岩手山 2,038m 岩手県滝沢村
2001年9月1日登山:単独

 激動の9月最初の登山である。仕事を終えたままで高速を北上し、馬返し登山口に午前2時に到着してジャージに着替えて仮眠する。
 翌朝5時半から登山を開始する。山頂まで1,400mの標高差が有るのでペースを押さえながら坦々と登っていく。3時間近く登ったところで平場に出て八合目避難小屋に着く。鬼ヶ城や地獄谷方面の入山禁止はまだ続いており縦走は出来ない事を知らす看板が立っている。
 最後の急登を終えてお鉢に出て時計回りに山頂に到着する。山頂で展望を楽しんでいると「天気良すぎでないかい」とK藤からメールが届く。関東から北海道への荷物を積んで足元の東北道を走り抜けているようだ。標高差1,700mのすれ違いである。月末に遊びに行く旨を返信のメールに入れる。
 下山は3時間で降り、午後1時半頃車に帰り着く。松川温泉の露天風呂でのんびりして今夜の宿である花巻ならの里YHに向かう。
早池峰 1,917m 岩手県遠野市
2001年9月2日登山:単独

 花巻から標高1,250mの小田越まで自転車で登ってから靴を履き替えての登山である。普通なら登山口について気合いを入れるのだが既に気力も尽きそうで、登り始める前に足がつりそうな状況というのは厳しい。
 荷物をカメラと水筒だけに絞って、それ以外は自転車に残して短パンで登山を行う。小田越に人は少ない。登山道は直ぐに森林を抜け岩場の道となる。薄曇りだから良かったが日差しが厳しいと辛そうなルートである。疲れているとはいえ1時間半で山頂に到着する。
 登山は駐車場のある河原坊から登るのが一般的なルートのようで、山頂に到着すると大勢の人が居る。学校での登山も行っているようで子供が目立つ。山頂で足をマッサージしながら展望を楽しみ、乾杯の麦酒も無いまま約20分後に下山を始める。
 下山は1時間で降りてしまう。マイカー登山ならこれで終わりだが、これから太平洋まで自転車で下って行かねばならないのである。詳細は岩手編を参照のこと。
阿寒岳 1,499m 北海道足寄町
2001年9月19日登山:単独

 早池峰での反省もあり登山口で泊まっているので朝から快調に登り始められる。北海道の森林の中で1人で登るのは熊が気になってしまう。木立の中で音がするとザックを揺すって鈴の音を大きくしてみたりする。
 急坂を登り詰め火口淵に出ると風景は一変し、急に火山の荒々しい景色の向こうに阿寒富士が聳え、正面には雄阿寒と阿寒湖が望まれる素晴らしい展望が手に入る。YHで作ってもらった弁当を広げ、午前8時に贅沢な景色の中で最高の朝食を頂く。
 その内に山頂に人が着き始める。明らかにライダースーツの人やハイキングの人など装備は色々であるが、みんなこの風景を見て喜びの声を上げる。私も前に来た北海編でここを通り過ぎていた事が残念になっていた。
 下山は雌阿寒温泉(野中温泉)だがこの後も汗を流す自転車の旅が続くため温泉に入らず靴を履き替え走り始める。これから阿寒湖を越えて釧路湿原まで自転車で走って行くのであるが詳細は北覇編を参照のこと。
羅臼岳 1,661m 北海道斜里町
2001年9月21日登山:単独

 岩尾別YHから岩尾別温泉まで自転車で走り、そこから登山開始である。YHが海岸に有るので実標高差は山の標高とほぼ一緒である。
 朝は若干曇っていたが山に入ると晴れ始める。羅臼岳が遠くに見え、あそこまで行くのかと若干憂鬱になりながら登山を続ける。最初の内は森林を歩くがだんだん展望が開けてくる。途中の弥三吉水や銀冷水は充分な量が出ていて美味い。しかしこれは生で飲んでもエキノコックスには感染しないのか心配になる。
 登り始めて3時間で羅臼平に出る。突然に目の下に国後島が広がる。直ぐそこにある島に簡単には行けない現状を悲しく思う。
 最後の急坂を上り詰め山頂に到着する。風が流石に冷たい。硫黄岳に繋がる知床の山々への縦走路が気持ちよさそうで手招きしているように見えてしまう。北へ目を転じると知床5湖が青く美しい。1時間弱居た名残惜しい山頂を後に下山をする。登山口に着く手前で雨になり岩尾別の露天風呂に入るのは止め、雨宿りに内湯に浸かるのであった。以下は北覇編を参照のこと。 
斜里岳 1,545m 北海道清里町
2001年9月22日登山:単独(東京の夫婦の同行有り)

 清岳荘まで東京から来た夫婦に送ってもらう。既に駐車場の車は20台以上有る。夫婦はのんびり行くからお先に、と言われ単独登行とする。登山口の黒板には1200m以上で雪になったと書いてある。山にはガスが掛かって見えないが昨日の冷たい雨を考えると理解できる。軽アイゼンなんて持ってきてないが大丈夫だろうかと心配になりながら登山開始
 沢ルートを登っていくと紅葉に雪が混じり始め、その内すっかり雪山の風景になる。標高はまだ900m位であるので山頂周辺の雪がかなり不安である。標高が高くなるとともに天気も回復し始める。展望も開け遠く見える屈斜路湖が見え始める。周辺の峰は全て冬山の雰囲気を醸し出している。
 雪を踏みしめ山頂に到着。同時に登った人が気温4度と教えてくれる。山頂麦酒が冷たすぎて進まない。山頂のガスだけが退けず展望を得ることが出来ないし寒すぎて山頂で天気の回復を待つことが出来ない。
 風のない鞍部で少し待つが展望が回復しそうもないので下山を開始する。すると登山口まで乗せてきていただいた夫婦と一緒になる。長く待っていたので追いつかれたようだ。下山は尾根沿いのコースを選ぶ。下りで滑りそうになるのをこらえるのが辛い。夫婦の内、奥さんの方は何度も転倒するが気にせず下山を続ける。タフな人である。慎重に下ったので速度は夫婦と殆ど変わらずに駐車場まで着き、帰路も自転車を置いてある緑風荘まで乗せていってもらう。途中で振り向けば山頂の雲も取れて青空に綺麗な姿を見せている。自転車で行く北海道の山が今日で終わるのに相応しい景色である。
 緑風荘に着いたら登山靴や厚手の靴下などを土産と一緒に宅急便で送り、完全に自転車の装備に戻って自転車の旅を続けることになる。詳細は、北覇編を参照して頂きたい。
No33 .2001/9 激動の9月  ←No32No34→
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