浅草岳 1,485m [1,587m] 新潟県魚沼市 2013年04月28日登山:単独 雪が多い冬が明け、GWでもスキー登山が楽しめそうな状況である。前から気になっていた浅草岳を連休の前半に登ろうと考え天気予報を見ると27日に低気圧が通過して28日は晴れるようだ。27日の午前中に仕事を切り上げ、その段階で予約を入れた大白川の旅館喜楽荘へ向かう。宿に近づくと周辺には山のような雪。宿には大原スキー場で連日滑っている人まで居る。雪が多すぎるかな、と心配になりながら寝ていると夜中に雷雨が通過して行った。 28日は朝6時から朝食を食べ、標高500m弱の登山口に向かうと途中の破間川ダムには雪の固まりが浮かんでいるし、ホテル大自然館の入口から先は通行止めに成っていた。駐車場に入るとこれから登ろうとする2組の人達が居た。私も荷物を準備して7:11より歩き始める。 少し先で車道から入る場所には2m以上の雪の壁に階段が刻まれ、その手前に数張りのテントが並んでいた。山頂まで標高差千メートル以上も板で上がれるのかと、嬉しいような不安な気持ちを持ったまま先行する2組を黙々と追いかける。 天気予報は新潟市が9時から晴れると伝えて居たが、進めども曇りの中で、時折小雪が混じる。谷間から稜線に登り、夏道と重なる頃には風が強くなり、周辺には樹氷が発達している。昨夜の雷雨はここから上では雪だったのだな、と思いつつ新雪の中で標高を稼いでいくのだが山頂が遠い。10時を回った頃に一人の登山者が滑り降りてきて前峰はホワイトアウトで撤退してきたという。雪庇も有るので視界がないのは危険である。 少し先で夏道をピッケルとアイゼンで登ってきたという単独行の叔父さんと一緒になる。夏なら何て事無い山なんだがなぁ、という言葉に深く同意し、さて何処で引き返そうかと考えている内に灌木の中の急坂が訪れ、登った先が1485mの三角点であった。そこから僅かに下りになると思われるが、先は霧で見えない。 そこで休憩を取っていた先行者も引き返す準備をしていた。時計は間もなく11時になるが晴れる気配が無い。待っていると、時折先が見えるが、それは危険な雪庇の存在を印象づけるだけの晴れ間であった。回復を待ち、11:30まで単独行の登山者と待機するが、残る標高差100mに過ぎない山頂が見えて来なく、仕方なく記念写真を撮り、シールを外して滑走モードに入る。『山頂を踏まずに撤退か』と思いつつ、そろそろ種別の記録整理をせねばと一覧を帰宅後に作ってみたら浅草岳は8番目の撤退だった。 滑り降りていく内に「晴天」の領域に入り、向かいの守門山が綺麗に見え始める。天候は嬉しいが滑りがぎこちなくもどかしい。腰を下ろして休憩することなく登った影響か、足腰に疲労が溜まり、簡単な斜面で転倒を繰り返し、車道に降りたのは12:47だった。簡単な登り返しが有ったとはいえ、標高差約980mの滑降に1時間もかけてしまった。 靴を脱ぎ、のんびりとくつろぐ周辺の人達に別れを告げ、翌日以降の被災地訪問のため北上を開始することに成るのであるが、これ以降は「連休三陸ドライブ」を参照していただきたい。 |
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雁ヶ腹摺山 1,874m 山梨県大月市 2013年05月31日登山:S井と2人 連休も空けた頃、S井と登山の日程を調整し、月末の金曜日に休暇を取得して群馬の御荷鉾山や赤久縄山を登ろうという話になっていた。しかし、日程が近づくと月末中に片づけなければならない仕事や土曜日早朝の用事などが入り、お手軽な中央道沿線の山にしようという話になり、前から気になっていた、この山に登ることにした。梅雨入りしてしまったが、幸い高気圧が覆って晴れるという天気予報である。 朝5時半に我が家に来たS井を乗せ私の車で出発。中央道を大月ICで降り、登山口の大峠を目指すが雲が厚い。標高1560mとなる峠の駐車場に着くと下山して来た人が居る。