離山 1,256m 長野県軽井沢町
2023年11月19日登山:W辺と2人
 
 飯盛山登山前にW辺が我が家に置いて帰った本が馳星周氏の「ソウルメイト」で、その短編集の中で軽井沢周辺の山が記載されていた。リハビリ登山は標高差300m程度だから理想の場所だと感じて、今回のツアーを計画する。土曜の夜にW辺が電車で木更津まで来て一緒に20:50のバスで帰宅し事務所で軽く酒を飲んで泊まった。
 
 朝5時に起床して部屋の片付けもそこそこに出発。空は晴れ夜が明けると山々が良く見え始める。碓氷軽井沢インターを降りると路肩には雪が残っていた。コンビニで朝食を購入して車中で食べ雲場池周辺に駐車場を探すが無く、駅近くの矢ヶ崎公園の有料駐車場に車を停め、フリースの上にダウンを重ね手袋も装備して8:25から歩き始めた。
 所々に紅葉が残るが基本的には初冬の空気で、静かな雲場池を見て別荘地を抜け東口登山道の入口には9:20に到着する。W辺と一緒なのでペースはゆっくりである。登山道の入口には熊に注意を促す看板があったが、登山道に入って直ぐにニホンカモシカに遭遇した。単調な道で標高を稼ぎ山頂には10:01に到着する。目前の浅間山は当然として北アルプスも美しく、無料の望遠鏡で穂高や槍の風景も楽しめるなど、想像以上に楽しい山頂でテンションも上がる。30分ほど展望を楽しんでいたが誰も登ってこない静かな山頂を後に下山を始め、雲場池まで戻るとレンタサイクルを利用したアジア系外国人で賑わっていた。食事は移動して摂ることとして駐車場には12:15に帰り着いた。出庫すると駐車時間は4時間丁度で駐車料金は200円と安価であった。
 
 小諸で盛りそばを食べながら飲んでいない日本酒を調べると休眠中だった上田市の山三酒造が今年から酒造りを再開し、酒米の生産地でもある東御市の八重原地区に販売している店があることを知り、午後には営業していることも電話で確認出来た。近くには八重原温泉がある情報も得たので食事後のミッションは温泉と日本酒の購入となった。温泉からの浅間山の展望に満足し、湯上がりに訪ねた酒屋の「坐kura」のポテンシャルの高さに驚き日本酒2本を購入して小諸のホテルに移動する。1泊2食かつ夕食にアルコールフリーで6,732円/人の宿は懐古園の最寄りなのに駐車場も無料で、温泉が故障中だったこと以外は文句無い。夕暮れの懐古園を散歩して食事後には部屋で買ってきた日本酒を楽しみ、内容の濃い初日を終えた。
小浅間山 1,655m 長野県軽井沢町
2023年11月20日登山:W辺と2人
 
 夜明けに目が覚めると碓井峠方面は晴れているのに浅間山が雲に隠れて見えない。テレビの天気予報を見ると午前中に雨が降るが昼から晴れるという。登山対象を小浅間山から群馬の山に変更することも考えたが下山後の星野温泉も魅惑なので、取り敢えず出発をゆっくりしようと決めた。
 
 朝7時から朝食を摂り8時にチェックアウトを済ませるが小雨が降りだしたので散歩で時間を潰すことにして、ホテルで傘を借りて小諸城の大手門などを見学して回る。9時にホテルに戻り登山口である峠の茶屋には10:10に到着し雲が厚い中で歩き始めた。
 少し登ると下山してくる単独行の女性と擦れ違い、彼女は誰も登山者がいなくて山頂は吹雪で辛かったという。それを聞きテンションが上がらずに登っていくと鞍部に着く頃に一気に晴れ間が広がり青空が見える。10:52に到着した山頂部は火山灰で覆われた丸い岡で、群馬県側の展望が開けて気持ちが良い。峠の駐車場から250mの標高差でこの満足度は素晴らしい。三角点はもう少し北側だろうと探しに出かけ、山頂を踏んでから西峰に向かう頃に再び雲に覆われて雪まで降り始めた。砂走りの足元はW辺には辛いようで下山は上りより時間が掛かる。待っていると身体も冷え込み、車も近いのでW辺のより先に戻り車内でナビの設定を終える頃に正午のサイレンが鳴ってW辺が車に戻ってきた。車載の温度計は2度を示しており冬山であった。
 
