甘利山・千頭星山 2,139m 山梨県韮崎市
2010年06月10日登山:単独

 
 梅雨入り前の晴天が広がることを天気予報が伝えていた。仕事は先方の返事待ちで夕方まで空いている。半日で帰宅できる山の中からレンゲツツジが有名な甘利山と、その奥にたたずむ山梨100名山でもある千頭星山までピストンする企画を考え午前5時に家を出た。
 
 標高1640mの駐車場には8:05に到着し、着替えて準備をして8:15に出発する。登山口のホワイトボードには「レンゲツツジの見頃は20日頃です」と書いてある通り蕾の中を山頂まで歩くと、甘利山[1731m]には17分で到着する。遠望は効かないが青空が広がる快適な山頂である。甘利山は前から気になっていた山であるが、山頂直下まで車で来れるため、かえって登山対象にしなかったが、千頭星山までの往復の途中に位置づければそれなりに汗も流す山になると思って来たので、甘利山山頂に満足することなく先に進む。
 ズミやミツバツツジの花が咲く道を進み、縦走路から少し離れ奥甘利山[1843m]には8:56に到着する。展望はない。そこより御所山分岐までは樹林の中を進むが、分岐を過ぎると笹原の明るい稜線に出て、鳳凰三山が木立越しに美しく見えてくる。ただ展望が開けている八ヶ岳、富士山、韮崎市街方向は水蒸気のためクッキリ見ることが出来ない。寒い時期に来ても楽しかろうと思いながら歩き、千頭星山[2139m]には9:48に到着する。林の中で展望が利かないので写真を撮って水を飲んだら10分も滞在せず、直ぐに復路に取りかかる。
 帰路は快適に下山を続け、駐車場の近くまで戻ったところで、右手側に有る東屋に寄ると三角点[1632m]の周辺では赤や白の花々が咲き誇っているし、カメラマンも大勢いる。11:12分に帰り着いた駐車場は登山開始時点で5台しか居なかった車が20台を越え、マイクロバスまで到着して結構な賑わいである。この快適さでは平日でも人が多いだろうと思いつつもさっさと帰路に就く。
 麓に有る白山温泉で汗を流して服を着替え、渋滞の無い高速道路を走って午後3時前に帰宅したら待望のメールが届いていたので、仕事に取りかかった。
小川山 2,418m 長野県川上村
2010年07月19日登山:単独

 
 梅雨開けした海の日は快晴が予定されていた。3連休であるが最終日しか空いていないため日帰りで行ける山の中から登山口の標高が1500mと涼しく日差しを避ける森林の山を考えたところ、瑞牆山から見上げた小川山が選ばれ、いつものように早朝にアクアラインを渡って登山に向かった。
 
 快晴の元、八ヶ岳などの展望を楽しみながら午前7時過ぎに到着した金峰山荘周辺は大量のキャンパーと車両で溢れており、連休であることを実感させられる。荷物を片づけ便所を使用し、登山口には7:40にとりついた。
 寝不足のためか最初の急坂はかなり息が切れペースが上がらない。それでも気温は爽やかで気分は高揚してくる。カモシカコースとの合流点の少し上に有る展望台には8:37に到着し、石の上で最初の休息をとる。空気は澄んで展望がよい。周辺には多くの岩場があり、ロッククライマーも沢山入山しているようだ。
 展望台を過ぎると勾配も緩くなり、時々コースに迷いそうに成りながらも唐松と石楠花の林の中で高度を稼いでいく。石楠花の季節は終わっているが、まだ所々に花が残っており目を楽しませてくれる。谷越しには金峰山の存在が際立っている。坦々と登って10:17に山頂に到着する。南アルプス側だけ展望が有る山頂でセルフ写真を撮り、飛び交う蠅のため10分で下山を開始する。
 下山は瑞牆山を見るため県境尾根を八丁平に向けて進む。多くは森林の中で日差しを避けられるが、時々の岩場で大きな展望が味わえるのが魅力である。
 富士見平分岐には11:57に到着し、コンビニで買ってきた昼食を木陰で取る。麓には沢山の人が居ながら登山開始後は誰とも会わない静寂の山である。のんびり休みを取り12:25に西俣沢に向けて降下を開始する。
 途中の沢で痛いほど冷たい水を沢山飲み、林道に出てからはタオルで日除けをしながら車には13:25に帰り着いた。金峰山荘の駐車料金300円を支払い、川上村の福祉施設の湯に500円で浸かり、長坂ICには3時前に着いたが既に遅く、連休最終日の大渋滞に捕まってしまい自宅に着いたのは夜9時になってしまった。
毛勝山 2,414m 富山県魚津市
2010年08月08日登山:単独