御来光を狙っていたが富士山は見えなかったという話を聞いて、準備を済ませて8:13より登山を始める。空の水筒に心配していたが、歩いて直ぐに水場が現れて安心し、沢水を満たして急登のない、新緑の道を頂上に進んでいく。 神奈備石という、石垣のような不思議な石を見て、草原を過ぎると木立の中の山頂に着く。山頂は雲の中で、まだ8:56だからゆっくり待とうと、9時半過ぎまで粘るが富士の姿は拝めなかった。諦めてツツジの花を撮影しながら下山し、駐車場には10:24に帰り着いた。S井と500円札の風景を見るため、文化の日に登り直そうと誓い合いながら、往復2時間程度の簡単な山を終えた。 せっかくだからと都留市でリニアモーターカー資料館に立ち寄り、昼飯にうどんを食べていると近所で発砲事件が発生しているというニュースが流れていた。富士山が見え始める中で早々に帰宅し、夕方から机に向かい仕事を行った。 |
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八間山 1,935m 群馬県中之条町 2013年06月28日登山:単独 梅雨の最中なのに27日は爽やかに乾いた風が吹き、山へ行けと誘いかけてくる。金曜日の用事は前倒しで片付けられそうだからと夜まで仕事を行い、車に布団を積んで夜10時過ぎに自宅を出て、3ヶ月連続の月末登山のため関越道を北上してしまった。 駒寄PAで仮眠から目覚めると雲が厚い。天気予報でも曇り時々晴れなので想定の範囲と、荷台の布団から運転席に戻り午前4時半から走行を開始する。目的地は遠くが見えなくても足元の湖と高山植物で満喫できそうな野反湖周辺の山である。往復で八場ダムの工事現場を見ることも目的である。渋川のすき家で卵かけご飯を食べて上流に向かって進んでいくと3年半前の岩櫃山の時には工事中だった国道145線のバイパスや不動大橋も完成されており道の駅も出来ていた。高い橋の上から水没前の谷底を見てから登山口に向かい、野反峠に車を停める。空には青空が広がり始め7:19より歩き始めた。 最初に湖が順光になる八間山へ向かう。峠の標高が1561mも有るので空気も冷たく爽やかであるが、夏至の直後の日差しは強い。対策として珍しく帽子を被って登っているが刺すような日差しであった。登るほどに雲を抜け、雲海の向こうに志賀の山々も見え始める。展望を楽しみに到着したのは8:24であったが下から見えた笹原では無く、樹木で湖側が見えず、視界が開けている東南方面は一面の雲になっていた。雲の上がりが早そうだと思い、次の展望を得るためにダムサイトに向かって直ぐに下り始める。 樹木が切れて展望が開けるような場所も無いまま下っていくと、早くも雲が立ち込め始める。午前中にもう一度は晴れ間が来ると期待してダムサイトを渡り、キャンプ場で小休止をとった後、エビ山に向かって登り返す。湖と山頂の標高差は220mに過ぎないのだが、途中から雲の中に入り足元の湖すら見ることが出来なくなる。 エビ山[1744m]の頂には10:47に到着したが雲の中で視界が利かないだけでなく、山頂の碑も無く人も居ない。考えてみると朝から他の登山者を一人も見ていない。気分は盛り上がらないが、仕方ないのでセルフで自分の写真を撮り、直ぐに下山を始める。 エビ山から降りたところの平場で高山植物の写真を撮り、弁天山を過ぎるて富士見峠へ向かう。たしか車は野反峠に停めたはずだと思うが、案内板では別の名称になっており解りにくい。峠の小屋が見えてきたところで、この日最初の登山者とすれ違う。結局ニッコウキスゲは峠の周辺しか咲いてなく、駐車場の周辺が最も綺麗だったのか、と思いながら11:56に駐車場に帰り着き、ぐんま百名山を2峰縦走する登山が終了した。 六合の道の駅にある応徳温泉で汗を流し、工事中の長野原駅を過ぎてダムの下に沈んでしまう旧道を走らせると、家々が無くなる寂しい風景が広がる。だいぶ変わってしまったなぁと過ぎし日を思い出しながら川原湯温泉駅に車を止め、はるか上空で行われている橋梁工事を見上げて帰路に着いた。 |