 峠を降りて料金は高いが星野温泉のトンボの湯で汗を流しテラスハウスを見学する。軽井沢の価値を更に上げるデザインセンスに感心しながら車に戻り、W辺のリクエストで旧軽井沢のケーキ店を回り、碓井バイパスで峠を下りて横川で遅めの昼食を摂る。道の駅みょうぎで買い物を済ませてから高速に乗ったが、松井田妙義〜外環草加までが1:49だった事に対し、草加から千葉NTまでが2時間以上も必要になるなど平日の東京近郊の渋滞が嫌になる。良く考えると江戸川を渡る渋滞を解消するための「三郷流山橋」の開通まで残り6日となった日であった。千葉NTのコストコで給油してコメダで料金の精算をしてからW辺を自宅に届け、そこからも高速を利用せずに帰宅したので家に帰り着いたのは21:55となってしまった。やらねばならぬことは山ほど有ったが12時を回る頃に耐えきれず寝てしまった。
熊伏山 1,653m 長野県飯田市
2024年05月04日登山:単独
 
 父の施設への入居、肺炎による入院、そして葬儀と日常生活が山に行ける状況でなかったが、四十九日法要を終えて一段落したGWの後半の天気が良いと気象士が言うので半年ぶりの登山を考えた。昨年の帳付山や一昨年の日留賀岳のようなハードコースでは運動不足の身体が保たないが、GW感のある遠征を考える中で日本三百名山の熊伏山を調べてみた。すると気になっていた青崩峠から登れると知り、山を選択したのは直前の話である。前日は昼から地元で竣工祝賀会に出席して飲むので早く寝られて良いかなと前向きに考えた。
 
 2:17に目覚め前夜の内に用意して置いた荷物を積み込んで出発する。時間が早いので道路も空いており新東名の浜松北ICを5:20に降りて二俣のコンビニで食事を購入する。前日の宴席のためか食欲が無く水分だけを取り続け青崩峠入口には6:45に到着した。他に車は無く今日の一番乗りのようである。気温は10度で寒くフリースを来て靴を履き替えて6:53より「塩の道」として整備している古道を歩き始めた。
 信玄の腰掛け石などの解説を読みながら青崩峠[1,082m]には7:07に到着する。お地蔵様などに歴史の長さを感じさせる良い峠であった。そこから急な登山道となり危険個所は少ないものの新緑の中で標高を一気に上げる。7:53に青崩の頭[1,379m]に到着したが急坂は続き、勾配が緩くなった場所にある倒木に腰を下ろし8:20から10分ほど小休止を入れ麦茶を飲む。前熊伏山[1,615m]からは小さなアップダウンを繰り返し山頂には8:57に到着した。東南側の展望は開けているが途中でも木立の中で見えていた南アルプスの池口岳や光岳が見えづらいと言う残念な山頂だった。山頂周辺で風景の撮影ポイントを探したが見つからずセルフタイマーで自分の写真を撮って早々に帰路に付く。
 風景の良い場所を探しながら下山しているとやっと最初の登山者と擦れ違い、登りで休んだ場所でコンビニで買ってきた朝食を摂る。標高を大きく下げるが青崩の頭が最も展望が良く、そこから急坂を慎重に降りる途中で2人の登山者と擦れ違い10:42に峠に着く。峠の周辺には単なる観光客もいて、乱雑に駐車された登山口には10:45に到着し仮設トイレで用を足してスッキリとして歩行時間4時間で車に戻った。
 
 三遠南信自動車道の一部として完成している9%勾配という高規格道路とは思えない急勾配の道を走って兵越峠の綱引き場所を観てから浜松に戻り、浜北温泉あらたまの湯に入浴し、浜松のコストコで車に給油し、街中で入手困難な國香酒造に立ち寄って酒を購入し、遠州一宮である小国神社に参拝して門前の「ことまち横丁」で土産を買ってから森掛川ICで新東名に乗る。あとは帰るだけだと安堵していたら都夫良野トンネルで激しい事故渋滞が発生という情報が入る。清水JCTを過ぎてから浜石岳で富士山と夜景を眺めながら渋滞の解消を待てば良かったと思いついたが後の祭りである。沼津で降りて渋滞する箱根新道を越えて国道1号線を走り横浜新道やアクアラインを使って23時になる前になんとか帰宅した。ともかく長い一日となってしまった。
日の出山 902m 東京都日の出町
2024年05月24日登山:S井・W辺と3人
 
 昨年末に体調を崩したS井とリハビリ登山に行こうという話が父の葬儀などで延期になり、どうせならW辺も誘って行こうと決めた公共交通利用の療養登山である。なぜ療養なのかは以下に記載する。ともあれ青梅線御獄駅8:57現地集合として各自勝手に向かうこととした。
 