 
 先月登った小川山より標高は4m低いが、登山口の高さは870mも低い713mだから1700m以上の高低差を往復する毛勝山である。さらに途中に水場が無いという厳しい条件なので涼しい時期が望ましいが、初夏は残雪が心配、秋は日没が早いので真夏の登山を余儀なくされる。そのため個人的に先送りしてきたが日本2百名山の残りも減ってしまい、覚悟を決めて挑戦した。
 6日の金曜日の夜10時を回って出発し横浜町田ICより東名を西へ進むが断続的に渋滞が発生して深夜の高速道路も順調に行かない。この夜は渋滞に飽きて三方原PAで仮眠を取る。
 7日は朝5時に起床し米原経由で金沢西まで行き、湯涌温泉総湯につかり金沢カレーを食べる。午前中からかなり暑い。明日の給水は大きな課題である。県境を越えて富山ブラックを食べ富岩運河公園等を見学してから登山口の確認に向かう。魚津の街中では晴れていたが未舗装路を走り上がると夕立の中だった。登山口手前の道路分岐にはチェーンが張ってありそれ以上奥まで車では入れない。また、片貝山荘の水場や便所が貧弱だったので15分戻ったところにあるキャンプ場の管理人にお願いし駐車場で車中泊をさせていただいた。
 
 8日は朝4時に起床し前日にコンビニで買ったざるそばを食べ登山口に向かう。出発準備中の1台と山荘利用の2台が停まっていたが、出発は私が最初のようだ。4:43に歩き始め、薄暗い中でも迷わずに登山口を見つけ、急坂を登り始める。今回は行程が長いため、50分歩いて10分休む事を徹底した。また休憩毎に500ccは水を飲めるよう5.2リットルの水分を持つがビールは喉が渇くからと持ち上げないなど、体調管理第一主義である。コースには数多くロープが張られており難しいところはないが、所々藪の濃い場所があった。
 天候は曇りで太陽に焼かれないのは良いが、展望が無く気分が盛り上がらない。それでも標高1900mを越える頃から池塘や高山植物が増えてきて楽しくなる。そうは言っても既に1200m以上登っているので速度は段々落ちてくる。4回目の休みを取っていると単独行の人に追いつかれる。4:45に歩き始めたと言うから殆ど同じ速度である。またその頃から少し空が明るくなって後立山連峰も見えてくる。山頂直下の急坂には息が上がったが10:45に山頂に到着する。往路だけで6時間を超えてしまったし水も2.5リットル飲んでいる。想像通りのハードな山である。南に立山の室堂の一部らしいところは見えるが剣岳には雲がかかり食事をしながら32分間山頂で待っていても見られなかった。
 単独行の人の下山を見送り、自分も11:17より下山を開始する。10分も下ったところで4人組のパーティとすれ違う。山荘に泊まり5時前に出たと言うことだが、疲労が明らかであった。こちらも膝に力が入らず何回も滑って転倒する。95kgを越えてしまった体重が足腰への負担となっており、厳しい山に臨むのなら減量が必要だなと自問しながら下山を続ける。弱った足には登りで過剰と思えたロープが下りで大変重宝することになった。
 下山路は途中からガスに入り展望が無く黙々と下るが高度計の数値が減らない。当初は往復10時間で下山できると見ていたので午後3時まで天気が持てばよいと願っていたが、実際には3時は坂の途中だった。しかし待っていたように小雨が降り始めたので山の神様に後1時間待って下さいと祈ると不思議と雨は止んだ。最後はペースを上げ林道に出たのは15:28だった。水の残りは僅かになっていた。そこで砂防堰堤の下を流れる沢に降り水をくみ顔を洗っているとアブがまとわりついてくる。車には15:39に帰り着いたがアブが離れず服の上からも刺してくるので着替えもまま成らず、靴だけ履き替えると逃げるように車を発進させた。舗装道路に出たところで服を着替え、宇奈月温泉会館で汗を流してさっぱりとして黒部ICへ向かうと背後に大きな虹が出ていた。山は雨のようである。北陸道から渋滞する上信越道に入り、途中のパーキングで疲れて仮眠を取る。早朝から運転を再開し、帰宅したのは9日の午前11時過ぎだった。既に筋肉痛が始まり階段の上り下りの出来ない身体になっていた。
南木曾岳 1,677m 長野県南木曽町
2010年09月04日登山:単独