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笠取山 1,953m 山梨県塩山市 2013年08月08日登山:単独 夏にはアルプスの稜線に上がりたいと思っていたが、日程の確保が難しいことと、先月上旬に日常生活で足首を痛めていたことで深い山は難しいと別案を探していたところ、登山口の標高も高く水が豊富な山としてこの山を発見した。日帰り可能なのだが気温が高くなると天気予報が伝えるので、5年ぶりに民宿みはらを予約し、パソコンを持ち込んで前日の夕方は避暑地の仕事を楽しんだ。夕方のニュースでこの日の甲府市の気温が全国で最も高い38.5度である事を知った。 翌朝は6時から朝食を取り、登山口の作場平口に着くと既に3台の車が停まっている。平日なのに人気が高い山だなと思いながら準備を済ませ、トイレで用を足し、気温16度の中で6:56より歩き始める。 笠取山は山梨と埼玉の県境に有る山なのだが、山梨県側の殆どは東京都水道局が水源の山として管理している。そのため話には聞いていたが道標・ベンチ・道幅と万事に整備が良く、その上、解説看板が数多く設置され、小学生の環境学習には最適の場所だと考えながらヤブ沢峠へと進む。特に急な坂もないまま稜線に出ると林道が現れた。笠取小屋には車が入るのか、と思いながら平坦な道を進むと小屋の前には綺麗なバイオトイレも出来ていた。近くの解説看板を読めば、この小屋は元々焼き畑で荒れた山に植林をしていた作業基地であったという事なので、車が入れることも納得させられる。 車は小屋までだが、良い道は続き、小さな切り通しを抜けると明るい稜線に出る。雁逆分岐の少し先にある小さな丘が富士川・荒川・多摩川の分水嶺でモニュメントも設けられていた。整備された道は多摩川の水源に向かい、道はやっと登山道らしくなって山頂へ真っ直ぐ向かう急坂を迎える。県境に沿って森林が伐採されているのは山火事での延焼防止のためかな、と考えながら進み山頂には8:57に到着した。先程まで晴れていた山に雲がかかり、本来で有れば富士山も見える山頂からの遠望が効かない。そんな中で大休止を取り、爽やかな風を浴び続ける。登山口に車があったのにここまで誰にも会っていない。 汗も引いたので三角点のある東山頂に向かうと更に道は狭くなり道も岩場になる。岩の上では左足首が痛い。山頂の碑は今まで見てきた東京都水道局のものではなく環境省であった。整備状況の差が予算の差だなと思いながら更に東に進む。道はより悪くなり、水干への分岐からの急坂に足が痛いと思う間もなく水道局の範囲に入り道が再び快適になる。 水干は多摩川源流の雫が落ちる場所で、その少し下には最初の流れを見られる場所に道も付けられており、河口までの138kmを感じさせる良い場所であった。この深い森が人の手に成るものだと考えると、現在林業で生計が成り立たない山里は都市が支えるしか無いのだろうと錆び付いたケーブルの機械に思いながら下り続けると最初の登山者とすれ違った。これ以降3人とすれ違う、静かな山であった。 下山は笠取小屋から一休坂を下る。小屋の直下にある水場は豊富で綺麗で、この山は水筒無しでも良いところだなと思いながら水を飲み顔を洗う。こちらの道も快適で、特に急なところもなく、足の良いリハビリに成ったと思いながら登山口には11:23に帰り着いた。 熊注意の看板の前には自転車が置いてあり、登山よりここまでの道のりが厳しかったろうと、見知らぬ持ち主の苦労に敬意を払いながら、私は車で小菅温泉に寄ってゆっくり汗を流し、八王子ICを経て帰路に着いた。下山直後には23度であった気温も首都高に乗る頃には36度と成り、渋滞の中で聞いた緊急地震速報の誤報がより不快指数を増し、高原は良かったなと思うのであった。 |
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