうかなとF島に聞くと、同じ事を考えていたようである。8時近くに小屋を出て高ボッチ高原に行く。
 
 前日は富士山が見えないので素通りした高ボッチ高原[1,665m]であるが、展望台からは諏訪湖を大きく見下ろして八ヶ岳も視野に入れながら富士山を眺めるという点では鉢伏山頂より素晴らしい。その他の山々を見るということでは標高が高い分だけ鉢伏山が優っているように感じられた。いずれにしろこの山域が超一流の展望台であることを感じ、もう一度来たいと思いつつ山の旅を終わりにした。
 あとは崖温泉に向かう道を降り、アルプス正宗の酒蔵を訪ね、竜島温泉で汗を流し、山形村の蕎麦を食べてから道の駅に戻ってF島と別れ、中央道から青空に映える八ヶ岳を見ながら通り過ぎ、自宅には日没前に帰り着いた。
No88 .2020/6-2020/10    ←No87No89→
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