 
 夏が過ぎても高気圧が元気で晴天が続いている。暑気払い登山と温泉が頭を巡ってくる。山梨や群馬ではなく信州まで遠出をしたくなってきた。この週末にやるべき仕事も多かったが日曜日に頑張れば何とかなるさと思い、例により金曜の夜に自宅を出発し中央道を西に向かい座光寺PAで車中泊をした。
 
 4日は6時に起床し、清内路峠を越えて南木曾岳登山口には7時少し前に到着する。直ぐに準備を整え7時ちょうどに登山を開始する。朝だというのに気温が高く汗が流れる。太平洋高気圧を憎らしく思いながら標高を稼ぐ。コースは良く整備されており、中には丁寧に作った木製階段も出てくる。整備している地元に感謝せねばと思い、登山口にあった募金箱に寄付することを心に決める。
 予想より早く山頂には8:42に到着する。ここまでは恵那山方面の展望があっただけで山頂も林の中である。少し先に進んだ展望台に行き岩の上に上がると御嶽や乗鞍岳の展望がすこぶる良い。快晴を太平洋高気圧に感謝して小休止を入れる。しかし、さらに展望が良くなるのは下山路を少し進んで出てくる避難小屋の近くであった。正面に見える中央アルプスの迫力は、この南木曾岳が多くの人に愛される理由として理解できた。
 展望をしばらく楽しんだ後、急勾配で一方通行の下山路を順調に降り、横断する沢で頭から水を浴びて身体を冷やし、募金箱に500円玉を入れ、車には10:38に帰り着いた。予想より早い下山であった。着替えもせず次の目的の温泉を目指し走り始める。車で清内路峠を越えるときに南木曾岳が見えていることに気がつき車を停め写真を撮った。山の姿は普通であり、山頂の爽快感は下からは解らない物だなと思った。
 
 今回、南木曾岳を登ろうと思ったのは、信州南部の平谷村にある平谷温泉『ひまわりの湯』の評判が良かったのと、さらにその南に有る愛知県最高峰にも登りたかったことなど、21年ぶりに奥三河方面の旅をしてみたかったからである。従って、午前中に下山しても長いドライブが続くのだった。ただ昔と比べ道路事情が圧倒的に良くなっている事を実感したし、日帰り温泉施設の充実も有り難いものだと思っていた。以下茶臼山に続く。
茶臼山 1,415m 長野県根羽村
2010年09月04日登山:単独

 
 この山は愛知県最高峰であるが、車道から最も少ない標高差のコースは僅か110m程度の軽い山である。この山のためだけにはるばる来る所ではないが、上記の南木曾岳から下山し、帰り道のついでに登山した。平谷温泉に入った後なので短パンとサンダルというラフな格好だが、13:24に登り始め13:36に山頂に到着。展望台の上で高原の風景を眺めながら汗を乾かし少し休憩。慌ただしく下山して13:56には車に帰った。10km移動して兎鹿嶋温泉で汗を流し、浜松西ICから東名高速に乗る。この日の内に帰宅することも可能であったがB級グルメの世界に魅せられ寄り道を決めた。清水の駅前ホテルに泊まり、静岡まで電車で移動、おでんをつまみにビールを飲み、清水に帰ったらもつカレーをつまみに酒を飲んだ。仕事に取り組んだのは翌日の昼だった。
No62 .2010/06-2010/09    ←No61No63→
日本を走る