 私は朝2時に起床して事務所で仕事を片付けてから巌根駅に行き内房線の始発列車に乗る。西船橋で東京メトロ東西線に乗換、高田馬場で西武新宿線に乗換、拝島からJR青梅線に乗り8:57に御獄駅に着くとS井も同じ電車から降りてきた。S井は京成で千葉に出て立川まで特急あずさを使用したようだ。武蔵野線を利用して1本早い電車で来ていたW辺と駅前で合いバスに乗りケーブルカーを経由して御獄山駅に降り立って登山を開始する。ここから日の出山山頂までの標高差はわずか82mに過ぎず登りが少ないというのが療養ポイント@である。
 9:27より武蔵御獄神社の表参道を歩き始め、せっかくだから神社に立ち寄り本殿で参拝する。ここは日の出山山頂より27mも標高が高く本日の最高点である。門前町に戻り10:02より関東ふれあいの道で日の出山を目指す。道の整備が良くて歩きやすく細かなピークを巻いてくれるのが療養ポイントAである。杉林の中で日射しに焼かれることもなく歩き続け、山頂が近くなると階段の坂道になるが難所もなく東雲山荘につく。ツツジの花も綺麗に咲き、展望が開けた山頂には10:46に到着した。風は弱く気温が上昇しているので遠望は効かず丹沢が霞んで見える程度であった。ここは冬に登る山だなと思いながら記念写真を撮影して10分ほど山頂を楽しんでから下山に取りかかる。
 足首の感覚が戻っていないW辺に合わせて標高差約430mをゆっくりと下山して11:59にハイキングコース入口に付く。そこから車道を1.2kmほど歩き「つるつる温泉」には12:17に到着した。ここまでバスが入っているので温泉で湯治して打ち上げを実施できることが療養ポイントBである。つまりここで2:50の行程の療養登山は終了となった。
 
 960円の入館料を払ってph9.6のアルカリ性温泉に浸かり、湯上がりは展望食堂で生ビールと食事をゆっくりと楽しんだ。私も角ハイボールを何杯も飲みながらお互いの近況のことや体調のことを語り続け、最後に名物の赤いうどんをいただいてから14:43のバスで五日市駅に向かった。つまり温泉には歩行時間に近い2:26も居たことになる。
 五日市線で拝島に出て快速電車で東京に向かう。車内では往路で読んでいた『熱帯』(森見登美彦)をリュックから出すが、寝不足に酔いと満腹感が重なり車内で気持ちよく船を漕ぐ。当初計画では八重洲界隈で飲み会をするつもりだったが温泉でゆっくり打ち上げをしたから飲み会はまた今度という事になってS井は総武線快速で帰路に着いた。W辺はヤンマービルにある酒アイスを食べたいというので付き合って向かうと「いしかわテラス」という石川県のアンテナショップに着いたので復興支援に日本酒を購入し、その後に発見した店でアイスを食べて解散した。私はバスターミナルの立ち食い寿司を少し摘んでから18時のアクアラインバスで帰宅し、14時間の旅を終えた。
備前楯山 1,272m 栃木県日光市
2024年07月08日登山:単独
 
 翌月8日に鹿沼市に出張があり帰路は東武特急の指定席を利用する計画としていたが、指定席は窓口に引換に行かねばならないようですと事務担当者から言われる。つまり東武沿線に登山に行かねばならないのかと考え、登山口の標高が高い備前楯山を選択した。
 
 朝4時に起床して東北道を館林まで走り大間々で朝食を食べ7時に赤城駅に立ち寄ると発券は9時からだと言われ、登山を先に行う。曇り空の中で舟石峠まで上がると車の気温計は23℃まで低下した。広い駐車場には車はなく今回も誰にも会わない登山になりそうである。
 8:20より歩き始め涼しい風を受けながら1.5kmの道のりで約240mの標高差を登ると40分で山頂に到着した。展望は開け男体山や皇海山も望めるが1年前の同時期に登った中倉山が谷の向こうに聳え孤独のブナも見られる。15分ほど山頂で展望を楽しんでから帰路につき9:50に下山した。休憩を含め往復1:30のハイキングは終わった。
 
 帰路で小滝鉱跡の鉄橋を見学すると備前楯山の真下に坑道が張り巡らされ足尾にも抜けていることに驚く。新桐生駅で切符を発券してもらい、3年間住みながら行ったことの無かった桐生のソースカツ丼の名店で昼食を摂り、広沢の温泉で汗を流してから館林で飲んでいない日本酒を求め、帰宅後は18時半からの飲み会に顔を出し22時まで友人達と杯を酌み交わした。切符を買うために登山するとは意味が解らないと言われたがその様な事も含めて充実した一日であった。
No95 .2023/11-2024/7    ←No94No96→
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